一人の自分を持てあまし


何もかもウソのように透かして見えてくる

 

それでも時間だけは変わっていく

 

 

 

見失ってしまいそうな孤独

 

傷つけてしまいそうな孤独

 

逃れられない孤独

 

どうしようもない孤独

 

 

 

孤独に耐えかねて

 

雑踏に紛れ込んでも

 

他人でしかない周りの人間は

 

1人でしかない自分の姿を映し出す

 

 

 

 

 

空はそっとあなたを見ている

 

空はそっと

 

あなたの誰にも見せない

 

涙も

 

痛みも

 

苦しみも

 

汗も

 

笑顔も

 

見ている

 

 


空は黙ってあなたを見ている

 

空は黙って

 

あなたのどんな

 

悪行も

 

企みも

 

嘘も

 

裏切りも

 

見殺したことも

 

見ている

 

 

 

空はずっとあなたを見ている

 

空はずっと

 

片時も離れることなく

 

包むように

 

見守るように

 

突き放すように

 

見下すように

 

見ている

 

何をしても

 

何をしなくても

 

どんな気持ちでいたのか

 

どんな心でいるのか

 

空は見ている

 

ずっと

 

見ている

 

 

 

 

いやや、いややと泣く女

 

 

避ける仕草の男の腕を

 

 

すがりついても払われて

 

 

言葉の端に他人がみえても

 

 

それでも欲しい男なら

 

 

 

 

時として

 

冷ややかに

 

時として

 

残酷に

 

知らないうちに回り始めた風車は

 

やがて知らないうちに止まってしまう

 

 

 

いいですか

 

そっと目を閉じて

 

だた静かに

 

思い出してみてください

 

幼かった頃のことを

 

今はもう忘れた何かを

 

見つけるはずだから

 

きっと

 

 

 

 

あなたから私へ

 

私から君へ

 

命が伝わっていく

 

 

あの人から僕に

 

僕からお前に

 

思いを伝えてゆく

 

 

その積み重ねが

 

時間を時代に変え

 

時代が歴史になって

 

繋がっていく

 

 

 

 

内なる熱を試すかのように

 

鳩尾(みぞおち)から腹部へはっていく

 

あるものはすっと一気に下腹部まで走り下る

 


奥なる漲(みなぎ)りを惑わすかのように

 

うなじから肩甲骨、そして背筋に沿って

 

まとわりつくように進んでは止まり

 

止まっては臀部の谷間にまで落ちていく

 

 

秘めたる疼(うず)きを誘うかのように

 

いつの間にか脇腹にも自(おの)ずと沸いていでて

 

柔らかな部分を弄(もてあそ)ぶように滴(したた)っていく

 


まるで自由を奪われて

 

巧みな舌遣いに身悶(みもだ)えしているように

 

言い得ぬ恥じらいを煽(あお)っていく

 

煽るだけ煽ったまま消えていく

 

 

 

また1つ星が消えていく

 

きっとどこかで消えている

 

けれど誰も気づきはしない

 

昨日と同じ空だから

 


空に瞬く星たちが

 

雲の波間に

 

人の波間に

 

そっと輝く

 


また1つ星が生まれていく

 

消えた星の分

 

けれども誰も気づきはしない

 

明日も同じ空だろうから

 

 

 

くりかえし

 

くりかえし

 

同じこともくりかえし

 

今度のくりかえしは

 

同じのことのくりかえしでなく

 

何か新しいくりかえしが始められたら

 

それでいい

 

 

 

生きるとは腐敗との闘いである

 

腐敗は生きることに決して媚びない

 

容赦もしない


全身総力を挙げ

 

細胞は死滅と再生を激しく繰り返すことで腐敗に抗い

 

たとえその身が闘いに力を使い果たしても

 

また新生し

 

戦列に加わっていく

 

その繰り返しにも

 

次第にすべて力尽きていく

 

 

腐敗は次への命に繋いでいく

 

命は腐敗に支えられている

 

だが

 

わが身の内なる死闘と

 

頭蓋の内は別とみえ

 

腐敗は命に不可欠であるのに忌み嫌い

 

腐敗から命を得ているというのに遠ざけようとする

 

腐敗を止めることは

 

生きることを止めることと同じであるというのに

 


腐敗することなく

 

焼かれる身の上であるのがわかっているから

 

腐敗を嫌うのか

 

身につまされるから腐敗を避けるのか

 

腐敗を養分に生きているというのに

 

腐敗はあらゆる命を支えているというのに