この記事はシリーズものです。
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高卒認定試験の勉強と並行して訓練校の勉強もしていたのですが、ついに卒業試験の次に大きなハードル、「介護施設での二週間の現場実習」が始まりました。
私の実習先は特別養護老人ホーム(特養)でした。
特養は介護度の高い人が入所するいわゆる「終の棲み家」的な施設で、利用料も比較的安いという特徴があります。
訓練校からは私と介護経験のある女性の二人が行きました。
実習初日、その施設の管理者に
「この施設ダメやなと思うところも有るかもしれないですが、今良くしていってる最中です。」と言われます。
最初からそんなネガティブな話しが出るなんて、どんな悪い施設なんだろう?と不安になりながらも実習に挑みました。
14日をかけ、2階→3階→4階→5階という感じで、順番に実習に入っていく予定です。
2階では
「この人、立たんように喋っといて。」
そう職員さんに言われて、3時間くらい通して認知症の利用者様の話しを聞きました。
今でこそ慣れましたが、自分の祖父母くらいしか高齢者の方としっかり話したことの無い人間に、同じ話しの繰り返しになりがちな認知症の方と「3時間話して」は、かなり辛いものがあります。
何より「立たないように話しかける」という考え方は身体拘束に繋がりかねない考え方です。
3階ではオムツ交換中におならが出てしまった利用者様のお尻を「もう、何やってんのー。」と笑いながら叩くフロアリーダーがいました。
4階では食事介助をさせてもらいました。
食べることがすごく嫌いな利用者様でしたが、一口一口声かけをし、ゆっくり食べて頂いていました。
おそらく時間がかかり過ぎたのでしょう。
途中でフロアの職員さんが「後は代わるね。」と言いながら、その利用者様が涙を流しても関係なく口に食べ物を押し込んでいきました。
思わず「いいんですか?」
そう私が聞くと
「イヤな振りしてるだけだから。」と
言いながら完食させてしまったのです。
今なら分かります。
利用者様の健康面を考えれば、食べた方が良いし、他の利用者様の介助をしなくてはいけないのに時間もない。
きっと仕方ない部分もあったことでしょう。
それでも、食べて頂けるように声かけをしないことは怠慢だし許されないことです。
ムリヤリは虐待です。
この体験は私が「良い介護をしたい」と思う原点になりました。
5階では介護歴が長い職員さんが、
「特養より老健が良いよ。色んな職種の人がいるから勉強になる。こんな施設は止めとき。」とアドバイスしてくれました。
一緒に実習に行った女の人は、途中から来ていません。
介護経験のある彼女は
「こんな施設で実習しても意味がない。」
そう思ったのでしょう。
何とか13日の実習をこなして、いよいよ14日目。
施設長からお誘いを受けました。
「どうでした?良かったら卒業後に働きませんか?」
当然、私は即断りましたが、
「やっぱり、そうですか。」と
哀しそうな顔で施設長が言っていたのを覚えています。
あの施設がどうなっているかは分かりませんが、私はあの施設に実習に行ったお陰で介護に対する熱い思いが湧き上がりましたし、老健に行くことに決めました。
ヒドイところでしたが、そういう意味では感謝しています。
実習後しばらくすると、卒業試験の日が来ます。
いよいよです…
part6に続く。



