
グーグルのオフィスは、社員をハッピーにさせてくれる!
マーケティングの4つのPの新たな役割
「ニワトリなのか、それとも卵なのか」。どちらが先だったのか。私と同じのように、みなさんは、この遠い昔からの謎を考えたことがあるでしょう。もしかしてあなたも、これは思考のヒント、きっかけではありながら、実際の生活で実践できる問題ではないと思い込んだかもしれません。でも、それは大きな間違いです。
医師が、肥満患者に対して定期的に運動し、より健康的な食生活をおくるように説得したいと思ったとしましょう。患者が、いったんその重要性を把握し、すぐ変更に挑む考え方を持つ者なら、医師は、最新の定期診断の結果を参照しながら、科学的な説明で簡単に彼を説得できると思います。それから、患者が実際に試した結果、効果を体感すれば、その変化、変革をもっと強く受け入れていくと考えられます。
私自身はそういうタイプの人間なので、そうした患者の行動をよく理解できます。むろん、医師は私のような患者を好む傾向があります。
もっとも治療しにくい患者とは、変化の効果を体験しなければ、自分からの変化を受け入れない者です。どんなに科学的な証拠を見せても、いくら悪い診断結果を示しても、食生活で、大好きな唐揚げをやめて豆腐に変えようとはしません。ビールを取りにいく冷蔵庫までの往復運動以外のエクササイズもしません。
この種の患者は医者の頭痛の種です。こうした患者は、効果を体験するまで、生活習慣の変更(変革)に挑戦しません。しかし、ひとまず挑戦しないとその効果が体験できないので、この種の患者が変革に挑むことは極めて難しくなるのです。この場合、冒頭の「ニワトリが先か、卵が先か」と同じ状況に陥り、医者として何をすればよいのか分からなくなってしまうのです。
私は医師ではないですが、組織における変革、変更に関係する多くの仕事を経験してきました。その過程で、同じ問題に直面してきました。
企業内で何か問題が発生したり、もしくは技術が大きく変わったりした場合、新しい体制を導入したり、新たな行動を採用するように社員を誘導しなければなりません。この場合、心理学の分野で有名な「陽性強化」という手法を活用し、変革・変更に向けた努力にインセンティブを付与します。この仕組みは、ときに、「bribe 」(賄賂)とも呼ばれます(笑)。その最終結果に関係なく、変革推進する行動が報われれば、ほとんどの社員が変革、変更に挑みはじめます。
しかし、残念ながら、これは解決すべき唯一の問題ではありません。組織変革においては、それを解決しても、より深刻な問題が待ち受けています。
それが「期待した結果」に関するものです。技術的な変化が加速し、その規模が拡大しつつある現在のビジネス環境では、組織変革の成功は保証されません。ですから、社員が一生懸命変化に挑んでくれても、その効果を体験できない可能性は十分にあります。
最悪の場合は、「変化後」のほうが、「変化前」より状況が悪化してしまうこともあります。技術の変化が拡大するなか、どれがどのように組織に影響していくのか想像もつかない場合も少なくありません。それを予測しようといくら工夫しても工夫しきれないのが現実なのです。
とはいうものの、同じ陽性強化を使って、技術変化に前向きに対応するための「体系」「制度」を組織内に導入することができます。技術革新で有名な米国3M社(ポストイットのメーカー)はそうした制度を整えています。社員は一週40時間の勤務時間中に自分の独自の発想に対する実験に一定の時間を振り向けることができます。「6時間まで」です。もちろん、その時間の利用にあたっては、会社の方針にしたがわなければなりませんが。
インターネット検索大手のグーグル社では、社員は勤務時間の20%までそうしたクリエイティブな活動に利用できます。その上、実験や革新に取り組んでいるチームは、部門間の情報交換や議論を活発に行っています。ここでの成功の秘訣は、「体系的」という点です
グーグル社に関していえば、(インターネット)技術の発展が存在しない限り、そもそもこの会社は存在しません。最近、新規株公開を行ったばかりのフェイスブック社も同様です。この2社を生んだインターネット技術は、確かに前世紀(20世紀)のもっとも偉大な変革、あるいはイノベーションのひとつでした。しかし、この革新はまだ始まったばかりだといえます。
今世紀の「新しい技術革新」につながるこの画期的なインターネット技術に対応するために、次の方策を薦めたいと思います。それが、マーケティングの「4つのP」 (製品 = product、価格 = price、流通 = place、販売促進 = promotionから成り立っているマーケティング・ミックス)に基づいた「革新対応体系」を組織に導入することです。
具体的な内容を紹介しましょう。たとえば、個人の意向にしたがって、全ての社員に、所属部門を超えた「製品」「価格」「流通、」「販売促進」の各チームに入ってもらいます。そして、自社での現在のインターネットの利用状況を確認し、今後顧客満足を最大限に伸ばすために、どのように、インターネットを利用したらよいのかを検討してもらいます。
その結果に基づき、企業戦略の立案に向けて、解決策(ソリューション)を作成してもらいます。もちろん、その過程で、その体系に沿った社員やチームの努力に対してインセンティブを付与します。
さらに、この場合、日本企業にとってとても重要な点があります。それが、失敗や間違ったことに対して絶対にペナルティーを与えないように配慮することです。ペナルティーを与えると、「完璧主義」の日本人はリスクをますます取らなくなります。しかし、予測可能なリスクを取る行動に対してインセンティブを与えると、社員は、最終的にリスクを取る行動にでます。
でも、それでこのプロセスが終わるわけではありません。暫定的な戦略が立案できた時点で、それぞれのチームで、その実施に向けて、インターネットの技術に対する社内実験を行うことが必要となります。そうすれば、その新技術の導入に伴う困難や期待した結果などを実際のデータに基づいて予測できるようになります。もちろん、そうした予測が、最終的に採用される戦略の成功を100パーセント保証するわけではありません。しかし、少なくとも、成功の確率を高めることは確かです。
ここで説明したインターネット・マーケティングの手法を、貴社でも試してみませんか
<ご参考までに>
これについて、現在、私は共同研究を行っています。実験に参加ご希望、あるいはご興味のある企業ならびに担当者の方は、私もしくは共同研究者である杉本有造博士までお気軽にご連絡ください。とりわけ、中小企業のご参加を歓迎します。参加企業に対する研究結果に基づいて、マーケティング戦略の立案、実施についてコンサルティングを行います。
英語塾
以下にリンクされるビデオはグーグルの研究開発についての、社員とのインタビューからの抜粋です。それぞれの話を聞きながら、要点を2-3文でまとめてください。このなかで、すぐ御社で応用できる提案はありますか。
Innovation and Impact at Google
Doug Eck, Research Scientist
Peter Norvig, Director of Research
Corinna Cortes, Head of Research (New York)
Alfred Spector, VP of Research and Special Initiatives
Matt Welsh, Software Engineer
Dan Bikel, Research Scientist
Brad Chen, Technical Lead
Samy Bengio, Research Scientist
<推薦図書>
本ブログの著者ジョセフ・ガブリエラと杉本有造は、両者ともにMBAの保有者であり、英語と日本語の両方でエレベーターピッチを実施する豊富な経験を有しています。くわえて、両者の経験を活かして、ビジネスパーソンに対して、仕事の現場で直ちに活用できるエレベーターピッチの技法について指導しています。エレベータースピーチのテクニックを習得したいと思われている方に、二人の共著『エレベーター・スピーチ入門~アメリカビジネスで成功するためのプレゼンテーション&自己イメージ作りの技法』を読まれることを強くお勧めします。
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このブログは、ジョーが執筆し、皆様にお届け致します。ジョーことジョセフ・ガブリエラは、2000年に来日したアメリカ人。格闘技ファンなら誰でも知てる、K-1ファイターのアンディー・フグ氏にそっくり!
1989年米国ペンシルベニア大学ウォートン・スクールを卒業。その後ペパーダイン大学を皮切りに、イリノイ大学、南フリダ大学を卒業。MBAを含め2つの修士号と博士号を取得しました。日米合弁IT関連企業、スイス系証券会社、米系銀行、そして日系外食企業など幅広い業界の勤務を通して様々なビジネス経験を積みました。趣味は、水泳、読書(村上春樹氏の大ファン!)、ピアノ、そして様々な国の言葉を勉強する事です。ちなみに、2年前から新たに中国語勉強に励んでいます!この記事についてのご質問、感想、また意見を歓迎します。また、共同研究者である杉本有造氏とともにコンサルティング業務も行っていますので、お気軽にご相談ください。
ジョセフ・ガブリエラ 博士/MBA
東洋大学
gabriella@toyo.jp
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「世界のどこでも働ける日本人になろう」
「アメリカ・ビジネスの最前線を切る!」
「Venture Into Japan」
杉本 有造 博士/MBA
IES全米大学連盟・東京センター
(The Institute for the International Education of Students, Tokyo)講師
gpmalibu@yahoo.co.jp
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