関数f(x,y)で、束縛条件 g(x,y) =0 に置いて、f(x,y)の極値を求める方法として、ラグランジュの未定乗数法がある。解析力学を勉強する際、避けて通れない。
学生時代、丸暗記したつもりだったが、すっかり忘却の彼方なのだ。
公式丸暗記、当てはめ型での解法だと、以下のようになる。
よく例題に使われるのが、長方形の面積を問う問題で、周辺の長さ(縦・横)が決まっている場合における、面積の最大値を求める話だ。
あっという間に解けてしまう。だが、なんだか狐に包まれた感じで、なぜ、こういう式の操作をするのかは、この段階では理解できない。
大学が公開している資料で、式の証明を書いている資料があるが、式の展開だけだと、いまいち、わからん。そこまで私の頭は賢くない。
ところで、調べてみると、ベクトルの問題だというのが、わかった。
関数 f(x,y)と、拘束条件のg(x,y)の勾配ベクトルの向きが同じ場合、極値をとるというのだ。
これを図で説明すると、見えてくる。
今回、長方形の面積を求める際、拘束条件を x + y = 8 にした。
要するに、周囲の長さが8の場合の、長方形の縦・横の長さと、最大面積を求める。
そこで束縛条件と、面積の等高線を描いてみた。
極値はラグランジュの未定乗数法で (x,y) = (4,4)の点の場合、面積が16なのが、わかっている。
ここで疑問が生まれてくる。
面積の関数と束縛条件が交わっている場所なら、どこでも良いはず。
なぜ、接している場所でないと駄目なのか。ここがミソになってくる。
もし、接していない、単なる交点の場合を考えてみた。
この時、束縛条件の線上を微小移動をしてみる。
拘束条件の線上を微小移動すると、面積の等高線から外れてしまう。
微小移動すると、面積が変化してしまうため、極値でないのだ。
では、面積関数と拘束条件が接している場所なら、どうなるのか。
同じように拘束条件の線上を微小移動してみる。
面積関数も拘束条件の線も接しているので、微小移動しても、面積の等高線上から外れない。面積は変化しないので、ここが極値と言えるのだ。
等高線上を微小移動した場合、微小移動の向きと勾配ベクトルの向きが90度になる。
面積関数の極値の点であるためには、面積関数の勾配ベクトルと、拘束条件の関数の勾配ベクトルが同じ向きでないと、成り立たないのだ。
まさにラグランジュの未定乗数法は
ベクトルの問題
だったのだ。
学生時代に習ったはずだが、20数年経って、ようやく理解できたのだ。