異端の鳥 The Painted Bird

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異端の鳥

The Painted Bird

観てきました。




チェコスロヴァキア・ウクライナ合作の映画

何語かわからない言語(ギリシャ語とか、東欧の言葉かと思っていたら、スラヴィック エスペラント語だったらしい)


物語の時代背景も、社会的背景もほとんど前情報を得ずに観ました。


最初は少年が抱いていた小動物を追ってくる人々に奪われ焼かれてしまうシーンから始まります。

少年の家の老いたおばさんも周りに何もない土地に1人で住む人。


おばさんが座ったまま亡くなり、気づくと彼1人。家も焼けてしまい、とぼとぼと自分の家の方を目指して行きます。


肌の色、目の色、髪の色が違うというだけで、田舎の村ではどこへ行っても彼がいると悪いことが起こると思われる。

魔法使いのようなおばあさんに売られ、手伝いをするうちに

流行り病に村人が次々とかかり、彼にもうつる。おばあさんは彼の身体を土に埋め頭だけ出し、周りを何箇所か焼く。この写真が有名です。カラスと土に埋まった少年の頭

きっとおまじないなんでしょうね。

それでも何か悪いことが起こると少年は追い出され、次の土地へ。


そのあと、鳥を沢山飼う老人のところに住んでいる時に、ペインテッド・バードの意味がわかるシーンが

少しでも異端だと感じると痛めつけ除外してしまう。


こんなことが続くので、しばらくどこか未知の村での異端児の魔女狩りのような話かと思っていたら


少年はユダヤ人、各地で異端児扱いされ、成長していき、たまにはいい人に巡り合うも、また大変な目に遭い少年も少しずつ変わっていきます。


悲惨なシーンも多いし、戦争シーン、兵士が村人やユダヤ人を殺害するシーンもあります。


ラストは戦争も終わり、少し希望が見えるのでは?と思わせるのですが


ホロコーストの生き残りであった作家の書いた小説をもとに作られたらしいですが、異端者というもの(それがユダヤとかジプシーだとかに限らず、自分たちと違うということ)に対して、人々がどう接するか がずっと描かれているような話でした。


全編モノクロームですが、色を感じさせる場面もあり、映像の奥行きを感じる映画でした。


最後に、

エンドロールで流れる歌が素晴らしいです!

「Horchat Hai Caliptus」(ユーカリの木立)

という曲で、歌っている声が少しハスキーで良かったのですが、なんと、この映画に出てきた、鳥を飼う老人の愛人(かなり奔放な)役の女優が歌ってました。


映画は怖そうと思われる方、この曲だけでも検索して聞いてみてくださいな♪