【1698】コロナ私見#635(総まとめ①感染原理)

 

コロナもそろそろ終息です。私のコロナ論のまとめです。

4年前、専門家のコロナの説明に疑問を持ち、自分でデータを調べることを始めました。幸い、札幌医大のサイトが世界中のデータをグラフの形で提供するサービスを行っていました。これが極めて痒いところに手が届くもので、自由にデータ加工ができました。人類がウイルス病の感染経緯をリアルタイムで追いかけるのは初めての経験であり、素人の私でも専門家と同じレベルでスタートすることができました。電機の半導体技術者としてデータから真実を見つけ出す仕事をずっとやっていた私には向いていたこともあります。

その結果、思いもかけない事実を見つけたり、専門家がまるでデータを分析をしていないことに気が付いたりで、これは私がやらねばとずっと解析を続けてきました。真実を語らない専門家、政府、マスコミに対する怒りが継続の原動力でした。ただ、どうなったら最終的に終息するのかがわかりませんでしたが、4年経って世界が終息し、日本も追いかけて終息するに到り、終息の原理の考えに思い至りました。ウイルス病の全体像が掴めたように思います。最終的な私の考えをまとめます。第一回は感染原理についてです。専門家は何も言いません。人を介してうつるので接触を減らせとしか言いませんでした。古典的な話ばかりでコロナからは何も学んでいないように思います。誰でも言えます。

 

 まず、感染の最も基本となるSIR理論というのが根本にあります。これは感染学の教科書にも出ている極めて基本ですが、専門家は全く言及しません。病気は野原の火が焼き尽くせば消えるように、感染し尽くせば収束するというものです。簡単な数式で表現でき過去色々な伝染病がこれで説明できることがわかっていました。下記はその図です。

最初は未感染者が100%ですがどんどん感染が進むと未感染者が減ってきて、新規感染者が出る確率が減ってきて、最終的には全員が感染して収束するというものです。そのため新規感染者は山形カーブを描くというものです。極めて当たり前のモデルです。「感染し尽くして収束する」というのが原理です。ここで、「集団免疫」という概念が登場します。これは100%感染しなくても、ある程度の感染率に達するとそれ以上に拡がらないというものです。まだ未感染で免疫を得ていない人がいるにもかかわらず、集団としては免疫を得たように見えるので集団免疫と読んでいます。ウイルスの感染力とのバランスで決まるもので、数学的にも説明できるものです。

 

 

 

感染し尽くせば終わるのであれば国民全員が感染し、1回限りで終わる筈ですが、コロナの場合は少数の人だけが感染して一旦収束するが、新たな波が何回も繰り返し来ました。その度に感染者数が増えました。これがいつまで続くのかというのが読めませんでした。私は、何回も続くのは下記の理由と考えます。ある人が発病するかどうかは、ウイルスの発病力とその人の免疫力の大小関係で決まります。発病力の方が大きければ発病するのです。人の免疫力はばらつきがあり、まず免疫力の弱い人だけが感染、発病します。他の人は自分の免疫力でウイルスに接触しても撃退できるのです。弱い人だけを感染し尽くすとその波は一旦収束します。コロナの第一波も1.7万人が感染するだけで終わりました。感染は全国に及んだので、ほとんどの国民は接触しながらも発病しなかったのだと思います。免疫力の弱い人だけが発病したのです。第一波のピーク時の都道府県別データです。第一波は1億3000万人の国民のうち、合計わずか1.7万人の感染者でしたが、感染者は北海道から沖縄まで広く分布しています。感染は全国に拡がったのですが、発病したのは免疫力の弱いごく一部の人だったのです。県による大差がありますが、これは若者比率で決まっているのは別途述べます。

 

 

 ウイルスが変化しなければこれで終わってしまうのですが、実際はウイルスは突然変異を繰り返し感染力を増します。そういうウイルスが発生すると、その次に免疫力の弱い人たちが感染し、それもまた感染し尽くして収束します。これを何回も繰り返して感染者がどんどん増えていったのです。これがいつまで続くかよくわからなかったのですが、世界の波の様子を見ると大きくなった波が、その次は小さくなり始めたのです。その時の今までの累積感染者を見ると人口のある割合まで行くとその現象が起きるようでした。これがまさに集団免疫であり、集団のある割合が感染するとそれ以上の感染は起こらず終息するのです。波を何回か繰り返すことで感染し尽くすということが起こるようです。1回限りのSIR理論ではなく、大きなレベルのSIR理論も成り立つようなのです。

その様子を絵にしました。上は免疫力の分布です。下は各波の感染カーブです。第一波は極少数だけを感染して収束します。段々波が大きくなり、やがて小さくなり感染し尽くすと終息します。

 

 

 これとそっくりな形を示す国がありました。

 

ヨーロッパ全体でも似たような形で終息に向かっています。日本は第七波がピークのようで、約半年から1年ずれています。第十波まできてようやく終息レベルに来ました。コロナが始まったころ、ある専門家が終息には2-3年かかるだろうと言っていました。第一波が収束したころであり、そんなにかかるのかと驚いた記憶がありますが、結局4年かかって全員近くが感染するところまで到達したようです。

 

全員が感染して終息するのであれば、累積の感染者数を見ればわかる筈です。

ヨーロッパと日本の累積感染者です。日本はヨーロッパの後追いで同じ値に向かっています。コロナクラスの感染力だと60%程度が集団免疫ができる割合と言われていますが、そこまでは達していません。これは全ての感染者をPCR検査しているのではなく、抜き取り状態になっているデータをもとに全国民数で計算したためと思います。実際はこれより高い数値だと思います。PCR能力が不足しているため、感染者を全ては洗い出しできていないのです。

 

 

 

比較的能力があると思われる西ヨーロッパでは60%近くに達しています。集団免疫ができるレベルです。他国も実際はこの値に達しているのではと思います。

 

 

 

一度感染すると抗体が出来るので、その保有率から感染者を推測できます。これならPCR能力の制約はありません。下記は日本のデータです。波が来る度に抗体保有率が上昇しており、第10波が終わった時点では60%以上になっていると推察できます。完全終息したイギリスでは80%に達しています。これからも、国民の殆どが感染することで終息するという私のモデルの正しさが伺えます。

 

100年前のスペイン風邪のデータを現代に置き換えコロナと比較しました。スペイン風邪は発病力が強く、殆どの国民がかかったと言われています。1年でほぼ感染し尽くし、完全終息するのに3年かかりましたが、コロナは発病力が弱いため5年かかったと思われます。3年目のオミクロン株で急に発病力を増しました。5年目は第十波の推察数です。結局、何年かかってでも全国民が感染することが終息の条件のようです。

 

致死率の比較です。スペイン風邪は1年目の致死率はそれほど大きくはありませんでしたが、膨大な感染者が出たので死者も膨大でした。2年目は感染者が減りましたが致死率が高くなったので1年目と同じ死者数でした。コロナは感染者数が増えた3年目にはすっかり致死率は下がっていました。コロナは致死率が高い(と言っても1%)の時は感染力は極めて弱く、感染力が増えた3年目にはすっかり弱毒化しており、結局パンデミックでも何でもなかったと思います。ちなみに現代にスペイン風邪が来たとしたら、こんなに感染力が強い病気は2類指定では対応できません。2類は、致死率が高い時(5%以上程度?)に発令するもので、かつ感染力が弱く隔離、閉じ込めが可能な場合のみ有効な手段です。SARS,MARSなどが想定でした。コロナは次に述べるように、閉じ込めができないのは第一波の結果を見たらわかった筈です。致死率が大きくないことも、第一波でわかった筈です。両方の点で、2類指定が無意味なのは第一波でわかったのです。

 

 

もう一つ重要なことは、ウイルスの感染力は思った以上に大きく、感染者が極小でも短期間で全国に拡がるようです。

下記は感染者数1.7万人の第一波と、感染者数千万人のインフルエンザの感染カーブを比較したものです。全く重なります。1.7万人でも数千万人でも同じように3ヶ月で全国に拡がり、収束するのです。実はこのカーブは世界中、どの波も全て同じ形をしているのです。

これから私は

感染力=伝染力+発病力

ではないかと思います。伝染力はどの波も同じで、あっという間に全国に伝染するようです。実際の感染者は発病力と人間の免疫力の大小で決まるのではと思います。従来は発病した人が次の人に伝染させると考えられていましたが、発病者数に関係なく伝染するという、常識を破る事実ではないかと思います。日本の感染対策は病院での隔離を含め、人の接触を制限するものばかりでした。その意味を根底から否定する事実ではないかと思います。従来の常識に拘らずに徹底的に調べることが将来の対応策に繋がります。第一波の1.7万人が局所的なものに留まっていたら従来モデルで納得できますが、同時に全国に拡がり、同時に収束しました。発病者から拡がっていくという従来説ではあり得ないような現象でした。しかもどの波も全く同じ速度なのです。

 

コロナの第一波から第十波の重ね合わせです。立ち上がりも、立ち下がりも同じ速度です。感染者数にかかわらず伝染速度は同じようです。

 

 

ところで、コロナでは全国で同時に感染が進行しました。伝染力の強さを示すものです。その様子をグラフの動画にしました。上が北海道、下が沖縄です。尚、コロナ記事のYouTube再生には厚労省の注意喚起コメントが挿入されるようです。私にすれば、何も真実を出さなかった厚労省が何を邪魔するんだという思いです。