去年の暮れから20数年ぶりに力学を勉強しなおした。

 「いろもの物理学者」の琉球大学の前野さんの本を読んだ。

 

 

 

 学生時代、力学の講義をとったはずだが・・・

 

 全然、わかってへんかった!!

 

 摩擦の話、作用反作用の話。剛体の話など。もう笑うしかない。

 だが、それと同時に、前野さんの本を読む事で

 

 昔、力学で理解できなかった事が氷解していく

 

 だった。感激といっても過言ではない。

 

 まずは運動方程式。

 質量mの物体に、力Fで押すと、加速度aで動くという話。

 

 

 学生時代には知らなかったのだが、微分形という。

 その時点での運動の状態を表すからだ。

 

 運動量の保存則の式を見る。

 

 

 学生時代、この式は丸暗記だった。

 だが、この運動量保存則は、積分形だという。

 

 時間軸で考えると、どの地点でも運動量は同じなので、時間軸全体で見ている事から、積分形というのだ。そんな発想、学生時代にはなかった。

 

 本には詳しく解説していた。

 物体が衝突した際、お互いが作用・反作用が働き、互いの運動量が変化する。

 

 

 衝突の際、凹んだりする事で、力の加減が変わったりするのだが、そんな事を細かく見なくても、前後の物体の合計の運動量は変化しないのだ。

 

 回転運動の話。子供の頃、シーソーで重たい人と軽い人が釣り合う話を習った。

 

 

 

 これを重心を求める方法を使えば説明ができる。力のモーメントを使うのだ。

 

 本には車輪の話が載っていた。

 自転車を漕ぐ場合は、偶力が働いている。

 そして地面を押す事で、静止摩擦力が働き、その反作用で前に進む。

 並進運動と回転運動の組み合わせだ。考えた事もなかった。

 静止摩擦力でなく、動摩擦力だった場合、車輪が空転している。

 雪道や砂の道で車輪が空転している状態だ。

 

 私の趣味はママチャリの旅。同じ道路でも舗装の違いで、疲労度が違っていたりする。

 雨が降った後の道は、非常に走りやすい。転がり抵抗の話につながる。

 

 

 あと自転車や自動車のタイヤが、円盤ではなく、円環になっているのも、回転に使うエネルギーを減らすためだ。

 

 休みの日は、スタバで初等力学を読んでいた。

 

 

 

 ただ、凄くエネルギーを吸い取られていた。

 わかりやすいが、書き手も読み手もガチンコ勝負で読む感じだ。実力がつく本だと思った。

 

 初等力学を読むキッカケは、量子コンピューターを理解したいと思い、力学から勉強しなおして量子力学の勉強しようと思った。あまり興味がなかった。

 

 でも、ママチャリのタイヤなど、身近な所の現象と、再勉強しなおして得た力学の知識が結びついて、力学が楽しくなった。

 

 中年からの物理も良いなぁと思った。