リスクプレミアムについての話
今日はちょっと小難しい話です。投資にはリスクがあります、それをどう計るかです。まずモディリアーニ・ミラー定理の復習です。「完全市場を仮定すれば、企業の資本構成および配当政策は企業価値に影響を与えないという定理であり、またMM理論は完全市場を前提とする理論であることから、完全市場でない現実の市場においては、資本構成や配当政策は企業価値に影響を与えるとされる」(Wikipedia)完全市場というのは物理学の完全な球体は、完全に滑らかな平面へ落下させても、接することはない」や「摩擦は考慮しない」といった前提に似ていますが、自然科学と人文科学のあいだにある社会科学の女王たる経済学では、「じゃあ、マサツがある状態でどうやってリスクを計るか」を考えます。縦軸に利益、横軸にリスクを取ったグラフを証券市場線(SML, Security Market Line)と呼びます。このとき、切片αはリスクフリーアセットのリターンです、例えば国債とかです。傾きがβで例えばマーケットポートフォリオが1%上下したときに個別株がどれだけ敏感に反応するのかです。すると下記が成立します。つまり、αは継続的な超過利益であり、βは反応速度と覚えておけば充分だと思います。βが高ければ高いほど市場のベンチマークに対する反応が良くなります。(ボラティリティの増大)(1)式は證券iのリスクプレミアムにβをかけて、リスクフリーアセット(国債など)のリターンを足したものが證券iのリターン。(2)式は證券iのリターンの期待値はそれにαを足したものです。リスクプレミアムというのは、価格の変動しない、もしくはほとんど変動しない現金や国債に較べて、どれだけの見返りが期待できれば投資する気になるかの度合いです。(野村證券)このモデルをCAPM(Capital Asset Pricing Model)、通称はキャップエム、日本語だと資本資産評価モデルと言います。このβの部分がリスクプレミアムと呼ばれている部分です。