20冊目。

ニッポンの大学 小林哲夫 講談社現代新書

全15章、多種多様な大学ランキングと2~4Pの短い解説が延々と続く構成。
それなりに客観性は高く書かれている、気がする。

益々、大学も企業と同じ原理原則で生きていかざるを得ない、ということを再認識。
が、本屋で平積みされてるわりには・・・。


ちなみに母校は、キャビンアテンダント採用者数「のみ」で一位・・・。


ニッポンの大学 (講談社現代新書 1920)/小林 哲夫

¥777
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19冊目。

僕の起業は亡命から始まった! アンドリュー・グローヴ 日経BP社

本書を手に取ったのは敬愛する梅田望夫氏がいろんなところで、筆者の「“Only the Paranoid Survive”がバイブルだ」といった発言をしているから。

ゴードン・ムーアらとともにインテルを創業したアンドリュー・グローヴの自伝。
といってもビジネスの世界に身を投じる前の学生時代(の途中)までが描かれている。
ニューヨーク私立大学を主席で卒業し、世界一の半導体メーカーの創業者でありながらも、ひたすらに筆者の謙虚さが文章を通じて伝わってくる。

生まれ故郷ハンガリー、ブダペストでの20歳までの生活の仔細な描写力(と記憶力)に驚く。
まさに、『神は細部に宿る』の典型。
牧歌的な少年時代から大戦後の「東」側共産主義の抑圧的な暗い時代、そしてスリリングな亡命の旅程まで、ヘミングウェイばりの短いセンテンスでテンポよく語られる。
アメリカ側からでも西欧側や旧ソヴィエト側からでもない、当事者が語る「東」側の歴史。
世界史でさらっと習ったハンガリー動乱の市民視線での真実。
歴史を学ぶという意味でも、有益な著作。

秀でた科学者は文学的才能も持ち合わせている、という持論を再認識。


僕の起業は亡命から始まった!―アンドリュー・グローブ半生の自伝―/アンドリュー・S・グローブ

¥2,310
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18冊目。

ウェブ国産力 佐々木俊尚 アスキー新書

梅田望夫のウェブ進化論のタイトルに、「本当の大変化はこれから始まる」というメッセージが添えられていたことの意味への理解が、じわじわと湧き上がってくる。
そうか、Googleはひとつの過程にすぎないのか、思ったよりしょぼいじゃん。と、思わせる読後感。

「未来検索ブラジル」というなんとも素敵な社名のベンチャーが研究している、パーソナライズ型検索エンジンの紹介から本書はスタートする。
個々人の思考や行動特性にあった自分の為だけの検索システム。そんな嘘みたいな技術がそう遠くないものとして語られている(アマゾンのレコメンデーション機能的なものとは、ちょっと次元が違うもの)。
ドコモの「マイ・ライフ・アシストサービス」や、ブログウォッチャー(リクルートの子会社)の「Webオカン」といった同じくパーソナライズの世界観に基づいた、ライフスタイルや人生観までをも変えてしまいそうなサービスの数々に、世界でもトップクラスを誇るデータマイニングの戦慄さえ覚えるような技術力・・・。
読み進んでいくうちに、個人情報の問題や網の目のように張り巡らされた著作権の呪縛からこれらのサービスは逃れられるのか?という重い疑問がじわじわと迫ってくる。
が、本著終盤の大半を占める経産省の「情報大航海プロジェクト」を率いる八尋俊英氏(元ソニー!)のインタヴューの中で、その辺りの対策の大まかな方向性についてのスケッチは、既に説得性を持って語られている。
ひょっとしたら、官・民の奇跡的なコラボが日本発で世界を変えるかもしれない。

「IPOの前だったら、グーグルは行ってみたら面白い会社だったんじゃないかと思う。でも今はどうかなぁ。もう優秀な人はグーグルには行かないんじゃないの。だってさ、今さら行ってもつまらないよ」
これは前述の未来検索ブラジルの創業者の一人、竹中直純氏の言葉。

「ウェブ進化論」「その数学が戦略を決める」と本著の3冊は奇跡的な補完関係にある、と思う。

正座して読むべき一冊。


ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047)/佐々木 俊尚

¥790
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17冊目。

Googleの次 セカンドライフの先 山崎秀夫・浅枝大志 アスキー新書

去年の春から夏ごろの“にわか”セカンドライフ・ブームはいったいなんだったのか?
(たしか)東洋経済で大々的な特集が組まれ、(うちの社内でも)一気にビジネスの可能性についての議論が沸騰した数ヶ月・・・

SL“バブル”後の現状と将来性についての一冊。
対談形式ということもあり、メルティングドッツ・浅枝氏も前著のようなコマーシャルな感じの論調は薄れている。
Web仮想社会の今後5~10年ぐらいの発展予想。とんでもなく驚くようなことは書かれてないが、納得感はある。
SLがWeb仮想社会のすべてではないという、あたり前だけど忘れがちな事実も再認識。

アバターとその向こう側にいるリアルな人のどちらにマーケティングするかを見誤り、一年でSLから撤退したアメリカンアパレルの事例と、アメリカのWeb発展のベースには、サービス開発者が社会心理学・文化人類学の知識のベースがあるから、という言説は興味深かった。

タイトルにやや翻弄された感あり。


Googleの次 セカンドライフの先 次世代ネットビジネスのゆくえ (アスキー新書 036) (アスキー新書 36) (アスキー新書 36)/山崎 秀夫/ 浅枝 大志

¥770
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16冊目。

捌き屋 企業交渉人 鶴谷康 浜田文人 幻冬舎文庫 

弁護士が手を出さないような企業間トラブルを処理する交渉屋のストーリー。
実際そういう呼称が存在するのかどうかは判らないけれど、「捌き屋」という“職種名”設定が絶妙。

主人公の捌き屋・鶴谷康が、神奈川県川崎市に予定されている総予算900億円の下水処理場建設を廻る裏社会の魑魅魍魎な世界にどっぷりつかり、依頼主企業の求めるオトシドコロに交渉をまとめあげていく。
そこには当然のごとく社会的正義感はないけれど、鶴谷の仕事には強い倫理観がある。
そこが、彼のかっこよさの理由か。

無理やり本書からの教訓めいたものを引っ張り出そうとしたら
「徹底した情報収集・緻密な分析」や「目的達成への執念」の大切さ、ということにでもなるのだろう。
てなことはさておき、文句なしに面白い。

「いつも言うてる。きのうは過去、おとといは大昔。俺は昔の写真の一枚も持ってへん」
鶴谷康、漢のなかの漢っす。


捌き屋―企業交渉人鶴谷康 (幻冬舎文庫 は 18-1)/浜田 文人

¥600
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