思い出をつなぐ首里の五丈の松と熊本の大いちょう | PIECE of PEACE 島根教師の会

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私たちのふるさとに残る戦争を伝えよう

 沖縄那覇市首里にあった首里第二国民学校の学童疎開体験者有志で組織する楢木野会発行の『五丈の松と大いちょう』を読みました。編集委員長の玉城盛松さん、奥様のよし子さんから届けていただいた記念誌です。
 胸が熱くなるほど感動する内容でした。特に感動したのは次の5点です。
 
・「対馬丸」と一緒に魚雷の海を渡った子ども達であった。
 ・ひもじさ・寒さ・寂しさに耐え、家族の残る沖縄戦の「全滅したらしい」の結果を知らされた子ども達であった。
 ・昭和62年に「楢木野会」結成後、30年間で400回近い定例会活動が続けられた。
 ・疎開先小学校への平和・沖縄に関する図書寄贈活動や疎開地訪問を続けられた。
 ・「記念碑建設」「交流活動」「記念誌発行」を30年の年月をかけて実現された。

 これほどまでに、継続的・組織的な疎開校と受け入れ校・地域との交流活動が続いた例は全国的にも珍しいのではないでしょうか。
 記念誌『五丈の松と大いちょう』は、首里第二国民学校の学童集団疎開の記録ですが、当時の沖縄の学童が体験した戦争の記録であり、地上戦が行われたふるさとを遠く離れた児童たちが、どのような思いで2年の疎開生活を生き抜いたかを知りました。

 本土の国民学校とは、また違った苦労や思いがある疎開生活を送ったことがこの記念誌からよくわかりました。

 次回、少し内容に触れたお話をさせていただければと思います。


【写真 いただいた記念誌と玉城さんからいただいたお手紙】