市の出資法人である高蔵寺まちづくり株式会社※は、2017年10月4月に設立され、2018年度から本格的に経営をスタートしています。組織図や職員体制、主な事業が明らかになりましたので、さっそく質問を行いました。(末永けい 建設委員会)

資本金2,000万円。設立時発行株数400株(発行可能株式総数8000株)、出資額と出資比率は、春日井市が1,005万円50.25%,春日井商工会議所が445万円22.25%,OKB大垣共立銀行が100万円5%,そのほか,7者が450万円22.5%。

役員は、代表取締役、常務取締役、取締役、監査役の4名。代表取締役社長は春日井市副市長、常務取締役は前春日井市嘱託職員。役員報酬は、代表取締役と取締役は無報酬、常務取締役は月36万円、監査役は月1万円。

末永けい

まちづくり会社については、行政からの委託料や補助金に頼らずに、自立経営が行われているかしっかり注視していきたいと思っております。まず、組織図の職員体制について、市職員のOB等の構成員や、常勤なのか非常勤なのか、出身や給与の定め方などについてお尋ねします。

(市の答弁)

高蔵寺まちづくり株式会社の職員7人は、全て常勤の正規職員でありまして、その内訳は、市職員OBが4人、UR都市機構職員のOBが1人、プロパーの職員が1人、それからOKB大垣共立銀行の出向職員1人となっております。給与額につきましては、春日井市が定める給与の関係規則を参考として設定しております。

 

ひらめき電球市職員OBが随分多いですね!

末永けい

職員7名中4名が市職員OBで、給与も春日井市の規則を参考にということですが、これは市の職員のOB枠ということで採用しているのかどうかお尋ねします。

(市の答弁)

枠として、ということではございません。

 

ひらめき電球株式会社という形態にしたのですから、民間の発想で自立した経営を期待されているのに、単なる「市職員の再就職先」になってしまっては、先行きが非常に不安です。

末永けい

まち会社の職員採用枠についてですが、市職員の再就職先として、固定化したポストにはしないようにしていただきたいと思います。採用については、意欲と能力のある方を、民間から幅広く採用していただくように、これは強く要望したいと思います。
それから、高蔵寺まちづくり会社について、ここに示されているように、組織を拡大して、今年度から本格的に営業活動が始まっているのですが、情報公開に関する規定・要項については、設けているのかどうかお尋ねします。

(市の答弁)

情報公開の規定については、現時点では設けておりません。

 

末永けい

なぜ設けないのかお聞きしたいと思います。

(市の答弁)

春日井市が大半を出資している会社ということで、春日井市で情報公開を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 

末永けい

市民の方から直接情報の公開を請求された場合は、まち会社としてはどのように対応するのでしょうか。

(市の答弁)

そのあたりの対応につきましては、今後の参考とさせていただきたいと思います。

 

末永けい

会社としては、市民の方に対して情報の公開を行うんですか、行わないんですか。

(市の答弁)

今後、まちづくり会社と調整してまいります。

 

末永けい

続きまして、主な事業の中の、住宅流通促進事業(空き家リノベーション賃貸事業)について、現在進行している事業の内容についてお尋ねします。

(市の答弁)

現在、2件の事業が進行中でございまして、1件は藤山台にある戸建て空き家を所有者から借り受けまして、会社がリノベーションを行って居住者へ転貸しするものでございまして、ことし4月に一般公開いたしました。現在、賃貸契約について調整中であると聞いております。もう1件につきましては、中央台にある分譲マンションの1室を会社が購入し、住民参加型DIYワークショップにより施工したのち、一般公開を経て賃貸を行うものでございまして、7月から8月に予定しておりますDIYワークショップへの参加者を募集したところでございます。

 

末永けい

民間住宅ストックの流通、流動化促進ということについては、まちの新陳代謝には欠かせないものでして、着実に成果を出していただきたいなと思っております。そこで、新たな物件の掘り起こしなどの展開についてお尋ねします。

(市の答弁)

新たな物件の掘り起こしにつきましては、昨年の空き家調査時に行った所有者アンケートにおいて、「空き家リノベーションに興味がある」とお答えいただいた所有者に対しまして、先日、当該事業に御協力を呼びかける文書を送付しております。今後も新たな物件を確保できるように取り組んでまいります。

 

末永けい

空き家調査業務についてですが、平成29年度の空き家調査によって判明した高蔵寺ニュータウン内の戸建てや分譲マンションなどの空き家の戸数や空き家率等について詳細をお尋ねします。

(市の答弁)

高蔵寺ニュータウンの空き家調査につきましては、平成29年11月に実施しまして、空き家戸数につきましては、戸建てタウンハウスが286戸、分譲マンションが146戸でございました。空き家率につきましては、戸建てタウンハウスについては今回住宅の母数を調査していないため空き家率は算出しておりませんが、母数が特定できております分譲マンションの空き家率は5.6%となっております。

 

末永けい

それから、平成29年度に市の環境保全課から受注した空き家調査の地区、件数、受託金額についてお尋ねいたします。

(市の答弁)

都市機能誘導区域内で、JRの春日井、勝川、神領、高蔵寺駅のそれぞれの周辺地域において、412件の物件を調査する業務を、125万7,120円で受託しております。

 

末永けい

高蔵寺まちづくり会社の設立目的は、「ニュータウンの良好な環境や価値の維持・向上をめざすエリアマネジメントを担うため」とされております。それにもかかわらず、高蔵寺駅周辺ならわかるのですが、JR勝川や春日井、神領まで出ていって空き家の調査をするといったことについては、これ、設立目的からすると逸脱したことのように見受けられるんですね。発注元である市としては、発注先としてほんとに高蔵寺まちづくり会社が適切なのかどうか、適切な業務なのかをきちんと整理すべきですし、まち会社も設立目的に沿った取り組みを行うべきだと思います。そこで、平成30年度はどこの地区を調査するのかお尋ねします。

(市の答弁)

本市の環境保全課より業務を受託する予定をしておりますが、具体的な調査地区につきましては現在聞いておりません。

 

ひらめき電球まちづくり会社の自主事業が乏しいため本来市役所が行うべき業務を、わざわざまちづくり会社に税金で委託しているのではないかと感じてしまいます。市からの税金(補助金や受託料)頼みのままで、まちづくり会社は本当に自立した経営を行っていけるのでしょうか。市の財政的関与(市からの指定管理料や委託料、補助金等)は市民の負担です。

まちづくり会社のH30年度の収支予算では、売上のうちなんと、97.9%が市の財政的関与となっていますびっくり

(末永けい関連質問1)

春日井市役所の出資法人等における情報公開の姿勢には大きな問題点があります!

高蔵寺まちづくり株式会社の経営状況や事業内容は?市からの補助金や委託料に頼らず経営していますか?

高蔵寺まちづくり会社の中身は?春日井市は他市にならい第三セクターの情報を積極的に開示せよ!

高蔵寺ニュータウンまちづくり会社出資金及び準備金について

(末永けい関連質問2)

ニュータウンが3.2%、市全域が3.94%!←実はニュータウン以外の市域の方が空き家率が高い!