さて、今回はSMERの1/48SU-17/22 M4、通称「フィッターK」です。

ロシア製の可変翼機で、個人的にも大好きな飛行機です。
ロシア国内のバージョンがSU-17、輸出型がSU-22と呼ばれており、M4は最終にして最強のバージョンです。
このSU-22M4は元々はワルシャワ機構軍向けでしたが、現在でも稼働状態にあるポーランド空軍ではNATO軍向けの改修が施されており、機体も若干の違いはあるとの事です。
今回は改造などはせず、塗装のみこのポーランド空軍バージョンで仕上げてみようかな、と思います。
↓ポーランド空軍のSU-22/M4。


箱はキャラメル箱。国内ではなかなか見けけないので新鮮に感じます。
SMERは「セマー」「スメール」「スムニエル」などと表記されますが、「セマー」もしくは「スムニエル」が正しいようです。
チェコのメーカーで、ロシア(旧ソ連)機のラインナップが豊富。
僕は詳しくないのだけれども、ネット情報では同じチェコの「KPモデルズ」のキットのリテイクらしいです。
そして何と言ってもマニアックなラインナップの割にはかなりリーズナブルなお値段も魅力です。

ランナーには番号などは振られておらず、このようにインストのイラストを頼りにパーツを探します。
何故かこのページのみ2枚入っていて、最初はエラーかと思ったのですが、よくよく考えると
「一枚はパーツリストとして使ってね」
と言うことなんだろうと勝手に解釈しました(たぶん合ってる)。
ランナーじゃなくて箱絵の作例やインストにパーツナンバーが書かれているのは海外キットあるあるな気がします。

デカールは旧ソ連、東ドイツの他に東ドイツ統合後のドイツ連邦空軍のラウンデルがついています。
箱絵のスペシャルマーキングも再現可能です。

工作指示はこんなカンジ。思ったよりもわかりやすい。

こちらは塗装指示。色指定の隣の数字は何だろう。
指定メーカーの何かかな?

とりあえず仮組み。
驚くのはダボなどはほとんどなく、パーツはほぼ「イモ付け」。
まるでガレージキットのようです。
この時点で非常に難易度が高いのがわかりますね。
モールドは凹で、びっしり入っているが若干ダルい。
パーツの合いは思ったよりも悪くない。古いハセガワのキットと同じくらいですね。

盛大に出来る合わせ目もほかのパーツで隠れます。
一見ぶっきらぼうに見えるキットなのですが、なかなか良く出来ています。

モールドのダルさはこんなところにも。
完全にプラが回りきってませんね。
瞬着とパテで形を修正しました。
完全にパーツに干渉しているゲート後など、なかなか硬派な作りなのですが、プラが非常に柔らかく、加工がしやすいのでそんなに苦になりません。
ますますガレキっぽくなってきました。

攻撃機だけに武装関連は充実してる。
コレはSRS-141 ECMポッド。
合わせ目のヒケにモールドがかぶってる。とりあえずカルコを使ってアタリをつけてます。

モールドの形状をマステに写し取り、切り出します。

そのまま直接貼って、消えたモールドを再現。
合わせ目のヒケなどを消した上で切り出したマステを型紙にプラペーパーでモールドを作るわけです。
スジボリは曲線が多く、僕の場合はガタガタになってしまうので、このまま貼り付けて「凸モールド」的な仕上げを目指してみます。

KKR-1偵察ポッド。
このモールドも消える前に鉛筆で書き込みをして・・・

マステを貼ると鉛筆部分がマステに写し取れます。

コレを型紙にプラペーパーを切り出してモールドを再現。
苦手な曲線のスジボリを何とか攻略したくてこういう工作になっています。

増槽はこんなカンジ。
プラが回りきっていないので形がイビツになっちゃってる。

「おゆまる」を熱湯で柔らかくして、まともな方から型を取り、UVレジンでパーツを作ります。
念のため3個作っておきます。
UVライトは持ってないので太陽光に晒します。

一番良さそうなものを選んで、削って張り合わせ、形を整えます。

レドーム部分に重りを入れます。
以前瞬着で張り付けたときはなかなか付かなかったので、今回はグルーガンで仕留めました。(瞬着つけ過ぎてくっつかなかった)

コクピットは先ハメにも関わらず、かなり複雑な作りです。切り出したパーツには画像のように鉛筆でパーツナンバーを書き入れています。
「インストを信じてここまでやったのに、結局合いませんでした」
というのは僕の場合は良くあることなので、いろいろ考えた結果・・・

機首部分をぶった切ることに。
極力パーツの合わせ目が出来ないようなパーツ分割になっているので相当迷ったのですが、
・レドーム(ショックコーン)の固定
・コクピットの固定
・本体の合わせと固定
を、すべて一度にこなすのは僕の技量ではほぼ不可能なので、こういう加工になりました。

コレで、コクピットとレドームの固定に集中できるようになり、精神的負担がだいぶ減りました。
機首と本体の張り合わせは、後でゆっくり考えることにします。
作り始めたときはパーツの出来の悪さに辟易しましたが、ガレージキットを作っていると思えばソコまで悪くないキットのような気がします。
(つづく)
続きです