つづき
タイトルみて、調べるのものすごく楽しい。
自分の兄弟の妻を略奪して結婚したヘデロ王。いくら王かてそれは人の道にはずれとる、と洗礼者ヨハネは非難した。それに怒ったヘデロ王は、ヨハネをとっつかまえて牢に閉じ込めた。やっかいものは始末したつもり。
ところが、略奪して娶った新妻へロディアとの宴席でヨハネの運命は急転。宴席で舞い踊った義娘サロメへに、ヘデロ王は「褒美になんでもやる。なにが欲しい?」とたずねたら、サロメはこまり母ヘロディアに助け舟をだしたら「ヨハネの首」と言い出した。
ヘデロ王は、さすがに・・・と思うたが、一度言うたことは反故にでけへんと、サロメにヨハネの首を落とさせた。
この物語に触発されて、たくさんの画家がこの場面を描いている。この本にはものすごい数の「サロメ」が描かれていてその一部を抜粋。いろんなサロメ像があるんだな。人ぞれぞれ。
▲カルロ・ドルチ
踊り子?という疑問がのこるが、純粋ゆえ母のいいなりに感をだしてる。
▲ルーカス・クラナッパ
こんな子供のおどりに観客が魅了されるだろうか?感がいなめない。お世辞だろ、お世辞。
▲アンドレア・ソラーリ
「ホレ、オマエが欲しがったヨハネの首だぞ」と言われてるカンジ。
▲ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァジオ
なぜ、目を背ける?
▲これもカラヴァッジョ作。
登場人物の格好がよく似てる。ヨハネの首をおとすところね。
▲アンジェロ・カロセッリ
ものすごい子供で、ものすごく喜んでる。やばいぜ、このガキ。
▲ロヴィス・コリント「サロメに扮したガトールト・エイゾルト」
ガトールト・エイゾルトはドイツの小説家で、小説『Die Zeitmaschine』で主人公がタイムマシンで1世紀のエルサレムにタイムトラベルし、サロメと出会うという物語。だから、サロメに扮した小説家という、捻りのある一枚。
▲アンリ・ルニョー
サロメは、ユダヤ人ちゃうかと言われているが、出身ははっきりしないんだそう。ものすごくオリエンタル。
▲ヴィルヘルム・フォルツ
ほうれん線は深いし、眉間のシワも深い。ケツもたれてる。これほんまに少女?
▲オーブリー・ピアズリー
こっちのサロメも、少女にみえん。死にかけのバアさんに思うのだが。
▲チェーザレ・ダ・セスト
この満足そうな笑み。なんちゅう悪魔や・・・・。
▲なにも、切り落とされた首だけを描かんでも・・・せめて首の骨を・・・
▲ヤン・モスタール
いろいろおもろい
▲イワン・クラムスコイ
そないにまじまじ見んでも・・・。
▲マリアーノ・サルバドール・マエラ・ペレス
この子がいちばん少女らしいと思う。
▲レンブラント・ヴァン・レイン
この娘、ものすごくわがままそう。性格も悪くて、気が強そう。
▲下の胴体よ・・・。乳を出すな!
▲今か、今かとお盆をもって待ち構えるサロメ。この顔もいいね。
▲ハンス・ハッセンテウフェル
これはとても演劇的構造。なんでこんなにあられもない姿してんだろうか。もう全裸やん。
▲フランツ・フォン・シュトゥック
これはヨハネの首を前に、喜びの踊りをおどってる。踊り子感と、残忍さが両立しとるよね。
▲ジェラ・エデル
これも踊り狂ってる。
▲ジーン・ベナー
これはあまりにもツマランくない感情がよみとれんし、どういう場面?
▲首をほしがった母ヘロディアスに、ヨハネの首を差し出すサロメ。母の言いなりのいい子なのか。
▲これは偏愛。
▲刃物を持つのは母ヘロディア。まだ殺したたりんか。
▲このサロメ、けっこう好きな顔。
▲ちょっとだらしない腹だね。
▲色鮮やかだけど、オバサン。
▲この娘もけっこういい顔。目の高さにヨハネの顔をおくのね。恍惚。
▲そしてムンク。ヨハネの顔がいいわね。
ヨハネの首をほしがったサロメの年齢は不明らしい。10歳~20歳と幅が広い。だからこれでけいろんなサロメがおるんやな。クリエーターの想像力を刺激するのか。
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