BC-458A送信機を試験するために、送受切替リレーをアンテナチューナー MFJ-945Eに組み込む必要がありますので(記事:BC-458A電信送信機の送受切替について 参照)、同チューナーのケースを開けて組み込み可能かどうかチェックしました。
1.アンテナチューナMFJ-945Eのチェック

MFJ-945Eの上蓋を取ったところ、手前のBNCコネクタ、アンテナリレー(TS-520取り外し品)と同ソケットを組み込む予定
チェックの結果リレーと受信機用BNCコネクタのための空きスペースと加工の容易性を確認することができました。バックパネルはアルミ製なので穴あけなど簡単。
空けたついでにチューナーの部品配置なども回路図と照合して確認しました。

このチューナーはT型カップラーとトロイダルコア・コイルを検出部に使用したSWRメータ(定在波比メータ)の2つから構成されており、カップラー部は押し釦スイッチでバイパスできるようになっています。BC-458Aと接続して使用するのでバイパスを予定しています。この場合でもSWRメータは機能するので、BC-458Aのc2つのチューニング(ANT COUPLINGとANT INDUCTANCE)にはメータを利用することができます。

[MFJ-945Eの部品配置の様子]
(1)T型カップラー
写真奥の大きな径の空芯コイルと手前左に並んでいるバリコン2つで構成されて
います。空芯コイルには12個のタップが出ており左奥のロータリースイッチで切り
換えます。空芯コイルの中央にはトロイダルコアに巻かれたコイル(回路図中の
T2)が配置されており低い周波数用の追加インダクタンスになっています。
(2)SWRメータ
写真中央に見える緑色のプリント基板に関係部品が搭載されており、右端に小さ
なトロイダルコアに巻かれた検出コイル(回路図中のT1)があります。回路図では
進行波と反射波を測定する2つのメータがありますが、実際には一つのメータケース
に2つのメータ指針のついたクロスニードルメータになっています。
プリント基板の上部に白い柄のようなものが見えますが、これはカップラーバイ
パススイッチの柄です。
2.SWRメータ ME-ⅡN の手入れ
NFJのチューナー/SWRメータをBC-458Aに使用するため、トランシーバ
TS-450Sの出力を確認する手段がなくなります。送信はしないのですが自動アンテ
ナチューナAT-300の自動調整用に短時間小出力を出すことがあります。
そこで旭製鋼産業製の古いSWRメータME-ⅡNを引っ張り出して手入れ・点検・
設置をしました。

清掃と錆びてきたビスの交換のため分解しました

進行波、反射波検出のためのプリント基板の確認
古い機材なので検出方式はライン検出が使用されていました。細部を確認するにはプリント基板にはんだ付けされている大きなシールド板をはずさなければならないので止めましたが送信機接続側のM型コネクターのはんだ付け不良を見つけたので修正しました。
ライン検出方式は昔作ったSWRメータで採用していたので細部確認はしていません。一例を下に示しますが最近のトロイダルコアコイルによる検出に較べて、測定精度が周波数に依存する欠点があるようです。
この機材では細長いプリント基板に中心導体のラインと進行波用と反射波用の検出ラインをひいて整流ダイオード、終端抵抗(75Ω/50Ω切替可能)、メータ感度バランス用ボリュームなどがはんだ付けされていました。
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上蓋を再塗装し、フロントパネルにメーター、ボリューム、F/R切替スイッチなどを取り付け、リアパネルに検出部プリント基板、入出力M型コネクタ等を取り付けました。

全部組み立ててから、TS-450Sの上にセット
SWRメータ ME-ⅡNの上に重いSX-96受信機が載っていますが、このSWRメータのシャーシ、ケースはすべて鉄製なので変形などの問題はないと思います。
BC-458A送信機セットが完成したら、無線機/測定器ラックはすべて模様替えをするつもりです。
ー END ー