SUNNY GARDEN

SUNNY GARDEN

ESTUDIO EL HOMEOSUTASU.

VAMOS A MIRAR Mi JARDIN.

レメディの原料は、地中海産の海綿を焙煎したものです。

Spongia tostaのtosta は、焙煎という意味です。

 

海綿は、原始的な動物で、これがスポンジになります。

スポンジといえば、私は、石油製品のものしか知りませんでしたが、ヨーロッパでは、海の産物、海綿で、身体や顔を洗ってきたようです。

数年前になりますが、専門コースで、このレメディを勉強していた時、もう若いころからずっと海綿を使ってきた人がいました。彼女は、長持ちするし、とても心地よいと言っていました。

ネットでも、買えるようです。

http://tennen-sponge.com/kaimen/kaimen1.html

 

CHKの四条教室にも、上記のサイトから、1つ買って置いていますが、天然の海綿は、とても軽くて、乾いています。

子供は、これを見つけると、つい、ボールのように投げたくなったり、ぎゅっとにぎりたくなったりするようです。

軽くて、ふわふわ。

柔らかく、優しい感触です。

 

 

海綿は、無数の小さな穴が開いていて、人間の体でいうと、「肺」に似ています。

レメディの症状の中心も、「呼吸器」。

咳のレメディです。

吠えるような空咳。

木をのこぎりで切るような音の出る呼吸と咳。

呼吸困難や、窒息感がる咳。

真夜中前に悪化します。

暖かい飲み物や食事で改善しますが、乾燥した冷たい空気で悪化します。

 

肺のそばにある、「心臓」にも症状を持ちやすいレメディでもあります。

 

甲状腺にも問題を持ちやすい。

甲状腺は、海と関係があるのかな・・・。

甲状腺の問題を持ちやすいのは、Iod.(イオダム/ヨウ素:海藻に多く含まれていますね。)、Nat-m.(ナット・ムール/岩塩)、Calc.(カルク・カルボ/牡蠣の殻)。

甲状腺のレメディは、ほかにもたくさんあるのですが、これら三大甲状腺レメディが、海由来なのは、不思議です。

 

海綿は、浅い海の岩礁の下の日の当たらないところに群生しています。

成長はゆっくりで、寿命も長いそうです。

海綿は、成長がゆっくりで、濾過摂食する生き物です。

動物なのにじっとして動かないというのは、まるで牡蠣の殻のよう。

海綿と牡蠣が似ているように、レメディのSpong.とCalc.も似たところがあります。

どちらも寒がりで、風邪をひきやすく、腺の病気を持ちやすい人です。

 

スポンジは、無数の穴が開いているという点では、木炭にも似ています。

木炭を原料とするCarb-v.(カーボベジ)は、消化器が不活発で鼓腸のレメディとして有名ですが、酸欠のレメディでもあります。喘息や呼吸困難など、呼吸器とも関係が深いです。

 

Spong.は、クラシカルホメオパシー京都では、4年生で学ぶレメディです。

 

ホメオパシーの学校では、たくさんの精神症状や身体症状を持ち、古くから使われてきたポリクレストレメディと言われているものから学びます。

個性的で、特徴がはっきりしていて、汎用性があります。

でも、それではカバーできないとき、Spong.のようなレメディは大きな力になってくれます。

 

 

 

ホメオパシーを学び始めたころですから、もう20年以上にもなります。

私は、思春期の頃からずっと鼻炎の症状がありました。

体調が良いときは大丈夫なのですが、少し乱れると、すぐに鼻水が絶え間なくでるので困っていました。

いつも2~3個のティッシュを、バック入れていました。

ある鼻水で苦しんでいた日、主人にたずねられるままに、そのときの症状を5~6個言いました。

どのような症状を言ったかは覚えていないのですが・・・。

彼はそれらをマックレパートリーにいれて検索してくれました。

挙がってきた、いくつものレメディをマテリアメディカで読み比べて、Spong.を飲んでみることにしました。

Spong.を飲んでまもなく、私を悩ませていた症状は消え去り、その後、ティッシュを必要としない生活をしています。

たった一粒で、私はティッシュから自由になりました。

 

このレメディと私との類似性って?

海綿と、私の類似性。考えると楽しいです。

鉱物のような動物。

じっと動かず、少しづつ海水中のプランクトンなどを濾過摂食して暮らしています。

私も、そういったタイプです。確かに。

能動的、積極性は少なく、どちらかというと受け身的です。

 

森井先生の「臨床家のためのマテリアメディカ」のこのレメディのMIND症状の記述は、

たったの4行。

・美味しいものや珍味が大好き。・・・まさに、私!

・非常にお腹がすきます。・・・空腹はほとんど感じたことがありません。でも、食べることは好き。

・喉も渇きます。・・・はい。

・甘いもので悪化。・・・悪化はないけど、それほど好きではありません。

 

私は、大まかにいうと、体質的に、冷えて乾いた人です。

Spong.も、熱い飲み物や暖かい食べ物で好転し、乾燥した冷たい風で悪化します。

10年以上前、インドの巨匠サンカランに処方され、様々改善されたレメディは、Caust.

(水酸化カリウム)ですが、体質的には、このレメディも乾燥と寒さに弱い人です。

 

このレメディ1粒で、私はすべてが解放されたわけではないですが、健康レベルはかなり上がったと思っています。

そして、ホメオパシーへの期待度はより高まりました。

今も、自分にとって、私のクライアントさんたちにとって、もっと類似したレメディはないものかと、学び続けているのは、こういった経験が大きいと思っています。

 

 

 

 

 

 

私が還暦を迎えた年に生まれた孫は、この春、小学生になりました。

今年は、桜の開花が遅かったので、満開の下で、入学式ができたようでした。

 

私は、冷たく硬い枝の先から桜の花びらが突然あふれ出し、花の季節が始まる、この頃が一番好きです。

桜の次は、ツツジ、ハナミズキ、タンポポ、菜の花、藤などなど。

 

ツツジの植え込みは、どこにでも見られますが、桜が終わると、すぐにあちこちで白や薄ピンク、または濃いピンクの花を咲かせます。

タンポポは、逞しい雑草で、誰かに踏みつけられるような場所でも、朗らかな黄色い花を、元気に咲かせます。

そして、5月の連休には、ハナミズキの街路樹がピンク色の花をつけます。

 

私は、マンションに住んでいるので自分で育てることができないのですが、我が家から駅に向かう途中には、見事なバラを咲かせている家が多くて、今、とても楽しいです。

まっすぐに伸びた枝の先に、大きく豊かな大輪の花を咲かせるもの。

蔓を伸ばしで広がり、たくさんの花をつけるもの。

色も様々、品種も様々です。

どれくらいの年月育てたら、このように育ってくれるのだろう?

育てている人は、どんな言葉をかけているのかな?

道行く人たちを楽しませてくださる園芸好きの方々には、ただ感謝です。

 

6月に入ると、アジサイが咲き始めました。

アジサイは、丈夫な花なので、大切に育てられているものも多いですが、雑草として、ほったらかしにされても毎年元気に咲くものも多いです。

 

今日、商店街を歩いていると、たくさんのアジサイが「お好きな方は、ご自由にお持ちください。」と書かれて置いていました。

大好きな花なので、私は迷わず、いただいて帰りました。

 

 

湿気や雨の日が平気な私にとっては、アジサイが咲く6月は、厳しい暑さのやってくる前の優しい季節です。

寒さから解放され、夏の辛さにさらされるまでの、ほっとできるひと時のように感じています。

 

 “June Bride”「6月の花嫁」という言葉は、梅雨のないヨーロッパから、やってきました。

この習慣は、ローマ神話が由来で、結婚の女神ユノが、6月を守護していることから来ているそうです。

ヨーロッパでは、6月に結婚した花嫁は生涯幸せに暮らせると言われてきたそうです。

日本人も、梅雨にもかかわらず、結婚式を挙げる憧れの季節になってきているようです。

娘も、つい先日、“June Bride”にあこがれた、友人の結婚式に招かれ出席しました。

 

 

上の写真は、娘の家の庭に咲いたものです。

そういえば、娘も私も6月とは真逆の12月に結婚しました。

寒くて、陽の短い季節でしたが、それもなかなか良いものだったと思います。

 

 

 

先日、専門コースの2年生の授業でこのレメディを担当しました。

原料はタイガーリリー、オニユリです。

 

日本、中国、イラン原産のユリ科の花。

人里近い、山野や田の畦などに生える多年草の植物です。

 

なんといっても、一番特徴的なのは、その姿です。

夏の花。

オレンジ色に茶色の斑点があり、いかにも暑苦しい感じ。

オニユリというのは、花の姿が赤鬼を思い起こさせることから付いた名前のようです。

トラ柄にも見えますが、英名は、タイガーリリーです。

 

花弁が反りかえり、植物の性器というべきおしべとめしべが突き出し、めしべから、蜜がたれていそうな感じ。でも、この花は、受粉して種を作ることはしません。

葉の付け根に小さな黒いムカゴができて、これらが地上に落ちて、発芽し増えていきます。

 

夏には高さが1~2mにもなる大型の植物で、ウイルス耐性も強く、丈夫で育てやすいようです。

 

根っこは百合根として食用になります。江戸時代は、飢饉の時の非常食だったそうです。

 

 

授業前には、いつも原材料について調べるようにお願いしています。

授業時には、それを発表してもらい、私がホワイトボードに書き込んでいくところから始めます。

 

そのあと、オニユリについてとても分かりやすく説明してくれている動画を見つけましたので、ご紹介しました。

 

https://www.youtube.com/watch?v=EyfLjL65fDc

 

原物質について、確認したところで、まずはこのレメディを必要とする人について想像してもらいました。

 

エネルギッシュ。

派手。

女性的。

花は、下をむいているので、うつっぽいかも。

見た目は、怖そうだけど開放的で楽しそう。

自己アピールはすごそう。

男性か女性かわかりにくい。

こんな感じだったと思います。

 

そのあと、マテリアメディカを開きました。

 

さて、どんな人なのでしょうか?

 

オニユリ・タイガーリリーという名前が、この人を一番わかりやすく表現しているといえます。

 

鬼と百合、あるいは、虎と百合。

その相反するものを両方持っている。

その矛盾に苦しむ人です。

 

虎を思わせる症状としては、

MIND; LASCIVIOUSNESS, lustfulness  好色  

MIND; CURSING, swearing; curses, desire to curse    ののしる 

MIND; STRIKING  なぐる 

MIND; THROWS; things; persons, at   人に向かって、何かを投げる。

セクシャリティと暴力性です。

 

百合を思わせる症状としては、

MIND; RELIGIOUS affections   宗教性

キリスト教では、白百合は、聖母マリヤの象徴となっています。

 

 

そして、これら二つが葛藤する苦しみの症状としては、

MIND; RELIGIOUS affections; alternating with sexual excitement   

宗教性と性的興奮が交互に起きる。

 

MIND; HURRY, haste; tendency; occupation, in; desires to do several things at once

急ぐ傾向;一度にいくつもの仕事をしたい。

 

MIND; CONCENTRATION; difficult; crazy feeling on top of head, wild feeling in head, with confusion of ideas

集中できない:頭のてっぺんには狂った感情、頭の中は野生の感情。混乱した考えを伴って。

 

このレメディの人は、本人しかわからない苦しみを抱えています。

なんて、忙しく、あわただしい人だろうと、このレメディの人を見たら思うでしょう。

 

 

インドの巨匠ホメオパスサンカランは、彼の著書 “Soul of remedelies”で、僧院にいる状態にみられるようなものだと書いています。

いかなる肉欲的な満足や享楽も罪だとみなされ、抑圧される世界にいて、押さえつけようとしても、湧き上がってきてしまう欲望に向き合うとき、その時、人はどうなってしまうのでしょうか?

 

 

身体的には、温血の人です。

病気を持ちやすい部位は、心臓と女性生殖器。

そして、お肉が大好き。

暑がりの肉食女子かもしれません。

 

Lach.ラケシス(ブッシュマスター)に似ています。

Lach.は、圧力鍋のような人だといわれています。

熱くて、精神的にも身体的にも、排出したい人。

頭の回転が鋭く、鋭い言葉を噴き出すような人。

生理前には調子が悪いが、生理が始まり、血を排出し始めると楽になります。

生理による排出が止まる更年期の不調も有名です。

 

Sep.セピア(コウイカの墨)のレメディと共通の身体症状を持ちます。

FEMALE; PAIN; bearing down; uterus, and region of; crossing limbs amel.

子宮の押し下げられるような痛み、脚を組むと改善する。

 

女性性の代表レメディであるLach.やSep.との共通部分があるレメディですから、Lil-t.も女性性のレメディだといえます。

 

Li-t.は、Lach.と同様、出したい人。

そして、子宮という臓器が押し下げられ、出ていってしまうような痛みを感じるSep.と同じ症状を持つ人です。

 

インドの巨匠サンかランは、植物レメディについて、科ごとの共通点から見ていくことを提案しています。

Lil-t.はホメオパシーの植物分類から見ると、ユリ科の仲間です。

Verat.(バイケイソウ)とAloe.(アロエ)が有名で、どちらも下痢という症状を持ちます。

下痢は、排出の症状です。

 

そして、ユリ科に共通する感覚は、

・押し出される感じ

・圧迫される感じ。

・追い出される感じ。

・無視される感じ。

 

それに対して、どのようにふるまいかといえば、

・きつくしがみつく。

・魅力的な振る舞いをする。

 

夏の盛りの強い日差しを浴びて、力いっぱい、自分を主張して咲く鬼百合ですが、片田舎の田んぼの畔にポツンと、咲く姿は、どこか寂しい風情です。

一生懸命自己主張するけれど、すればするほど、嫌がられて人は去っていくようなところのある人かもしれませんね。

 

自然界の動植鉱物は、ものを言わないけれど、耳を澄ませると、やはりかれらの言葉が聞こえてくるような気がします。

 

そして、ホメオパシーを実践していくことは、人の心と身体の言い分に耳を傾け、自然界の言葉に耳を傾けることだと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、専門コースの4年生の授業でこのレメディを担当しました。

原料はダイヤモンドです。

 

私が最も尊敬するジェレミー・シェア先生が、ダイナミススクールの生徒たちとプルービングし、誕生させたレメディの一つです。

 

ホメオパシーの創始者ハーネマンは、当時の特効薬であった、薬草や鉱物などを中心にプルビングをしていきました。

ハーネマンより200年後に生まれたジェレミー先生は、現代社会の複雑な人間模様を反映したような、ダイヤモンドやチョコレートなどのプルービングを多くしています。

 

Adamas.を勉強するときは、いつも、ダイヤモンドについて感じていることを生徒さんたちに言ってってもらうところから始めます。

ホメオパシーを学ぶ人は、ほとんどが女性なので、毎回、話が盛り上がります。

 

その後、美しいダイヤの宝飾品の画像を見ていただきます。

https://jewelry-suehiro.co.jp/fashion/diamond/

 

そのあと、原石である金剛石の画像。

 

そして、「デビアス社」の物語。

https://beprice.jp/blog/about-debeers/

 

ダイヤの原石が大量に発掘されるようになって、値崩れが心配になったときがありました。そこで登場したのが、デビアス社。

彼らは、採掘量から出荷量まで、しっかりコントロールし、価格や売り上げを維持できる仕組みをつくりました。

「ダイヤモンドは永遠の輝き」は、もっとも成功したキャッチコピーだそうです。

マスコミを使って、世界中の女性に幻想を持たせ、男性達からお金を巻き上げるビジネスモデル。

すごいな~。

 

ここまでの情報から、どんな人かをみんなで想像してみます。

 

その後、Murphのマテリアメディカを読んでいきました。

 

まずは、起きやすい病気について。

その後、精神症状を丁寧に見ていきました。

 

そのあと、「ざっくり、どんな人かしら?」について話し合ってみました。

 

それらを、ホワイトボードに書いていくと、なんだか、どこかで、すでに勉強したようなレメディ像が、ごろごろ。

あのレメディに似ているね。

そういえば、あのレメディにも、こんなところが、あったよね。

 

ジェレミー先生が、既存のレメディではカバーできない人のために、誕生させたレメディですから、当然なのかもしれません。

 

今まで習ったレメディの復習ができて、楽しかったです。

 

特に原料が黒鉛のGraph.グラファイトは、似た症状がたくさんあります。

優柔不断。自己価値への疑問。皮膚の症状。音楽に敏感。涙もろい。

鉛筆の芯の原料の黒鉛と、キラキラと美しく輝くダイヤは似ても似つかない姿ですが、分子構造はそっくり。

https://science-stock.com/graphite-diamond/

 

Sil.シリカ(水晶)Bar-c. バライタ・カーボ(毒重石)にも多くの共通点があります。

Sil.とBar-c.の特徴は、頑固で、融通が利かない。寒がりで、風邪をひきやすい。自信がなく、人に見られることに敏感。

 

原石の画像を比べるとこちらもそっくりです。

Sil.  水晶 https://malulani.info/column/stone-dictionary/4828.html

Bar-c. 毒重石 https://meostone.iza-yoi.net/carbonate/witherite01.html

Adams. 金剛石  https://www.tsuguco.com/items/84679571

 

Sep.(コウイカ) Puls.(ウインドフラワー)Cimic.(ブラックコフォシュ)にも似たところを見つけました。女性性のレメディ達です。

Adam.は、皮膚とホルモンに影響を受けやすいレメディでもあります。

 

似たレメディとAdam.を比較することによって、このレメディの特徴は、より明確になりました。

 

 

ダイヤモンドは、宝飾店の主人公です。

若い男女が婚約指輪を買いに行った時、彼らは、美しいガラスケースに並ぶ、透明に光り輝くダイヤを見ます。

だれも土台のプラチナには目もくれません。

でも、採掘量が非常に少ない貴金属で、宝飾品以外にも工業製品としても需要の多く、価値が高いのは、プラチナなのです。

 

ダイヤは、加工される前の金剛石は、硬いだけの油じみた汚い姿をしています。

金剛石は、採掘量の多い鉱山が見つかってからは、本当は、希少価値もあまりありません。

でも、ダイヤは、デビアス社のビジネスモデルの成功により、価値あるものとして宝飾店の主役として飾られています。

 

こういったダイヤの側面が、Adamasを必要とする人の精神症状に反映しています。

自己価値の低さ。でも、姿が美しく、富や権力のある家族の一員だったり、奥さんだったり。恵まれているけれど、辛さを抱えている人。

 

 

最期にダイナミススクールでシェアしていただいたケースを2つご紹介しました。

 

1つはひどい咳に悩む少年のケース。

 

様々なレメディを使ってきたけれど、治らなくて、学校にも行けない。

花粉の時期になるとくしゃみや鼻水ではなく、咳をします。

何時間も止まらないような咳をします。

この子を見ていると花粉の時期がわかるほどです。

喉の痛みであれ、風邪であれ、必ず咳になって、それが、ずっと続く。

 

承認を欲しがり、大丈夫だといって、いつも安心させてもらいたい子。

自分に自信がないので、自分のことを他人に考えてもらいたいそうです。

ジャガイモ、パスタが大好き。

 

Adam.はジェレミー先生の奥様のカミラ先生は、Adam.やGraph.など炭素のレメディの人は、パスタが好きだといっていました。

 

また、Adam.はカミラ先生のの大好きな「咳のレメディ」の1つだそうです。

ダイヤモンド鉱夫の肺。チリに弱い、咳をする人のレメディ。

 

この子は、Adam.でとても早い回復ができました。

ビデオケースだったので、元気になって生き生きしている姿も似せていただき、感激しました。

 

 

鉱夫で思い出しましたが、ディズニーの白雪姫は、このレメディだといわれています。

白雪姫は、継母の怖い王妃に追い出され、森に捨てられたお姫様。

森でダイヤを掘っている鉱夫の小人に助けられ、彼らの世話をして一緒に暮らすようになります。

継母の王妃は本当は魔女で、白雪姫のことを知って、毒林檎をもってやってきます。

白雪姫が、毒林檎を食べて死んでしまった後、小人たちは、悲しみ、ガラスケースに入れて飾っていました。

ある日、森で道に迷った王子様がそれを見つけます。

白雪姫は、王子にキスをされて生き返り、幸せになるというお話。

小人の鉱夫たちは、Bar-c.だといわれています。「膝で歩くという妄想」という精神症状を持つ、自信のない、隠れて生きていたいような人にマッチするレメディです。

 

 

 

もう一つのケースは

顔に赤い炎症の斑点がある女性。顔に紙袋をかぶせたくなるそうです。

生理は常に不順。生理の前は気分が暗くなり、落ち込み、ただ座って、涙が出る。

暗闇や雲に覆われて出ることができない。

怒りと、無気力。

子供たちと夫から逃げて、一人で静かにしていたくなる。

怒りは夫に向けられる。

夫は、成功した医師。友達も多く、おしゃべりで、光り輝くような人。

彼と知り合ったとき、自分が詰まらない人間だとわかり、彼といることが一番大事だと思うようになった。

大学にはいかず、専門学校にして、彼と暮らし始めた。

自信がなく、方向感覚もないので、どこに行ったらよいかがわからない。

私は十字路に立っている。

この女性も、Adam.で心身ともに元気になり、人生が良い方向に展開していったそうです。

 

このレメディは、たぶん、私にとってとても気になるレメディだと思います。

このブログには、かつて2回Adam.について投稿しています。

 

ご参考までに、

 

2014.9   5期生の授業の後に。https://ameblo.jp/sunny-garden/entry-11920044313.html

2017.   7期生の授業の後に。https://ameblo.jp/sunny-garden/entry-12329966583.html

今回は、2024.5  14期生の授業の後に投稿しました。

 

 

 

 

 

南米熱帯アンデス山脈が原産地、アカネ科キナノキ属の樹木。

 

https://www.tokyo-shoyaku.com/ohana.php?hana=104

 

Chin.は、この樹木の樹皮を乾燥させた「キナ皮」を原料にします。

 

「キナ皮」の主成分キニーネは、マラリア原虫を死滅させることから、マラリアの特効薬として有名で、かつては、日本薬局方にも、収載されていました。

 

「キナ皮」は、元々は、アメリカ先住民が大切にしていたもので、「キナ」という名前は、インカの言葉で「熱を防ぐ皮」を意味するKinkinaに由来します。

 

18世紀以降、マラリア特効薬としての評判がヨーロッパで広がると、乱獲により、野生のキナの木は枯渇してしまいました。

1930年代にはジャワ島の高地での栽培に成功し、世界のキナの90%が生産されるようになりました。

近年は、合成品が作られるようになり、生薬の需要は激減しました。

でも、ペルーの先住民たちは、今でも解熱、消化器系症状、感染症、強壮剤として使っているそうです。

 

ハーネマンは、1755生まれ。

当時のヨーロッパは、植民地政策により熱帯地方に進出する必要があったためマラリアの特効薬「キナ皮」は、大人気の特効薬でした。

瀉血中心の医学に絶望して医者として働かず、薬効書の翻訳をしていたハーネマンが「キナ皮」の記述に疑問を持ち、自分で飲んでみたことから「類似の法則」を発見したのは、ホメオパシー界では、あまりにも有名な話です。

 

Chin.は、一番最初に誕生したレメディです。

 

マラリアは、今の日本では、ほとんど見られない病気ですが、かつて太平洋戦争で南方方面に兵士として出かけた人の多くが罹って亡くなっています。

 

マラリアの症状は、40度近い高熱、悪寒、頭痛、関節痛、嘔吐、下痢、発汗です。

そして、一旦回復したかに言えても、症状が何度もぶり返すという間欠性の病気です。

 

私は、授業ではいつも、「もし、あなたが熱帯雨林のジャングルで、このような病気にかかったなら?」という質問をしてみます。

 

高熱と痛みで苦しめられ、嘔吐、下痢、発汗という症状でからだの水分を失っていくと?

 

マラリアに罹る人は、今の日本にはいないけれど、こういった症状は、コロナでもインフルエンザでも、肺炎や気管支炎、腸炎、肝炎、胆のう疾患、出血性の疾患、などでも起きることはありそうです。

 

Chin.の中心は、脱水による衰弱です。

身体の循環を担う「水」を失うというのは、命の力を失うということです。

多量の分泌物の排出、排膿、下痢、嘔吐、発汗、出血、授乳などから、極度の疲労、衰弱、頭痛、消化不良、貧血などの症状を発症します。

 

病気は消化器に持ちやすく、鼓腸のレメディでもあります。

 

胆石症にもよく使われるレメディの1つです。

胆石発作の苦しみを味わった人は多いと思います。

私の夫も10年ほど前に経験しました。

いくつかのレメディに助けてもらいましたが、彼の場合は、最終的にChin.が一番良かったと思います。

あるとき、発作を起こして、トイレに駆け込み、冷汗をかき、血の気のない顔色で、下痢と嘔吐と痛みにもがき苦しんでいました。

トイレからのヘルプで、私は、Chin.200c. を持っていきました。

暑さと、寒気と痛みで、まるで熱帯雨林のジャングルでもがき苦しんでいるような状態だったそうですが、レメディを口に含んだ瞬間、温帯の日本のいつもの自分に戻ったそうです。

胆石症って?

胆のうにできた石が、胆道に引っかかる痛みだそうですが、あの時は、なぜ、痛みがなくなったのでしょうか?

その後の検査では、まだ、石は残っているという結果が出ました。

いまだに謎です。

主人の場合は、Chin.があるという安心感と、食事療法で、だんだんに胆石の恐怖からは自由になりました。

ここ数年は、発作を経験していません。

 

脱水感が身体的な中心ですが、精神的な脱水感にもつながるのでしょうか?

いい加減なものでは満足できません。

最高のものを望みます。

芸術的な人。

とても気難しく、人との付き合い方も、深い触れ合いや友情を求めます。

そして、身体的にもこの点では共通していて、ささいな接触は嫌がり、きつい圧迫の方を好みます。

 

Chin.の人が住んでいる間違った病的な世界~ これは、精神の妄想の症状で表現されます。

 

MIND; DELUSIONS, imaginations; persecuted, that he is

迫害されているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; pursued, he is

追われているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; pursued, he is; enemies, by

敵に追われているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; tormented, he is

苦しめられているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; unfortunate, he is

不幸であるという妄想

 

太平洋戦争で東南アジアのジャングルでマラリアに罹ってしまった兵士は、きっとこのような気持ちだったのでしょう。

 

でも、日本にいて、マラリアにはかかっていなくても、

体内の大切な水分を不当に奪われるような状態に周期的に襲われたら、だれでも、このような気持ちになりそうです。

 

そして、このような病気の状態に対して類似の法則が働いて元の自由な状態に戻してくれるのがChin.です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あけましておめでとうございます。

いよいよ、2024年が始まりました。

昨年について言えば、11月と12月の2回にわたって妊娠出産のコラボセミナーをしたことが一番印象に残る行事だったと思っています。

 

最初は、11月23日。

出張さんばステーション聖護院 海(まある)助産所をされている、助産師の宮川友美さんに来ていただきました。

やってくる新しい命を、あふれる愛情で受け止めてくれる、経験豊富な宮川さん。

 

お話は、妊娠の土台となる女性の月経周期から始まりました。

知っているようで、知らない。

とても大切なことなのに、あまり気にも留めず、外に向きがちな私たちの意識。

女性の体は、男性とは全く違うことを、パートナーに伝え、理解してもらうことの大切さ。

そんなことを教えていただきました。

 

そして、女性の体は、受胎と共にドラマチックに変わっていく母体となります。

出産はそのクライマックス!

自宅出産の動画を見せていただきましたが、涙が止まりませんでした。

昔、お産が家で行われていた頃は、母親になる人はみな、命を張って見せる、ドラマの主役だったんだ。

 

2回目は、12月23日。

今回は、宮川さんから、バトンをうけとって、「妊娠出産」の時に、ホメオパシーでは、どのようなお手伝いができるかというセミナーになりました。

女性とお母さん、子供たちの強い味方、人気ホメオパスの松本美紀さんと一緒に担当させていただきました。

 

妊娠すると、つわりが始まります。

時には、不正出血があって、びっくり。

妊娠すると、ほとんどの人は、貧血になります。

これで、あこがれの助産院出産をあきらめる人も多いのです。

早産。

逆子。

なかなか進まない陣痛。

出産後の回復促進。

産後の鬱。

授乳のトラブル。

これらについて、私はホメオパスとして個人的に経験した等身大のお話をさせていただきました。

 

そして、こういった場面にいつも登場する女性のための3つの大レメディについては、少しだけ、詳しくお伝えしました。

 

まずは、シミシフガCimicifuga racemosa.(Cimic)

アメリカ先住民が女性の特有の不調に使っていた薬草が原料です。

このレメディは、主に神経と子宮の筋肉に作用してくれます。

 

レメディの原料には、この植物の根を使いますが、その「根」の写真を見ていただくのがこのレメディの理解には、役立ちます。

もじゃもじゃな、黒いワイヤーのような姿をしています。

有名な精神症状があって、

MIND; DELUSIONS, imaginations; wires, is caught in  妄想:ワイヤーに捕まえられた。

赤ちゃんの世話にかかりきり、かわいいけれど、家に閉じ込められ、社会から切り離されて産後の鬱状態になっていく人にマッチするレメディです。

 

また、赤ちゃんは、流産や早産にならず、適正な時期にきちんとした陣痛が来て、適正体重で出てきてくれるのが理想ですが、なかなか順調にいかないのが現実。

大切なのは、適切な子宮の筋肉の、緊張と弛緩です。

順調な妊娠に必要なのは、子宮の筋肉が、赤ちゃんの成長に合わせて、全体は柔らかく膨らんでくれるけれど、入口はしっかり絞めておいてくれること。

そして、いざ、出産となると、入り口は柔らかく開いて、赤ちゃんが外に出ていくようにある部分は収縮してくれる。

Cimicは、子宮の筋肉の調和的な収縮に力を貸してくれるレメディです。

ですから、早産、流産、出産時だけでなく、鬱的状態まで、広くカバーしてくれるのです。

 

 

次は、セピアSepia officinalis(Sep)。

コウイカの墨を原料にする、女性のための代表的なレメディです。

皆さんは、コウイカが、スーパーの魚売り場に並べられている姿を見たら、まるで、子宮の形のそっくりなのに驚かれると思います。

料理をするなら、まず、足と内臓をごっそり引きずり抜かなければなりませんが、このレメディにマッチする人は、「押し下げられるような痛み」を持つのが特徴です。

 

イカは、敵に襲われそうになると、墨を吐いて身を守ります。墨には、敵の活動能力を低下させ脱力させる成分が含まれています。

また、イカは、身体能力が高く、すごいスピードで泳ぎ、海のハンターと言われています。

 

このレメディは、本来は、有能で、活発に活動できるのだけれど、疲れ果て、どんよりと無気力で無関心になってしまっている状態にマッチします。

外で生き生きと激しく活動していた女性が、妊娠出産、育児をしていく中で、徐々にどんよりと、鬱的になっていく姿と重なります。

家族を愛しているんだけれど、身動きのとれない現実に苦しみ、嫌悪感を持ってしまいます。

仕事で疲れていても、早く帰って休むよりも、ジムによって、身体を動かして発散したいタイプです。

 

 

最後にご紹介したのは、Pulsatilla (Puls.)プルサティラ。

レメディの女王といられるほどに、女性の多様な適応症状を持っています。

原料は、西洋翁草。全草が老人の白く柔らかい毛におおわれているところから名付けられました。

ヨーロッパの涼しい地方原産で、春一番、寒風の吹くところで元気に咲きます。

水はけのよいやせた土地に咲き、風を好みます。

風に吹かれるままに柔軟に花の向きを変えるので、ウインドフラワーとも呼ばれます。

地上では、背丈の低い可憐な姿をしていますが、根っこが発達しているので、丈夫で、水も栄養もさほど必要としません。

このレメディを体質的に必要とする人は、粗食好みで、喉が渇かず、案外丈夫です。

でも、子供なら、親の注意を引く程度の病気をよくします。

「ママ、お耳が痛いの。」「お腹が痛いの。」「お鼻が詰まって、苦しい。」

 

Pulsの特徴は、「変化」と「見捨てられたくない気持ち」です。

逆子のレメディとして有名です。

逆子は、第2子や第3子に多いような気がするのですが、お母さんは、上の子の世話に追われて、お腹がどんどん大きくなっていくのにあまり気が向かないことが良くあります。

そんな時、おなかの赤ちゃんは、「見捨てられたくない気持ち」が働いて、逆子になるケースに良く出会います。

Puls.200c.で、よくなったケースは何度も経験しています。

お腹の赤ちゃんに呼びかけること。

そして、身体を冷やさないこともとても大切なようです。

 

 

妊娠出産時のお助け三大レメディは、現物質情報から立ち上げて、少し詳しくお話をしました。

すると、女性性について、何だかよりわかる気がしました。

女性は、生理周期を持っている。

母であること、妻であること、娘であることは、家族からの期待が大きい。

その縛りは辛いなあ。

妊娠、出産、育児中はとりわけ、状況の変化が激しい。

そうでなくても、刻々と変化していくホルモンに身体だけでなく心も、ものすごい変化にさらされている。

男性からの、理解と、いたわりは、やはり、欲しいな。

 

そんな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、CHK専門コースの4年生の授業で、このレメディをとり上げました。

 

このレメディの原料は、ヨウシュチンチョウゲです。セイヨウオニシバリともいわれています。一般的な英名は、mezereon. 種小名のmezereum.は、古いペルシャ語の「殺す」という意味の言葉が由来です。

「殺す」とか、「西洋鬼縛り」とか、なんだか怖い名前がついています。

 

 

 

 

ヨーロッパからコーカサス地方、トルコ原産。森や低木林、雑木林などに自生し、広く庭木としても栽培されています。

 

開花期は早春。

枯れ枝から、春まだ冷たい風が吹くころに、まず、ピンク色の花が開きます、そのあと葉が出てきて、赤い実をつけます。

なんだか、桜に似ていると思いませんか?

桜も、春を知らせるように、枯れ枝から一斉に花が開いて、散りかけたころから葉が出てくる。そのあと、赤いサクランボの実が膨らみます。

 

果実や小枝には、ダフネトキシンという猛毒が含まれています。

 

レメディには、この植物の樹皮を使います。

 

この毒は、皮膚を刺激し、炎症を引き起こします。発赤や疱疹ができます。

また、なめると、下痢と嘔吐を引き起こします。

これらの作用から、「植物の水銀」と呼ばれています。

 

なぜか、私は、ホメオパシーを勉強するようになって、早春に桜の花が咲き始める景色を見て、「Eruption」という言葉が浮かんでくるようになりました。

枝から、花弁が噴出してくるのを見て、皮膚から発疹がでるイメージがわくようになってきたのです。

この言葉には、

1. 火山の噴火;溶岩・間欠泉などの噴出:(医)発疹、皮疹、(歯牙)萌出

2. (怒り・笑いなどの)爆発:病気:戦争などの突発

といった意味があります。

 

Mez.もEruption 発疹のレメディで、以下のような皮膚の症状を持ちます。

Skin; ERUPTIONS; crusty  皮殻質の

Skin; ERUPTIONS; crusty; bleeding  皮殻質で出血した

Skin; ERUPTIONS; crusty; moist  皮殻質で湿った

Skin; ERUPTIONS; desquamating  落屑した

Skin; ERUPTIONS; discharging  粘液などを排出する

Skin; ERUPTIONS; dry  乾燥した

Skin; ERUPTIONS; eczema  湿疹

Skin; ERUPTIONS; herpetic;  ヘルペス

Skin; ERUPTIONS; itching 痒い

Skin; ERUPTIONS; rash  発赤

Skin; ERUPTIONS; urticaria; nodular  蕁麻疹

 

水銀を原料とするMerc.は、皮膚のレメディといったイメージはないのですが、これらの症状をすべてカバーしています。

調べてみて、びっくりしました。

皮膚症状で有名なRhus-t. :ルストクス(ツタウルシ)やArs.:アルセニカム(砒素)も続きます。

 

Ars.は消化器の症状が有名で、焼けるような感覚や、下痢と嘔吐のレメディでもありますが、Mez.もそういった症状を持ちます。

Ars.と同様、すごい寒がり。

STOMACH; ANXIETY  胃で不安を感じる

この症状は、Ars.の代表的な症状ですが、Mez.も入っています。

Mez.の人は、何か心配すると、胃が空っぽになった感覚になり、胃潰瘍になりがちです。

一人になるとさらに悪くなり、つまらないことでイライラしてしまいます。

Ars.にそっくりです!

 

あと、このレメディの特徴的な症状に

EXTREMITY PAIN; LOWER LIMBS; Leg; tibia; night

脛骨(むこうずね)の痛み、夜に悪化する

というのがあります。

この症状を持つレメディで有名なのは、Aur.(金)のレメディです。

金といえば、重い貴金属ですが、それを原料とするAur.は、重い責任感に苦しみ、その苦しみに耐えられず、自殺傾向を持ちます。身体的にも、脳、心臓、目、骨など奥深く、上の方にあり、頭蓋骨や肋骨、筋肉などで大切に守られている臓器に病気を持ちやすい人です。

 

Mez.は皮膚症状のレメディとして有名なだけでなく、Aur.のように「夜に悪化する骨の痛み」も持っています。

 

世の中には、皮膚の症状を持つ人は、とても多いです。

レメディの中にも、皮膚の症状を持つものは多いです。

でも、急性でないかぎり、その人の皮膚症状を癒してくれるレメディは、全体像や特徴的な症状が、マッチしていないと役立ってはくれません。

 

Mezは、皮膚症状のレメディですが、Sulph.のように暑がりで、楽天的な人ではなさそうです。

寒がりで、Merc.(水銀)Aur.(金)Ars.(砒素)に似たエネルギー。

心身ともにどちらかというと暗くて深刻な気質を持った人だと思います。

 

 

 

 

 

 


このレメディはポリクレストレメディの1つです。
多くの組織に起きる様々な症状に対して活かせるレメディです。

全体像がマッチすれば、いろんな不調悩みを抱えてやってくるクライアントさんに
変化をもたらすことができるレメディだと言われていますが、
私には、理解しにくいレメディで、授業でも、自分がこのレメディ学習を担当する際、
いつも苦手だなあと感じていました。
原料は、水酸化カリウムと言われています。
「ハーネマンが独自に調合した化合物由来のレメディで、消石灰と硫酸水素カリウムの混合物」と
臨床家のためのマテリアメディカには書かれていますが、
その原料から立ちのぼるイメージとマテリアメディカに出てくる症状像を重ねることが難しいのです。

例えば、Sulph.サルファ―は硫黄から作られるレメディです。
硫黄が多く含まれている火山のイメージに、Sulph.の症状像は重なります。
また、Acon.アコナイトは、その原料が、強い特性を持つことや、
生息地である高山の環境や花の姿のイメージは、Acon.の症状像と重なります。

どうすれば、消石灰と硫酸水素カリウムのイメージから、Caust.の症状像を重ねることができるのでしょうか?

でも、2018年から3年余り学んだダイナミススクールでジェレミー先生のCaust.の授業を受け、この悩みは解決しました。
そんなこともあり、今年の国際セミナーでも取り上げていただくことにしました。

ジェレミー先生の授業では、このレメディCaust.を作ったときのお話から始まります。
友達とアイルランドの浜辺で、火を焚いて、粉砕した大理石を火に投入し、一晩中燃やし続けたのだそうです。

大理石を一晩中燃やし続けたら?
有機物をすべて燃焼させた後に、最終的にはカリウム硫酸塩と反応させるもののようです。
そこに残っている原材料は、元素的には、Kカリウム、Caカルシウム、S硫黄の要素を持つようですが、
その中心は「燃え尽きたもの」だということ。水分はすべて蒸発し、燃え尽きて冷えている。

Caustの症状像の中心も、そういったところにあります。

ですから、慢性的状態に適したレメディということになります。
100年前のアメリカの医師ホメオパスであるJ.T.ケント博士は、
慢性疾患を持つ衰弱した高齢者のためのレメディであり、急性状態に使うのはまれだと、書き残しています。

通常は、ゆっくりと悪化し、徐々に衰弱していくような人に適します。
筋肉が弱り、やがて麻痺に至るような人。関節、筋肉、あらゆるものが硬くなって弱って行く。
一般的な表現なら、リウマチ・多発性硬化症・デュピュイトラン拘縮などとなります。
筋肉や腱が収縮・拘縮しコントロールできなくなってゆく(麻痺的)状態に適しています。

英国の元首相マーガレット・サッチャーの晩年の状態にマッチすると言う方もおられます。
強い正義感・高い理想・弱者に対する支援への熱意を持つと同時に、その思いが強すぎて、
それに心身ともに着いて行けず、やがて燃え尽きるというテーマを持ちます。

長時間大理石を燃やし続けて作るCaust.は、燃え尽きたような人。
長年の苦痛、多くの問題を抱えてきて、徐々に心は弱り、
時に認知機能が衰えることすらあり、身体は、徐々に冷えて乾燥して行きます。


私は、このレメディを10年ほど前にインドの巨匠サンカラン先生から処方提案されました。
当時の私の悩みは、日常生活には特に支障のないレベルでしたが、
時々足の腱が短くなったような感覚があり、ひどい時には裂けるような乾いた痛みを感じることでした。
日によって時間帯もまちまちに、足のあちこちに痛みを感じていました。

サンカラン先生から、このレメディを提案されたときは驚きました。

当時の私のCaust.への理解は・・・
MIND; IDEALISTIC 理想主義
MIND; INJUSTICE, cannot support 不正に耐えられない
MIND; FANATICISM  狂信的
などの精神症状が印象的で、社会活動家のようなイメージを持っていたのです。

私は、それとは、かなり違います。
自分の生活を日々送るのが精いっぱいの、母であり妻であるごく平凡な存在です。

私は、このレメディを何かにつけて飲むようになって1年くらいは改善がありませんでしたが、
3年くらいたったある日、足の症状がすっかりなくなっていることに気が付きました。
言われてみれば、私は、体質的には、燃え尽きた大理石のように、乾いて冷えて、活力
がないのが特徴です。とても喉が渇きます。寒がりなのに冬でも冷たいものをごくごく
飲みたい。人の痛みには同情しがちで泣き虫。自分はどうであれ、家族には、必要以上
に心配してしまう。人生に対する様々なところで、意外にも理想は高いかもしれない。
やはり、Caust.かなあ・・・。

今年9月に開催されたCHK国際セミナーでは、ジェレミー先生は、Caust.について、
慢性的な症状を持つ高齢者のレメディとして紹介されましたが、私のような中年女性
にもいますし、子供にもとてもよく見られます。ポリクレストレメディですから。

また機会があれば、いろんなタイプのCaust.をご紹介したいと思います。
どうか、お楽しみに。

 

 

 

今年も、無事、国際セミナーを終えることができました。

 

 

私たちは、CHK設立2年目から、毎年秋には海外の先生をお呼びして、全学年がそろって勉強するということをしてきました。

今年は、16期生を迎えての15回目の国際セミナー。

オーストリアからお二人の先生をお迎えして、初めての国際セミナーをした時の興奮と緊張を思い出すと、信じられないほどに、静かで当たり前の年中行事の1つとなりました。

Zoom受講を選ぶ方が主流になり、大きな会場に大勢が集まり、にぎやかな交流の場という

ものではなくなりました。

でも、Zoomのおかげで、学ぶ機会を得ることができた方も大勢います。

 

ジェレミー先生とのご縁も、これほどのものになるとは思ってもみませんでした。

45年のホメオパスとしてのキャリアを持つ先生の、CHKの生徒さんたちに投げかける暖かく力強い言葉。

ジェレミー先生との強い信頼関係をもち、いつもより良いセミナーになるように、コーディネートしてくださる吉川さん。

素晴らしい通訳をしてくださる藤崎さん。

皆さんには、ただただ感謝です。

 

今回も、オルガノンは、§9をしていただきました。

私が、ジェレミー先生のセミナーに初めて参加したのは、2005年、東京でのセミナーでした。

あの時は、私は、ホメオパシーを学び始めて、3年目。

オルガノン§9を滔滔と美しく歌い上げるような講義に強い衝撃を受けました。

CHKの国際セミナーの講師として、初めて京都に来ていただいたときにリクエストしたのも§9でした。

今回は3回目。

§9は、バイタルフォースの話ですが、健康を表現する最高の文章でもあります。

 

レメディも専門コースの4年間の中で学ぶ大レメディを3つしていただきました。

ホメオパスとしての豊かな経験と、マテリアメディカへの深い理解あってこその素晴らしい講義でした。

 

CHKの国際セミナーは、専門コースの生徒さんが主な対象者ですが、卒業生、ダイナミスで学んでいる方々大勢の方も四条教室で、また、Zoomを通して参加してくださいました。

ありがとうございました。

来年は、どんな国際セミナーができるかな?

どうか、お楽しみに!

 

 

 

 

                                                                                                       

 

 

Con.は、毒ニンジンを原料とするレメディです。

 

毒ニンジンは、ヨーロッパ原産のセリ科ドクニンジン属の植物で、現在はアジア、北アフリカ、北米各地の乾燥した荒れ地に自生しています。

葉の形は人参に似ています、花もそっくり。ふわふわした、白い手毬のような可憐な花を咲かせます。

でも、Con.は食べたら大変!

植物全体に、コニインという猛毒成分が含まれているのです。

 

 

 

 

https://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1603.htm

 

古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、処刑されるとき、この毒を飲みました。

 

https://www2.kokugakuin.ac.jp/letters/examinee/zuihitsu/hem.html

 

Con.の毒は、少量摂取では、筋肉の無力化、視覚障害、頻脈、頻呼吸。

多量摂取では、吐き気、嘔吐、下痢、口喝などの胃腸症状に引き続き、神経系の症状が発現します。中枢神経の麻痺は、下肢の方から体の頭の方へ筋肉の麻痺が広がっていきます。

胸部と横隔膜の筋肉が麻痺し、呼吸が止まって死にますが、意識は最期まで明瞭のようです。

 

下肢から麻痺が上がっていき死に至る。

老人のイメージですね。

 

痴呆症のレメディの1つです。

考える力が鈍くなり、記憶が弱くなり、無関心、無感情、内向的になっていきます。

 

高齢者のめまいにも、考慮されるレメディでもあります。

めまいは、回転性で、暗いところで目を閉じじっとしていることで改善します。頭を動かしたり、立ち上がったり、寝返りで悪化します。

 

泌尿生殖器にも症状が出やすいレメディです。

乳腺と前立腺。

癌や腫瘍になりやすいです。

「腺」というのは、「月」と「泉」が合わさった文字です。

泉のように、水分が湧き出る器官。

Con.は、その部分が、腫れたり、硬化したり、石のように硬い癌やしこりを作ってしまう人です。

 

まるで、豊かな泉が枯れて、干からびてしまうようなイメージ。

身体は、徐々に硬化と麻痺と衰弱が進みますが、精神的にも徐々に活動停止になっていきます。

仲間を嫌い孤独になります。

厳格さや儀式主義、強迫観念にとらわれていきます。

過去には、激しい激動の日々があったかもしれないけれど、病気の進展とともに悲嘆、無気力、痴愚へと変わっていきます。

 

性的な抑圧や節制から、Con.の病気になっていく人もいます。

人は誰でも高齢になると性的な生活から遠ざかっていきますが、若くても、パートナーの喪失や宗教的な理由から病気になっていく人。

 

まるで喪に服しているかのように、黒や暗い色を好みます。

光りを嫌悪し、暗闇で好転します。

これは、Stram.のモダリティと真逆です。

 

塩が大好き。酸っぱいものとコーヒーも好きですが牛乳は嫌います。

 

眼瞼下垂(目蓋が重たく落ちていく)は、Gels.  Caust. Sep.が有名ですが、Con.もこの症状を持ちます。

 

眠るとすぐに汗をかく。

これも、すごく変わっていると思います。

100年以上前のホメオパスの話ですが、「昼夜を問わず、眠るとすぐに汗をかく、目を閉じただけで」という症状に着目して、Con.を選び、80歳の片麻痺の男性を見事に直したという記録も残されています。