今回は底面が正多角形で各辺の長さ1の角錐について考えます。
・底面の形を正n角形(nは3以上の整数)とおきます。
・頂点の数は底面のn点と頂上の1点でn+1個です。
・辺の数は底面のn本と頂上に向かうn本の2n本です。
・各辺の長さ1なので、側面は正3角形です。
・側面の数は底面の辺の数なのでn面と、底面が1面で合わせてn+1面です。
・底面の各頂点に集まる辺は3本、頂上の点はn本です。
・正3角形の角の大きさは60°なので、
正角錐になるには60°×n<360°となる必要があり、
n=3,4,5と3種類のみとなります。
・n=3は正4面体です。
・n=4は正4角錐で正8面体の半分です。
・n=5は正5角錐で正20面体を頂点を通る平行な2平面で切ると出てきます。
計量・正〇角錐 | 正4面体 | 正4角錐 | 正5角錐 |
---|---|---|---|
高さ | (√6)/3 0.8165 | (√2)/2 0.7071 | {(√5)/5}×√(3-φ) 0.5257 |
体積 | (√2)/12 0.1179 | (√2)/6 0.2357 | (φ+2)/12 0.3015 |
表面積 | √3 1.7321 | 1+√3 2.7321 | {(√5)/4}×{√(3+4φ)+√15} 3.8855 |
内接球の半径 | (√6)/12 0.2041 | (√6-√2)/4 0.2588 | {(3φ+1)/20}×{√15-√(3+4φ)} 0.2328 |
外接球の半径 | (√6)/4 0.6124 | (√2)/2 0.7071 | {√(φ+2)}/2 0.9511 |
◯高さ
錐体の高さ、辺および底面の外接円の半径で直角3角形ができます。
辺の長さが1のとき、外接円の半径は、
・正3角形…(√3)/3 (高さの2/3)
・正4角形…(√2)/2 (対角線の半分)
・正5角形…{(√5)/5}×√(2+φ)
なので、高さは、
・正4面体…(√6)/3
・正4角錐…(√2)/2 (外接円の半径と同じ)
・正5角錐…{(√5)/5}×√(3-φ)
となります。
◯体積
正多角形の面積は、
・正3角形…(√3)/4
・正4角形…1
・正5角形…{(√5)/4}×√(3+4φ)
なので、体積は、
・正4面体…(√2)/12
・正4角錐…(√2)/6
・正5角錐…(φ+2)/12
となります。
◯表面積
表面積は底面1面と正3角形n面の和です。
・正4面体…正3角形+正3角形×3
=正3角形×4=4×(√3)/4=√3
・正4角錐…正4角形+正3角形×4
=1+4×(√3)/4=1+√3
・正5角錐…正5角形+正3角形×5
={(√5)/4}×√(3+4φ)+5×(√3)/4
={(√5)/4}×{√(3+4φ)+√15}
◯内接球の半径
内接球の半径と表面積を掛けると体積の3倍になります。内接球の半径は、
・正4面体…3×(√2)/12÷√3=(√6)/12
・正4角錐…3×(√2)/6÷(1+√3)=(√6-√2)/4
・正5角錐…3×(φ+2)/12÷({(√5)/4}×{√(3+4φ)+√15})
={(3φ+1)/20}×{√15-√(3+4φ)}
◯外接球の半径
・正4面体…外接球の半径と内接球の半径の和が正四面体の高さになるので、外接球の半径は、
(√6)/3-(√6)/12=(√6)/4
正4面体の重心は中心と一致するので、
(外接球の半径):(内接球の半径)=3:1です。
・正4角錐…正8面体の半分なので、正8面体のそれと同じです。
中心は底面にあり、半径は高さと等しく、(√2)/2です。
・正5角錐…正20面体の一部なので、正20面体のそれと同じです。
中心は正5角錐の外側にあります。
{√(φ²+1)}/2={√(φ+2)}/2となります。