店で行ってほしい商圏調査のキモは、
「お客様はどこから来て、どこへ行っているのか」
を知ることです。
この答えを多数、できれば1000サンプル集めることで、
自店の商圏がどこまで広がっていて、
具体的どの地域が手薄になっているか、
また、
どの地域に来店頻度の高いお客様がいるかが分かるのでしたね。
しかし、
「そうは言ってもね。私の店は忙しくて、そんな調査はできません」
とあなたは内心思ったかもしれません。
その気持ちはよく分かります。
とりわけ、昨今の人手不足は尋常ではありません。
各自いかに生産性の高い効率的な動きをしなければやっていけない。
そういう店は多いはず。
しかし、一方で、せっかく来店されているお客様をぞんざいに扱って逃してしまうのも考えものです。
どんなに忙しかろうと、
お店の主人公はお客様であることに変わりはありません。
正規の商圏調査ができなくても、店長のあなた次第でそれに匹敵する仕事があります。
それは、お客様との会話です。
「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」とかは、会話ではありません。
単なる符丁、合言葉のようなもので、これで喜ぶお客さんはいないでしょう。
会話は、互いの聞きたい、伝えたいというニーズから始まります。
「今日のお勧めは〇〇です」、
「このメニューはどういうの?」
という簡単なやり取りから始まります。
そこで、あなたが、
その短いフレーズだけで終わりにしてしまえば、それで終わりです。
「きょうはお暑い中ご来店いただきありがとうございました」とか、
「お召し物が汚れますのでこちらのほうにどうぞ」とか、
次の言葉につなげることです。
そうして、お客様のテーブルに向かうたびに、
適切な言葉をかけ徐々に
「店員vsお客という関係」から、
「気持ちの通い合える関係」に近づけてほしいのです。
そして、
「きょうは、どちらからいらっしゃったのですか?」とか、
「きょうで何度目になりますか?」
「これからどちらまで帰られるのですか?」
という質問が気楽に言えるようになって下さい。
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林原安徳:有)ソルブは、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
電話 03-3538-6603 メール問合せは、こちら
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引用元:お客様との会話に加えてほしいこと 連載90-1
また、TGがあっても、その規模が小さかったり、遠かったりしたら繁盛店にならない。
TGが遠かったりしても、TGとTGを結ぶ動線沿いに店がある場合は、繁盛店になりやすい。
こうしたことは、すでにこの連載で繰り返し説明されてきました(表)。
ですから、あなたが食べ歩きする時に、このことを思い出してほしいのです。
あなたが食通であればなおさらです。
味覚や店のサービスの判定には少々うるさいと自覚しているなら、
この立地の要因が店の繁盛度合いにどのように影響しているか、考えてみてください。
例えば、
地図中の丸印に「洋食の繁盛店」があると聞いたらどうでしょう?
もちろん、立地マニアのあなたは見に(食べに)行きたくなるに違いありません。
鉄道駅は全国的に有名な「恵比寿駅」ですが、東側には店が密集していて気の利いた駅ロータリーはありません。
店に近いところはみな賃料の高いところばかりです。
とはいえ、そこにしか物件は出ませんから仕方ありません。
しかし、駅から離れ、しかも路地裏のさらに路地裏にその店はあります。
つまり、地図を一見しただけでは、「貧乏立地」以外の何ものでもありません。
こんな立地で繁盛店とはどういうことだ、とあなたは興味を持つに違いありません。
果たして、あなたは、店の前を通る多くの通行人を目撃するはずです。
そして、それが単なる偶然などではなく、
店の北側で、明治通りを横切ることができる唯一の横断歩道から駅に向かう動線であることを発見します。
そして、この横断歩道に人々が集中する原因がその近くにある「陸橋」(小さい〇)にあることに気づくはずです。
陸橋を昇り降りするよりも、立ち止まることはあっても普通に歩ける方が楽なのは当然だからです。
ですから、住民(大きな○)は陸橋を使わずに、横断歩道に集中する。
つまり、この繁盛店はTG間動線沿いという良好な立地にあったのです。
あとは、あなたの五感を使って「お店の営業力」を味わって(調査して)ください。
はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。日本マクドナルドで出店調査を担当。独自に深めた立地理論をもとに200社以上のチェーン企業の経営者、多くの起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。東京大学卒。http://www.sorb.co.jp
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引用元:好きな食べ歩きに加えてほしいこと 連載89-3
しかし、実はこの公式は、とんでもない問題点も含んでいるのです。
先ほどの「言い訳」はこの公式が原因です。
そして、
そうした都合の良い言い訳や自慢のネタになるほどに
「立地」はいい加減に扱われています。
「売上不振だったら、立地が悪い。売上が良好なら、店長の手腕だ」
なんて都合良すぎます。
一番の原因は、「営業力」も「立地」も容易に数値化できなかったからです。
でも、「売上」が数値なのですから、本当は数値化できないと公式にさえなりません。
どうしましょう。
これが解決したのは、
マクドナルドやセブンイレブンのようなチェーン店が多数を占めるようになる1980年代です。
チェーン店であっても、もちろん、営業力を数値化することはできません。
しかし、「一定化」できるのです。
同一フォーマット(形式)の店舗デザイン、規模。マニュアル
で規定された同一のオペレーション。
サービスのレベル、効率性のレベルがどの店も同じようになります
ということは、何を意味しているかというと、先ほどの公式が次のようになるのです。
売上=A×立地
Aは「営業力」ですが、どの店も同じであるので、一定の数値(=係数)になってしまうことになります。
すると、
売上は、「立地の良否」のみで決まってしまうことになります。
そればかりではありません。
立地=売上÷A
ですから、
立地の数値化ができてしまうことになります。
簡単に言えば、
売上の高低は、立地の良否を表した数値ということになります。
繁盛店は、立地が良い。売上が3倍ある店は、立地も3倍良いことになるのです。
立地の秘密は、売上の高低ですぐわかってしまう。
繁盛店になっている店に共通した要因を探す。
すると、その多くにTG(交通発生源)があることが分かった。
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引用元:好きな食べ歩きに加えてほしいこと 連載89-2
店長でなくても、「食べ歩き」は多くの人が大好きな趣味の一つでしょう。
でも、店長ならば、多くの人とは異なった店長なりの「食べ歩き」があってしかるべきです。
というのも、店長ならば、飲食店経営の良き所も改善すべき所も一瞬で見抜いてしまうでしょうし、
商品やサービスの質に誤魔化されることはないはずです。
「これくらい人がいるようだったら、もう少し効率よく動いたら良いのに」、
「この商品にこういうサービスをしてしまったら商品に可哀想」
などと、自分の店のごとくに「余計なお世話」をしたくなる。
それも自然なことです。
しかし、繁盛していることと、今一つパッとしない営業状態を見分けることができて、
また逆に、これほどの商品でここまで繁盛しているとは見事なものだ、
と見破ることができるあなたなら、
その店舗観察(食べ歩き)に加えてほしいことがあります。
それこそ、立地のことです。
「立地」とは便利なもので、
商売がうまく行かないと
「立地が悪くて」とか
「近くに競合店が出たもので」
と言い訳のネタにでき、
反対に期待以上の場合は、
「立地の弱点を自分の努力で跳ね返した」
と自慢のネタにもできます。
ここで、売上に関連すると思われている「店長のリーダーシップ、
従業員教育のレベルの高さ、
従業員みなのモチベーションの高さ、
生産性の高さ、
料理やサービスの質の高さ、
ホスピタリティー、
チームワーク・・・」
のようなヒトに関わる要因や、
「店舗の内外装のデザイン、商品のバラエティさ、価格の工程、エアコンの調子」
のようなヒト以外でも、「立地」以外の要因をまとめて「営業力」と呼ぶことにしましょう。
すると、
売上=営業力×立地
という公式にすることができます。
つまり、営業力が高ければ、売上が高い。
立地が悪ければ、せっかくの営業力も台無しで売上はとれない。
この公式は、どうということはない。自明のことだと思いますね。
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引用元:好きな食べ歩きに加えてほしいこと 連載89-1
まだ、チェーン店で展開し始めたばかりの頃や、
逆にたくさんの店があり過ぎて本部の目が届きにくいような場合は、
お店の営業状態が必ずしも普通以上であるとは限りません。
営業状態が悪ければ、それはお客様の減少=売上の低下につながります。
こういう店舗の売上は、決して「立地だけによるもの」とは限らないということになり、
立地の比較サンプルにはできません。
一方、分析者の資格として、
積極的なコミュニケーション能力はあるに越したことはないのですが、決して不可欠な能力ではありません。
毎日数時間以上も、「数字」や「パソコン」と格闘することが多いのですから、
ある程度、自分の殻に閉じこもるかのような“オタク”的要素は必要です。
図3 「店舗開発」と「調査」は資格も全く違う。いずれも①がもっとも重要である。
それでも、分析結果を伝えられなければ意味がありません。
とりわけ、社内会議は、50~60代の経営者・経営幹部が参加するのですから、
年の開きだけで緊張してしまうものです。そうした社内会議でも臆せず話せる度胸がなければなりません。
しどろもどろに小さな声で話すのではなく、
はっきりした自信に満ちた説明や堂々とした態度が取れることが重要です。
どんなに正しいことでも、説明しだいでは誰も信用してくれないことになります。
むしろ、間違った発言を社長がした場合、「社長、お言葉ですが・・・」と諫めることができれば上等です。
さて、あなたは「店舗開発」と「調査」どちらが向いているでしょうか。
はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。日本マクドナルドで出店調査を担当。独自に深めた立地理論をもとに200社以上のチェーン企業の経営者、多くの起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。東京大学卒。http://www.sorb.co.jp
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引用元:あなたは店舗開発と調査どっちが向いているか 連載99-3
図2 こうして職務を挙げると、店舗開発と調査はまったく異なることだということがわかる。互いの職務を独立して行うべき理由もお分かりいただけよう。
どんな資格が必要か
「店舗開発」に必要な資格は、
①信頼性と
②積極的なコミュニケーションスキルの2つです。
もちろん、宅建(注2)の資格や不動産取引の知識もあった方が良いのですが、
特に必要な資格はこの2つに尽きます。
②については、交渉事ですから、
どんな相手とも戸惑うことなくコミュニケーションができなければならないので当然でしょう。
店長であるあなたが「お客様との会話」や「アルバイトへのモチベーションアップ」を得意としているのでしたら、間違いなくこのスキルを持っています。
そして、このスキルは、一般的に男性より女性のほうが自然に磨かれていることが多いようです。
ですから、最近の「店舗開発」担当者に女性が多くなっているのは喜ばしい限りです。
さて、①信頼性についてはちょっと特殊かもしれません。
不動産取引きには、必ず「仲介手数料」が発生します。
あるいは、礼金や敷金のような特殊なやり取りもあります。
これらが、裏金のような悪い使われ方をすることもあるのです。
店舗の規模が大きいと、取引される金額も大きくなり、「店舗開発」の担当者にも誘惑の手が伸びてきます。
こうしたことを「習慣だから」とか「誰もがやっているから」という理屈で納得しているようでは、信頼性は築けません。
必ずボロが出るものです。部下がこういうワナに嵌ることがないよう上司はよくよく監督すべきです。
図3 「店舗開発」と「調査」は資格も全く違う。いずれも①がもっとも重要である。
「調査」の資格は3つです。
①柔軟な考え方できること。
②店長の経験があること。
③経営者や経営幹部を前にして堂々と説明ができること。
調査のやることは「高い精度の売上予測」です。
このためには、売上予測に必要なたくさんのデータを集めたり、仮説を立てて分析したり、
売上予測モデルを作ったりと、いわゆる分析者の素質が不可欠です。
だから、年齢的には20代から40代前半まで。
パソコンなどのハイテク備品に苦手意識がなく、少なくともマイクロソフトエクセルは中級程度に使いこなせることが必要です。
こういう意味で「柔軟な考え方」は不可欠なことです。
また、店長の経験、あるいはアシスタントなど店長と同等の経験が必要なのは、店の状態を見極めることが分析の第一歩だからです。
注2 宅建。正しくは、宅地建物取引業資格。物件の売買や賃貸に必要な法律上の知識など、
「不動産業」を営むための最低限の事項を知っていることを証明する資格。
国家試験の一つで、難易度は高いとされている。
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引用元:あなたは店舗開発と調査どっちが向いているか 連載99-2
さあ、店舗開発のお話しも最終回です。
すでに気づいた読者もいるかもしれませんが、順調に店舗展開をするには、
物件のオーナーと賃貸借の経済条件について交渉や契約などを行う「店舗開発」と、
その担当者に交渉目標や売上予測などを伝える「調査」が別々に必要だということです(図1)。
図1 どこも最初は、店舗開発の領域が、点線で囲まれた両者になってしまう。
しかし、このままでは長続きしない。「店舗開発」と「調査」を分離させることが順調な店舗展開を約束する。
経営者は、「店舗開発」には店数を増やすことを望んでいる。したがって、「店舗開発」は、「調査」に対して、高い売上を予測してもらうことを望む。
一方、経営者は、営業(店)に対して、予算をクリアし高い売上を期待する。
したがって、営業(店)は、予算をクリアしやすいように「低い売上」を予測してくれことを望む。
そこで、「調査」という中立公平な部門が必要になる。
経営者が「調査」に要求していることは、高い精度だけである。これで、「調査」は主観に左右されない客観性を担保される。
この2つの役割を分離せず同じ担当者に任せてしまうと、
「店は出したいから何でも契約したい」けれども「収益の予想がどうなるか責任が持てないから契約できない」
という「股裂き開発」になってしまいます。
これでは、収益の取れない不振店ばかりが増えていくか、逆にぜんぜん店舗展開が出来なくなってしまうことになります。
ですから、「店舗開発」と「調査」という別々の部門に分けなければなりません(注1)。
会社組織内にどのように配置するか、また、どういう名前にするかはもちろん自由です。
しかし、「それぞれがどんな職務と資格があるのか」はここに書く通りであることをお勧めします。
職務の違い
「店舗開発」の職務は、
①物件を見つけられるルート(人脈や情報源)を作り出し、
②具体的に出店可能な諸条件(立地の種類、物件の面積/間口/階層、電気容量、上下水道、ガス、有線などの諸インフラ設備など)を満足する物件を探し出すことです。
③その上で、社内会議や上司に報告し、調査依頼をして、
④その結果判明した諸経済条件などに合致するようにオーナーと交渉することです。
⑤交渉が成立したならば、契約するとともに他の開店に関わるメンバーに引き継ぐことです。
「調査」の職務は、
①物件の調査依頼が来たらただちにその商圏と立地の調査をして、
②速やかに売上予測と収益予測を報告書にしたうえで、
③社内会議の中でプレゼンテーションして参加者の同意を得ることです。
④その上で、調査精度についての経過を公開して、つねにその精度を上げる努力を続け、
⑤毎年1回出店戦略案を提案することです。
注1 「店舗開発」は、「立地開発」、「不動産開発」、「開発」などと故障されることが多い。
また、「調査」は、「出店調査」、「戦略企画部」、「立地調査部」などと呼ばれる。
日本マクドナルドでは、30年前まで「広告宣伝部調査課」と呼ばれていた。
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引用元:あなたは店舗開発と調査どっちが向いているか 連載99-1
ただし、どんなに遅くても2年以内に1物件も契約できないようなら
別の業務に変更したほうが良いですね。
やや売上規模が小さい500万円前後、店舗規模も20坪前後ならば、年間20件前後の店舗契約が求められます。
どんな職位であっても求められる根気や持続力はとりわけ店舗開発には不可欠な能力です。
というのも“オーナー”という気まぐれな相手が対象の業務だからです。
店舗用の物件を持っているオーナーが、切羽詰まって急いでいてこちらの条件をすぐ呑んでくれるということは、まず、ありません。
オーナーは急いでいないことが多いのです。
それどころか、放っておけば、もっと高い経済条件を提示してくれるだろうと高をくくっている方が多い。
時には、お店として貸す気などサラサラない。
そういう人は少なくありません。
こういうオーナー達に、早く早くと急かしたところで制約はしません。
のんびりしたオーナーに対してはこちらも時間と手間をかける覚悟が要ります。
話を始めてから10年目にして初めて契約にこぎ着けたなどという話もあるくらいです。
良い物件ほど時間がかかるというのが一般的です。
ただし、中には、オーナーや仲介業者から“急かされる”場合もあるかもしれません。
しかし、どこも企業ならば、お金持ちのボンボンではないのです。
大きな経済条件を1日やそこらで決断することはできません。
相応の企業内審査の時間が必要です。
それを知っていながら、「あと半日しか待てません」などと急かすというのは、「何か訳あり」とみて静観するべきです。
もしかして、取引の裏に反社会的集団が隠れているのかもしれません。
何があるのか分かりません。
「急がば回れ」という言葉は、店舗開発のようなビジネスには不可欠の戒めです。
さて、店舗開発もオーナーと契約して、店舗を出してハイ終わりではありません。
その後、オーナーとはたびたびコンタクトをとることです。
そのおりに「あなたの店と契約して良かった」という一言を頂戴できれば、これぞ三方良しの成功と言えることです。
三方とは、店(会社側)とオーナー、そして店舗開発の担当者です。
はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。日本マクドナルドで出店調査を担当。独自に深めた立地理論をもとに200社以上のチェーン企業の経営者、多くの起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。東京大学卒。http://www.sorb.co.jp
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引用元:店舗開発で成功するとはどういうことか 連載87-3
この経済条件はなぜ出せるかと言えば、ほかの部署または上司、時には経営者が売上予測の責任を持っているからです。
もちろん、個別案件ごとに契約しても良い経済条件が明確になります。
「経済条件」さえ決まっていれば、店舗開発は安心して業務に専念することができます。
もし、先方(オーナー)が「坪当たり家賃1.5万円」と言ってきて、
「同1.3万円ならば契約できる」と上司なり会議なりで決まっていれば、
あと0.2万円の引き下げができるよう交渉すれば良いわけです。
これなら店舗開発の裁量、力量でできるはずです。
しかし、その開きがひじょうに大きい場合はどうでしょう。
上司の条件は、「坪当たり家賃が1.8万円まで」、オーナーの条件が「同3万円以上」。
1.2万円の差があります。この差は小さくありません。
もし面積50坪の物件なら60万円の差であり、年間を通じれば720万円もの差にもなります。
ふつうの社員なら2名分にもなり、時給1000円のアルバイトに換算したら7200時間分もの差であって1日20時間分の差になります。
「あと20時間分のアルバイトがいてくれたらどんなに助かるか」という目で見れば、いかに大きい差であるかが分かるというものです。
ですから、これだけの差異があるような場合は、交渉打ち切りが妥当かもしれません。
しかし、オーナーに少しでも譲歩する気持ちがあるかどうかを探って見てからでも良いかもしれません。
いずれにせよ、こういった交渉を行ったり打ち切ったり交渉を成立させたりすることが店舗開発の業務です。
そして、坪当たり数千円の家賃の違いが、店舗の運営にとってどれほどたいへんなことにつながるかを良く理解していることが大切です。
ちなみに、店舗開発を担当する者が年間どれくらいの物件を扱い、
どれくらいの店をオープンさせていくことができるものでしょうか?
店舗の規模や売上の高さにもよりますが、
50坪前後で売上1000万円/月前後の店を扱うならば、
月間で扱う物件数は10~20、
契約は月間1~2物件ならば優秀な担当者だと言えます。
ただし、初心者の場合、交渉以前に覚えることが多く、
また、物件の情報を寄せてくれる人や会社とのネットワークの形成のために、約1年間は必要でしょう。
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引用元:店舗開発で成功するとはどういうことか 連載87-2
お店で仕事をしているときは、「店舗開発」なんていう業務は知らない人がほとんどでしょう。
しかし、お店の人は、個人店などの特別な場合を除いて、お店の商品を売り歩くなどということはいないでしょう。
特に、ナショナルチェーンに属したお店で働いている場合は、「お客がやってきてくれることをひたすら待つ」ことが多いかもしれませんね。
これに対して、店舗開発は、毎日「お店を売り歩く」仕事です。ふつうの企業の「営業マン」と同じです。
もちろん、店舗開発は、借りられそうな店舗物件を探し、
利益の出る店になりそうかを調査して(もらって)、オーナーと契約を交わすという仕事です。
でも、オーナーや斡旋してくれる仲介業者に、
「自店舗を出すために物件を貸してくれることは、とても良いことだ」
と思ってもらうことは欠かせない仕事です。
だから、「お店を売り歩く」ことと同じです。
では、店舗開発のゴールは何でしょう。
「利益の取れる店となる物件を計画数だけ契約し出店すること」です。
!?
違いましたね。
こういうゴールを作ってしまうと「股裂き開発」、つまりきわめて効率の悪い店舗開発になってしまう、
前回そのようにお話ししました。
では、どういうゴールを設定すれば良いのでしょうか?
「最終的に、会議または上司と合意された経済条件での物件取得をすること」です。
これなら、「利益が取れる」かどうかは入っていませんね。
その代わり、会議や上司との合意では、
「この物件では家賃が○○万円以下で、保証金が○○万円以下、その他・・・」
という借りるときに必要な経済条件が明確になっているわけです。
表 2017.4.24時点で公開されている池袋繁華街の30物件(店舗用)
ただし、1F路面店のみ(インターネットサイト「M&Kカンパニー」より)
公開されているだけで30物件あるということは、実際に池袋へ行って仔細に調査すればこの2,3倍は見つかるということです。あとは、先方の条件とこちらの条件が合うかどうかということになります。
店舗開発で成功するとはどういうことか 連載87-2 へ続く
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引用元:店舗開発で成功するとはどういうことか 連載87-1

















