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FGM廃絶 ブルキナファソ・コンパオレ夫人インタビュー 2008年06月06日

長年FGM廃絶に熱心に取り組んできたブルキナファソ大統領のコンパオレ夫人が第4回アフリカ開発会議のために来日しWAAFスタッフのインタビューにこたえた。以下要旨。

教育の重要性

 廃絶のために教育が重要。

 国連食糧計画(WFP)の援助で女の子を学校へ通わせるために学校で米などの食糧を配りそれを家庭へ持っていかせるというプロジェクトを行った。

 親は女の子を労働力として学校へやらないことが多いので、学校へ行けば食糧が手に入るようにした。

政府の役割

 廃絶運動は民間のNGOのみでは達成できない。国家が積極的に運動しなければ状況は変わらない。

具体的に求める支援
 クリトリス修復手術のための器材(キット)をまかなう資金が足りない。またフィスチュラ治療のための援助もほしい。

シェルターの必要性
 厳しい法律(反FGM法)があればそうしたものは必要としない。

廃絶運動の問題点と展望
 FGM廃絶をはばむ大きな要因は男性と祖母達の考え方。男性の意識改革に関しては実際に進んでいるが、年長の女性の考え方を変えるのは難しい。FGM廃絶への道は険しく、批判を受けることもある。

 ミレニアムゴールの2010年か2015年までに廃絶するという目標はあるが、その後また10年先など新たな目標の設定が必要になるだろう。
ひばり館 2008年06月05日



今年の(2008)イタリア映画祭の出品作品だったタヴィアーニ兄弟の監督作品「ひばり農園」の原作の翻訳本である。



訳者の草皆伸子氏はあとがきで、この本の「意味」について「近代史における世界で最初のジェノサイド」をあきらかにすることの意義と述べている。

 そして、第一次大戦後ドイツは責任逃れに躍起になり(ドイツの軍事顧問団が強制移住の指南役になった可能性があるため)、欧米諸国は石油問題や領土問題の微妙さからトルコを強く糾弾とようしなかった。この時、毅然とした態度でトルコ政府の責任を追及していたら、後のホロコーストは起こらなかったかもしれないと言われている、としている。

 原作者は、アルメニアを故国にもつイタリアパドヴァ大学の近現代イタリア文学の教授だったアントニア・アルスランで、ジェノサイドの生き残りの証言を集め執筆したと言う。

 1918年秋、アルメニア共和国はジェノサイドから生き延びたトルコ領内のアルメニア人たちを助けるため、横浜在住の貿易商ダイアナ・アプカーを駐日領事に任命し、ロシアに逃れシベリア鉄道でハルピン、ウラジオストック経由で日本に上陸した生き残りの多くをアメリカへ亡命させたと言う。

 訳者は「世界はつながっているということを実感する」と言っている。

 その後、ジェノサイドは何度となく起きた。人間が脆弱にために…

ひばり館 アントニア・アルスラン著 草皆伸子訳 2006年刊 早川書房
注:原題は LA MASSERIA DELLE ALLODOLE なので「ひばりたちの農場」といった意味。 
新書 オペラと歌舞伎 2008年06月03日

書き出しは刺激的である。

「第二次世界大戦は、オペラと歌舞伎を持つ国民国家と持たざる国民国家の戦いであった」
「オペラを持つ国民は植民地を持たない」
「オペラと歌舞伎は日独伊三国同盟の国民的エネルギーの集約地であり、それは植民地に向けて国民的エネルギーを放出していった国民と大きなギャップを生んだのだ」

 この扇情的な書き出しは肯定できるものではないが、それは本人も認めている。

 ただこの本に書かれているオペラと歌舞伎の共通点については驚きを禁じえない。
 誕生期、女形とカストラート、劇場、観客など、信じられないぐらい共通点が多い。

 例えば、近松とメタスタージオ、南北とロッシーニの活躍時期が近いとか、黙阿弥とヴェルディがまさしく同時代の人で3歳しか違わないと言う。また、「江戸の荒事上方の和事」と同じことが同時期の「ナポリ(オペラブッファ)とヴェネチア(オペラセリア)」で起こり、さらに双方の距離はどちらも600-800キロであるとのこと。

 オペラあるいは歌舞伎、どちらに興味があれば大変「楽しい」読み物ではある。

永竹由幸著 丸善ライブラリー 平成5年刊