前回は12面体以外のデルタ多面体について扱いました。
今回はデルタ12面体について扱います。
デルタ12面体は8個の頂点を持ち、頂点に集まる辺(正3角形)の数が4本(枚)と5本(枚)の頂点が4点ずつ存在します。
左の赤い辺の両端の点は(0,±1/2,0)と書けます。
上下の2点のy座標は0で、x座標、z座標をそれぞれx₁、±αとします。
右中央の2点のz座標は0で、赤い3角形の両頂点の距離が2αなので、y座標は±αになります。x座標をx₂とします。
右の赤い2頂点は、y座標が0、z座標が±1/2です。
x座標をx₃とすると、赤い3角形に注目すればx₁-0=x₃-x₂が成り立ち、x₃=x₁+x₂と書けます。
求めたい文字は、α、x₁、x₂の3文字なので3つの式を立てていきます。
正面の白い正三角形の3辺について考えていきます。
左の辺については、x₁²+(1/2)²+α²=1²…(1)
横の辺については、x₂²+(α-1/2)²+0²=1²…(2)
右の辺については、(x₂-x₁)²+α²+α²=1²…(3)
です。
まずはαから求めていきます。
(1):x₁²=3/4-α²…(4)
(2):x₂²=1-(α-1/2)²=-α²+α+3/4…(5)
(3):x₁²-2x₁x₂+x₂²+2α²=1
(3/4-α²)+(-α²+α+3/4)
-2√(3/4-α²)×√(-α²+α+3/4)+2α²=1
α+1/2=2√{(3/4-α²)(-α²+α+3/4)}
α²+α+1/4=4(3/4-α²)(-α²+α+3/4)
α²+α+1/4=4(α⁴-α³-3α²/2+3α/4+9/16)
α²+α+1/4=4α⁴-4α³-6α²+3α+9/4
4α⁴-4α³-7α²+2α+2=0…(6)
となりました。この4次方程式の解の1つはα=1/2です。この時、
(1):x₁²=1/2、x₁=1/√2
(2):x₂²=1、x₂=1
(3):1/2+1-2×(1/√2)×1+1/2=1
2-√2=1
となり、連立方程式を満たしません。
式(6)を2α+1で割ると、
2α³-3α²-2α+2=0…(7)
が導けます。
この方程式は3つの実数解をもち、
その値は、-0.8892285591、1.744644286、0.6445842732です。
αは正で正三角形の高さを超えないので3つ目の値です。
次にx₁を求めていきます。
x₁²+(1/2)²+α²=1²…(1)
x₂²+(α-1/2)²+0²=1²…(2)
(x₂-x₁)²+α²+α²=1²…(3)
(1):α²=3/4-x₁²…(8)
(3):x₂²-2x₁x₂+x₁²+2α²=1
(8)を代入
x₂²-2x₁x₂+x₁²+2(3/4-x₁²)=1
x₂²-2x₁x₂-x₁²+1/2=0
x₂について解の公式を使うと、
x₂=x₁±√(2x₁²-1/2)…(9)
(2):{x₁±√(2x₁²-1/2)}²+α²-α+1/4=1
x₁²+2x₁²-1/2±2x₁√(2x₁²-1/2)
+3/4-x₁²-α+1/4=1
2x₁²-α-1/2=±2x₁√(2x₁²-1/2)
4x₁⁴+α²+1/4-4αx₁²+α-2x₁²=4x₁²(2x₁²-1/2)
-4x₁⁴+(3/4-x₁²)+1/4=α(4x₁²-1)
-4x₁⁴-x₁²+1=α(4x₁²-1)
16x₁⁸+8x₁⁶-7x₁⁴-2x₁²+1=(3/4-x₁²)(4x₁²-1)²
16x₁⁸+8x₁⁶-7x₁⁴-2x₁²+1=(3/4-x₁²)(16x₁⁴-8x₁²+1)
16x₁⁸+8x₁⁶-7x₁⁴-2x₁²+1=-16x₁⁶+20x₁⁴-7x₁²+3/4
16x₁⁸+24x₁⁶-27x₁⁴+5x₁²+1/4=0…(10)
(10)はx₁の8次方程式ですが、
全て偶数乗なので、x₁²=X₁とすると、
16X₁⁴+24X₁³-27X₁²+5X₁+1/4=0…(11)
となり、X₁の4次方程式になりました。
解のひとつはX₁=1/2、つまりx₁=1/√2です。
これは先程と同じく成立しません。
(11)を2X₁-1で割ると、
32X₁³+64X₁²-22X₁-1=0…(12)
になり、3つの解は、
X₁=-2.293783684、0.3345111147、-0.04072743037であり、
正である2つ目です。
よって、x₁=0.5783693584と求まりました。
最後にx₂を求めていきます。
x₁²+(1/2)²+α²=1²…(1)
x₂²+(α-1/2)²+0²=1²…(2)
(x₂-x₁)²+α²+α²=1²…(3)
(1):α²=3/4-x₁²…(8)
(3):x₂²-2x₁x₂+x₁²+2α²=1
(8)を代入
x₂²-2x₁x₂+x₁²+2(3/4-x₁²)=1
x₁²+2x₁x₂-x₂²-1/2=0…(13)
x₂²-x₁²=2x₁x₂-1/2…(14)
2x₁x₂=x₂²-x₁²+1/2…(15)
x₁についての2次方程式を解くと、
x₁=-x₂±√(2x₂²+1/2)…(16)
(2):x₂²+α²-α+1/4=1
x₂²+(3/4-x₁²)-α+1/4=1
x₂²-x₁²=α
2x₁x₂-1/2=α
4x₁²x₂²-2x₁x₂+1/4=α²
4x₁²x₂²-2x₁x₂+1/4=3/4-x₁²
4x₁²x₂²-x₂²+x₁²-1/2+1/4=3/4-x₁²
4x₁²x₂²+2x₁²-x₂²-1=0
(2x₁²-1/2)(2x₂²+1)=1/2
{2{x₂²+(2x₂²+1/2)±2x₂√(2x₂²+1/2)}-1/2}(2x₂²+1)
=1/2
{6x₂²+1/2±4x₂√(2x₂²+1/2)}(2x₂²+1)=1/2
12x₂⁴+7x₂²=±4x₂(2x₂²+1)√(2x₂²+1/2)
144x₂⁸+168x₂⁶+49x₂⁴
=16x₂²(2x₂²+1)²(2x₂²+1/2)
144x₂⁸+168x₂⁶+49x₂⁴
=16x₂²(4x₂⁴+4x₂²+1)(2x₂²+1/2)
144x₂⁸+168x₂⁶+49x₂⁴
=16x₂²(8x₂⁶+10x₂⁴+4x₂²+1/2)
144x₂⁸+168x₂⁶+49x₂⁴
=128x₂⁸+160x₂⁶+64x₂⁴+8x₂²
16x₂⁸+8x₂⁶-15x₂⁴-8x₂²=0…(17)
(17)はx₂の8次方程式ですが、
全て偶数乗なので、x₂²=X₂とすると、
16X₂⁴+8X₂³-15X₂²-8X₂=0…(18)
となり、X₂の4次方程式になりました。
解のひとつはX₂=0、つまりx₂=0です。これも成立しません。
(18)をX₂で割ると、
16X₂³+8X₂²-15X₂-8=0…(19)
になり、3つの解は、
X₂=0.9790953879、-0.5491393984、-0.9299559895であり、
正である1つ目です。
よって、x₂=0.9894924901と求まりました。