Surf’s-Up -9ページ目

Surf’s-Up

音楽の話を中心に。時にノスタルジックに

昨日は酔った勢いで、とんでもないことを書いてしまいました。


反省したのでr、速攻削除しました。


いい歳していけない。






今日というか、昨日から遠い昔のことを考えていました。




小学生の頃、自分の家にはろくなオーディオ機器がありませんでした。




モノラルのラジカセ一台。




親が音楽に関心がなかったので、レコードもありませんでした。




だから、お兄ちゃん、または音楽好きな親のいる友達の家に行ってレコードを聴くのが楽しみでした。




またはレコード店、貸しレコード店のBGM目当てで、店をうろついたり。




友達とそんなことばかりしていました。




中学の時は、授業を抜け出して、近所の小川に行き、




そこにある土管に隠れて、ラジカセを聴いていたこともありました。




両親が留守のガールフレンドの家に行ったときも、目当てはもちろんレコード。




「ダブルファンタジー」とか「シンクロニティー」とか割とベタだったけど、




すごく興奮しました(もちろん音楽に。本当です!)








と、そんな勢いでロックを聴き続けてきました。




今はそこまでのエネルギーはないけど、芯は全く変わっていない自信があります。






ただ、当時同じ勢いを持っていた友人たちは、どうしているんだろう?




同じ価値観を持った「戦友」は、今も音楽を聴いているだろうか。




賑やかな場所でかかり続ける音楽に、ずっと耳を傾けているのかなと。






「親友」と「戦友」、僕は使い分けていて




「親友」は価値観が違っても通じ合える友。違うからこそ尊重し合える関係。




「戦友」は同じ価値観を持ち、同じ事を同じ温度で楽しめる関係。




そんな風に考えています。




だから、音楽仲間は自分にとっては「戦友」なんです。




そして、巡り会うのが本当に難しい。奇跡でも起きないとって言うくらい。






一生の「親友」には巡り会いました。




でも、一生の「戦友」だと思っていた人は・・・そうではなかったのかなと




昨日はそんな疑心が生まれまして。それで落ち込んでいたのです。






でも、何があっても自分は変わらない。もう、何があっても。




「天沼メガネ節」を読みながら




「日常」を聴きながら




そう思う。





Fade/Yo La Tengo



¥1,458

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Yo La Tengo,3年半ぶりの新作。通算13作目となる。


今や説明不要の存在とも言える彼ら。USインディーの中で、何に流されることもなく自分たちにしか作れないものを実直に作り続ける、理想的なあり方を見つけたバンドだろう。


それ故に、今更劇的に音楽性が変わるってことはない。もう十分に自分たちの音楽を作る「畑」は興されているし、豊かな土もある。そういう絶対的なものをこのバンドは持っているし、だからこそ信頼できる。


プロデューサーはジョン・マッケンタイア。昔からの知り合いだったようだが、組んだのは初めて。彼のプロデュースした作品にある共通のトーン。それは音の整然さ。無駄なくバランスよく音が配置されているのだけど、このアルバムもまさに音が厳選され、サイケテイストやドリーミーな曲があっても、音像がファットにならない。見事にシェイプしており、そして不思議とオーガニックな風合いを感じさせるものになっている。


そして、彼らのどのアルバムにもだいたい入っている「ささくれだったエクスペリメンタル・ロック」を標榜するような長尺のナンバーは見当たらない。それ故に、彼らのアルバムの中ではかなり聞きやすい部類に入ると思う。


オープニング、ohmでは雄大なメロディーと迫力あるノイズギターがうまく溶け合い、幽玄的な空間を作り出すことに成功している。こんな感じでアグレッシブに行くのかと思ったら、2曲目is that enoughでは流麗なストリングスに優しげなヴォーカルを聴かせている。3曲目Well You BetterはSea And Cakeを思わせるような、ミニマルかつタイトなポップナンバー。


といった感じで、サウンド面の幅は割と大きい方だと思う。それでも、今作はやりたいことをやりつつも、どの曲にも静的なテンションを漲らせることで一本筋が通ったアルバムに仕上がっている。グランジみたいなPaddle Forward、ラストの壮大なBefore We Runがあっても、佇まいとしてはサイケ・フォーク色の濃いロック・アルバム、という肩書きがビシッとはまる。


個人的には終盤の流れが秀逸だと感じる。Cornelia And JaneからBefore We Runまで、息をのむような張り詰めた空気感から一気に解放されていく瞬間へとつながっていく。彼らの十八番の怒濤のノイズもサイケもここにはないけど、ドラマティックな音空間を見事に作り上げている。


まずは2013年のベストアルバム有力候補。間違いありません。



★★★★☆(25/02/13)





すとーりーず/ZAZEN BOYS



¥2,500

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ZAZEN BOYS、4年ぶりの新作。通算5作目。


「ポテトサラダ」がリリース前にHPにアップされたが、これがかなりの衝撃だった。


相変わらずの金属的ファンクネス・ナンバーではあるのだが、ここから発せられるアッパーなポップ感。日常のささやかな欲望を並べ立てた歌詞もなんだかストレート。重厚なグルーヴ感を追求してきたザゼンにしては、実にあっさりテイスト。


この奇妙なポップ感がこのアルバムの肝となっている。オープニングの「サイボーグのオバケ」も、変拍子にガシガシリフが刻まれていくんだけど、それ以上にヴォーカルが立っている。歌詞に人名が入っていると弱い僕には、たまらないナンバーで、おそらく「村田英雄」という名前を使ったロックはこの曲が最初で最後でしょうね。


また、東風みたいなイントロの「はあとぶれいく」なんて、80’sポップとニューウェーブの狭間にあるような浮遊感のあるナンバーに仕上がっている。「なーんか」「なーんで」とメロディーに歌詞を流暢に乗せようとしているところも新鮮。


後半になると、これまでのような変態的なグルーヴが少しずつ顔を出す。「サンドペーパーざらざら」のいびつでフリーキーなヴォーカルの方がやっぱり聴きなじみがある。そして、ラストナンバー「天狗」の暴力的なぶっといギターリフで個人的にはやっと昇天できた。


それでも、これまでの作品に比べると音数が少なくなった印象を受ける。構造的にシンプルになったというか、いい意味での「軽量化」を狙ったような感がある。音が減ってはいるけど、必要なものだけをしなやかに鳴らしている。


個性的なグルーヴを阿吽の呼吸で描く。聴き手としてはどうしてもそこに行きがちな意識が、今作ではがらりと変えられている。言葉がメロディーが、自然と染み渡っていく。向井秀徳のような希有な感覚を持つ人間が生み出すものが、自然と入ってくること自体驚きなのだけど、下世話にならないほどのポップ性を獲得したことでさらにおもしろい方向へと進化しそうである。


★★★★(24/02/13)



Jake Bugg/Mercury UK



¥1,922

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Jake Bugg,昨年リリースされたファーストアルバム。弱冠18歳。

ドン・マクリーンの「ヴィンセント」を聴いて、歌を書くことに目覚めたという 有名だけどこの時代に「ほんまかいな?」と思ってしまうエピソード。しかし、このファーストアルバムを聴けば、それもなんだかストンと落ちる。

ジャケットといい、初めて聴いた音源であるLightning Boltといい、どことなく硬派なシンガーソングライターを想起させるんだけど、実際に聴いてみるとだいぶ印象が変わった。

UKの路地裏ですっくと立っているような、男気あふれる「うた」を基軸にしているけれど、硬派と言うよりも、アレンジ面で幅の広さを感じさせる、バラエティーに富んだロック・アルバムという感じ。というか、スタイル的にはドン・マクリーンが活躍した70年代のフォーク・ロックなんだけど、明らかに現代のシーンの影響も感じるのだ。

たとえば4曲目Seen It AllなんかArctic Monkeysの存在無しに生まれただろうか?本人もアクモン好きだと公言しているが、ありがちなのは自分のバックボーンになったものを消化して個性へと転化していくパターン。しかし、ジェイクはそうせず、自分の音楽性を培ったものに対して、実にストレートなアプローチを見せている。

すごいと思うのが、それが「まんまパクリ」には見えないこと。サイモン&ガーファンクルだ、ディランだと意地悪な人ならいくらでも挙げてきそうだけど、そういう見方を蹴散らすだけの「王道感」が漂っている。

この時代に、こういう変化球無しのロックをやるっていうのは、まず単純に「ロックバカ」なのだ(ジェイク、これは褒め言葉です)。そして、「Xファクター出身のカスども」を敵とするには、まさに正反対のロックを自分自身の手で鳴らす必要があったんだと思う。その気概がこの「王道感」を生み出しているような気がする。そして、徹底的に「歌」にこだわったアルバムだと言えるだろう。自分のアイデンティティに忠実に向き合った結果、瑞々しい歌がぎっしり詰まったという感じだ。加えて、このキラキラな輝度の高いメロディー。基本的には共作しているようだが、力強さと儚さが表裏一体となった味わい深さがある。個人的ベストトラックは13曲目Someplace。

もう少しトーンを揃えたら、さらに強度の高いアルバムになったと思うのだけど、この歳でそう簡単には音楽性が固まらないか。僕は応援します!


★★★★(19/02/13)








先週、ずっと胃腸を壊していました。

胃が痛い、おなかがひどい、いろいろ大変だったんですが

何せきついのは、思ったように動けないことです。

昨日くらいからやっと「通常営業」になりました。

今日はビールがうまかった。


午前中はスノーボードに行ったんですが、

今シーズンは、心なしか昨年に比べてスキー場が混雑しているように見えます。


それでも自分が子供の頃は、必ずリフト乗り場は長蛇の列。

2人乗りリフトは、1人の時は相乗りが普通でした。

それに比べると、まだまだだけど、

今年は少し客が戻ってきたような気がするのです。


クロカンも最近は競技人口が増えてきたと新聞に書いてありました。

マラソンもそうだけど、健康に直結することがブームになりやすいんでしょうね。


または、日本人の価値観が変わってきたのかな。

物質的なことに価値を求めるのではなくて、

昔から変わらずにある自然こそが財産で、それを感じることが贅沢であること。

肉体的な達成感のすばらしさを味わいたいと思うこと。


自分自身、数年前だったらそんなこと全く考えなかった。

スキー場から車で10分のところに住んでいるのに、ほとんど行かなかった。

それがなぜ、今のようになったか。


それは入院したことがきっかけでした。

2週間入院して、体力が落ちて、一日まともに立っていられなくなった時

気がつけば走っていました。

シーズン券を買って、雪と戯れるように滑りました。


驚くような変わりぶりだけど、それは自分に限ったことではないのかな

と、思うのです。

デフレがインフレになるより、それは意味のあることなんじゃないかな。



Endless Flowers/Crocodiles



¥1,264

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The Soft Packに続いて、またまたサンディエゴのバンド、Crocodilesのサード。


以前は二人組だったが、新たに3人のメンバーを加えて本格的なバンド構成になった。これまで、サイケでノイジー、かつ甘いメロディーを毒気たっぷりに振りまくシューゲイザー・バンドという印象であったが、個人的にはサウンド的に一番未完成であろう1stが好きだった。


オープニングはアルバムタイトル曲Endless Flowers。いきなり思いのほかエモーショナルなチューンで、特にヴォーカルに力強さが感じられる。シンセを味付けに使うなど、やや80's的な雰囲気は若干安い感じがするけど、この疾走感とシンガロングなメロディーはオープニングとして十分。


続く、Sunday (Psychic Conversation #9)でさらに疾走感のギアを上げ、No Black Clouds For Dee Deeなんかはネオアコなんじゃないかというくらい軽妙なポップナンバーに仕上がっている。5曲目、Hung Up On A Flowerでやや昔の姿の片りんを見せるが、アルバム後半も歌メロがポップな楽曲が続いていく。


サウンドの構造としては、ノイジーな面は残しつつも、これまでよりは分離の良いサウンドになった印象。シューゲイザーの色をやや後退させ、その隙間を埋めるようにウォール・オブ・サウンド的なアイディアをちりばめている。それ故にもともと彼らの持っていたポップ性がよりわかりやすく浮き上がってきたように思う。


 意図としては、全体的な流れで陶酔的な音空間を作るのではなくて、あくまで各楽曲を独立したものととらえ、ドラマ性、クオリティーを高めることに力を入れたように見える。そうなると逆に曲の輪郭をぼやかせてしまう要素は取り払われるのかもしれない。


 ただ、1stにあった毒気がどんどん薄れているように感じられるのが残念。3人が加わり、音のバリエーションが増えた分、サウンドとして落ち着いたものが出来上がってしまったのかもしれないが、少々お行儀が良すぎのきらいも。あとなんかグラスヴェガスそっくりに聞こえてしまうんですよ。メロディーセンスはいいものを持っているので、形を整えることよりも、熱いままぶっ放してくれるような乱暴なものを次作は期待。


★★★☆(14/02/13)






Mature Themes/Ariel Pink’s Haunted Grafitti



¥1,458

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アリエル・ピンクス・ホーンテッド・グラフィティ,2012年リリースの最新作。


USインディーの申し子、のように呼ばれるアリエル・ピンクだが、前作、Before Todayで僕は初めて彼らのサウンドに触れた。メロディーは実にわかりやすいのに、サウンドのフィルターが独特で、見事に「捩れた」ポップソングに昇華(と言っていいだろう)させているところが、見事だと思った。と同時に、どこかすっきりしないというか、表現者としての彼らの立ち位置が見えにくいのが気になった。


強烈なエネルギーや怒りをぶつけてきているようにも見えるが、明確ではなく、意図しないところで抽象的になっているような、そんな印象が強かった。それゆえに好きなサウンドなんだけど、あまり深く聞き込むまでは至らなかった。


今作で、その印象ががらりと変わった、ということはない。それでも個人的には前作よりもずっとよく聴いている。


相変わらずの蜷局を巻いたカオティックな世界観。60,70年代のロックをベースにしながら、きらっと光るポップネスを所々にちりばめている。そこが前作よりも少しわかりやすくなったような気がする。バーズのようなOnly In My Dreams、「いい感じになりたいっ(I Want It To Be Good)」と切なげにリフレインするMature Themes、甘いアーバンソウル風のBabyのようなナンバーには、ちょっとした「風格」が感じられる。


それは作ろうと思えば、こういう真っ当なポップソングを作れるんだという素直な主張のようにも見えるし、アルバムの中で自分の表現をエクスペリメンタル(彼は自分の音楽性を表現するのによくこの言葉を使う)たらしめるためにこしらえた「武器」のようにも見える。


もしくは普遍性の中にある「快楽性」の追求みたいなものをアリエルは命題としているのかもしれない。個人的にはこれが一番しっくりくるのだけど、小難しい思想だとか先鋭的なサウンドだとか、そういうものに執心するのではなく、ポップの中にあるドラッギーな要素をいかに聴き手に作用させるか。その点のぶれなさが、このアルバムには感じられる。


★★★★(14/02/13)





Strapped/Soft Pack



¥872

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米サンディエゴのバンド、The Soft Packのセカンド。


2010年にリリースしたファーストは、ストロークスや初期R.E.M.の良質な遺伝子を受け継いだロックンロール・アルバムで、かなりよく聞いた。小難しいところが一切なく、切れの良いビートにつんのめるようなメロディーラインがとにかく心地よい一枚だった。


オープニング・ナンバーのsaratogaで思わず頬が緩む。うねるベースラインに、無愛想なカッティング・ギター、吐き捨てるようなヴォーカル。「そうそう、これこれ」とつぶやきたくなる。脳天にガツンとくる、直情的なナンバーだ。続くドライな質感の疾走ナンバーSecond Look、ぶっきらぼうなギターソロがかっこいいThey Sayもシンプルなロックンロール・ナンバーで、ヒリヒリする様な世界観を描いている。


と、ここまでは思った。


しかし、4曲目Tall Boyからその様相は一変する。80年代っぽいシンセ、ゆるやかなリズム。「おや?ずいぶん思い切ったな」とやや戸惑う。そして、5曲目Bobby Brown 。「なんじゃあこりゃあー・・・」なよなよヴォーカルにディスコティックなビート。とてもあのソフト・パックとは思えない。わなわなと戸惑いの震えがくる。


ドキドキしながら6曲目Chinatown。ここでまたロックンロール・モードが復活する。ただ、このギャップは何だろう?頭の中でなかなか整理できない。


そして、こんな調子でアルバムは制御不能な軌道で進んでいく。ティアーズ・フォー・フィアーズ(好きなバンドですが)みたいなナンバーもあったり、サックスとギターが入り乱れたインストがあったりと、アイディアを手当たり次第やった感が半端ない。


んー、どういうことだろう?


とたくさんの?があるアルバムだ。当然アルバムに入っている楽曲はメンバーがやりたくてやっているものだろうが、これは「バラエティー豊か」という範疇をいささかはみ出しているように思える。


つまりは、その「振れ幅の大きさ」にどうしても意識が行ってしまう。それ故に、楽曲の本質的部分が途中から刺さってこなくなる。これでは本末転倒だ。


ファーストで明確になっていた「シンプルなものだからこそかっこいいんだ」っていう主張。そこを曲げてしまったのはすごく残念。バンドのポテンシャル、そしてきっと作れたであろう傑作の片鱗。そういうものがあまりにも無造作に置かれていることが、余計にもどかしく感じる。


★★★(09/02/13)





待ちわびている時間がどんなに長くても、



その日が来たら、



楽しいことはほんの一瞬で終わる。




その法則に時には抗ってみたくなる時がある。




でもね、



シンデレラはちゃんと王子様のところへ帰さないと。




それが大人の振る舞い方なんだと



そう、自分に言い聞かせています。




いやー、がんばったな、俺。