子宮筋腫と便秘:子宮筋腫・子宮筋腫の切除による便秘の予防と治し方
「便秘の解消法:女性の便秘解消対策、便秘・慢性便秘の予防と治し方」 女性に特有の病気、子宮筋腫。成人女性の3人から5人に1人の割合で、子宮筋腫は発症するといわれていて、特に女性にとって珍しい病気ではございませんが、筋腫が大きくなりますと直腸を圧迫して便秘を引き起こします。また、子宮筋腫の治療に、子宮あるいは筋腫の切除やホルモン療法がよく用いられていますが、この薬物療法によって骨密度が低下し、骨粗しょう症が発症するという重大な副作用があります。ですので、子宮筋腫で留意すべき点は、便秘対策のみならず骨粗しょう症に対する対策も併せて必要となります。ここでは、子宮筋腫と便秘:子宮筋腫・子宮筋腫の切除による便秘の予防と治し方について、詳しくお話します。
ライフスタイルの欧米化に伴い、子宮筋腫の患者さんが増えているといわれています。もともと子宮筋腫の患者さんは、日本人女性より欧米の女性で多かったのですが、欧米化したライフスタイルで育った若い日本人女性の世代が増えていることなどから、子宮筋腫の患者数の増加は、食事や生活環境に関係があるといわれています。平成20年度の患者調査(厚生労働省)によりますと、子宮筋腫(子宮平滑筋腫)の患者数は9万2,000人と発表されていますが、これは外来患者さんと入院患者さんの数で判明した患者さんの数の総数であり、実際の推定患者数は200万人とも300万人ともいわれています。
子宮筋腫は、婦人科が取り扱う腫瘍の中でも最も頻度の高い病気となっています。成熟した女性の全ての年齢で子宮筋腫は発症しますが、最も多いのは40歳代で、次いで30歳代、50歳代の順となり、子宮筋腫の約80%は、35歳から50歳代の女性となっています。ところが、最近では、子宮筋腫が発症する年齢幅が広がる傾向にあり、かつては30歳から40歳代といわれていた子宮筋腫の年齢が、20歳から50歳代前半に広がっています。子宮筋腫がみられた最少年齢は13歳、最高年齢は70歳という報告があります。
子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍です。ですので、癌などの悪性腫瘍とは異なり、直接生命にかかわることはありません。また、大腸ポリープが大腸癌になるというような、子宮筋腫が子宮癌になるということはございません。しかし、子宮筋腫には、顕微鏡で観察される極めて小さいものからバレーボールの大きさまで、さまざまな大きさのものがあり、また、筋腫は一般に成長して大きくなります。子宮筋腫が小さいうちは特に症状が出ないときもありますが、筋腫が成長して大きくなりますと、月経過多、月経痛、頻発月経、不定期の出血、貧血、頻尿、排尿障害、腰痛、不妊、流産、そしてひどい便秘など、さまざまな症状が引き起こされます。
便秘は、子宮筋腫の女性によくみられる症状ですが、これは、成長した子宮筋腫が骨盤内にある直腸を圧迫してしまい、直腸の管が狭くなったり、あるいは捻じれて管が狭くなるために、便の排泄経路が塞がれて便秘となります。
子宮筋腫には、子宮の筋層に腫瘍ができる筋層内筋腫、子宮の内側を覆う粘膜の下に腫瘍ができ、子宮の内部に向かって成長する粘膜下筋腫、子宮の外側を覆う漿膜の下に腫瘍ができて、外に向かって成長する漿膜下筋腫の3つのタイプがあります。このうち、筋層内筋腫が、子宮筋腫として最も多くみられるタイプの筋腫で、一般に複数の腫瘍が発生します。
子宮筋腫が発症する原因については、未だに不明な点も多いのですが、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが、筋腫の成長に深く関与しているといわれています。その理由として、子宮筋腫は、20代から50代の性成熟期に成長し、大きくなり、閉経後は、筋腫が小さくなるという現象がみられるためです。つまり、思春期の頃には、既に筋腫核とよばれる小さな腫瘍の芽ができて、それがエストロゲンの分泌とともに、その芽が成長すると考えられています。
子宮筋腫の治療法には、小さな筋腫で症状がない場合の経過観察、手術によって腫瘍を取り除く外科手術療法および閉経が近い年齢の女性で手術を希望しない場合、GnRHアゴニストとよばれる女性ホルモンの分泌を抑制する作用のある薬物を用いた薬物療法(ホルモン療法)の3つがあります。ホルモン療法は、筋腫を小さくしたり、月経異常を和らげたり、あるいは外科手術療法を行う前に用いられたり、子宮筋腫の治療法としてよく用いられている療法となっています。
GnRHアゴニストには、注射剤や点鼻剤などの製剤があり、商品名として、リュープリン、スプレキュア、ゾラデックス、ナサニ―ルなどがあります。これらのお薬は、卵巣からのエストロゲン分泌を低下させる作用がありますので、更年期障害のようなさまざまな副作用が起こります。特に、重篤な副作用として、骨密度が低下して骨粗しょう症が発症することが報告されています。これらお薬の6ヵ月投与で、骨量が3~6%低下します。ですので、これらのホルモン療法を受けている子宮筋腫の女性においては、骨量低下を予防することが重要となり、通常、カルシウムの摂取量の増加と運動の推進が医師から指導されます。
子宮筋腫によって引き起こされる便秘は、筋腫が大きくなり直腸を圧迫することによって生じる器質性便秘となります。器質性便秘の場合、吐き気、腹痛、下血などの便秘による症状も現れることもあります。ですので、子宮筋腫の治療とともに便秘に対する対策も必要となります。直腸が原因となる便秘では、通常、便が硬くなり排便が困難となるタイプの便秘となります。まずは、便を軟らかくすることが便秘解消の第一選択となります。
便を軟らかくするためには、スティムフローラのようなプレバイオティク効果が高いイヌリン食物繊維が有効です。子宮筋腫は、比較的長期にわたって治療が続けられます。イヌリン食物繊維は、天然成分の水溶性食物繊維ですので、長期に使用することができる特徴があります。ただし、市販のイヌリン食物繊維には、不純物を多く含む製品がございますので、スティムフローラのように極めて高純度(>99%)な製品を選択するほうがよいです。また、不溶性食物繊維とは異なり、腸管への刺激もないので、子宮筋腫による器質性便秘対策に最適です。一方、腸管を刺激することによって便秘を解消する便秘薬の使用は避けた方がよいでしょう。腸管への刺激は、子宮にも影響を及ぼしてしまいます。また、便秘薬を長期に使用すると便秘解消効果が低下してしまいます。
現代の日本人が不足している栄養素は、カルシウム、鉄分、食物繊維の3成分であることが、国民栄養・健康調査(平成20年、厚生労働省)で判明しています。カルシウムは大腸で吸収されますが、その吸収性はとて悪く、絶対的吸収率は5~30%程度であるとされています。そのため、不足栄養素としてカルシウムが取上げられています。一般の健康な人でもカルシウムの摂取量は不足した状態ですので、子宮筋腫でホルモン療法を受けている女性は、それよりも一層、カルシウムを摂る必要がございます。
従来から、イヌリン食物繊維には、大腸におけるカルシウムの吸収率を上げる作用があることがよく知られていて、欧米では、子どもの成長促進や骨粗しょう症の予防に用いられています。このように、イヌリン食物繊維には、便秘の解消効果のみならず、骨密度の低下を予防することが期待されますので、子宮筋腫による器質性便秘に最適な解消法であるといえます。 子宮筋腫を伴う便秘の解消には、イヌリン食物繊維がとてもよく効きます。
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