
心で考えることが危険
日本に暮らしている11年以上の間、私は、何度も転職をしました。情報技術合弁会社から製薬会社、レストラン会社、金融機関に至るまで、幅広い業界で人材育成の専門家として活躍してきました。そうした貴重な経験を通じて、日本人には「心」の問題があるのではないかと考えるようになりました。
「心」というと、精神的な問題をイメージしがちですが、ここで私が指摘する「心」の問題とは、感情による意思決定という意味があります。それでは、その点について、くわしく説明したいと思います。
部下育成の必要について、私のところに相談にきた部門長のなかに、部下のロジカル・シンキング(論理的思考)の不足を指摘した者が多くいました。
日本人が「論理的思考」を具体的に何だと思っているかは分かりません。私が英語の「logical thinking」という言葉を聞くと、数学を連想します。一般的に、ロジカル・シンキングとは、数学の公式を解くときと同様に、「演繹的推理」にそって、一つの正解を出すことです。
それならば、日本人はアメリカ人やフランス人のような西洋人より優れているはずだと思います。なぜなら、私の見てきたなかでは、日本の試験や教科書は演繹的な問題解決を重視しているからです。それに慣れている日本人は、演繹的推理やロジカル・シンキングが得意なはずです。
私が以前「証券外務員」の試験を受けたとき、○×方式の真偽問題と選択式の計算問題ばかりで驚きました。それと対照的に、アメリカと欧州の試験では、意見を述べる、または、何か法則を説明し適用する問題が少なくありません。
アメリカでは、授業中も日本のように、先生の一方的な話を物静かに聴くのではなく、先生の質問に答えたり、意見を述べたり、他の学生と議論したりします。ハーバード・ビジネス・スクールのケース・スタディ(事例研究)の教授法は、そうした方法の典型的な授業の進め方です。
日本人が、このような演繹的推理を中心とする教育を受けているので、ロジカル・シンキングができないということはあり得ないと、私は思い込んでいました。
しかし、次から次へと、部門長が、ロジカル・シンキング不足の問題を指摘してきました。私は、混乱して、一体、何を見て、そう判断してきたのだろうかと自問しました。実は、彼らは意思決定の結果を見て、そう判断したようです。
部下または他の従業員が意思決定を誤るときに、前提となる分析が間違っていたからと早合点する傾向があります。もちろん、そうした判断は可能です。しかし、意思決定に影響を与える要素が数多くあることを踏まえると、他の原因も考えられる場合も少なくありません。
私の経験をふりかえると、日本人は分析を通して、正解を見極めることが多いといえます。しかし、その場合、間違いを避けるために、最終決定をする前の段階で、多くの人の意見を訊きます。そこで、反対の声が上がれば、自信を失い、分析に基づいた「正解」をあきらめます。そのかわりに、皆が妥協できる解決策を採用してしまいます。
あるいは、相手または他の従業員への悪影響を踏まえた結果、誤った決定を選択してしまう場合もあります。社員の業績評価が、こうした現象が頻繁に観察される典型的な例です。
たとえば、部門長が客観的に、部下の出している実績を検討したうえで、低い評価が適切だという論理的な結論に達します。しかし、部下を傷つけたくなくて、「平均点」にしてしまいます。
もうひとつの例としては、ある会社の社長が、リストラの一環として、工場の閉鎖が不可欠だと分かっても、仕事を失う従業員や彼らの家族の生活が気になって、他の選択肢を追求するケースがあります。
この社長の場合、自分の頭、つまり「ロジック」ではなく、自分の心、すなわち「感情」で考えたので、誤った選択をしてしまったのです。多くの日本人はこれが「美徳」だと思うかもしれませんが、あえて言えば、そうではありません。
「非論理的」(illogical)だけではなく、長い目で見れば、もっと酷い結果をもたらしてしまいます。いいかえれば、美徳ではなく罪だと言えるかもしれません。
工場を閉鎖しなければ、短期的に従業員は自分の家族を養い続けることができるかもしれません。しかし、最終的に、会社が倒産すれば、彼らだけではなく、全従業員が仕事を失ってしまいます。そのうえ、会社に投資した「正当な持ち主」である株主は投資資金を回収できなくなり、苦境に陥ります。
一見、矛盾しているようですが、ビジネスの世界で、心で考えることには、こうした危険が伴うのです。
ビジネスでは、日本人の特技である「ロジカル・シンキング」で意思決定をすべきなのです。
「アメリカ人のような英語の発音をする手がかり」
日本語には、英語の「v」に該当する「音」はありません。ですから、多くの日本人にとって、「v」を発音するのは難しいようです。実際、私の学生が「v」を発声すると、アメリカ人の私には、「b」として聞こえることが少なくありません。
何度も、彼らの口の動きを観察するなかで、私にはその理由が分かってきました。
「v」 を発音するときに、「b」の場合と同様に、唇をキスするときのような感じですぼめているからです。
しかし、以下にリンクされるビデオが示すように、「v」を正確に発音するために、軽く下唇を前歯に食い込ませるように、上の歯を少し前に出さなくてはなりません。
ビデオを見てから、鏡に向かって自分で練習してみてはどうでしょうか。
英語の勉強に関して、特に完璧主義の日本人の皆さんにとって、大切なのは、次の点です。
正しい口の動きさえ習得できれば、仮に自分自身が「b」の音と区別できなくても、私のようなネイティブ・スピーカーに、「v」の音として自然に響くので、心配しないでください!
異文化コミュニケーション
次のビデオでは、コミュニケーションの専門家として有名なDr. Wolfgang Riebeが印象的なプレゼンテーションを行ういくつかの手法を実演しています。
例えば、手品をすることで、視聴者を演説に巻き込で、楽しい雰囲気を醸し出します。また、手を振り、アイコンタクトをとり、舞台を歩きまわります。この演説の方法は西洋人には自然に映りますが、日本人はどう思われるでしょうか。Wolfgang博士が、日本人のためにプレゼンテーションを行うなら、どのような点を意識し、調整をすべきでしょうか。
<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。
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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!
1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。
ジョセフ・ガブリエラ 博士/MBA
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