【1628】コロナ私見#579(専門家報告書は無為無策犯罪の証拠)

 

政府の専門家委員会がコロナでの活動記録をまとめたそうです。「科学と政治のせめぎ合い」と言っていますが、全然科学的ではなかったのが専門家委員会です。専門家委員会のほうが自分らの利害を優先して政治的だったと私は思っています。

 

 

どんな内容か見てみました。

新型コロナ記録集.indd (jpha.or.jp)

ざっと見てみると自画自賛の533ページもの膨大なものです。関係者が分担して執筆しています。とても読む気にもなりません。そこで、キーワード検索で内容を推定することにしました。私は専門家委員会の一番重要な役割は、この病気が特別扱いをすべき病気なのかどうかを判定することだと思います。指定後もその判定を続け、どこかの段階で解除を判断するのが一番の使命だと思います。病気の重度を判断する一番の指標は致死率です。人が病気になった時、死亡する確率はどの程度かというのが、医療界にとっても、個人にとっても一番気になるところです。2類に指定するのはSERS,MARSなど致死率が数10%のものです。病気が広がると社会的不安が発生するので、徹底的に押さえようという趣旨です。従来から致死率というのはまず病気の判定指標としてあげられるものでした。門外漢の私でも聞いたことはありました。

 

私がずっと言っているように、専門家委員会は感染者ばかりを取り上げて、死者の分析、致死率の計算は何もしていません。そこで、「感染者」、「死者」、「致死率」、「死亡率」、「致命率」でワード検索しました。予想通り、結果は感染者386、死者7、致死率9、死亡率13、致命率2でした。圧倒的に「感染者」が多く、死者に関するものはごくわずかです。下記の検索ボタンを押すと検索窓が出ます。そこに言葉を入れて検索します。図では致死率で検索し、9件が出てきました。

 

「致死率」の9件の箇所を見てみました。中には重要なデータもありました。沖縄の保健医療部長がまとめた致死率です。第一波が4.92%、第二波が1.69%というものです。もう一つは東京の墨田区の保健衛生部長がまとめた致死率です。第一波の9.76%から、0.42%、1.29%、0.48%と下がり、第六波で0.05%になったという記述です。いずれもグラフはなく、言葉での記述です。533ページの中で、この数行だけが意味のあるものだと私は思います。どちらも1地方のデータで、委員会として全国をまとめたものはどこにもありません。実際は私でも簡単に計算できるものですが、この報告書のどこにもありません。

その箇所です

P60

沖縄県にとっての第2波は緊急事態宣言の発出した2020年7月31日~9月6日と定義すると、こ の間の陽性者数は1,895人、死亡者数32人、致死率(陽性者数に占める死亡者の割合)1.69%であっ た。第1波(陽性者数142人、死亡者7人、致死率4.92%)に比べて、陽性者数は10倍以上に増え、 急速に増加したことにより、重点医療機関以外での病院での療養、派遣看護師の受援調整、繁華街 等における一斉検査、そして自宅療養者への支援等を経験した波となった。また県コロナ対策本部 内に設置した施設支援チームと検査企画チームはその後の流行においても県独自の対策を行う役割 を担い続けている。

 

 

P302

(5)墨田区における感染者数と死亡者数

  2022年7月6日時点、墨田区民の新型コロナウイルス感染者数は累計で3万2,294人。死亡者数 は63人。各流行における致死率は、第1波9.76%(死亡者数16/感染者数164)、第2波0.42%(同 2/同478)、第3波1.29%(同24/同1,862)、第4波0.48%(同5/同1,043)、第5波0.08%(同3 /同3,772)、第6波0.05%(同13/同24,975)だった。

 

死者に関するグラフを見てみました。膨大なページ数ですがグラフを見るだけなら短時間ですみます。

世界の死者グラフです。日本がどれかもわかりません。数字を見ると日本は格段に小さいものです。ここの部分での本文の記述です。日本の対応が素晴らしかったとの自画自賛です。

「マスク着用、手洗い・手指消毒 の徹底」が効果があったというデータはどこにもありません。保健所は診療の足を引っ張るばかりでした。誰がそんなことを言っているのでしょうか。単にアジアが免疫が強く軽く済んだだけです。他のアジア国と同じです。

P27

 わが国の人口100万人当たりの感染者数および死亡者数は、米国、カナダ、英国、フランス、イ タリア、ドイツなどG7の中でもかなり低い(図表3、図表4)。マスク着用、手洗い・手指消毒 の徹底、3密回避などの個人でできる基本的対策に関する普及啓発、世界的に例を見ない保健所と いう組織による積極的疫学調査の徹底、適時の緊急事態宣言による接触の回避、感染リスクの高い 方に対する検査の徹底、国民皆保険を前提としたフリーアクセスおよび高度な医療レベルなど適切 な医療提供体制などさまざまな政策が功を奏した、と指摘する人もいる。  

 

私が調べたG7国とアジアの累積死者数比較です。アジア全体が低く、中では日本が高い方です。何も自慢できるようなものではないのです。

 

WHOによる世界の死者のグラフです。日本単独のデータは載ってません。

P80

 

Johns Hopkins大学による5ヶ国の死者比較です。日本は極めて低いものです。

 

 

広島県のデータに致死率の推移が載っていました。どんどん小さくなっています。

P113

 

 

 

コロナではありませんが、2009年に新型インフルエンザが発生し、世界で大問題になったことがあります。この時、日本の致死率は0.16%であり、何の騒ぎも起こりませんでした。私も全く記憶にありません。この時もやはり「致死率」が重要な指標と考えられたので、こんなデータがまとめられているのです。医学界の常識でした。

P14

 

以上が死者のデータ、グラフ全てです。たったこれだけです。気がつくのは全てのデータが、WHOなどの世界機関か、地方自治体のものです。委員会として日本全国をまとめたものは皆無です。日本全体の死者のグラフは1枚もないのです。驚きです。しかも自治体などの各種のデータを値を拾い読みすると、日本は世界でも一番致死率が低く、それもどんどん低下し、インフルエンザ以下になったのが読み取れます。2009年の何も騒がなかった新型インフルエンザ以下になったのです。しかも最近のコロナ死者はコロナ起因ではないと言われており、致死率はほぼ0になっているのです。それなのに委員会は死者、致死率は全く調べず、まだ第九波の襲来を言い立てているのです。

いかに委員会が死者を無視していたのかがよくわかるレポートです。医療関係者なら常識として持っている「致死率」を全く扱っていないのです。本当に国民のことを考えて行動したか極めて怪しいことを露呈しています。私は告発をしているつもりです。証拠書類になるようなレポートです。

 

2022年は日本ではコロナ以外の死者が2021年に比べて10万人以上も激増しました。例年比で多い死者を超過死亡と言います。「超過死亡」で検索したところ1件だけ出ました。

P264

欧米の国々では、新型コロナウイルス感染症死亡も多く報告された が、計上されているより多い超過死亡があり、平均寿命はそろって低下した

欧米の話であり、日本の話は全くありません。委員会では日本でも多いと報告されたことはあるのですが、この報告書では無視されました。コロナ以上に大問題の筈ですがスルーされたのです。委員会でも「多い」と言うだけで何の調査も分析もありませんでした。

「死因」で検索するとたった2件です。死因分析は何もしていないのです。コロナで亡くなった人も陽性ではあったが、別死因の人が一杯いるのですが、何も記述はありません。一方「陽性」は407件ありました。

下記のように、2022年はコロナ以外の死者が激増しているのですが、委員会は無視です。コロナ計上死者もコロナ直接起因ではないと言われているのですが、コロナ以外の死者も含めて死因分析は何もないのです。

 

2022年は10万人増えて、2023年も続いています。

 

急増した2022年2月は寿命性の死因が多かったのです。委員会は何の調査もしていません。下記は人口動態統計によるもので、委員会のデータではありません。カルテに死因がコロナと明記してあるのは全体の2%しかありません。

 

このレポートに書かれていることが問題ではなく、書かれていないことが問題なのです。「5類」で検索すると一件も出てきません。「五類」で検索すると、保健所の人が書いた記事が出てきました。全国保健所へのアンケートです。五類変更は保健所へのアンケートで決めるべきことではありません。委員会が責任をもって、科学的データで決めるべきです。それがどこにもないのです。致死率データさえまとまったものはないのです。5類変更は政府が決め、委員会は渋々従ったと言うのがよくわかります。普通の状態(すなわち5類)にいつ戻すかというのは、専門家の委員会が判定すべき最後で最大の責務なのに、言葉さえないのです。

白井 千香 枚方市保健所長

(2)新型コロナウイルス感染症の対応および類型変更への検討  第5波がほぼ収束した10月には、全国保健所長会の地域保健総合推進事業の一環で、「新型イン フルエンザ等感染症」として、新型コロナウイルス感染症の二類相当対応の在り方について検討す ることとし、その資料を得るべく11月~12月にかけて、全国の保健所⻑を対象に「今後の感染対策 の在り方に関する意識調査4)」(277/469保健所:回収率59%)を実施した。。「国内の社会経済的影響も踏まえ、五類化 のタイミングを計る必要がある」と答えたのは保健所長全体の57%であった。

 

死者が無視されているので、当然死者の年代別分布のデータなどどこにもありません。どんな人が亡くなっているかは、病気の社会的影響を見るのにも重要です。類型の判断にも必要です。下記は私のデータです。コロナはインフルエンザ、総死者の分布と何も変わりません。要は寿命ということです。インフルエンザではちゃんとデータがあるのに、コロナではありません。本当にこんなデータすらこの資料にはないのです。

 

 

私のまとめた東京都の致死率です。誰でも簡単に計算できるのです。1年前には致死率がインフルエンザ以下になったことはわかっていたのです。致死率と並んで病気の重度を見るのには重症化率も重要です。私は重症化率を計算しましたが、委員会の記録には「重症化率」の言葉が5ケ所で出てくるだけで、数値データは全くありません。

感染し尽くして収束するのが感染学の基本の「SIR理論」ですが、SIRで検索しても結果は0です。出てくるのは、siryou(資料)という言葉なかのものという笑い話のような結果です。収束がどうしたら起こると考えているのでしょうか。私はコロナの波ごとの収束はSIR理論そのもので、そのために全世界が同じ形になっていると思っています。SIR理論を研究していた8割おじさんの西浦教授はSIR理論のことは委員会では何も述べず、あれほどマスコミで行動規制効果を言っていたのに、この記録集では何も記事を書いていません。「西浦」で検索すると1件のみです。執筆者としては出てきません。

コロナ騒ぎが最終的に終息するのは集団免疫ができるためですが、「集団免疫」で検索すると2件しか出ません。それも言葉として使っているだけで、考察の結果ではありません。感染学の基本、重要データがなにもない、無いもの尽くしのレポートです。とても科学的なものとは思えません。

 

日本全体の私のデータです。

 

コロナ特措法では類型指定の条件として、「インフルエンザと比較して重いもの」と規定していますが、「比較」で検索すると97個出ましたが、インフルエンザと比較したものは0です。「比較的」という言葉が大半でした。医療界の常識だけでなく、守るべき法律も無視しているのです。下記は特措法の解説です。指定するのも、解除するのもインフルエンザとの比較と規定されています。

 

 

コロナが発生した時、インフルエンザが世界的に消滅したのは「ウイルス干渉」の現象ですが、「ウイルス干渉」で検索しても0です。およそ専門性の薄いレポートだと思います。

私が見つけた「波の形状一致性、周期性」は気づいていないようです。「周期」、「形状」で検索しても0です。科学者として感度が悪すぎです。あるいは人流説と反するので無視しているかです。下記が私の見つけた、波の形状の一致性、周期性です。いつも同じ形で立ち上がって、同じ期間で収束し、同じ間隔を経て次の波が立ち上がっています。極めて規則的な現象です。とても「人流」で決まっているとは思えません。幅が広い波がありますが、亜種が登場しピークが2つできて長引いたものです。単独なら同じになりました。

 

 

しかも、この形状は世界的にどの国も、どの波も同じなのです。感染し尽くして収束するSIR理論そのものの現象です。

 

 

下記の人は第五波が急激に減少したのは予測ができなかったと言っていますが、波の形状の一定性、周期性が第五波までくればわかっていました。当然予測できたことです。私は第五波がそろそろ減少に転じる筈だと今か今かと待っていました。1週間ほどのずれはありましたがほぼ予測通りでした。それくらい規則性のある現象でした。コントロールは難しいと言っていますが、コントロールできないのはそれまでのデータを見れば明らかでした。コントロールできないなら、あきらめて医療体制の見直しに動くべきでした。それを出来ないことを最後まで国民に要求し続けたのです。医療体制には何も手をつけませんでした。方向が間違っています。

(4)第5波 感染拡大と医療逼迫 ~第5波での東京都の対応~

〈杉下 由行 東京都福祉保健局感染症対策部感染症危機管理担当部長〉

P79

④終わりに  われわれは近年で最も重大な公衆衛生上の危機に直面していると言っても過言ではない。新規 陽性者数の急増に伴い、救急医療を含む医療提供体制が深刻な機能不全に陥ったのが第5波の特 徴であった。感染拡大に備え医療体制の強化を図ってきたが残念ながら十分ではなかった。患者 が自宅療養を余儀なくされ、保健所の陽性者対応も限界に達した。第5波は、ピークからあっと いう間に収束したのも特徴的であった。急速に増減を繰り返すことは分かっていても今この時点 がどのフェーズであるのかはあとになってみないと分からない。繰り返される流行にコントロー ルが非常に難しい感染症だと心底感じた

 

私の第五波のピーク越えの記事です。2021年8月です。減少は予想通りとの記事です。

【1322】コロナ私見#291(東京はピーク越え) | 住田正彦のブログ(団塊世代の思うこと) (ameblo.jp)

 

追加

この人はまだこんなことを言っています。5類変更にこの人は最後まで反対したのです。自分らが変更を決める責任者だったはずなのに、全く他人事の発言です。何も判定するためのデータを集めなかったのです。その証拠が上の記録集なのです。5類になったということは普通の病気になったと言うことです。彼は未だに5類変更を認めていないのです。「普通の病気になったから、後は医療機関に任せて安心して欲しい。」とどうして言わないのでしょうか。

 

この記事に着いた読者のコメントを見て欲しい。その通りです。

 

 

この記事の続きです。堀江氏が尾身会長発言を批判したら、専門家委員会のメンバーの「8割おじさん」こと京大教授の西浦氏が「うるせーばか」とツイートしたらしいのです。

 

実際のツイートを見てみました。本当に言っています。

 

 

これとは別に、彼は他の人のツイートをリツイートしていました。この意見に賛同していると言うことです。それは第八波の死者が増えたのは規制を緩めた政府の責任という内容です。よく賛成などできるもんだなと思います。愛知県知事が言うように、第六波からはコロナ死者はコロナ起因ではないという意見が強く、私もそう思います。政府の委員として西浦氏はこの意見に対応が必要なのに、無視をして死者は何も分析せず、感染者が増えると脅し続けたのです。本当に国民の幸せを考えているのでしょうか。他人をバカ呼ばわりして批判しているのです。この言葉を100倍にして返したいです。