映画 兄が教えてくれた歌 先住民、貧困問題 | 気むずかしい いろいろ

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物悲しい映画だった。現実をしるには、とても好きな映画のタイプだ。正義感に燃えてしまう映画。

 

舞台は、サウスダコタ州の先住民居留地パインリッジ。“アメリカ”という侵略者に独自の暮らしを奪われた、ラコタ族をルーツに持つ10代の兄妹だ。むかしの言葉でいえば、インディアンがルーツの10代の兄妹のはなし。

 

フィクションとノンフィクションをおりまぜ、現地の人たちと交流をかさね、プロの俳優をつかわず、素人を起用。丁寧に、時間をかけて作る映画は、切々と心に訴えかける力がある。この映画もしかり。

存在のない子供たち」や「ハニーランド 永遠の谷」にも似た作り手側の怒りを感じる。

 

 

アメリカにおいてけぼりにされてしまった先住民たち。自由に行き来できるのに、伝統に縛られ、血筋にしばられ、思うように外に羽ばたけず苦悩する若者たち。先住民は貧困層が多く、若者の自死率も高いのだそうだ。そこに注目したのがこの作品。

 

小学中学年ぐらいの妹ジャショーンの目を通して、苦悩する大人たちを描いている。原題の「Brothers」は実兄だけでなく先を生きる人々をさし、「Songs」は教えの意味なんだろう。

 

本来、自然と共生し“足るを知る”生活を送っていた先住民たちが、どんどん資本主義にのみこまれ貧困という罠にはまり苦悩する。自分たちの土地だった場所で。

この映画には、いわゆる“白人”はでてこないし、迫害される場面もない。先住民たちの日々の暮らしを映し出したにすぎないが、アルコール依存、違法ビジネスに手を染める若者、刑務所を行ったり来たりする若者、縄張り争いからくるケンカが意味するものは、“先住民”とそうでない者の溝なんだろうと思う。

 

ウインド・リバー」という映画を見るまでしらなかったが、居住区には特別な法令がある。彼らの独自の暮らしを保護する目的らしいが、逆に苦しめることに。

 

もう、ほんとうにイヤんなる。

 

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原題/Songs My Brothers Taught Me

制作年/2015

制作国/アメリカ

 

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<今日のいちまい>

葉っぱとおなじ、緑色のさくらを、今年も見れた。

 

なじみのBarの店主が、ようやく一時退院することになった。どこを患ったのか、まだ言いたくないとのことなので、詮索はやめる。だが、抗がん剤の副作用で末梢神経障害がでて、とにかく冷たいものすべてがNGらしい。冷蔵庫からネギを取り出して、素手で切ったら、激痛だったとLINEがきた。

 

さらに、抗がん剤の副作用で脱毛するかもしれんから、わたしの奇抜ファッションセンスで帽子を選んでくれと言われた。

 

それで、帽子と手袋をセットでプレゼントしようと思い、いろいろネットを検索していると、いろいろオシャレに工夫されている帽子があって驚いた。脱毛という女性にとって恐怖しかない症状を、少しでもポジな面でたのしめるようにされてて驚いた。ウィッグも、いろいろあるし。

 

で、これ▼をプレゼントすることに。

医療用じゃなくても、わたしも被りたいぐらいカワイイ。

 

 

手袋は、軽くてあたたかくて、肌に優しいのが良かろうと思い、京都西陣のシルク手袋をチョイス。

 

 

50代独り暮らし。小さいBarの自営業。お店の再開目処はたたない。

不安しかない闘病生活にはいるから、やっぱり身の回りの物は明るいものに囲まれたいという。これから2週間に1一度、投薬しながら闘病すると。いまは、不安しかないから誰にも会いたくないと。「薬の効果がはやくでて、副作用もなければいいね」と打ちかけたが、消した。無責任な希望に思えて。

 

早期回復をねがって、神社参拝しとく、と送った。わたしには助けになるグッズをプレゼントすることと、願うことしかできない、たぶん。

 

無力なり。