25冊目。

企業が求める人間力 社会経済生産性本部編 生産性出版

日本の業界トップ企業の人事責任者が、求める人物像について語る構成。
掲載企業は、アクセンチュア/NTTデータ/オリエンタルランド/キヤノン/キリンビール/JFEスチール/ANA/第一生命保険/電通/東京電力/日産自動車/ベネッセコーポレーション/三井物産/楽天。

これらの企業の会社説明会にまとめて参加したような、奇妙な読後感。

「自分で仕事を作れる人」「自ら困難に飛び込むことが出来る人」「自ら目標を掲げることができる人」「自分で考え自分で行動出来る人」・・・。
表現は様々だが、人材要件に“主体性”をあげる企業がやたらと多い。
逆説的に読むと、日本のトップランナーと言われるこれらの企業でも、そういう人が少なくなっていて渇望されているということか。


 企業が求める人間力

¥1,575
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24冊目。
白洲次郎 占領を背負った男 北康利 講談社

トヨタのトップに「“No Substitute(かけがえのない)”な車を作れ」と言い放ち、日本占領下に絶大な権力を持っていたGHQに、本国アメリカへ「従順ならざる唯一の日本人」と報告せしめた男。

4年のケンブリッジ留学を父親の経営する会社の倒産を機に帰国。実業界でいくつかの職を経るうちに、その実力ときらびやかなまでの白洲家の人脈が、吉田茂の元へと白洲次郎を引き寄せてゆく。
日本敗戦後のGHQとの折衝窓口である終戦連絡事務局で要職を努め、日本国憲法制定に立ち会い、通商産業省を設立し、吉田首相特使として警察予備隊(今の自衛隊)設立に関する交渉をアメリカと行い、吉田らとサンフランシスコ講和条約締結に立ち会い、日本の電力事業再編に取り組み東北電力初代会長として活躍し…とキリがない功績の数々。
恐ろしく私利私欲の無い人で、これらの経歴のどれにしがみつくのでもなく、軌道に乗るとさっさと後進に道を譲ってしまう。
かけがえのない重要な役割を果たしながらも、何者でもなく黒子に徹する姿、まさに“ノブレス・オブリージュ”を地で行くかっこよさ。
彼がいなかったら今の日本はちょっと違う日本になっていただろう。そして、彼が多少の色気を出して政治の表舞台で活躍していたら、更にちょっと違う日本になっていただろう。

「プリンシプルを持って生きていれば、人生に迷うことは無い。プリンシプルに沿って突き進んでいけばいいからだ。そこには後悔もないだろう」
どこまでも「筋論」を貫き通した、彼の生き様を凝縮したような言葉。


白洲次郎 占領を背負った男/北 康利

¥1,890
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23冊目。

インテル経営の秘密 アンドリュー・S・グローヴ 早川書房

原題は“High Output Management”。
インテル創業者のマネジメント哲学がぎっしり。

インテル社のビジネスについての言及は非常に少なく、あくまでもグローヴ氏自身のマネジメント理論書。
その論理性と説得力は疑問をはさむことが出来ないほどの「迫力」
加えて、氏が“Leave yourself out(自分を圏外において客観的に見ること)”と表現する、科学者らしい冷静な視点も忘れることがない。
この手の本ではあまり語られないミドル・マネジャー(中間管理職?)の重要性や、採用面接の手法から退職希望者の引き止め方(!)まで、驚くべき守備範囲の広さ。

20数年前の著作とは思えない新鮮さ。
特にいろんな本で目にする、欲求階層を説いた「マズローの法則」の解釈と現実的なマネジメントへの落とし込み方についての考え方は、見事。すとんと腹へ落ちる。

「6~7人を超えるとスムーズに進まない」
「プロセス中心か使命中心か」
といった会議進行における鉄則についての金言も。

「僕の起業は亡命から始まった!」を事前に読んでただけに、グローヴ氏がここまでの経営者になるまでの過程に想いを馳せると深い感銘を覚える。


アンドリュー・S. グローヴ, Andrew S. Grove, 小林 薫
インテル経営の秘密―世界最強企業を創ったマネジメント哲学
22冊目。

俺たちのガンダム・ビジネス 松本悟/仲吉昭治 日本経済新聞出版社

学校帰り、近所のおもちゃ屋にぎゃーぎゃー言いながら(走って)直行し、「シャア専用ゲルググ」が今日発売というのはどうやらガセネタだったということにがっくりしたり・・・。
確か小学校の高学年のころの一時期、ガンプラが人生の大部分をしめていた頃。

その頃、実はこんな大人たちが熱くこのビジネスに取り組んでいたとは。当時、バンダイ本社でもさほど注目されていなかったグループ会社・バンダイ模型のガンプラビジネスの中心人物2人が、ブームを作っていくまでの回想録的構成。
ヒット商品の誕生・ビジネスの成功とはマーケティングによる客観的な判断の積み重ねでなく、一握りのパラノイアの「絶対成功する」という思い込みがもたらすものだということを学べる好著。
正に、「俺たちの」という発想。

センターページ8Pに及ぶ当時の商品写真、改めてグフとリックドムのかっこよさに感涙。


俺たちのガンダム・ビジネス/松本 悟

¥1,470
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21冊目。

捌き屋Ⅱ 企業交渉人 鶴谷康 浜田文人 幻冬舎文庫

「Ⅱ」ではあるが、書かれたのは「捌き屋」の数年前で、そこに大幅に加筆されたモノ。時間軸的には第一作の数年前。

新薬開発競争中の大手製薬会社が大物研究者のスカウトをめぐって戦わせる策謀を、捌き屋・鶴谷康が謎解きしていく展開。

前作同様、数名の協力者との巧みなチームワークで絡まった糸をほぐしていく。厚生労働省の役人やら暴力団やらエコノミストやら、利権に巣食う人々の生態を生々しく描いている。

が、前作に比べると物語の構成が散漫な印象。「Ⅲ」に期待。


捌き屋 2―企業交渉人鶴谷康 (2) (幻冬舎文庫 は 18-2)/浜田 文人

¥600
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