【1703】コロナ私見#640(低レベルの専門家)

 

先回の公開質問状の宛先は国立感染症研究所の所長の脇田氏でした。脇田氏は政府のコロナ専門家委員会の座長でもあります。コロナは2023.5に5類になりましたが、その直前の専門家委員会で脇田氏を含む主要メンバーがコロナの総括的なまとめ論文を出しています。これがいわば彼らの結論です。私から言わせると極めて低レベルです。手前味噌ですが、私のまとめと比較しながら批判します。この論文とは別にコロナに係わった人たちが分担して記録集をまとめています。これが酷いのは以前に述べました。

【1628】コロナ私見#579(専門家報告書は無為無策犯罪の証拠) | 住田正彦のブログ(団塊世代の思うこと) (ameblo.jp)

 

今回のはトップレベルによる論文です。

専門家の論文

001088929.pdf (mhlw.go.jp)

001088930.pdf (mhlw.go.jp)

 

比較のための私の総まとめ

【1698】コロナ私見#635(総まとめ①感染原理) | 住田正彦のブログ(団塊世代の思うこと) (ameblo.jp)

【1699】コロナ私見#636(総まとめ②事実編) | 住田正彦のブログ(団塊世代の思うこと) (ameblo.jp)

 

論文執筆メンバー

国立感染症研究所の所長を初めとし、8割おじさんの西浦氏も含みます。

 

こういう科学論文では、図を如何にうまく使って説明するかが重要です。そのため1枚の図にどれだけ意味のあるデータを詰め込めるかの推敲と、データの厳選、加工が必要です。この論文では図は6枚しかありません。それだけに尚更厳選が必要です。その図を基に私との比較をします。

 

1.基本データ(感染者、死者等)

[専門家]

[私]

 

[比較]

専門家は2枚も図を使っていますが、生データだけで医療で一番重要な致死率を計算していません。弱毒化が如何に進んだかが全く判りません。私は重症者も入れて1枚にまとめ、かつピーク値からの簡易計算ですが致死率、重症者率をまとめています。この1枚に重要なデータは全て入っています。

 

ちなみに専門家の図からも致死率は計算できます。私の簡易計算と比較しました。殆ど同じです。専門家はこんな計算もしていないのです。致死率は意識的に無視のようです。ちなみにピーク値から比率で計算した私の数値が合うのは、どの波も同じ形をしているためです。

2.クラスター

[専門家]

 

[比較]

私はコロナの伝染力は想像以上に大きく、クラスターを追っても意味が無いと思っています。従って図はありません。人流では感染は制御できないと思っています。

本文に

「第 6 波以降高齢者福祉施設・障害者福祉施設・医療機関のクラスターは顕著に増えてきて いる。特に第 8 波では高齢者福祉施設のクラスターの数が増加していた。」

という記述がありますが、1200万人近くが感染する大波ではどの組織、機関でも大量の感染者が出ます。当たり前のことです。高齢者施設だけではありません。大事なのは感染した高齢者を如何にケアするかです。それが2類指定のためコロナ病院に強制転送され、持病の治療が受けられなかったり、環境の激変で亡くなったりしているのです。

施設のクラスター感染者と全国の感染者を重ねました。同じ形です。何のことはありません。施設も他と同じように感染者をだしているだけです。1200万人も出るときにクラスターなんて意味がありません。そこらじゅうがクラスターなのです。この図は何の意味も持たない無駄なものです。

しかし初期の波の頃は施設の方が感染者が多いようです。この時はクラスター対策が意味があったように思います。この図が意味があるとしたらこの点ですが、何の言及もありません。

 

3.地域差

[専門家]

最初は都会ほど感染率が高く、後半は地方が高くなったとの説明。

理由は

「第 5 波までは流行の制御ができていた人口の少ない自治体でも、第 6 波以降は伝播性の高いオミクロンが流行の主体となり流行の制御が困難になり、さらに対策が緩和されたことで、感染者とともに死亡者が増加したと考えられる。」

あくまで流行の制御の人的コントロールの差としている。

 

 

[私]

県の差は若者比率の差。ウイルスの感染能力維持期間と若者の行動範囲が関係しているのではと推察。しかし、感染が進むと累計では差が無くなってきた。全員が感染することにどの県も向かっている。第八波が人口の少ない県の方が多いのは、先行県に追いつく最終的過程のため。沖縄は人口148万人、秋田は90万人で大差はありませんが、若者割合は最大と,最小。その違いがハッキリ出ています。

 

[比較]

専門家の方は「累積」の考えは持っておらず、どの県も同じゴールに向かっていることに気がついていない。分析が中途半端で、自説に都合の良い解釈をしている。

 

4.イギリスとの比較

[専門家]

 

 

 

[私]

 

 

 

[比較]

専門家は現地の英語のデータを何の加工、説明も無くそのまま使用。日本との比較も出来ない。死者比較は最近のデータのみで、初期にイギリスでは大量死者を発生したのが読みとれない。私のではイギリスは先行したが、感染は急速に終息に向かっていること、日本はその後追いをしているように見えることがわかる。初期のイギリスの死者は膨大であったこと、それに比較すると日本の死者は軽微であり、インフルエンザと大差ないことがわかる。感染者の累積の最終値は同じ値に向かっている。

専門家は本文でも、イギリスの最近の死者は日本と同じと言うばかりで、コロナがそもそも世界的な社会問題化した初期の頃の大量死亡が日本では起こらなかったことを意識的に避けている。イギリスでは現状はもはや誰も気にせず、社会は全く平常化している。そこと比較しても意味が無い。

本文の

「それとともに重症者(中段の ICUおよび HDU(High Dependency Unit)入院者数)や死亡者数(下段)も徐々にピークが低くなってきている。し かし、この死亡のデータには 2020 年末から 2021 年初めの英国で非常に多くの死亡者を記 録した時期が含まれていることに注意が必要である。」

と言う箇所は、初期のデータには惑わされず、今の状態だけを比べろという本音がにじみでている。初期の死者が多いために今の死者が少なく見えることを懸念しているよう。しかし、初期の多さこそ問題であって、今の状態はもはや普通の状態なのです。

イギリスの第一波の致死率は20%で感染者も膨大、これは確かに「死の病気」で対応が必要でした。日本は第一波は5%で少し高かったものの、感染者はたった1.7万人でした。アジアの免疫力の高さで救われたのです。第二波から致死率は1%レベルになったので、そもそも怖がる必要はなかったのです。今の0.1%台なんて何の問題もありません。

第一波 イギリス 感染者29万人、死者5.7万人、致死率20%

      日本 感染者1.7万人、死者916人、致死.率5.4%

この比較こそコロナ対応の原点だったのです。今の終息状態の比較など意味がありません。

イギリスの人口は日本の半分ですので、第一波は日本換算では10万人の死者なのです。それが大問題だったのです。今はイギリスでは何も問題になっていません。

 

5.終息に対する見解

[専門家]

図はなく、本文の記述です。

「それに対し、第 8 波では第 7 波より感染者数がやや減少していた。しかし、 第121回(令和5年4月19日) 新型コロナウイルス感染症対策 アドバイザリーボード 押谷先生・鈴木先生・西浦先生・脇 田先生提出資料 資料3-7ー① 2 図 2 に示すように第 8 波では第 7 波に比べて死亡者数は大きく増加した。この間に感染者 に対する死亡者の割合が大きく上昇する要因は考えにくく、第 8 波では感染者の検出率が 低下していたと考えられる。つまり、実際の第 8 波の感染者数は第 7 波よりも相当程度多 かった可能性がある。」

「第 9 波の流行は、第 8 波より大きな規模の 流行になる可能性も残されている。」

「減衰振動に推移するのは第 9 波に起こるよりもそれ以降に起こる可能性の方が高いと考えられる。」

 

[私]

イギリスに半年から1年遅れで第七波をピークに終息モードに入る。全員に近い人が感染すれば集団免疫ができて完全終息する。抗体保有率がそれを示している。

 

終息原理 全員が感染すれば終息する。

 

[比較]

専門家の論文はまだ第九波が来る前でしたが、私は当時から第七波がピークでそれ以後終息モードに入ると言っており、その通りになりました。

専門家は第八波の死者が第七波より多いので第八波の感染者は実際は第七波より多いと言っていますが、そもそも第六波のオミクロン株からコロナ計上死者は実はコロナ起因ではないと言われたのにもかかわらず、また大量の超過死亡が出ているのに死因を何も調べず、憶測で言っています。またどうなれば終息するかという原理論を何も述べません。次の波は更に大きいと脅かすばかりで、致死率も計算せず、死因も調べないままでした。私は全員が感染することが終息の条件と言っています。

 

 

6.結論

[専門家]

コロナは5類になったもののまだまだ感染は続く。引き続き警戒が必要。

 

[私]

コロナはもともと日本では怖い病気ではなかった。特にオミクロン株からは普通の風邪となった。国民が殆ど感染すれば終息するので、その時期は近い。

 

まとめ

専門家の総括のレポートに使われている図はたった6枚で、しかも如何にもおざなりな図であることがわかります。英語のデータをそのまま使ったり、図6は「図5」の表示がされています。クラスターの図なんて、何の意味もない無駄なものです。図4の都道府県の差は深掘りが足らず、意味がありません。全体に人に何かを主張しよう、説明しようとする姿勢が全く感じられません。委員会の他の資料は何百枚もの無駄な図を使っているのに、トップがまとめた最終論文がこんなおざなりな少数図で済ませているのです。上に挙げた6枚が全てなのです。この論文に渾身の力を入れるべきものでした。致死率の低下、他国との比較などはむしろ隠したいという思いさえ感じます。欧州の初期の膨大な死者を無視し、落ち着いた現状での比較しかしません。法律で規定されているインフルエンザとの比較は全くありません。こんなレポートが3年間の最終版として、国立の研究所のトップが名を連ねて出てくるとは酷いものです。私の見つけた波の形状の世界での同一性、波の周期性にも気づいてないようです。激増したコロナ以外の死者(超過死亡)にも何も触れていません。また終息の原理を何も述べません。国民を脅かして、事態を長引かせようとするのが目的で、そのために都合の良いデータだけを使い、重要な事実には目を瞑るというもので、およそ科学的なものではありません。

 

主張の比較まとめです。

日本では2022年は超過死亡が11万人出ています。コロナ死者の8割はカルテに死因が書いてないそうです。コロナ陽性ではあったが、超過死亡と同じ原因ではないでしょうか。こんな状態なのに、専門家は死因は何も調べないのです。2022年は国民の15%の2000万人がコロナ陽性でした。総死者150万人の15%の22万人が陽性になってもおかしくはないのです。カルテに死因記載が無い人はたまたまコロナ陽性だった偽コロナ死者の可能性があるのです。病院に入院している人はコロナにかかりにくいことを考えると死因記載なしの3万人というのは辻褄があう人数かもしれません。

 

追加

専門家のデータを見ていて腑に落ちない点がありました。イングランドの図5の感染者のデータが私のイメージと違うのです。そこで私のデータと重ねて見ました。下記のように専門家のデータはオミクロン以降で全く違うのです。それ以前はピッタリ一致していました。どうしてこんなことになるのか出所を調べたいと思っています。私のデータ元は世界の標準のものと思っています。うがった見方をすれば、専門家は減衰が小さく見えるデータをどこかから探し出してきて使っているのかとも思います。それくらい私は専門家を信用していません。

 

追加調査

WHOのデータを見たら札幌医大と同じでした。ただBBC(英国放送)のデータが専門家のと同じです。それを重ねたのを下の方に示します。どうして2種類あるのかは不明ですが、いずれにしても私の論調には影響しません。

死者は差が無いようです。最初の死者が多かったのが問題なのです。今は落ち着いており何の問題も無いのです。専門家が最近だけ比較するのは無意味だし、何か意図を感じます。それも最近の日本のコロナ死者はコロナ起因では無いと言われているのに死因調査もしていないのです。コロナ陽性死者のうち8割はカルテに死因が書いてないのです。