『君に、胸キュン。 (浮気なヴァカンス)』 歌:YMO
売れる歌詞? キャッチ―なコピー!ついに歌謡曲へ打って出たYMOのヒット曲。 『君に、胸キュン。 (浮気なヴァカンス)』は、YMO(YELLOW MAGIC ORCHESTRA)が、解散を前に、歌謡曲を制覇するという野望(?)のために作られた歌です。【1983年リリース】 当時、一世を風靡したYMO。テクノポップという新しいジャンルを創り出し、世界に影響を与えました。フュージョンが日本で(世界で?)これだけ売れたことは、もはや奇跡的事実ではないかと思います。 そのYMOが、最後にやり残したこととして、歌謡曲でナンバーワンになるという目標を掲げてこの曲をリリースしました。結果は、松田聖子さんの『天国のキッス』にかなわなかったようですが、皮肉にもこの曲もYMOの細野晴臣さん自ら作曲した歌でした。 デビュー当時のYMOは謎のグループとして演出されメンバーも全く無口。無機質で近寄りがたい雰囲気だったのに、最後はアルバムやお茶の間でコントを披露したりして逆に親近感を持たせるようなイメージに変わっていきました。 この曲のコンセプトも「かわいいおじさんたち」の歌う歌としてカネボウ化粧品のCMソングに起用されています。 今この曲の演奏を視ると、ドラマーの高橋幸宏さんが、自身のドラムパートをドラムマシンに預けてしまって、自身はギターを弾きながら、あるいはボーカルのみを担当していたことも驚きです(このライブ動画ではバックでドラム演奏をしているようですが)。【歌詞の宇宙】『君に、胸キュン。 (浮気なヴァカンス)』 歌:YMO作詞:松本隆作曲:細野晴臣 作詞は、YMO結成以前、細野晴臣さんが所属していたバンド、はっぴいえんどの松本隆さんが担当しています。歌ネットhttps://www.uta-net.com/song/1562/ 詞の内容は、夏に出合った女性へ胸ときめかせる場面を情景とともに描いているのですが、何と言っても「胸キュン」というキャッチコピーが、耳から離れなくなってしまうほどの鮮烈さを放っています(コマーシャルのキャッチコピーをそのまま使ったそうです)。 そして、その後に続くフレーズも印象に残ります。「気があるの?って こわいくらい読まれてる」 図星・・・。こんなことを言われたらドキッとしてしまいますね。 キュンとなってしまった女性との距離と時間を測りつつ、今目に映っている彼女の姿と情景を目に焼き付けている。 けれど、「ぼくはと言えば 柄にもなく プラトニック」 この気持ちに素直になっていいのかわからない。「愛してるって 簡単には言えないよ」 心の迷いが、繰り返すメロディーを相まって、巡る想いを繰り返します。そのリズムとメロディーが聴く側にも繰り返される。 聴いた後もつい口ずさんでしまう歌。 当時もYMO旋風はすさまじいものがありましたが、この歌謡曲一つをとってもさすがYMOだなぁと思ってしまいます。「伊太利亜の映画でも見てるようだね」 青の洞窟 カプリ島 イタリア