今回は、東洋の踊り子、渚あおいさんの近況レポート「あおなぎノート」を贈ります。
今週はTSで久しぶりにあおなぎ漬けになった。七日間、平日皆勤。
12月中のTSの香盤は次の通り。①きよ葉(TS)、②雪咲ほのか(TS)、③美月春(道劇)、④心愛(DX東寺) 、⑤浅葱アゲハ(フリー)、 ⑥渚あおい(東洋)、⑦榎本らん(東洋)〔敬称略〕。フレッシュな構成で私としては嬉しい香盤。今週は榎本らんさんの誕生日週。
年の瀬が近づき、今年を振り返る時期になる。今年は誰を一番応援したか? 私のストリップ日記を見たら、断トツ71日で渚あおいさん。昨年一番通った晃生の青山はるかさんと羽音芽美さんがいなくなった今、あおいさんが私の中で最優先の踊り子。今年は渚あおいさんを中心に私のストリップ世界が回っていた。五日に一度のペースというのは、彼女自身それだけ高い頻度で連投をこなしていた証でもある。また私は新人好きなので新人がデビューすれば必ず行くが、今年は新人デビューが極端に少なかったこともあり、迷わずにあおいさんの元へ。それが可能なくらい頻繁に出演していたことになる。実際に今も11連投中。(10月頭・中)東洋→(10月結)TS→(11月頭)蕨ミニ→(11月中★周年)東洋→(11月結)渋谷→(12月頭)栗橋→(12月中)TS→(12月結)SNA→(1月頭)上野→(1月中)TS
断トツ71日は、あおいさんの頑張りと私の愛の結晶ですなー(^0^)
「世界の中心は君だー☆」と叫ぶと「太郎さんの嘘つき★ 浮気者―★」と返されながらも、「私は尻餅はつくが嘘はつきません!」と言って許してもらう。私は太郎チルドレンという子だくさんで忙しいことを分かってくれているので安心してお付き合いできる。というか今では、あおいさんが太郎チルドレンの筆頭株なのである。
さて、今週はクリスマス前。
あおいさんがクリスマスの出し物を披露。
赤と白の衣装で滅茶苦茶かわいい♡ 大きな白い袋を盆前にもってくる。中から、サンタの帽子とトナカイの帽子を出してお客さんにかぶらせる。私はサンタの帽子を三回、トナカイを一回かぶる。お菓子もお客さんに配る。
恋人はサンタクロース♪の曲にのって軽快に踊る。クリスマス気分が盛り上がる。
途中、上半身はサンタの衣装なのだが、下半身が赤いTバックのみで踊る。おあいちゃんの透き通るように白い肌に赤いTバックが映える!映える!。かわいいおしりがプリンプリン♡ なんてエロいんでしょう♪ はい、私はこのシーンだけで七杯おかわり、あっ!いや、七日間通いました(笑)。
さてさて、もうひとつの出し物、周年作「恋一葉」について語りましょう。
三周年作「恋一葉」は11月中のホーム東洋で発表された、あおいさん初の和物。
最初に色とりどりの斬新なデザインの着物姿で登場。右肩は黒い布で、袖がなく右腕に赤い紐をクロス状に巻く。右側にかぶさるように左肩には金模様の入った長い袖の赤い布。腰には金の帯をリボン結び。着物下の下半身には白いふわふわの布があり、足元は黒いブーツ。頭にも衣装に合わせた色とりどり(白・水色・赤)の髪飾り。
赤地に白い渦巻き模様が入った傘をくるくる回しながら軽快に踊る。恋の華が咲き乱れる様を演じている。
次に、上着の着物を脱ぐと、赤・白まだらな胸元と黒いパンツのセパレートルック。腰周りに、白いふわふわの毛が付いた白・赤・青のリボンを巻く。紅葉の葉を一枚、お客に渡す。楽しい恋の日々が続く。
最後に、白い襦袢姿で現れる。赤い首輪、左手にクロス状の赤い紐、左足にクロス状の紫の紐。紅葉の枝を持ち、更に穴の開いたボロ傘をかかえて盆へ。
初めて観たときに、最後の場面に、なんか妖しいSMちっくなエロさを感じてしまったが、実は切ない恋のドラマがあった。あおいさんが解説してくれた。「楽しい日々が続いていたのに、時代の流れで、好きな人(将来を誓った人)が戦いに行ったまま帰ってこない。それでも傘がボロボロになっても帰ってこない彼を忘れられず待ってる、ってお話。彼に自分の代わりに紅葉を渡して、自分は紅葉を見るたびに彼を忘れないようにしている。切なさを少しでも感じてもらえたらイイナ」
私はこの解説を読み、この作品にぐっと惹きこまれた。千年楓という言葉も浮かぶ。このドラマを私なりの筆にしたためたくなった。すぐに茫洋とした話の筋は浮かんだが、丁寧に仕上げてみたくなり、一旦、私の引き出しに入れた。あおいさんがこの作品にのせた想いをしっかり消化したうえで、年末年始の休み時間をかけ、じっくり練った話にしたいと思った。
最初に、「天からの手紙」と題して、天から桜の花びら、雨、落葉、雪と降らせてストーリーを流すつもりで一度仕上げてみた。その後、正月元旦の新聞の片隅に、内村鑑三の詩が載っていた。
春の枝に花あり
夏の枝に葉あり
秋の枝に実あり
冬の枝に慰あり
この詩がすーっと心に入ってきて、私の童話に絡みだした。時間をかけるとこういう快感の瞬間に出会える。この詩を骨格にして、もう一度物語を落とし込んでみた。そうやって出来たのが童話「千年樹、恋一葉」である。
あおいさんが大晦日のシアター上野公演初日に体調を崩し一日お休みしたのを知る。間違いなく連投疲れだ。お正月のご挨拶代わりに、この童話とレポートをお年玉プレゼントとして渡して元気になってもらいたいと切に願う。
平成26年12月 TSにて
『千年樹、恋一葉』
~渚あおいさん(東洋所属)の三周年作「恋一葉」を記念して~
丘の上に、二人の思い出が詰まった特別な大樹があった。
春の枝には花がある。
彼は木の下で、あおいに向かって言った。
「ぼくはもうすぐ戦地に旅立つ。必ず君のもとに戻ってくるから待っていてほしい。」
飛行機乗りになるのが小さい頃からの彼の夢であることを知っていたあおいは、彼の瞳がきらきら輝いているのを眩しそうに眺めていた。
お腹の中には彼の子供が宿っていた。あおいは彼にそのことを告げようかどうか迷っていた。今から戦地に赴く兵士に余計なことを言わないでおこうとそっと心にしまった。
梅雨が始まった。
彼のいない毎日はつまらなかった。あおいは丘の上に向かった。
樹の前に立つと、彼との思い出が蘇ってきた。あの日も雨が降っていた。樹の下で雨宿りをしたな・・・
私が樹に寄りかかると、彼は、私の顔をはさむ形で、両腕を樹についた。(今でいう「壁ドン」ならぬ「樹ドン」か(笑))
彼はじっと私の顔を見つめた。「とてもきれいだよ。心から愛しているよ。」と囁くと、彼の顔が近づいてきた。私は黙って彼の口づけを受けた。初めての口づけだった。
夏の枝には葉がある。
あおいは、また丘の上に向かった。樹の側に居ると彼と一緒のようで淋しさが紛れた。
強い日差しを避けるように樹の葉影に佇むと、あの日、彼が言った言葉を思い出す。
「これからは僕が君の傘になる。雨の日には濡れないように君を守り、強い日差しのときは君の白い肌を守る日傘になるからね。どんなに傘が破れようが必ず君のことを守ることを誓うよ。」
私は黙って彼に寄り添った。
秋の枝には実がなる。
彼の子供が産まれた。男の子だった。
あおいは丘の上の樹に報告に行った。
風にのって、ひとひらの楓の葉が飛んできた。まるで赤ん坊の手のひらのよう。彼が喜んでくれているのかしら。
ふと、あおいは楓の葉があまりにも真っ赤に染まっていることに胸騒ぎを覚えた。戦場の血しぶきが見えたような気がした。
冬の枝には慰(なぐさめ)がある。
天からひらひらと雪が舞い落ちてきた。それは彼が戦死したという手紙であった。
あおいは、心の葉が枯れ落ちるような気分で、丘に向かった。
樹を前にして、あおいは泣き崩れた。
樹の枝が、まるで彼の両腕のごとく、あおいを優しく抱きしめた。
ひと通り泣き終えた後に、あおいは意を決し、彼の両腕を振り払うように樹から離れた。そして改めて樹を眺めた。そこには冬木立の景色があった。花や葉や実のある頃には気付かなかったが、それらが消えた冬になって初めて見えてきた景色があった。
強く生きなければ・・・あおいは覚悟ができた。
彼が残してくれた忘れ形見を立派に育てあげようと心に誓った。
丘の上の樹は、千年樹と云われた。これまでもたくさんの人々の物語を見てきた。そして、この二人の物語も静かに見守っていくことでしょう。
おしまい