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Pepmalibuのブログ

こんにちは(^-^)このブログでは、アメリカ人と日本人の2人の博士号/MBAホルダーが、世界や日本で起こっている出来事に対する多元的な見方、アメリカの最新ビジネスや最先端の情報テクノロジーなどを紹介しています。どうぞよろしくお願いします!!

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グーグルのオフィスは、社員をハッピーにさせてくれる!


マーケティングの4つのPの新たな役割


「ニワトリなのか、それとも卵なのか」。どちらが先だったのか。私と同じのように、みなさんは、この遠い昔からの謎を考えたことがあるでしょう。もしかしてあなたも、これは思考のヒント、きっかけではありながら、実際の生活で実践できる問題ではないと思い込んだかもしれません。でも、それは大きな間違いです。

医師が、肥満患者に対して定期的に運動し、より健康的な食生活をおくるように説得したいと思ったとしましょう。患者が、いったんその重要性を把握し、すぐ変更に挑む考え方を持つ者なら、医師は、最新の定期診断の結果を参照しながら、科学的な説明で簡単に彼を説得できると思います。それから、患者が実際に試した結果、効果を体感すれば、その変化、変革をもっと強く受け入れていくと考えられます。

私自身はそういうタイプの人間なので、そうした患者の行動をよく理解できます。むろん、医師は私のような患者を好む傾向があります。

もっとも治療しにくい患者とは、変化の効果を体験しなければ、自分からの変化を受け入れない者です。どんなに科学的な証拠を見せても、いくら悪い診断結果を示しても、食生活で、大好きな唐揚げをやめて豆腐に変えようとはしません。ビールを取りにいく冷蔵庫までの往復運動以外のエクササイズもしません。

この種の患者は医者の頭痛の種です。こうした患者は、効果を体験するまで、生活習慣の変更(変革)に挑戦しません。しかし、ひとまず挑戦しないとその効果が体験できないので、この種の患者が変革に挑むことは極めて難しくなるのです。この場合、冒頭の「ニワトリが先か、卵が先か」と同じ状況に陥り、医者として何をすればよいのか分からなくなってしまうのです。

私は医師ではないですが、組織における変革、変更に関係する多くの仕事を経験してきました。その過程で、同じ問題に直面してきました。

企業内で何か問題が発生したり、もしくは技術が大きく変わったりした場合、新しい体制を導入したり、新たな行動を採用するように社員を誘導しなければなりません。この場合、心理学の分野で有名な「陽性強化」という手法を活用し、変革・変更に向けた努力にインセンティブを付与します。この仕組みは、ときに、「bribe 」(賄賂)とも呼ばれます(笑)。その最終結果に関係なく、変革推進する行動が報われれば、ほとんどの社員が変革、変更に挑みはじめます。

しかし、残念ながら、これは解決すべき唯一の問題ではありません。組織変革においては、それを解決しても、より深刻な問題が待ち受けています。

それが「期待した結果」に関するものです。技術的な変化が加速し、その規模が拡大しつつある現在のビジネス環境では、組織変革の成功は保証されません。ですから、社員が一生懸命変化に挑んでくれても、その効果を体験できない可能性は十分にあります。

最悪の場合は、「変化後」のほうが、「変化前」より状況が悪化してしまうこともあります。技術の変化が拡大するなか、どれがどのように組織に影響していくのか想像もつかない場合も少なくありません。それを予測しようといくら工夫しても工夫しきれないのが現実なのです。

とはいうものの、同じ陽性強化を使って、技術変化に前向きに対応するための「体系」「制度」を組織内に導入することができます。技術革新で有名な米国3M社(ポストイットのメーカー)はそうした制度を整えています。社員は一週40時間の勤務時間中に自分の独自の発想に対する実験に一定の時間を振り向けることができます。「6時間まで」です。もちろん、その時間の利用にあたっては、会社の方針にしたがわなければなりませんが。

インターネット検索大手のグーグル社では、社員は勤務時間の20%までそうしたクリエイティブな活動に利用できます。その上、実験や革新に取り組んでいるチームは、部門間の情報交換や議論を活発に行っています。ここでの成功の秘訣は、「体系的」という点です

グーグル社に関していえば、(インターネット)技術の発展が存在しない限り、そもそもこの会社は存在しません。最近、新規株公開を行ったばかりのフェイスブック社も同様です。この2社を生んだインターネット技術は、確かに前世紀(20世紀)のもっとも偉大な変革、あるいはイノベーションのひとつでした。しかし、この革新はまだ始まったばかりだといえます。

今世紀の「新しい技術革新」につながるこの画期的なインターネット技術に対応するために、次の方策を薦めたいと思います。それが、マーケティングの「4つのP」 (製品 = product、価格 = price、流通 = place、販売促進 = promotionから成り立っているマーケティング・ミックス)に基づいた「革新対応体系」を組織に導入することです。

具体的な内容を紹介しましょう。たとえば、個人の意向にしたがって、全ての社員に、所属部門を超えた「製品」「価格」「流通、」「販売促進」の各チームに入ってもらいます。そして、自社での現在のインターネットの利用状況を確認し、今後顧客満足を最大限に伸ばすために、どのように、インターネットを利用したらよいのかを検討してもらいます。

その結果に基づき、企業戦略の立案に向けて、解決策(ソリューション)を作成してもらいます。もちろん、その過程で、その体系に沿った社員やチームの努力に対してインセンティブを付与します。

さらに、この場合、日本企業にとってとても重要な点があります。それが、失敗や間違ったことに対して絶対にペナルティーを与えないように配慮することです。ペナルティーを与えると、「完璧主義」の日本人はリスクをますます取らなくなります。しかし、予測可能なリスクを取る行動に対してインセンティブを与えると、社員は、最終的にリスクを取る行動にでます。

でも、それでこのプロセスが終わるわけではありません。暫定的な戦略が立案できた時点で、それぞれのチームで、その実施に向けて、インターネットの技術に対する社内実験を行うことが必要となります。そうすれば、その新技術の導入に伴う困難や期待した結果などを実際のデータに基づいて予測できるようになります。もちろん、そうした予測が、最終的に採用される戦略の成功を100パーセント保証するわけではありません。しかし、少なくとも、成功の確率を高めることは確かです。

ここで説明したインターネット・マーケティングの手法を、貴社でも試してみませんか

<ご参考までに>

これについて、現在、私は共同研究を行っています。実験に参加ご希望、あるいはご興味のある企業ならびに担当者の方は、私もしくは共同研究者である杉本有造博士までお気軽にご連絡ください。とりわけ、中小企業のご参加を歓迎します。参加企業に対する研究結果に基づいて、マーケティング戦略の立案、実施についてコンサルティングを行います。



英語塾

以下にリンクされるビデオはグーグルの研究開発についての、社員とのインタビューからの抜粋です。それぞれの話を聞きながら、要点を2-3文でまとめてください。このなかで、すぐ御社で応用できる提案はありますか。


Innovation and Impact at Google




Doug Eck, Research Scientist




Peter Norvig, Director of Research




Corinna Cortes, Head of Research (New York)




Alfred Spector, VP of Research and Special Initiatives




Matt Welsh, Software Engineer




Dan Bikel, Research Scientist




Brad Chen, Technical Lead




Samy Bengio, Research Scientist


<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。


ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
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杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

© 2013 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。

Pepmalibuのブログ-Shrimp
収束革新とは何か?


ジャンボ・シュリンプ(jumbo shrimp)とは巨大なエビという意味の英単語です。初めて、車エビという日本語を聞いたときに、きっとジャンボ・シュリンプだと思い込みましたが、厳密に言えば、そうではありません。

そもそもシュリンプとは「小エビ」のことをいいます。

ところで、私が調べたところ、車エビとは特定なエビの一種なのですが、ジャンボ・シュリンプとは、種別を関係なく、でっかいエビという意味なのです。僕はジャンボ・シュリンプという言葉が好きです。

しかし、それはエビが特に好きな訳だからではありません。実を言うと特にエビが好きではないし、嫌いでもありません。ただ、ジャンボ・シュリンプとは、僕が好きな、英語の「オクシモロン」(oxymoron = 矛盾した表現)の典型的な例だからです。この場合、「大きい」と「小エビ」が矛盾しています。

他の例としては、open secret (公然の秘密)、 deafening silence (耳に痛いほどの静けさ)があります。

どうやら、私の母もオクシモロンを好むようです。私の変わった特徴、性格にぴったりの言葉がないからかもしれませんが、母はたまに、私の性格を言葉で表現する独自のオクシモロンを作っています。

例えば、彼女は、「generous miser」(気前のいいけちん坊)を作りました。僕が安い店しか買い物をしなく、そこでも激安の不良品、見切り品があればなるべく買おうとします。また、いつももっと節約し、もっと貯金できる方法を探しているので、母の意見では、僕の本質は「けちん坊」だそうです。でも、親戚または親友に、贈り物をしたり、おごったりするのが好きなので、「気前のいい側面」もあると僕の母は判断しています。

しかし、そういう人間を説明するぴったりの英単語がないので、母は、「generous miser」を作りました。

母はさらに「clean pig」(清潔な豚)という言葉も私のために作ってくりました。少しばかり恥ずかしいので認めたくないのですが、母が作ったこの新語が示唆するように、私は本質的に、いわゆる「きれい好きな人間」ではありません。

掃除を怠ることが多く、アパートも(若干)散らかっています。でも、清潔な部分もあります。例えば、ワイシャツをしっかり洗濯し、アイロンをかけています。また、掃除機をかけるのが楽しいので、それもやります。

そのうえ、大事にしている研究用の資料やコンピューターのような道具は、しっかり管理しています。こうした僕の妙なところ、矛盾したところを表すために、母が「clean pig」というあだ名をつけたのです。

僕は、響きがいいし、考えさせるので、「オクシモロン」が好きです。でも、それは唯一の理由ではありません。もうひとつの理由は、二つ以上の矛盾した共存できなさそうな側面から成り立っている物や現象の特徴を表すのに役立つ道具、概念だからです。

ひとつの例を上げましょう。前回、「4つのP」の新たな役割について掲載しました。それをまとめると、社員に画期的なインターネット技術に対応してもらうために、マーケティングの「4つのP」 (製品 = product、価格 = price、流通 = place、販売促進 = promotionから成り立っているマーケティング・ミックス)に基づいた「革新対応体系」を組織に導入することを提案しました。

具体的に説明すれば、個人の意向にしたがって、全ての社員に、所属部門を超えた「製品」「価格」「流通、」「販売促進」の各チームに入ってもらいます。そして、自社での現在のインターネットの利用状況を確認し、今後顧客満足を最大限に伸ばすために、どのように、インターネットを利用したらよいのかを検討してもらうと説明しました。

良く考えると、革新(イノベーション)とは無定形で、想像性が要求される過程なのです。その過程を構造化しすぎると、イノベーションができなくなります。

しかし、反対に焦点がないと、組織として収益の増加に利用できるイノベーションの成果を出せなくなる可能性があります。もしくは、いくつのチームがイノベーションを工夫しますが、会社として市場で勝ち抜く統一した戦略を策定・実施することが難しくなります。

反対に最悪の場合は、社内の「ばらまき合戦」に終わってしまいます。だから、4つのPに沿って、インターネット技術革新に挑むなら、私が名付けた「収束革新」をお勧めします。

ここで使っている「収束」とは、無定形ではなく、ある法則にもとづいて一定の有限値に限りなく近づくという意味です。

これもオクシモロンの一種だと言えます。意味は何かというと、固定した目的に向かって収束性をもった本質が、無定形な革新を進めることなのです。会社の場合は、前回の記事に述べたように、顧客満足の最大化が中核の目標になるべきなのです。

繰り返せば、収束性(企業としての顧客満足の最大化の追求)と無定形性(イマジネーションを伴う革新)がオクシモロンになっているのです。

この関連で次の論文がヒントになります。ハーバード・ビジネス・スクール教授のMichael E. Porter博士が10年以上前の2001年4月16日にHBS Working Knowledgeホーム・ページに掲載した「Strategy and the Internet」です。

Porter教授はマーケティングの専門家ではなく、企業戦略の専門家です。Porter教授によると、産業の平均利益を超える持続可能な競争上の優位性を保つ方法は次の2つしかありません。

①低コスト、または②高い価格を要求する能力による優位性のみです。

前者は、主に「運営管理改善」(operational efficiency)を通して達成するものです。この領域では、インターネットの利用が効果的です。しかしながら、競合他社がすぐ真似をすることができるので、持続可能ではありません。

後者、つまり高い販売価格を要求する能力は「戦略的な位置づけ」(strategic positioning)により差別化された商品を提供することが源泉となります。以前の記事で述べたように、商品とは、単に物理的なものではなくて、4つのPも超越する個人的な体験だと解釈できます。

低コストに基づく優位性と違い、この差別化が生み出す顧客満足の最大化によっての「戦略的な位置づけ」が持続可能性につながるのです。したがって、インターネットにより、革新を生み出すために費やす努力は、この部分を焦点にすべきなのです。これが、私が勧める「収束革新」の本質なのです。



推薦文献

以下のリンクをクリックすると、この掲載が参照したPorter教授の投稿に飛びます。ハーバッド・ビジネス・レビューからの抜粋なので、日本語版も存在するはずです。






英語塾

次の「oxymoron」は、アメリカの有名人が発言したものです。選択肢の中から、誰がそれを発言したのか、選びなさい。

I like a smuggler. He is the only honest thief.

Henry Ford   Charles Lamb   Andy Warhol




A business that makes nothing but money is a poor business

Henry Ford Andy Warhol Yogi Berra



I am a deeply superficial person.

Yogi Berra   Oscar Wilde Andy Warhol



No one goes to that restaurant anymore - It's always too crowded.

Charles Lamb Yogi Berra Henry Ford



I can resist anything, except temptation.

Oscar Wilde Charles Lamb Andy Warhol

<推薦図書>
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行動は言葉よりものをいう


私の父は20年以上前に定年退職をして、一年中暖かいフロリダ州で暮らしています。実は自営で肉屋を営んでいました。父が一般の会社員より5年早い55歳になったとき、自分の店を売り、セカンド・ライフを始めました。

父は、個性のある発言をよくします。私は、父が詩人になったほうがよかったのではとよく思います。

父がよく、愛する妻、つまり私の母へ向かって「君は1000歳まで生きてほしい。それから俺は決して死なない」といいます。父の個性のある発言の典型的な例です。

父は私に対しても、個性的な発言をしました。私が幼いころ、「私の『する』ことではなく、私の言う通りにしなさい」と私に何度も言いました。この日本語訳は日本人にとってどう感じるか分からないですが、「Do as I say, not as I do」というのが本来の英語です。

インパクトがかなり強く、響きもよい言葉です。父がこういう言葉で私に命じたときは、父自身が従っていない助言や行動を命令したときでした。

一つの具体例を上げましょう。父は、今はタバコを吸いません。糖尿病になっているので、ドクター・ストップで辞めした。でも、1970年代、つまり私の子供の頃には、吸っていました。愛煙家ではなかったのですが、「癖」になっていました。

私の母が、「私たちの子供が欲しがって吸ったらどうするの」と、タバコの子供への害を忠告し、父の喫煙を禁止しました。母はタバコをすいません。彼女がタバコの話しを持ち出したとき、父は、静かに従順になりました。

父は、自分が、タバコが癖になっているにも関わらず、私を含め子供に「喫煙はよくない」と忠告することは、ちょっとずうずうしく、偽善者のように思ったのでしょう。そこで、彼は、「行動は言葉よりものを言う = Actions speak louder than words」と言う格言で、私たちに反論したのです。私は、子供ながらに、父は負けん気がつよいなと思いました(笑)。そんな父を愛して止みませんが、父の「負けん気が強い」部分はいまでも変わっていません(笑)。

不思議に、私はタバコを吸いません。実はタバコを一度も吸ってみたこともありません。また、私の二人の兄も妹もタバコを吸いません。彼らが、一度ぐらい吸ってみたことがあるかどうか分かりませんが、私の知る限り、喫煙をしません。

心理学の理論によると、この結果はありえないことのようです。ある研究によると、両親がタバコを吸う家庭で育つ子供は大人になってからタバコを吸う確率は、両親のどちらも吸わない家庭で育つ子供より4倍くらいになるそうです。両親のどちらか一人が吸う場合は、確率が下がりますが、まだ高いそうです。

実は、こうした現象は、タバコだけではなく、他の行動の殆どに対しても当てはまります。前述した、私の父の個性的な発言という範囲を飛び越えて、「行動は言葉よりものを言う」は、本格的な格言になっているのです。

この格言のエッセンスは、職場、つまり人的管理においても、強力な武器として使うこともできます。

例えば、ある部門長が部下にもっとうまく時間を管理してもらうことで、生産性を上げながら、帰宅する時間を2時間早めてもらいたいと考えているとしましょう。

そこで、部門長自身が、率先して、自分の時間管理を改善することにより、生産性を伸ばし早めに帰るようになれば、部下はその見本を見て、必ず真似をしていきます。

ちろん、反対に部下も同じように、上司よりも先に自分の行動を改めることで、上司に時間管理の改善の効果を理解させることができます。実際には、部下なので、上司のような命令権限がないので、上司に自ら手本を示す方法しかないかもしれません。

これは唯一の利用の仕方ではありあせん。採用面接を行うときでも、行動科学の原理を有効に活用できます。

それが、いわゆる「behavioral interviewing」 (行動科学の原則よる面接方法)といわれる手法です。

この方法では、「組織ぐるみの変革を導入しなければならないとき、どのような行動をとりますか」というような仮説的な質問を避け、代わりに、過去の経験、実際の行動を探る質問を投げかけます。

上記の例を用いれば、「組織ぐるみの変革を導入したときを振りかえってください。具体的に、何をしましたか、その結果はどうでしたか」。こうした質問を投げかけます。

こうした質問が有効なのは次のような理由があるからです。人間がある状況で特定の行動をとると思っても、実際にその状況に置かれたときに、違う行動を取るケースが多いです。これは、行動を左右する感情が入るからだけはなくて、無意識のうち、自分の強みや弱みが影響を与えるからです。ですから、将来の仮定の行動を問うよりも、過去の経験を詳細に吟味したほうが、応募者の行動や思考が評価しやすくなるのです。

では、応募者に組織変革に携わった経験がない場合、どのように対処すればいいのでしょうか。その場合、類似の経験について訊くことが望ましいといえます。例えば、スポーツチームで変革を導入した経験、あるいは家族の生活で変革を実施した経験について、訊いてもいいでしょう。

この面接方法を初めて試してみたい方は、次の準備を進めるといいでしょう。

1. 応募者の職務経歴と職務説明書を参照しなら、仕事を遂行する上で要求される作業、役割をリストアップします。

2. 優先順位をつけ、上位の5つに対して、応募者の経験について訊きま す。質問の仕方はいろいろありますが、私が薦めたいのは次のような方法です。

~をしたときについて説明してください。具体的に、どのような行動を取りましたか。その結果はどうでしたか。その経験から何を学びましたか。

3. 会社の社風、採用者が入る部門を踏まえた上で、どのような性格や対人能力などが必要なのか、リストを作成し、上記の1、2を繰り返します。

4. 面接中、それぞれの質問に対して、応募者が対応する行動を記録しま す。

5. 全ての面接が終わったら、それぞれの応募者に関して、メモを取った各質問の応答に沿って比較評価をします。

それにもとづき点数をつけて、評価点の一番高い応募者を採用してもよいですが、それも絶対的な判断ではありません。行動科学自体もそうですが、「採用」とは純粋の科学ではなく、アートの側面も持ち合わせています。人間的な相性、インスピレーション、個性など他の要素を考慮して総合的に判断することが賢明だと思います。

もちろん、総合的に判断する場合、必ず、「Actions speak louder than words」という原則を念頭に置き、応募者の行動に注意を向けることが大切なのはいうまでもありません。



英語塾

今回の記事では、面接官として、行動科学に基づく面接を行う場合の課題について考察しました。就職活動の応募者として、面接で、そういう質問に対応しなければならない場合は、次のビデオに紹介されるSTARの方法が有効です。




グローバル・リスニングの練習として、ビデオを見ながら、頭文字の略語であるSTARを構成するそれぞれの字が示す単語とその意味を書き出してください。

S =

T =


A =

R =

<推薦図書>
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ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
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自社のブランド戦略が風邪を引かない予防措置

Pepmalibuのブログ-Harley

先日、大学で教えている英語の授業でこんなことがありました。

「Do you have a cold? 」(風邪ですか)と、マスクをかぶっていた女子生徒に訊きました。期待通り、「いいえ、違います」と完璧な日本語で答えられました(笑)。

英語の授業ということで、せっかくと思い、英語で会話してもらうように、会話を続けました。

「Why are you wearing a mask if you do not have a cold? Do you suffer from hay fever? 」(風邪がなければ、どうしてマスクをかぶっていますか。花粉症ですか)と付け加えました。

「いいえ。海へ行って、鼻を日焼けしました」という返事が返ってきました。

私が意図していたように英語を練習してもらえなかったものの、彼女のマスクの謎を解くことができたので、ある程度、満足しました。

英語の授業ですので、最後に、「鼻を日焼けしました」という意味の英語、「I got a sunburn on my nose at the beach.」を教えました。クラス内の他の生徒も、私と女子生徒のやり取りを楽しんでくれました。

アメリカ人は、風邪をひいても、あるいは感染予防のためにも、マスクをかぶりません。もしかして、ぎゅうぎゅう詰めの電車で通勤する代わりに、殆ど車で動いているので、風邪の流行予防を考えていないのかもしれません。

加えて、日本人と比べると、アメリカ人は周りの人に対する心遣いが薄い影響もあると言えるでしょう。あえて言えば、アメリカ人は「病気の予防」は「自己責任の課題」として捉えていると表現できるかもしれません。もちろん、自分が、他人から風邪をひかないようにマスクをかぶる日本人も同様に考えているはずです。典型的なアメリカ人の、私も病気の予防は自己責任の課題だと強く思っています。

私の場合、風邪をひきやすい真冬でもマスクをかぶることはありません。素朴な理由ですが、第一の理由は「不快感」です。

鼻が長くて高いイタリア系アメリカ人の私の顔に、そもそも鼻の小さい日本人を前提として設計・デザインされたマスクがフィットしないのです。そのうえ、寒くなると、多くの人と同じように、私も鼻水が出ます。

特に、私の場合は、鼻が長いことが原因かもしれませんが、過剰に鼻水が出るのです。それで、マスクが汚れ、不快感が高まります。

もう一つの原因は、マスクの予防効果に疑問をもっていることです。私の読んだ研究によれば、風邪は、手でものを触ることで一番感染しやすいそうです。

一つの実験では、風邪のウイルスに感染した被験者が、自分の配偶者と何度もキスをしました。しかし、感染していないグループと比較しても、配偶者が風邪を引いた割合は一緒でした。

この結果を受けて、私は、電車に乗るときに、釣り輪をつかむのをやめました。また、エスカレーターを使うときに、もう手すりを触りません。

さらに、次のような場合も、必ず手を洗うようにしています。人と握手したり、授業を教えた後。そして人の手を触わったとき、人間を媒体にして、ばい菌やウイルスがつくものを触るとき、などです。この予防だけで、効果的に、風邪を予防することができています。

同様に3人の子供を持つ友達は、子供専用のタオルと大人専用のタオルを分けて使用し、さらに、自分の家庭に訪れるお客さんに除菌用のスプレーを使ってもらう予防措置で、子供の風邪の発病率を減らしたそうです。

もし、全ての病気のウイルスがそんなに簡単に予防できるなら、世界中の発病率が大幅に減ってくるはずです。しかし、もっと感染しやすく且つ破壊的な他のウイルスもあります。そのうえ、これらの身体的なウイルスに加えて、最近では、コンピューターを破壊するものがあります。

コンピューターウィルスは、身体的なウイルスと同様、急速に広まるので、そう名付けられてきたでしょう。

また、近年流行しているSNS (Social Networking Service = インターネットを通じて、人脈を広げるためのオンラインサービス)の関連で、ウイルスから発生する「viral」(ヴァイラル)という形容詞が作り出されました。

この言葉は、ブログやツイッターのような機能を通して、悪い噂も朗報もかつてないほど、急速にオンラインの知り合いに伝わる現象を意味します。

身体的な風邪と違って、オンラインの感染を予防することは不可能です。また、風邪や他の病気のように、SNSを介しての噂の感染はいつも避けたい訳でもありません。悪い噂の拡大を抑えながら、朗報の拡大を促進することができるなら、自社商品のブランドを相当強化できるでしょう。

しかし、そうするために、身体的な風邪と違い、他人との接触を避けるではなく、積極的に、接することが不可欠となります。

マーケティングの分野では、「customer engagement」と呼んでいます。Customerとはご存じのように「顧客」という意味ですが、engagement (エンゲージメント)にぴったり当てはまる日本語はないようです。

簡単に説明すると、「顧客と親密な関係を構築すること」に近い意味になります。

以前の投稿で紹介したように、ブランドとは商品を超越する個人的な体験なのです。この個人的な体験を作るために、engagement が不可欠です。なぜなら、それを通して、さらに顧客の希望を知り、影響を与えることができます。また、それぞれの顧客の口コミに詳しくなり、ハーレイ・ダビッドソンのように、愛用者の中で一体感を引き起こすことができます。

こうした考え方が、SNSの活用で米企業に遅れをとっている日本企業の間にウィルスのように拡大していくことを願っています。



英語塾


リンクされたビデオが、SNSの利用者のためのヒントを紹介します。




ナレーションがないこのビデオは、漫画のように、セリフや絵を通して、SNSを活用する場合、「すべきこと」と「してはいけないこと」をいくつか提案します。それを見ながら、前者と後者の3つずつを書き出してください。絵が、文章の意味を理解するのにはどれほど役立ちましたか。



「すべきこと」







「してはいけないこと」





<推薦図書>
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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!

1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。


ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
jjapan1802@yahoo.co.jp

「世界のどこでも働ける日本人になろう」

「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」

「Venture Into Japan」

杉本 有造  博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp

© 2013 Joseph Gabriella, Ph.D., MBA. All rights reserved. 無断複写・転載を禁じます。



$Pepmalibuのブログ-SteveJobs

『アップル』に秘められた知恵


「アップル(リンゴ)を思い出すだろう」という表現は英語の格言ではありません。だけど、僕の幼いところ、特別な意味がありました。その背景を説明しましょう。ある日、僕の父は夕飯の一時間ほど前に、われわれ子供たちに、「もうすぐ食べるから、間食をするな」と指示しました。なぜ、その日、特別に注意したか覚えていません。もしかして、母が何か特別なごちそうを作ってくれたか、通常より早めに食べる予定だったからかもしれません。暴走しがちの兄マイクはその父の注意が右の耳から、左の耳に抜けた「馬耳東風」の状態で、すぐ冷蔵庫からリンゴを出して、大きくかじりました。そこで、短気な父がリンゴをマイクの手から取り上げ、「私の指示が聞こえなかったかい」と言いながら彼の頭を3回叩きました。驚いたマイクは恥ずかしそうにしていました。それを目撃した俺は笑い出し、結果的に、おなかが痛くなるほど笑いました。それ以降、兄のマイクが何か愚かな考え、計画を言うとき、「アップルを思い出すだろう」とからかいながら、アドバイスするようにしています。

この「苦い経験」があるにもかかわらず、マイクは今でもリンゴが大好きです。しかし、僕のほうがもっとリンゴが好きです。甘いものが好きなので、ほとんどの果物は口に合いますが、2番目に好きなバナナと比べても、リンゴは抜きんでる存在なのです。味だけではなく、噛む触感も好きです。また、植物繊維が多いため、満腹にもなります。どう見ても僕の理想的な「間食」です。

くわえて、リンゴは、僕が大事にしている「知識、知恵」を象徴するものでもあります。旧約聖書のエデンの園には善悪の知恵の木がありました。残念ながら、マイクのように、最初に食べたイブの勧めで、アダムが、神様が禁じたその木の林檎を食べてしまいました。一方、アイザック・ニュートンは重力が木の陰で坐っていたある日、その木から彼の頭に落ちきた林檎によって生まれた閃きで、重力を発見したそうです。アメリカでは、大好きな教師に林檎を贈る伝統がありました。僕は、実際に、そうしている学生を見たことがありませんが。でも、その伝統の関連でも、林檎は「知識」に連想されてきました。

友達のお陰で、最近、僕の大好きな林檎から、またひとつ重要な連想が生まれました。それが、米アップル社です。もちろん、アップルの名前、そしてロゴマーク、商品設計やマーケティングが理想的な「林檎」、つまり知恵に近いことは依然から知っていましたが、共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏が交渉術も優れていることを知りませんでした。アップルの商品のように、ジョブズ氏が実施した交渉の手法が「ユーザー・フレンドリー」(使いやすい)ので、紹介しておきましょう。


1. 交渉の重要性をあらゆる角度から検討し、把握する。

ジョブズ氏が米ハーパー・コリンズ社(Harpers Collins , HC)社長ジェームズ・マードック(James Murdoch)と交渉したときのことです。e-bookを販売する権利を獲得しようとしたとき、他の大手出版社と同様、HCとも契約を結ばなくていけないことが分かりました。このときジョブズ氏は次の点で優れた判断をしたのです。ジョブズ氏が、HC社との交渉で、特別な妥協をすると、契約整理済みの他の大手出版社が再交渉を求めてきて状況が複雑になることまで考えが及んでいたのです。ジョブズ氏はその点で、HC社との交渉が単なる1出版社との交渉ではなく、全面的な交渉を意味するという重要性を認識していたのです。


2. 交渉相手に対して、「自分(ジョブズ氏)は状況を完全に把握していること」、そして「その中で、自分の提案が他より優れている理由」を明確にする。

アップルのように、アマゾンもe-bookを販売しています。マーケットシェア(市場占有率)を高めるため、出版社に高い値段(13ドル)でe-bookを調達し、消費者には安く(9.99ドルで)売っています。その結果、アマゾンが損失(調達価格と販売価格の差)を負担しています。出版社の目からみれば、この契約は理想的です。自分の利益率が高くなるだけではなく、アマゾンが安く売っているので、自社の本の販売量が増え、結果として、その出版社の収入も増えます。ここで、ジョブズ氏は二点を指摘します。一点目は、このビジネスモデルは(赤字を出し続けいるわけで)長期的に持続できないということ。2点目はもっと微妙ですが、アマゾンが近い将来、不可避的にe-bookの購入価格を下げざるを得ないこと。おそらく、現在の販売価格9.99ドルの70%を仕入れ価格として提示してくると予想される。アマゾンは、株主からプレッシャーを受け、損失を継続できない。その場合、HCは、他の会社と契約をしていない場合は、アマゾンの言いなりになってしまうこと。


3. 価値の両側面(アップサイド&ダウンサイド)を紹介する。自分(アップル)と契約を結ぶことにより、先方(HC)が得るもの、つまり利益だけではなく、契約しない場合の損失も明らかにする。

HCとの交渉の例でいうと、アップルと契約することで、HCがアマゾンからの脅威に予防策を講じることができる。逆に、アップルと契約を結ばないなら、他の大手出版社(アップルと契約を結んでいいる6社)に対して、競争上不利な状態に放置される。


4. 自分が提案している選択肢以外に他の現実的な代替案がないことを説明する。

上記の3つの理由のため、アップルと契約しないことは現実的ではないことを論理的に説明する。アップル以外に、当時、アマゾンのe-bookと対等に競争できる会社は存在しなかったので、他の魅力的な代替案は現実に存在しなかったのです。


5. 感情に訴える。

上記の4点目に関連している原則ですが、論理的に、現実を説明する一方で、感情的な言葉を使うことも重要です。人間の常ですが、物事を決定するときに、理性に加えて、プライドやプレッシャー(圧力)など、様々な感情に影響されるので。

今度、何かで交渉するときに、ジョブズ氏のこの原則に従えば、成功するか確率が高いでしょう。

交渉に成功したあなたは、おそらく、アップル、そしてスティーブ・ジョブズのファンにならずにはいられません。

ここで説明したスティーブ・ジョブズ氏の交渉原則は以下の記事にもとづいています。

Erik Sherman. “5 Negotiation Techniques from Steve Jobs. “Inc., June 7, 2013.




英語塾

以下のビデオは、交渉術について10個の原則を提案します。ビデオを見ながら、その原則をリストアップしてください。どの程度、ジョブズ氏の手法と似ていますか?




Negotiation Skills Top 10 Tips




(Answers)

Techniques:

1. Don’t negotiate.

2. Don’t negotiate with yourself.

3. Never except the first offer.

4. Never make the first offer.

5. Listen more and talk less.

6. No free gifts.

7. Watch out for the ‘salami’ effect.

8. Avoid the rookies regret.

9. Never make a quick deal.

10. Never disclose your bottom line.



Comparison to Steve Jobs:

The techniques are different, but not incompatible. They can be used along with Jobs’ techniques.

<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。

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ジョセフ・ガブリエラ  博士/MBA
東洋大学
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杉本 有造  博士/MBA
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