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ジョリのブログ

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 1999年のことだけれども、この「Virture and Vice」を聴いて、苦しくて、惨めで、辛すぎる人生を乗り越えようと、あがいていた。 当時、この曲にはずいぶん力づけられた。

 結局のところ、頭の中も、心の中も、ぐちゃぐちゃだった、クリスが歌うからこそ、ブラック・クロウズが好きだったんだとは思う。

 

 

 

 その頃、お世話になった人が亡くなったと今日、連絡があった。もう、15年ぐらいは会っていなかったのだが、数年前に怪我をして下半身不随になったと聞いていた。ずっとお見舞いに行きたいとは思っていたが、なかなか行けずにいた。

 ずっとその人に言いたかったことがあって、それは心から尊敬していたという言葉で、結局、言えずに終わってしまった。

 ブラック・クロウズのヒューストンのライブが聴きたいと思って、youtubeを探していたら、知らないバンドが演奏している『Bad Luck Blue Eyes Goodbye』があって、なんとなく開いてみた。ちょこちょことクリックして、2分ぐらいの真ん中ぐらいから聴き始めたのだが、小さい画面で、ボーカリストとドラムしか映っていなくて、なんだけっこううまいアマチュアバンドのボーカリストがいるもんだ、と思って聴いていたら、ギターがやけにうまい。

 最近のバンドはここまで、ギターが上手なのか。完璧にコピーしてる、すごいなとびっくりして、思わず、このバンドの名前、Magpie Saluteを検索した。そして、思わず笑ってしまった。

 うまいはずだ。マーク・フォード本人が弾いているんだから。よく見ると、リッチがボーカリストの横にいた。 自分のあさはかさ加減にあきれた。 

 

 

 簡単に言うと、クリス抜きで、ブラック・クロウズが再結成していた、ということになる。

 ブラック・クロウズの大ファンの自分が言うのも、差し障りがあるが、

今のこのボーカリストの方が、クリスが歌うよりも、エッジが効いていて、オリジナルのブラック・クロウズに近いのかもしれない。

 クリスが抜けた分だけ、ギターのサウンドに注目が行き、いい具合にリッチとマーク・フォードのギターが、目立っている。特に、マーク・フォードのギターは、研ぎ澄まされていて、秀逸だ。以前にも、負けずに輝いていると思う。

 

 最初は、アマチュアバンドのうまいカバーだと思ったこのボーカリストも聞き慣れてくると、けっこういい。リッチが選んだだけのことはある、ということか。

 

 日本には来日しないと思うので、チャンスがあればアメリカに行って聴きに行ってみたいと思う。ツアーもかなりぎっしりと組まれているみたいだ。ちょっと実現は難しいけれども、いつか行ってみたいと思う。

「She gave good sunflower」も、かなりいい。

 

 

 

 世界最高のボーカリストを選ぶのだとすれば、ジョン・レノンでもビリー・ジョエルでもスティーブ・ペリーでもミック・ジャガーでもなく、グラム・パーソンズじゃないかと思うことがよくある。というよりもグラム・パーソンズしかいないんじゃないかと本気で思ってしまう。

 グラム・パーソンズの魅力は、ちょっと説明しにくい。シャウトするわけでもないし、音程もちょっとずれているような、ちょっと下手かもしれないと感じることもある。

 それでも、あえてグラム・パーソンズの良さを表現するなら、中庸の良さ、つまり、普通の歌い方の良さ、というところだろうか。

 力をこめずに普通に歌っている声がいいのだ。低音と高音やいろんなものが混ざりあって、絶妙な声をしている。

 声の優しさ、気高さ、上品さ、ふっと力を抜いたときの、ため息のような歌声。しっとりとして、しみじみとした情感にあふれ、それでいて何か遠いあこがれを感じさせるような、たまらない雰囲気を持っている。この『Wild Horses』を聴いていると、どこか中原中也の切なくてあこがれに満ちた詩が浮かんでくるような気になる。

 

 キース・リチャーズとグラム・パーソンズは友達で、かつキースはグラム・パーソンズとんでもなく評価していた。キースのインタビューとかネットの記事なんかを読んだが、グラム・パーソンズに対するキースの思いいれはすごいものある。

 この曲はキースが作曲して、ミック作詞したらしいが、曲として最初に世の中に出たのはグラムパーソンズがボーカルをしていたフライング・バリット・ブラザーズのレコードのリリースが先とのことだ。その後で、ローリング・ストーンズのアルバムにこの曲が入った。

 ミックの歌う『Wild Horses』もとてつもなくいいが、それでもこの曲に関して言えばグラム・パーソンズの歌う、フライング・バリット・ブラザーズの方が断然いい。それも、これもグラム・パーソンズの歌のおかげだ。

 

I watched you suffer a dull aching pain
Now you've decided to show me the same
No sweeping exit or offstage lines
Could make me feel bitter or treat you unkind
Wild horses couldn't drag me away
Wild, wild horses couldn't drag me away

 

I know I've dreamed you a sin and a lie
I have my freedom but I don't have much time
Faith has been broken tears must be cried
Let's do some living after we'll die

 

 ただやんわりと歌っているようで、じっくりと聴くと、魂を揺さぶるような切ない歌い方なのだ。

 

 グラム・パーソンズ自体は、わがままでクセのあるちょっと変わった人だったらしい。フライング・バリット・ブラザーズでは、酒を飲んでライブに遅刻したりして、クリス・ヒルマンに首にされている。

 金持ちのボンボンで、ハーバードを中退している。父親が早く亡くなり、お母さんが金持ちと再婚して、その母も病気で亡くした。義理の父とは仲が悪く、母のことで大げんかをしたとか、そんなことも書いてあった。場の空気は読まず、ちょっと鼻につくような態度で、そして心に傷を持った、そんなクセのある人間だったらしい。それでも、歌は最高だ。

 グラム・パーソンズの歌は、心の底から揺さぶるような歌だ。この曲をいいと感じる人は限られるかもしれない。 全然、いいと感じない人もいるのもわかる。きっとそういう人も多いと思う。

 しかし、このグラム・パーソンズの魅力に取りつかれてしまうと、この声は、まさに唯一無二の声だと感じてしまう。