英語の歌詞の意味が結構深い! 別れと旅立ちの歌。
【1979年リリース】
大ヒットしたアニメ、劇場版『銀河鉄道999』の主題歌です。それまでのアニメ主題歌にはなかったような軽快なリズムは、別れのラストシーンと、主人公の新たな旅立ちの場面にふさわしい素敵なエンディング曲となりました。
EXELEさんもこの曲をカバーしているんですね。
僕はこの映画の2年後に公開された「さよなら銀河鉄道999」を映画館に観に行った覚えがあります。同時にシンフォニー中心の2枚組オリジナルサウンドトラックレコードをレンタルでダビングしてよく聴いていました。
どちらも最後に銀河鉄道999が飛び立っていくラストシーンは涙を誘います。
【歌詞の宇宙】
『銀河鉄道999』 歌:ゴダイゴ
作詞:奈良橋陽子(英語詞)・山川啓介(日本語詞)
作曲:タケカワユキヒデ
歌ネット
https://www.uta-net.com/movie/1630/
この曲の非常に重要なキーワードはなんといっても「journey」です。
日本語で言えば、単に旅(旅路)と訳してしまうのですが、英語でないと伝わらない微妙なニュアンスがこの歌には込められているのではないかと僕は思っています。
この「journey」※は、バスや鉄道など陸路による「旅(路)」に使われるのです。
とうとう現実味を帯びてきた短期の宇宙旅行には「Travel」が使われていたり、同じ長旅でも船(SFの宇宙船など)による永い旅は「Voyage」が使われます。
これらに対して、「journey」は、ストーリーにふさわしく、主人公が成長していく過程も含めた旅路のことを指していますが、それは鉄道の旅をも意味しているのです。
※「journey」の意味
(通例陸上の比較的長い)旅行、旅程、行程、(人生などの)行路、遍歴
「Weblio 辞書」より
https://ejje.weblio.jp/content/journey
そこで、この歌のサビの部分に注目してみます。
「The Galaxy Express 999
Will take you on a journey
A never ending journey
A journey to the stars」
直訳すれば、
「銀河鉄道999は君を長い旅路へと
連れていってくれるだろう
終わりのない旅路
星々へと向かう旅路」
という感じになるでしょう。しかしそれでは歌詞としてかなり味気ない。
「さあ行くんだ その顔を上げて」
という歌い出し、曲調、そしてタケカワユキヒデさんの歌い方を聴いてもわかるように、この歌のサビは「さあ 星々へ旅立とう!」というニュアンスが込められています。
そして、この鉄道の旅はあまりにも特別です。
陸路を行く鉄道ではなく、銀河を旅する鉄道。
「A journey to the stars(星々への鉄道旅行)」こそ、ファンタジーであるこの物語を最も象徴する言葉なのです。
それらのニュアンスを重ね合わせると、このような意訳ができるのではないでしょうか。
「銀河鉄道999は、君を一つの(君だけの)長い旅路へと連れて行ってくれる
さあ この列車で 終わることのない旅へでかけよう
さあ この列車で 星々を駆け巡るんだ」
その他にも僕の心に響いたフレーズがあります。
「古い夢は 置いて行くがいい
ふたたび始まる ドラマのために」
新しい旅立ちへの覚悟。
「そうさ 君は気づいてしまった
やすらぎよりも 素晴しいものに」
「素晴らしいもの」とは何でしょう?
それは少し後に記されています。
「あの人の目がうなずいていたよ
別れも愛のひとつだと」
そう、それは「愛」。
ようやく気付いた「素晴らしいもの」には「別れ」も含まれている。
人が成長する上で「別れ」の経験も「愛」とともに大切な宝物になっていく。子供の頃、なるほどなぁと感心したのを覚えています。
そしてここでは、「別れ」とともに、「新たな旅立ち」がやってくるのです。
アニメの金字塔『銀河鉄道999』。
そのちょっぴり切なく、そして新たな希望に晴れやかな気持ちにさせられるこの素晴らしい歌。
この歌を、僕にとっても、これからの新しい人生のテーマソングにしたいと思います。
銀河鉄道999 ならぬ きかんしゃトーマス 大井川鉄道 静岡県