駿府、どうして家康? 第一部
徳川家康公に想いを馳せる日本人は多いだろう。
「日光東照宮」はあまりにも有名だが、意外と「久能山東照宮」を知る人が少ない。
生涯3回も駿府ライフをおくった徳川家康公。
どうしてそんなに駿府に?
静岡駅を起点に「駿府」(すんぷ)と「家康公」を探ってみた。
静岡駅の北口。
ここには家康公少年時代の竹千代像がある。
幼少期の家康に英才教育を施した今川義元像も一緒だ。
その先には大人になった徳川家康公の像が堂々と鎮座している。
さらにその先には家康が整備した駿府城下町が続く。



札の辻。
江戸時代の掲示板だ。
時代劇などでは、ドラマの始まりで町民がこの掲示板を見るシーンから始まることが多い。
そういう掲示板が設置されている場所が「札の辻」だ。
ここは現在百貨店の伊勢丹がある。
伊勢丹が歴史を重んじて、百貨店の壁沿いに掲示板を再現してくれている。



金座町。
銀座という町名は多いが、金座は静岡のここだけらしい。
かつてここには今で言う金融庁、大蔵省、造幣局などがあったらしい。
家康公がここを日本経済の中心町とした名残だ。
金座稲荷はその面影を残してひっそりと建っている。
金運祈願のお賽銭は効果があるだろうか。


かつての奉行所の場所は、現在市役所となっている。
外堀があり、その先に内堀がある。
内堀の中に駿府城があったが今は跡地公園となっている。
今でも公園の奥で発掘調査が続けられている。
公園内では静岡名物おでんも気軽にいただける。
市民の憩の場所として開放されている。






静岡駅周辺を歩いていて気づくことがある。
それは大通りに横断歩道が無いことだ。
大きな交差点は駅前でさえも横断歩道が無い。
歩道橋も無い。
交差点を渡るための地下道が多くある。
家康公の計画ではないと思うが、渋滞を減らす効果があるかもしれない。
駿府城から徒歩圏内に「静岡浅間神社」がある。
家康公が幼少期の頃よりゆかりのある神社である。
時間があれば駿府城公園から足を運んで訪れるべき神社だ。




駿府、どうして家康? 第二部
静岡駅からバスで40分程度。
日本平ロープウェイに行き、日本平よりロープウェイで久能山へ。
ロープウェイゴンドラも徳川家紋のデザイン。



久能山は駿河湾を一望できる小山で、そこに徳川家康公のお墓がある。
久能山東照宮だ。
自身の遺言で1616年に亡くなってすぐにここに埋葬されたというお話。
日光東照宮にいるという話の方が有名だが、実は本人のお墓はここにある。
徳川家紋のお守りストラップを購入した。



久能山東照宮から千段の階段を降りると、眼の前は駿河湾。
今では海沿いイチゴのビニールハウス産地となっている。
通りのイチゴ栽培の家の前には美味しそうなイチゴの無人販売も。



沿岸を東へ進めば、世界遺産の「三保の松原」。

そして重要な商船が行き交った清水港。
流行りの魚市場で極上まぐろ丼と旬の桜海老かき揚げ。
ここの丼は、仕上げにキンメダイの出汁でお茶漬けに!
清水港からJR清水駅はすぐ眼の前。
清水駅は年配の人なら「清水の次郎長」。
最近では「ちびまるこちゃん」で知名度が高まった。



駿府、どうして家康? 第三部
静岡の駿府城公園のすぐ手前には「静岡市歴史博物館」がある。
徳川家康公に関わる貴重な資料を常設。
今回訪問時(2024年4月)には「偉大な駿河の太守・今川義元」展を同時開催。
貴重かつ興味ある資料を堪能できた。
静岡駅から駿府城公園を散策すると、お茶と抹茶スイーツであふれている。
実は、静岡のお茶、これも徳川家康公が由来だったと博物館で知ることができた。

【家康公・駿府ライフ 超簡易年表!】
今川義元が竹千代に駿府で英才教育をした。(駿府生活1)
織田信長が桶狭間で今川義元を奇襲戦法で倒した。
信長が天下を取った。
家康は独立した。
家康は信長と手を結んだ。
明智光秀が奇襲戦法で織田信長を倒した。
豊臣秀吉が明智光秀を倒した。
秀吉が天下を取った。
家康は秀吉を避けて駿府を拠点とした。(駿府生活2)
家康は秀吉の配下となった。
秀吉は家康に遠い江戸の開拓をさせた。
秀吉が寿命で亡くなった。
家康が天下を取った。
家康は駿府に戻った。(駿府生活3)
家康は駿府を日の本経済の中心地にした。
家康は1616年、駿府城で永眠した。
なんだかドラクエみたいな年表になってしまったが…。
家康、実に生涯で三回の駿府ライフをおくっている。
NHK大河ドラマが家康の生涯を「どうする、家康」というタイトルにしたのも納得がいく。
家康公に「どうする?」と聞いたら「駿府に行く」と言っただろうか。
どれだけ家康が駿府(静岡駅周辺)にこだわったのかがうかがえる。
家康公にとって、駿府は永遠の故郷だったのかもしれない。
静岡県民の自慢でもあり、街に家康愛があふれていて羨ましい限りである。


今の日本があるのは家康公のおかげと思う。

ありがとう、家康様。
参考資料:
https://hamamatsu-ieyasu.com/person/history/
I’ll be in touch.