売上予測コンストラクターの林原琢磨です。

 

 

商圏内にお店のターゲット層が多くいるかどうか、

それをチェックすることはとても大切なことです。

 

しかしながら気を付けていただきたいのは、

「ターゲット(と自分が認識している)層だけをチェックすればいい」

というわけではない、ということです。

 

 

これまでも、多くのチェーン企業の分析をさせていただいてきた中で、

この「ターゲット層」に関する分析については、

様々な発見がありました。

 

その中でのひとつの結論として、

「人口全体に占めるターゲット層の比率は、売上げにそれほど大きく影響しない」

ということが分かってきたのです。

 

もちろん、まったく影響しないわけではありません。

ターゲット層の比率は高いに越したことはないのは確かです。

 

 

しかし、実際に多くの企業が陥ってしまう落とし穴として、

「ターゲット層の数だけを見てしまう」

ということがありました。

 

例えば、自社内でターゲット層を「20~30代女性」と設定したとすると、

出店の際も、その項目の統計データだけを確認して、

商圏の良し悪しを判断してしまうのです。

 

これが落とし穴である理由は大きく分けて2つです。

 

 

1つは、

「ターゲット層だけに限らず、全体のボリュームの方がより重要」

ということです。

 

仮に20代~30代女性が比率的にはきわめて多いエリアであったとしても、

そもそもの絶対数が少なければ、売上げは高くなりません。

 

ターゲット層も、それ以外の層もすべて含めて、

十分に多い商圏ポテンシャルがあることの方が、よっぽど重要なのです。

 

実際、こういった場合に「20~30代女性人口」と「総人口」それぞれと、

売上げデータとの相関を調べてみても、

「0.40」と「0.37」のように、ほぼ同率になることがほとんどです。

 

そして、ターゲット層の比率が低くても、それ以外の層が十分にいるエリアは、

それはそれで売上げが高いお店を作れることも多いのです。

 

 

またもう1つの理由は、

「自社が想定している客層だけが来店しているわけではない」

ということです。

 

これも多くの企業が分かっているようで分かっていらっしゃらないのですが、

仮に「20~30代女性」がメインターゲットだとしても、

40代以上の女性が来店することも十分にありますし、

業態によっては男性が来店することもあります。

 

「ターゲット客層」とはあくまで企業側の主観的な設定であり、

実際の「来店客層」とは大きく異なる場合があるのです。

 

こういったことを踏まえても、「ターゲット客層」のデータだけを見るのは禁物です。

 

 

 

 

「ターゲット客層」が多い・少ないということは、

出店の際にどうしても気になってしまうことだとは思います。

 

しかし、その項目の数値だけに囚われないよう注意してください。

 

立地の良し悪し、商圏の良し悪しは、

もっと多角的な見方をしなければ判定することはできません。

 

 

年齢別人口グラフでターゲット客層を調べる

 

 




 

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引用元:「ターゲット客層」という言葉に囚われすぎないように!


売上予測コンストラクターの林原琢磨です。

 

 

ミクロ的な立地の良否を判定する上で、
最も重要なポイントが「TG(交通発生源)」です。

 

お店の直近または周辺に「TG」があるかないかで、

売上げは格段に変わります。

 

むしろ、「TG」が無い立地で繁盛するのは99%不可能、

と言っても過言ではないほどの重要度だと認識していただければと思います。

 

路面やロードサイドなどの立地タイプや、業種業態、チェーン/個人店を問わず、

「TG」の有無は明確に、直接的に売上げに影響を与えるのです。

 

 

 

それを前提として踏まえておいていただいた上で、

しかし、「TGがあればそれで安泰」というわけではありません。

 

「TG」・・・・つまり路面店のケースで言えば、

駅改札や商業施設出入口、交差点などは、

それがお店の近くにあれば、多くの場合はプラスの効果をもたらします。

 

しかし、そのプラスの振れ幅は「TG」との位置関係によるのです。

(なお、むしろマイナスに働くケースも少なからず存在します)

 

 

 

「TG」が最も効果的にプラス影響をもたらすのは、

お店が、「TG」と「TG」とを繋ぐ道路沿いにあり、

店前に「動線」が形成されている時です。

 

「動線」がなければ、「TG」の効果はそれほど大きなものにはなりません。

 

 

例えば、「駅前一等地」なのに流行っていない飲食店を見たことはないでしょうか。

 

その原因として多いのが、そのお店の立地は確かに「駅前」と言えるのですが、

駅の利用者のほとんどが駅を出て右側に進んでいくのに対し、

お店は左側にある、というようなパターンです。

 

確かに駅が「TG」になっているものの、「動線」はお店とは反対方向に形成され、

そのことが原因で「TG」の効果を十分に受けられていないということなのです。

 

 

 

その他にも、

「うちの店は目の前に大型の商業施設の入口がある。

それなのに売上げが奮わない」

という相談を受け、現地を見てみたところ、

 

「確かに目の前に商業施設はあるが、店と施設との間を道路が走っており、

しかも信号(横断歩道)がないため、施設から直接お店に来るには、

100mほど離れた交差点を迂回してこなければならない」

 

という状況でした。

そのため、「商業施設の入口TG」を出た人々の「動線」は、

目の前のお店に向かうのではなく、100m先の交差点に向かってしまったのです。

 

 

商業施設のメイン入口前の道路に横断歩道が無い

 

「TGがあるのに売れない」

 

こうした落とし穴にはまってしまうお店は、意外と多くあります。

 

「TG」があることは立地上きわめて重要ですが、

あればいいということではないため、

しっかり「動線」ができているかどうかまで吟味するようにしてください。

 

 




 

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引用元:TGがあっても売れない落とし穴

売上予測コンストラクターの林原琢磨です。

 

 

昔と比べて最近は、商業施設内への出店のご相談も増えてきました。

 

一時期は、商業施設内出店ができるのは、

路面でしっかり実績のある一部のチェーンのみでした。

しかし、近年はだいぶ裾野が広がってきており、

施設によっては個人店でも出店の機会が持てるようになりました。

 

 

しかし、路面やロードサイド出店と比べても、商業施設内出店はきわめて難しいものです。

 

「そもそも商業施設自体がマーケティングをおこなっているのだから、

その施設内に出店できれば十分に集客をすることが可能だ」

ということを考えていらっしゃる方も多く見受けられますが、

それはまったくの誤解です。

 

当然、商業施設内においても立地の良し悪しは明確に存在し、

立地が悪い位置のテナントに出店しても売上げは上がりません。

それどころか、路面と比べて家賃が高い傾向にあることがほとんどなので、

赤字店舗になりやすいという落とし穴もあります。

 

商業施設内出店においても、路面やロードサイド店舗以上に、

立地をしっかり吟味しなければなりません。

 

 

 

まず見るべきは、「TG」です。

 

商業施設内における「TG」は、例えば、

 

・施設の出入口

・エスカレーター

・エレベーター

・駐車場出入口(または連絡通路)

・核テナントの入口

 

などが挙げられます。

 

これらは、路面やロードサイドで「TG」をしっかり押さえられる人なら、

商業施設内においてもすぐイメージができるでしょう。

 

 

さらには、商業施設内特有の「TG」として、

 

・トイレ

・休憩スペース

 

などもあります。

これらは路面店などではほとんど見られないため、

見落としがちになりますが、意外と軽視できないポイントです。

 

商業施設内においては、特に大型のモールなどでは、

人々は施設内を回遊しており、滞在時間も長いものです。

 

滞在時間が長くなるということは、それに伴い、

トイレや休憩スペースなどの利用頻度も上がるということです。

 

すなわち、そうした場所に人が集まり、またそこから人が散っていく、

まさに「TG」としての特性を持つということになります。

 

したがって、そうした場所の近くにある店舗は、

他の何でもない場所の店舗よりも、

買い物客に認知されやすくなるというのは、当然のことです。

 

 

他にも施設によって、人が集まりやすい場所というのはあります。

 

商業施設内出店の話が来た時には、そのテナントの周りに、

ちゃんと買い物客が集まる要因があるかどうか、しっかりチェックしてください。

 

人々がその施設全体を回遊することが前提になっているからこそ、

少しでもこうした立地上の優位店のある場所に出店することが、

商業施設内での差別化を図り、売上げを上げるポイントです。

 

 

休憩スペース①

 

休憩スペース①

 

 

 

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売上予測コンストラクターの林原琢磨です。

 

 

出店の際、店前を往来する人々からの視界性を少しでも高める工夫は、

高い売上げを目指すためにきわめて大切なことです。

 

少しでも目につきやすいような店構えにしたり、

効果的な位置に看板を設置したりというようなことは、

可能な限り実行するべきでしょう。

 

店舗も看板も、周辺の景色に融合しないような色合いや形状にし、

誰が見ても一目でそこにお店があると分かる状態にしなければなりません。

 

 

 

そういった工夫の一環として、店前に設置するべきものは、

「看板」でなくても構いません。

 

例えば大きなオブジェやバルーン(風船)、昔ながらの置物だって構わないのです。

 

看板以外のオブジェ等①

 

看板以外のオブジェ等②

 

看板以外のオブジェ等③

 

一般的な看板には店舗の情報などが掲載されており、

知覚されやすくする効果のほか、業態の内容を知ってもらうためにも有用です。

 

一方でこうしたオブジェ等は、細かな情報は伝えられないものの、

場合によって、視界性を高める効果は普通の看板以上に高くなります。

 

周りのどのお店も同じようなサイズ・形状の看板しか出していない状況で、

自店だけが目立つ大きなオブジェを店前に並べていたら、

往来するお客さんからも認知されやすくなるのは当然のことです。

 

 

もちろん、どれほどの規模のものをどう設置するかは、

お店のブランドの方向性や予算にもよりますので、必ずこうするべきとは限りません。

 

しかし、「普通は看板を出すだろう」という固定観念に囚われ、

結局はお客さんから知覚されないことになってしまうというなら、

こうして多少奇抜なことをしてでも知覚された方が、

売上げという結果には繋がることもあります。

 

有り得ないと一笑せず、試してみることが重要です。

実際に、こうしたオブジェ等を店前に置いて、

それで売上げを伸ばした例はいくらでもあります。

 

 

ただし、立地上の注意点としては・・・・

こうしたオブジェなどを設置したことで、

逆にお店自体が隠れてしまう視界障害が発生してしまったり、

通行の妨げになってしまって客足を遠のかせてしまったりしては、

元も子もありません。

 

周辺店舗や店前道路の状況をよく鑑みて、

実行するようにしてください。

 

 

 

 

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「立地に基づいた売上予測」の研究はすでに30年以上やってきた。

店の立地を調べてほしい、新店の売上予測してほしい、売上予測モデルを作ってほしいという要望に応えるというビジネスが30年以上も続いたということだ。

だから、「立地に基づいた売上予測」は、単なる思い付きや絵空事ではないことは確かだ。

そこで、30年たった今、あるていど、まとめておきたいと思う。

もちろん、すでに、立地と売上予測については、多くの原稿や書籍、

そして、このブログ上でたくさん書いてきているのだが、それらは単発的で、つながらないことが多く、決して体系的ではない。そして、何がより事実で、何がより主観的であるかについての明白な自覚がないままに書かれていたと思う。

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これでは、後世の人は、いくらそうした記事をバラバラと読んだところで、今一つ内容を理解できないかもしれない。

これでは、立地は、単なる思い付き、単なる希望的観測と断定してしまうのではないか。それが危惧される。

だから、本日から当分の間、「立地に基づいた売上予測」というテーマで、できる限り、体系的に、そして、分かっていること、分かっていないこと、胸を張って事実と言えることと、これは憶測に近いと思えること、などを、区別しながら、書き留めるようにしたい。

 

そして、できることなら、「立地学」あるいは「立地経済学」と呼べる学問領域を確立するための端緒となって、子々孫々がその実を享受できるような世が来ることを願いたい。

 

 




 

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引用元:立地に基づいた売上予測、「立地経済学」を作ろうと思う理由


 

 

ただし、ここで問題がありました。

このサテライト店舗の出店に関しては、
出店調査部は、ほとんど関与しなかった
のです。

つまり、事実上、「調査もせずに出店していた」ということです。

 

その結果、、 売上はどうなったかというと・・・

やはり当初は、トラディショナル店舗よりかなり低い売上でした。

しかし、より少ない投資で、
年間の売上を増加させる(既存店の売上げ減少をカバーする)
という位置づけの戦略としては、
その時点では、 「ベスト」と言えるものでした。

ですから、誰も反対しなかったのでしょう。
どんどんそういった方向性での出店は増えていきました。

 


そこからしばらくすると、大きな変化が訪れます。
次第に、こんなことが言われるようになりました。


「サテライトもトラディショナルも関係ない。」


その背景には、大きな投資をして作ったトラディショナルの新店より、
その近くに作った小投資のサテライト店の方が、売上が上回ってしまうという、
逆転現象がいくつも起きたことが挙げられます。


「ならば、トラディショナル店の方も、
調査などしなくでもいいのではないか」


という雰囲気が出てきたとしても、おかしくはありません。

 

そうこうするうち、 「立地調査より、出店数の確保を優先」で、
どんな立地にもM社はどんどん出店していきました。

これは、私たちに言わせれば、
M社の「暗黒時代」と呼ぶべき時期でしたね。

 

しかし、そうやって「出店数」だけを追い求めるあまり、
貧乏立地に出し続けたツケは、すぐに支払わされることになります。

21世紀初頭、日本のM社は、 創立以来の大赤字を計上しました。

 

 

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引用元:立地を顧みぬ大量出店は失敗する-4 マクドナルド大量出店の大・・・



当時の経常利益は、 売上げ全体の3%から5%くらいのものだったからです。
それなのに、そこからさらに5%もなくなったら・・・・
利益は、完全に吹っ飛んでしまうのは明らかでした。

そういうことで、一計を講じたのが、
「年間500出店」という戦略だったのです。

 

 

何が何でも500店。

たとえ既存店と競合しても、
売上げが思うように取れなくても、出店する。
そのような大号令が出ました。

なぜならば・・・・

1店あたりの売上が減っても、
店舗数そして全体の売上さえ増やせば、
ロイヤリティー・フィーの率を上げなくても、
アメリカの本社が受け取る額が増えるから
です。


「今のままでもより多くのお金を渡せるようにするから、
ロイヤリティー・フィー自体はこのままにしてくれ」
というのが、日本側の主張だったわけです。
そうすることで、全体の利益の確保もできます。

 

そして、それを主張しただけでなく、
実際に年間500店、出店していってしまいます。

 

具体的にどうやったかというと・・・・
いわゆる、「サテライト店」と呼ばれる形態の店舗を、
どんどん作っていきました。

「サテライト」とは「衛星」という意味です。
つまり、本格的な設備の店舗を作らないで、
元々ある店舗の近くに、衛星のように新店を出していったのです。

スーパーや駅、ビルの一角に、
まるで出店(でみせ)のようにして作る・・・・

そしてその人員は、その元々近くにあるお店から調達するのです。
つまり、その元々のお店から、サテライト店へ、
店長やそれ以外の社員、アルバイトなどを送るようなやり方をしました。

これなら確かに、 初期投資が普通より格段に少なくて済みます。

(元々ある店舗を「トラディショナル」と呼びます)

 

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引用元:立地を顧みぬ大量出店は失敗する-3 マクドナルド大量出店の大・・・


 

売上予測コンストラクターの林原琢磨です。

 

よく、ロードサイド立地においては、

「交通量の多い道路沿いのお店ほど売上げが高い」

というようなことが言われます。

 

確かに、これは感覚的には当たり前の話でしょう。

まったく車が通らないような道路沿いに出店しても、

そこで繁盛するイメージが湧くはずもありません。

 

「立地」というと、こうした交通量や通行量のことだと思っている人もいるほど、

昔から売上げに関わる重要な要因としてピックアップされてきました。

 

 

しかしながら、弊社では30年近くに渡り、様々な業種業態の分析をしてきましたが、

売上予測モデルを構築した際に、交通量や通行量のデータをそのまま使ったモデルは、

まったくといっていいほど存在しません。

 

その理由は様々あり、説明を始めるとブログでは収まらない長さになってしまうのですが・・・・

 

本日は、感覚的に「それはそうだ」と思えるお話をひとつ。

 

 

まず、片側一車線の道路と、三車線ずつある道路とでは、

どちらの方が交通量が多いと思いますか?

 

もちろん、ケースバイケースではあると思いますが、

基本的には車線が多い方の道路ですよね。

多くの車が往来する理由があるから車線が多く設計されているのですし、

車線が多ければ通りやすいですから、交通量も多くなって然るべしです。

 

 

では、車線数が多い道路沿いのお店ほど、売上げは高いのでしょうか?

 

 

答えは、NOです。

 

ご自身が車を運転しているイメージをしてみてください。

道路沿いにお店を見つけた時、車線が一本しかなければ、

そのまま直前でスピードを落とし、ハンドルを切って入ればいいだけです。

 

しかし、車線が多い道路ではここにもうひと手間、

「車線を変更する」という行動が加わる場合があります。

そうしなければならないということは、入店しようと思ったら、

より遠くからその準備をしなければいけないということです。

 

一般的には、普通に走っている車がお店に気付き、減速して入店行動をするまで、

「100m」程度の距離が必要であると言われています。

ここに車線変更が加われば、もっと距離が必要です。

それだけ遠くからお店に気付いてもらう必要がありますが、

実際のところ、そこまで視界性の良い看板を設置するのはほとんどの場合至難の業です。

 

ましてや、反対側の車線から入店しようと思ったら、

それがどれほど大変なハードルになるかは、皆さまお分かりになるでしょう。

 

つまり、極端なことを言ってしまえば、

「複数の車線があって交通量が多い道路であったとしても、

来店するのは一番店側の車線を走っている車だけ」

ということになるのです。

 

 

もちろん、実際はそこまで極端ではありませんが、

でもそれくらい言い切ってもいいくらいに、

車線数が多ければ多いほど車がお店に入る心理的ハードルは高まるのです。

 

こうしたことを考えたら、「交通量が多ければ売上げは高まる」とは言えませんよね。

 

 

この他にも、交通量が売上げに関係ない理由は沢山あるのですが、

今回はこのことだけ、ご納得いただけたらと思います。

 

車線数が多い道路

 




 

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引用元:車線数が多い=交通量が多い道路沿いのお店は繁盛するか?


郊外ロードサイド

こうしたことは、郊外ロードサイドの飲食店でも当てはまります。

 

店の周辺で徒歩や自転車で5分10分で行ける範囲にじゅうぶんな人々がいない。

そうした商圏では、徒歩・自転車で働きにも来られません。

ということは、自家用車・オートバイを持った人でないと働き手にならない。

 

ということは、

20歳未満の若者、運転免許を持たない人を採用できないことにつながります。

しかも、

もし、じゅうぶんな駐車場を用意できないようなら

自家用車での通勤も認められないことになり、

 

さらに採用が難しくなります。

今までは飲食店でも何とかやり繰りしていたでしょうがこれからは済みません。

 

お客さまが駐車場を利用するのと同様、

アルバイト従業員にも駐車場を準備できることです。

もし、自前でそれが無理でも店の近くに借りなければなりません。

 

商圏と客層

高齢者の比率が高い商圏だからと言って、

店の客層に高齢者が多くなるとは限りません。

 

店の客層は、店が演出する雰囲気・商品・サービスが決めるものです。

 

だからと言って

商圏の住民層の比率がまったく無関係ということにもなりません。

 

ですから、若者向けの店にして多くの若者に来てもらいたいと思うなら、

若者が多く住む商圏に出店するに越したことはありません。

 

具体的には、18歳以上29歳未満の人口が多いような商圏が良いでしょう。

 

と、同時に、こうした商圏なら、

その同じ年代層の従業員・アルバイトを募集し、確保することが容易になります。

ちなみに、このような商圏は、大学や大学院、予備校、研究所がある地域でもあります。

そうした施設に従業員募集のポスター掲示やチラシ配布は効果的です。

 

 ふつうの地域

 

ふつうの地域での年代構成の大半は、30歳代から上の年代が多いのです。

 

とりわけ、60歳代より上の高齢者層が多い。

 

こうしたふつうの地域での店は

たいてい同じような年齢層が客層の大半を占めることが多いようです。

 

ですから、高齢者が目立つなら高齢者に働いてもらいましょう。

もちろん、高齢である分、敏捷性や注意力、判断力が若者たちと同じという訳にはいきませんが、

知識や経験、応用する力、真面目さははるかに上回ります。

店内ワークで配置できる仕事を作れば大いに活躍するはずです。

 

 

さいたま 大宮 郊外 年齢別

3 埼玉、さいたま市郊外

65歳以上の高齢者が多い、どこにでもある「ふつうの地域」

 

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引用元:店長なら同時にできる、人手確保と顧客獲得 連載119-3


この調査結果は決して特別なことではなく、

その後、立地についての選択肢が入っているアンケートでは、必ずこうした傾向になります。

 

つまり、お客さんが店に来る最大の理由は、「店の立地が良い」ことなのです。

 

その立地とは、「通りすがり」に来られる、「近い」ことです。

 

少し言い換えると、

「お店が人々にとって便利な場所にあること」なのです。

 

遠くて不便な場所にある店には行かない。これが来店客の共通点です。

 

では、

アルバイトなどの従業員がその店で働く理由は何でしょう?

働く理由ではありません。

店を選ぶ理由です。

 

これには大きく2つの理由があることが知られています。

 

一つは「働く環境が良いかどうか」、

もう一つは「便利な場所にあるか」です。

 

前者は、他の従業員に混じって働くからには人間関係が良好でなければなりませんので

当然のことでしょう。

この問題は飲食店に限らずどんな仕事でも共通することですね。

だから、何にもまして店としてクリアーしていなければなりません。

 

「働く環境づくり」ができていないのならば、

従業員の募集をすることや、

ましてや、客数増加を図ることなど思いもよらぬことです。

 

ですから、ここではこれができているとして話を進めましょう。

 

とすると、そうです。

またもや立地の問題が出てきました。

お店が働く人にとって便利な場所であるかという点です。

 

「別の職場から帰って来た時に寄りやすい」、

「学校帰りや用事のついでに行き易い」、

「働いた後にスーパーマーケットに寄りやすい」・・・

 

そうです。

こうした立地の利便性は、お客さまにとっての利便性とほとんど同じです。

 

つまり、

店はTG(トラフィックジェネレーター:交通発生源)に近い場所にあったり、

そうしたTGと往復する「行動線」上にあることが、「働く人」にとっても重要だということです。

 

逆に言えば、

お客さんが来ないような立地は、

働き手が来ないような立地でもあるということです。

 

人々から見えないような看板しかない店は

、働きたいと思う人からも「見えない・気づかない」のです。

店が誰からも見えるようにしっかりと看板が設置されていることも、

従業員のリクルートにとっては重要だということです。

 

東京、江古田1kmの年齢別人口

 

2 東京、江古田1kmの年齢別人口

周辺には、日大芸術学部、武蔵野音大、武蔵大学がある

 

 

 

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引用元:店長なら同時にできる、人手確保と顧客獲得 連載119-2