無言で乗り込む人たちは
無口のままですれ違い
レールを刻む音に合わせるように
同じように揺れていても
明日を思っている人
今日を悩んでいる人
昨日を悔やんでいる人
それぞれ違う想いを抱えている
何も語らず
何も聞かず
隣の男が誰であれ
向かいの女が誰であれ
知らない世界の物語
駅ごとに
みんな違う幸せに向かって歩いていく
無言で乗り込む人たちは
無口のままですれ違い
レールを刻む音に合わせるように
同じように揺れていても
明日を思っている人
今日を悩んでいる人
昨日を悔やんでいる人
それぞれ違う想いを抱えている
何も語らず
何も聞かず
隣の男が誰であれ
向かいの女が誰であれ
知らない世界の物語
駅ごとに
みんな違う幸せに向かって歩いていく
雲一つない空に
身の置きどころもなく
所在なげに月だけが浮かんで
そのせいで星のない夜空
白い息だけがかまいに行くけど
すぐに消えちまう
こんな日くらい
気を利かせて
雪でも降れば
ちょっとは格好もつくってものを
昨日とおんなじように
何にもない
ただ寒いだけの夜かよ
去年の今頃何してたなんて思い出せないし
どうせロクなことはなかったろうよ
来年の今頃何してるかなんて
明日のこともわからないのに
わかるはずないだろう
どうせロクなもんじゃないだろうさ
何度なおしても
ほどけてばかりのマフラーに
ちょっと苛立つけど
捨てる気にはなれない
まだあいつの温もりを手放したくないんだ
ただ寒いだけの夜に
地元のツレに電話しようかと思ったけどやめた
噂じゃ結婚したとか
子どもができたとか
デカいこと言って出てきたのに
ここでオイラ
こんなところでオイラ
何してるんだろう
世間の水はそんなに甘くないと親父
何を夢みたいなこととお袋が
バァちゃんは黙って背中丸めて
ゴメンよ
ほんとにゴメン
でもまだ帰れない
ただ寒いだけの夜に
ほんとむかつくよな
どいつもこいつも
世間のヤツらみんな
特にあのオヤジには
でも・・・
でもわかっているんだ
本当にむかつくのは
このオイラだってこと
なりたかった自分になれた人はどれくらいいるんだろう
何者にもなれず
ましてなりたい自分になれなかったヤツ
あぁはなりたくはなかったのに成り下がってしまったヤツ
オイラはどうなろうとしているんだろう
ただ寒いだけの夜に
一人ぽっちの帰り夜道は
ヘッドフォンからあの唄が流れてくるだけで
寂しくなんかない
たとえ涙がこぼれても
歯を食いしばれば大丈夫だよ
誰にも気にするヤツもいないし
誰にもわかんないし
浮かれ騒ぐヤツらなんかに
見えるはずないし
寒いだけの夜に
ただ寒いだけの夜に
一人の自分を持てあまし
何もかもウソのように可笑しく見えてくる
それでも時間だけは変わっていく
見失ってしまいそうな孤独
傷つけてしまいそうな孤独
逃れられない孤独
どうしようもない孤独
孤独に耐えかねて
雑踏に紛れ込んでも
他人でしかない周りの人間は
1人でしかない自分の姿を映し出す
赤いのはわかっている
でもそれが
淡い赤なのか
濃い赤なのか
わからない
罪なのかわかっている
でもそれが
笑って済ませられるのか
償いは一生かかるのか
わからない
あまりの若さゆえ
まだ青い実のことゆえ
周りを責め
周りはその若さを責め立てる
あなたは試されている
あなたは常に試されている
あるゆるものがあなたを惑わし
いつも何かを選ばせようと企んでいる
もちろん正解などありはしない
息をつかせる間もなく
矢継ぎ早に突き出される選択肢を
何も考えずに
深く考えずに
時には少しは考えて
よくよく考えて
一晩考えた末に
などと気まぐれな猶予に振り回されていることに気づかず
選ばされている
ただすべてのことは
どう考えようが
どれだけ考えようが
自分が決めたこととして
おのが身に降りかかる
自分の選んだ結果として
容赦なく
途切れることなく
受け止めなければならない
それについての選択の余地だけは与えられていない
残念ながら
空気読んでと諭されて
読み間違えて
なじられて
言い繕って
墓穴掘り
空読めよと責められて
読んだつもりが
深読みしすぎて
立場なくして
針のむしろに座らされ
ちゃんと読むぞと
焦れば焦るその先は
迷路・悪路にはまり込み
身の置き所も消え失せて
一層自分の殻が厚くなる
誰が否を飲み込むか
誰が諾を言い出すのか
押し付け合いの
せめぎ合い
目配せだけで
すまし顔
誰のためなの
この空気
何のためだよ
この空気
誰かにとって都合の良い
犠牲になるのは誰でもいい
早く収まる空気なら
自分ではない空気なら
一人の自分を持てあまし
何もかもウソのように透かして見えてくる
それでも時間だけは変わっていく
見失ってしまいそうな孤独
傷つけてしまいそうな孤独
逃れられない孤独
どうしようもない孤独
孤独に耐えかねて
雑踏に紛れ込んでも
他人でしかない周りの人間は
1人でしかない自分の姿を映し出す
空はそっとあなたを見ている
空はそっと
あなたの誰にも見せない
涙も
痛みも
苦しみも
汗も
笑顔も
見ている
空は黙ってあなたを見ている
空は黙って
あなたのどんな
悪行も
企みも
嘘も
裏切りも
見殺したことも
見ている
空はずっとあなたを見ている
空はずっと
片時も離れることなく
包むように
見守るように
突き放すように
見下すように
見ている
何をしても
何をしなくても
どんな気持ちでいたのか
どんな心でいるのか
空は見ている
ずっと
見ている