アート本 死の少女たち: 美少女絵画集③ 殉教と、ネロと、フランス革命とアート | 気むずかしい いろいろ

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①と②のつづき。

 

絵画オンチである。美術館に行くのは好きだが、スキ、キライでしか見たことがなく、絵が意味する物や、描いた歴史などまったく知らなかった。ただいま、絵画について勉強中なのだ。「なぜ、神を信じるのか?」が、わたしの人生の研究テーマでもあるのだから。

 

 

 

▲将来ローマ帝国をおびやかす存在イエスが、幼児に中におると予言され、ローマの王が、2歳以下の子供をすべて殺した「幼児虐殺」。この残虐な事件をいろんな画家が描いているのだけど、個の死として扱ってるこの絵がすき。

 

 

 

「ある朝のルーブル美術館の入口」というタイトルが。どういう諍いがあったのか分からんけど、下民と富裕層という構図なんだろうな。貴族っぽい女たちの目がものすごくイヤだ。ルーブル美術館は、ルーブル城だったそう。フランス革命で美術館として再建されたとか。民衆が貴族どもに打ち勝った象徴でもあるのかな。

 

 

 

「ポンペイの最後」。ポンペイは西暦79年にベスビオ火山の噴火で消滅した。その様子。この時代に描かれた女って、みな眉間に皺寄せて眉尻たらして、ものすごく上をみる表情をする。この表情が、たまらなく腹が立つ。強さをみじんも感じない。やられっぱなしな雰囲気で、画家の男たちの理想がそういう女なんでしょ。この時代の画家なんて、ほぼみんなイカレだからさ。

 

 

 

▲ローマ人にキリスト教への信仰を捨てろと強要されるも首を縦にふらなかった頑固な女性ジューリア。けっきょく髪の毛を引きちぎられる尋問をうけた後、磔にされて殺された。命より大切な“信仰”ってなに?当時の人にとって、尊厳的なもんかな?

 

 

 

「信仰の勝利 ネロ時代のキリスト教殉教者」コロッセオみたいな広場に磔の十字と、キリスト教信者っぽい男と、血を流す男と、左側にヒョウとバッファローっぽい猛獣が。どういう尋問なん?

 

 

 

「殉教者」。いわゆる、ローマ帝国に屈さずキリスト教徒であることを貫き殺された人。キリスト教じゃなく、なにを信じさせようとしたのか調べたら皇帝崇拝だったようだ。独裁者に抵抗するためのデモであり、キリスト教はデモ隊の信念のようなものだったのか?革命家だったのかな。独裁者弾圧のため、命を投げ出すまでは理解できたが、それがなぜ一神教になったんだろうか。革命家、革命軍ぐらいで留めておけば、世界は平和だったのに。

 

 

 

ヘンリク・シュミラツキ「ネロの松明」。コレ、ものすごい残虐な絵。夕暮れ時。夕日が当たるところには暴君ネロの家臣や取り巻きと、奴隷たちが。右側の日が当たらないところには、キリスト教徒がはりつけにされ、グルグル巻きにされている。日が暮れたら火をつけて人間松明を楽しむのだそう。ネロは、中央上部の神輿みたいなところにおる。ネロは30歳で自決しておるのだが、この時、いくつだったんだろうか。衝撃の1枚。画家ヘンリク・シュミラツキの出世作の1枚でもある。

 

 

 

▲ポール・ドラローシュ「1554年、ロンドン塔でのレディ・ジェーン・グレイの処刑」。

中央の白いドレスをきた女性のなにかを探す白い腕と演劇的な構図に一目ぼれの絵である。この絵の登場人物4人とも、彼女の死を願っていない悲しい表情をしている。王位継承と、宗教対立が理由で処刑されたようだ。プロテスタントか、カトリックか。絵はこんなに素敵なのに、処刑される理由が・・・・しょもな。

 

 

 

▲処刑されるために牢獄を離れるマリー・アントワネット。写実的な絵がこのみなのと、白が効果的に使われている絵がすきな傾向にあるようだ。

 

 

 

マリー・アントワネットは37歳で処刑されている。右はまーまだけど、左のマリーはオバアサンやな。特に思うコトなし。

 

 

 

▲劇団四季ミュージカル苦手派で、ディズニーも苦手派なので『ノートルダムの鐘』を知らんのだが。群衆、うたってるっぽい 笑。

 

 

 

ヘンリク・シュミラツキ「主よ、どこに行き給ふか」。おっ、ヘンリク・シュミラツキ2回目。この画家、好みのようだ。しかしこの絵の女性がヒドイ。真っ裸にされたうえ、牛に足と腕を貼り付けられて、牛をヤリで一突き。なぜ、西洋絵画の女たちはみな裸にされとんのや?と腹が立って調べてみたら。「無垢」という意味合いらしい。ようするに「無実の罪」「罪を着せられた」とかそういう意味合いらしい。でも、なぜ裸が「無垢」なん?誰にもけがされたことのないカラダが、死によって汚されるから?ちょっと納得いかんのや。男尊女卑思想は、ものすごく根が深い気がする。

 

 

こないにヒドイ処刑をせんでも・・・。野蛮人やな。

 

 

 

ワシーリ・スリコフ「銃兵(ストレリツィ)処刑の朝」。この絵、不思議。いったい誰が処刑されたんやろうか。絵の中の民衆の目線があっちこっちを見てる。で、ちょっと調べてみた。ロシアで銃をもった兵士が反乱を起こして、けっか銃殺されたというロシアっぽいオチだった。この絵も、写実的で鮮やかで、悲劇的で好き。

 

 

 

▲わたしが愛するジャン=レオン・ジェローム。「キリスト教徒の殉教」。これもローマ人に迫害され、改宗を迫られて拒んで殺されたの図なのだろうが。もうすでに人間松明にされて死んでいる人が。そしてその前で悲嘆する人たち。彼らに襲い掛かろうとするライオン。地下通路から出ようとするトラとライオン。いったい、どういった殺し方をしたの?

 

 

 

ホセ・デ・ブリトー「異端者」。裸にされ、腕を後ろ手に縛られて、足の指がくっつくほど鉄板で焼かれる尋問。そこまで改宗させたいのか。ここまでされても信念を曲げないって、すごい影響力のある女性だったのかな。こんな人を助け出せないせかいだったんだね。悲しい。女性の壁の後ろにうっすらと水辺で祈る人とトラ?が。彼女の慕う人たちなのか。彼女の思い出なのか。

 

 

 

▲これまた私が愛するジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「聖エウラリア」。この人が描く女性は悲劇的で美しい。聖エウラリアは、バルセロナのカトリック教の聖人。ローマ人に改宗を迫られこれまたヒドイ尋問をうけ、最後に斬首された。切られた首から、鳩が飛び出したのだそう。

 

 

 

▲フランス革命時代の大事件を描いたもの。この絵、ものすごく演劇的な大袈裟なポーズでおもしろい。殺されたマラーという男は、フランス革命の指導者として庶民の希望だったそう。皮膚病のためオートミルを浸した風呂に入りながら、いろんな人が自由に部屋に入って面会してたのだそう。暗殺者はシャルロット・コルデーで革命反対派で貧乏貴族。まずしくても貴族という特権にしがみつきたかったのかな。マラーとコルデーを題材にした絵が多くておもろい。

 

 

 

▲このコルデーは、空をみてる。この目線にも意味があるんやろうな。

 

 

 

▲このコルデーはお嬢さん風。マラーが幽霊のように描かれてる。なんかヘン。

 

 

 

▲これまたムンク作のコルデー。情事の後の殺人みたいに描いて。緑と紫がものすごく不安な気持ちになる。

 

 

 

▲これは、風刺画なのかな。なんてかいてあるんだろうか。

 

 

 

在宅仕事おわって、2時間ぐらいかけてこれ調べながら書いているんだけど、この時間、めちゃくちゃ楽しいわー。美術の授業も、悪ふざけしかしてなかったから、ものすごく吸収する。でも、乾く。

 

 

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▼888枚の絵画がのってるのに、まだ400枚目ぐらい。

 

 

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https://ameblo.jp/suddencut/entry-12812374723.html

 

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鈴虫がなきはじめ、夜の気温が27度にようやくなった!

と喜んでいたのに・・・。

 

3日間ほど冷房ナシで眠れたのに、

13号すぎたらふたたび絶望的にアツい。

 

冷房ふたたび。