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ハリケーン被害のその後
去年9月と10月、二度に渡ってこの州の沿岸部が広範囲にわたってハリケーンの被害を受けた。
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1度目の9月のハリケーンが酷かった。保険屋が家のダメージを見るまであれこれ片づけられないし、そもそも下水道設備がすべてメチャクチャなわけで、住民すら家に泊まることは許されず、数時間の「訪問」だけにとどまっていた。ボートが家に突っ込んでる衝撃写真とか見せてもらったけど、目で見たショックもさることながら、異臭が酷くて途中で何度も吐き気を催したってきいてた。
その次、やっと自分の番が回ってきて保険屋の刺客がダメージを見に来たとしても、なかなかお金は下りない。しかも、ダメージの大きな順で一時金が下りる降りないのやりとりもあり、現場に出向くにもここから片道2,3時間の往復に仕事のやり繰りとの兼ね合いもあって事が進まない。
次の問題は大工の確保。風が吹けば桶屋が儲かるってことで、なんと工事人が手薄で、保険屋を待たずにとりあえず自腹で修理を始めたいと思っても業者が見つからない。NCへは他州からの出稼ぎで来てる工事人も多いが、悪質な人も多いと聞く。
そんな中、近所に住むJはすごかった。
ウチの近所で新しく住宅地が作られて、家がポンポン立ち始めていた。散歩中に彼女はそこの工事現場を横目にフッと思いつき、ボロボロのピックアップトラックでなく、新しくてきれいなピックアップトラックが停められている建設現場に目を付け、そこの工事人を捕まえた。
「エクスキューズミー!実は私のビーチハウスが水害に遭って、でも修理してくれる業者が捕まらないんです。時間と興味ありませんか?1週間とかその家に泊まってくれてもかまいません。現金で払います。一日も早く直さないとダメージが広がってしまうからほんとに困っているんです。」
と、交渉した。なかなかの機転だ、やるなー。その工事人はダメだったが、ほどなくして違う人を同じ要領で見つけ、彼らはちゃんとビーチハウスまで被害状況を見に来てくれたのだった。
しかしその後、12月に雪が降ったり年末の忙しさで工事は伸ばし伸ばしになり、やっと1月に入って工事の目処がたった。思った以上に被害が酷く、壁から伝って床までカビてしまっていて、トータル被害は$30,000とかになってしまい、しかし保険は1割負担の$3,000までしか出ないとなった。Independent adjuster(損害査定人) を自腹で雇い、保険会社に異議申し立てをする羽目になった。
それでお金がもっと出ようがでまいが直さないと家がダメになってしまうから、とりあえず修理を始めることにした。建材もオーダーし、配達もされていた。
するとその数日後、そのビーチハウスの隣に住んでいるロバートが不審な車をJの家の前に発見した。この隣人ロバートは私も会った事あるけど、中身はとってもおおらかでいい人だけど、現役軍人で見た目は「うわっ~~」てくらい凄みのある人だ(;'∀') ロバートとJ家族は普段から仲が良いので、留守なJの家をよく見張っていてくれる人。で、ロバートがその不審な車に近づき、
『Hey You!そこの家に何の用があるんだ?この家は友達の家で、僕がいつも見張ってるんだよ。今日君たちが来るって彼らから聞いてないけど。用がないんならとっとと帰れ!それとも家から銃を持ってこようか?』
と言い放つと、その不審者はそそくさとそこから立ち去った。
この不審者は、おそらく人気のない家の前にある建材などを盗みにきた輩らしい。ロバートはそこに住んでるからこういった窃盗の話をよく聞いていたらしく、Jにも普段から家の外に物は置かないようにと注意していたらしい。ロバートは機転を利かせ、その晩は自分の車をJの家のドライブウェイの入り口に横向きに駐車し、どの車も入れないように道をふさいでおいたらしい。えらい!
で、その翌日からJの旦那のMはビーチハウスに泊まり、大工さんがくるまでの2週間を一人でそこからリモートで仕事していた。この週末にやっと自宅に戻ったけど、今週末もまたその家に進捗状況をみに行くらしい。
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彼らはリタイア後はこのビーチハウスで過ごすことを念頭に、投資目的で2年前に購入し、シーズン中はレンタルして副収入を得ていたが、はっきり言っていまは頭の痛い物件で、二人とも疲れ果てている。
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我が家はリタイア後の目的じゃなく、リフォームとか楽しそうだし、副収入としてビーチハウスを買おうかってリサーチした時があったけど、やっぱり水害が怖くて購入せずにいた。よかったよ買ってなくて。車で30分とかの距離だったらどうにかなるけど、往復5、6時間を日帰りでとかってムリだわ。
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J家族はそれでも車で行ける距離だからまだマシ。NJに住んでる知り合いで、ここのNew Bern にステキな家を持ってた人はなかなかここまで来れないからもっと最悪だってきいた。
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ってことで、ビーチハウスを持つのはハイリスクだなって思った週末。
perfect card
アメリカにはほんっとに沢山のカードがある。冠婚葬祭、誕生日、’早く良くなってね’カードなどなど、とにかく沢山。
Political Strategist のお仕事
イメージ・コンサルタントの次は政治戦略専門家のオシゴト。どちらも人の考えによくも悪くもつけ入るスペシャリスト。
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先週、HBOで早くもTV映画、Brexitが放送されてた。予約録画してあったので週末に家族で観た。ブレグジットの裏舞台のお話。
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Political strategist のドミニク・カミングス(ベネディクト・カンバーバッチ)が、有権者によるEU国民投票を前に、【脱退キャンペーン】を指揮し、ついには投票で過半数を獲得してしまうまでの再現ドラマ。 本家本元のイギリスでは、年明け1月初旬にTV放送され、「今頃遅いよ」とかの世論はあったらしいが、それでも民放で放送され、しかもこうやってアメリカでもHBO(payチャンネル)だけどわりと新鮮なうちに放送されたってのは意味があり、沢山の人の目に留まったらいいなと思ったドラマだった。
主役のカンバーバッチ演じるカミングスが、巧みな戦略をあみだすところもみどころの一つ。短く力強いキャッチフレーズ、【Let's take back controll 】を打ち出し、ロビー活動を進めるあたりなんて、よく人間の心読んでるよねって実に感心した。
このドラマの制作側は、Brexitの愚かなる決断はこのロビーイストの責任って持って行きたかったのかね。
そもそも【Brexsit】って言葉、投票翌日のUKでのグーグル検索#1ワードだったってのは有名な話だけど、実際問題、Leave vs. Remain がこんなにも裏でPolitical Strategist (政治戦略専門家)たちによるロビー活動によって煽られていたのかと、途中から眠気も吹っ飛び寒気がしてきた。Remain(残存)を指揮していたクレイグ ・オリバーでさえ、脱退を支持する有権者の怒りにおののいてしまうありさまだし。
アメリカの2、3年前の大統領選挙前とまったく同じ国民感情っぷりが興味深い。 対岸の火事ではなく、 『ウチの方も火事なんですけど、お宅もですねー、どこも同じなんですねー』 って感じた。どこも国民の鬱憤が溜まってるのねって同情心さえ生まれてくる。イギリスもアメリカも、俺たちゃやってらんねーっていう不満がいっぱいなんだな。どこも政治家が先送りしていたことのツケを国民が払っているんだよね。 でも、政治家だけのせいにしてても埒あかない。言うだけじゃなく、有権者も人ばっかり頼ってないで、自分が賢くならなくちゃってことだな。
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とにかく、UK国内の投票前の大事な流れがつかめるドラマで観て良かった。
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カンバーバッチは頭をスペシャルメイク(だよね?)で薄くして、かなり気合の入った役作りでさすがだったけど、対極にいる指導者、クレイグ・オリバーを演じたRory Kinnearも良い。 私、こういう闘志を内に秘めてる上品な人って大好き。隠しても知性が滲み出てる。声もいいね。
007にも出てて好きだったけど、こんなとこにひょいっと出てきて嬉しいかぎり。







