カンパニー、ローエングリン、バランスオブゲームなど同じ馬が何度も活躍するレースであると同時に、高齢馬の活躍するレースでもある中山記念。


時期が時期だけに明確に「○○○○の前哨戦」とは位置づけができず、GIでは一歩足りない馬(カンパニーは最終的に例外馬になったが)が賞金獲得を目標にするレースと言えるでしょう。


だからこそ、同じ馬がここを目標にして何度も好走し、GIを目標とする馬は時期や距離を考慮してここを使わな

いことが多く、今年も例外ではないはずです。


中央のGIでは一歩足りない馬といっては失礼ですが、アブソリュート、シャドウゲイト、ダンスインザモア、ライブコンサートといった面々が顔を揃えました。


こういった馬達はこの春もGIに出走しますが、これまでの実績からもう一歩足りず、GIで勝ち負けするような馬が不在のここで勝ちにいくことが予想されますので注目が必要でしょうね。


その一方で注目すべきはずばり4歳勢でしょう。例をあげるとセイクリッドバレー。3歳時に夏競馬で古馬とのレースを経験はしていますが、セントイライト記念、菊花賞と3歳馬のエリートコースを歩んだ馬で、成長した今、上の世代との力差は不透明。

いずれにしても春のGIを狙っていくのならばここで賞金の上積みをしたいところでキングストリート、サニーサンデー、モエレビクトリーも同じこと。


その中のキングストリートなどは関西の人間に聞くと、

「遅かれ早かれ重賞は勝てる器。本来は名鉄杯→小倉大賞典のローテだったのが名鉄杯を除外されてしまい今に至るが小倉大賞典に出走できていたら勝ち負けになっていただろう。そういったことを考えるとここは確実に賞金の上積みをしたいところで無視は当然できない」

といった話しが聞けました。


確かに今後暖かくなると放牧から戻ってくる馬も多く、現状の賞金では除外になることも考えられますから、確実に出走できるここは何が何でも結果が欲しいところでしょう。


いづれにしても、先を考えずここが勝負かけてくる馬を見つけてみてください。

クラシック路線はローズキングダム、ヴィクトワールピサといった(一応の)主役馬が存在するもののNHKマイルCを頂点とした3歳マイル路線はそういった中心となる馬が見当たらない。


そういった中で行われる今週末のアーリントンC。

これまでクラシック路線を目指していながら、今後路線を切り替えてマイル路線を目指そうとする馬の取捨が難しい。


その1頭がフラガラッハ。デビュー戦1800Mの芝を使い、2戦目で1800Mのダートで勝ちあがり、前走は2000Mの京成杯で4着。

前走2000Mの京成杯で4着ならばそのままクラシック路線でもよさそうなものだが、ここに矛先を向けた。陣営が考えることに対してあれこれ言える立場にはないが、1つ言えることはいずれにしてもこの馬は1勝馬。

まだクラシックへの夢は棄てている訳ではなく、なんとか賞金の上積みを考えているとみた。だからこそのデムーロ騎手騎乗とは言えまいか?


気になるのがザタイキ。ここまでマイルを使ってきたがここで結果がでるならクラシック?

それはともかく2戦2勝の成績は立派だが1本被りの人気になりそうなのは気のせい?

2戦共に折り合って抜け出したセンスは確かに認めるものの藤原英調教師はマスコミに向けて『体をつくっていく段階。いろいろな調教を試している。今回の動きはまずまず』と必勝宣言までは出ず。

2戦2勝の無敗馬。馬名が「ザタイキ」であることから過剰人気になる可能性があるならば、キャリアの差でタイキを負かすことが可能な馬も考えるべき。


それが先ほどのフラガラッハ。

そしてもう1頭頭に描いている馬がいるのだが、さすがにこれ以上はここではNG。

ヒントはこのレース、鋭い決め手は必要ないというところ。

じゃ、どんな馬?分かりますよね?

ステイヤーズSの次に長い3400Mのマラソンレース。


コース形態、枠順云々よりも、いかにこの長丁場で折り合いをつけてスタミナを温存するかがポイント。

またスタミナと言ってもこのレースだけでなく、ここまでのローテーションによる疲労度も考慮に入れる必要がある。

昨年、このレースで1番人気だったのはフローテーション。

3000Mの菊花賞で2着、3600MのステイヤーズSで2着、2500Mの有馬記念で9着。

有馬記念は相手が強かったり、距離が3000M以下になることもあって、競馬ファンはその有馬記念を度外視してこのダイヤモンドSで1番人気に支持した訳ですが結果は12着。

折り合いを欠いたところもありましたが、菊花賞からの連戦の疲れがあったとも考えられます。

奇しくもフローテーションと全く同じローテーションで出走してくるフォゲッタブルは果たして?


トウカイトリック
現役屈指のスタミナ自慢。07年には実際にこのレースを勝っている。明けて8歳となったが万葉Sの走りを見る限り、年齢的な衰えは皆無。トップハンデ57.5キロと急遽、騎乗の決まった大庭騎手のテン乗りは正直気になるが、今年のメンバーならばチャンスは十分。


エーシンダードマン
1600万条件の馬でここは格上挑戦の形。しかし、菊花賞4着、このダイヤモンドSも4着、6着という実績があり無視するのは早計。ケイ古をポリトラックに変え、接着装蹄(釘を使わずに蹄鉄を蹄に装着する方法)にしてから走りが変わったとの報告もあり、53キロのハンデならば一発があって驚けない。


ダイワワイルドボア
ステイヤーズSは57キロでフォゲッタブルからコンマ4秒差の6着。今回は斤量が54キロとなることから前進が期待できるものの年明け3戦目であることを考えると上がり目?前走、早めに動いたのが仇となったことから今回は末脚を活かす競馬になるようだが右回りに比べて左回りはスムーズでなく…


フォゲッタブル
昨年夏には1000万条件を勝ちきれなかった馬が秋には菊花賞2着、ステイヤーズS1着、有馬記念4着と大変身。元々、陣営が晩成タイプと言ってきたがいよいよ本格化したようだ。問題は昨秋の激戦の疲れと初コース。昨年フローテーションが同じローテーションで12着に敗退。今回のケイ古の動きも多少モタれるような面を見せていたのが気になる。


ポップロック
有馬記念、ジャパンCで2着の実績はここでは断然。しかし最後に連対したのが07年のジャパンCであり、また9歳ということを考えると前走の5着だけで復調したと判断するのはどうか?さらに長距離戦での好走は上がり勝負の競馬が多いことから本質的は中距離向きでは?


メイショウドンタク
前走、初の3000Mを超える万葉Sで3着。先着されたトウカイトリック、モンテクリスエスも出走することから分が悪いように思えるが、万葉Sはデキが万全ではなかったようで「本調子なら勝てていたかも」とはレース後の武豊騎手のコメント。リフレッシュされた今回はケイ古の動きも抜群で切れる脚のないこの馬には雨が残る馬場も味方するはずだ。


ヒカルカザブエ
前走の金杯は脚を余す形の7着。これまでのレース振りから切れすぎる感はあるが、実際昨年、道悪の阪神大賞典で2着から持久力も兼ね備えていることが分かる。“行った、行った”のアルゼンチン共和国杯で初コースながら猛然と追い込んできたように東京コースにも適性があり、叩き3戦目の今回は勝機十分。

前回の共同通信杯では…

「1800Mという距離を使うことにより、クラシックに進むか、マイル路線に進むか決定する陣営がいるが、そういった馬は重要な決断となるために仕上がりは万全でトライするので注目する必要がある」

といった内容を書いた。


ハンソデバンドはまさにそういった馬で、スポーツ新聞にも陣営が「ここを使った先を決める」とハッキリとコメントしていた。

後は生産の観点から注目のアリゼオ、ラジオNIKKEI杯2歳Sがレベルが最も高いとダノンシャンティを紹介しながら、ダノンシャンティVSアリゼオVSこのレースで方向性を決定する馬と図式を書いたが、この3頭の競馬以外何もないレースであると私が考えていて、結果もそのようになったのをその目で確認されたことだろう。


さてきさらぎ賞。ここも1800M。共同通信杯と似たことを考える必要は当然ある。

デビュー戦から3戦ずっと2000Mを使ってきたレーヴドリアン。デビュー時からクラシックを狙っている典型的なパターンである。クォークスターも同じくそうである。

夏の札幌1800Mを勝ちあがったアドマイヤロイヤル、キャリア1戦のインペリアルマーチも絶対とは言えないが、クラシック狙い組みだろう。


問題はシンザン記念のシャイン。1200Mを使ってきた馬である。小倉2歳、ききょうSで短距離に限界を感じたのかいきなり1400Mのききょうから1800Mの中京2歳Sへ出走。

距離延長がよかったのか最低人気で1着。そしてシンザン記念でも2着。

距離なのか状態なのか?ここの見極めが難しい。

同じくステージプレゼンス、ダイワバーバリアン、ダノンハラショー、ネオヴァンドームといった一度でもマイル以下を使ったことのある馬には共同通信杯のハンソデバンドと同じ理屈で注目が必要です。

~オーナーの傾向~
京都に本拠を構える「ご当地馬主」を狙い撃ち!


 東京・中山と同じく関西系の馬主さんは大阪に本業の本社がある関係で、京都・阪神の両競馬場で“ヤリ”が仕込まれるケースが多い。この辺はケース・バイ・ケースになるから難しい所だけど、ダイシンの大八木信行オーナーのように、


京都市内に本業の本社を構える


「京都ご当地馬主」を狙い撃つのがベターだ。

 俺は東北出身なので京都も大阪もそんなに変わらないと思っていたけど、何でも京都の人は『同じ関西圏でも大阪と一緒にしないでくれ』的な考えがあるらしい。言われてみれば俺も宮城と福島を一緒にされたら全力で否定するが(苦笑)、それと同じようなモンかも知れない(※余計わかりにくいか…)。これを聞いて京都がお膝元の馬主さんは「地元意識が強い」裏付けになったし、今回ヤリ度をつけた馬主さんの大半が京都の有力者だ。


~馬主別解説~

・大八木信行(ダイシン)ヤリ度【S】
ダイシンオレンジ・ダイシングロウ・ダイシンサーベル

 成績を振り返ると全体では【5-2-2-8】と安定した成績を残しているが、オーナーのお膝元である京都での成績は【3-2-2-1】。馬券に絡まなかったのはデビュー当初の芝レースのみと、京都で“ヤリ”を連発しているのがわかるだろう。年明けの平安Sでは惜しくも2着に敗れオーナー悲願の重賞制覇こそならなかったが、昇級戦にも関わらず強敵相手に見せ場タップリの内容だった。
 ちなみに、本業は京都市内に本社がある建設会社の代表。ダイシンオレンジを含めた所有馬の過去3年成績は【7-1-2-12】。勝率31%、連対率36%、複勝率45%と、京都で成績が特筆している。オーナー・サイダー的には文句なしのSランクで、所有馬が少ないため“ヤリ”が見極めやすい馬主さんだ。


・太田美實 ヤリ度【A】
メンデル、エイジアンウインズ、ロイヤルタッチ

 知る人ぞ知る「京都ご当地馬主」。本業は京都市内にある「太田医院」の院長で、ウイニングチケット・ロイヤルタッチ・エイジアンウインズなど、所有頭数の割に“当たり”を引く馬運の強い馬主さんだ。現在は夫人の太田珠々子オーナー名義と合わせても10頭程度しか所有しておらず、ダイシンの大八木オーナーと同じく少数精鋭の“ヤリ”が特徴。しかも所有馬の大半を仕上げに定評がある藤原英厩舎or旧・伊藤雄二厩舎の流れを組む笹田・梅田智厩舎に預けているから、ヤリの信頼度はかなり高い。


・ダノックス(ダノン)、野田みづき(ミッキー)ヤリ度【A】
ダノンパッション、セントラルコースト、ミッキーパンプキン

 今回の京都“ヤリ”馬主リストで唯一京都が本拠ではない馬主さん。ダノックスの野田順弘オーナーは会計ソフト「勘定奉行」シリーズで有名な「オービック」の会長。妻の野田みづきオーナーも同会社の副会長で、ご夫婦揃って京都馬主会に所属している。それもあってか過去3年の京都成績はダノックス名義が【15-5-11-51】勝率18%、連対率24%、複勝率39%、野田みづきオーナー名義は【5-5-1-16】勝率19%、連対率37%、複勝率41%と半端じゃない。
 とくにオーナーの期待馬は京都でデビューさせる傾向が強く、ダノンゴーゴー(ファルコンS)、セントラルコースト(コーラルS)、ミッキーパンプキン(萩S)は京都で新馬勝ちしている。最近は所有馬も年々レベルが上がっているし、そろそろGⅠ級の大物が誕生するかも知れない。


・八木良司、八木昌司、八木秀之(タガノ)ヤリ度【B】
タガノエリザベート、タガノクリスエス、タガノサイレンス

 昌司氏・秀之氏は息子で、所有馬の8割以上は父である良司氏名義だ。栗東トレセンの外厩施設として使用されることの多い「宇治田原優駿ステーブル」代表を務め、他にも京都市内で建設業を経営している。09年は昌司氏名義のタガノエリザベートがファンタジーSを制覇。良司氏名義でもタガノサイレンスが平安Sを勝つなど、お膝元の京都で“ヤリ”は目立つ。最大の難点は所有頭数が多いので、勝負馬の見極めが難しいこと。最近の傾向だと期待馬は栗東の松田博厩舎に預けているので、それを狙い撃てばハズレは少ないだろう。


・兼松利男、兼松昌男(カネトシ)、兼松忠男(テイケイ) ヤリ度【B】
カネトシコウショウ、カネトシカバナー、カネトシディザイア

 タガノと同じく所有馬の半数以上は父・利男氏名義で、昌男氏・忠男氏は息子。本業は京都で複数の会社を経営している地元の有力者で、1月30日京都6R新馬戦を単勝146倍の超人気薄で快勝したカネトシマイコサン(馬名の由来は京都の舞妓さん)を見れば、地元意識が強いのが伺い知れるだろう。所有馬にカネトシソレイユ、ディオス、パサージュなど詰めの甘い馬が目立つのも特徴だけど、それは「大人の事情」により書けないので、読者各自で察してくれ。