実務ではPERやPBRが重視されることが多いですが、アカデミックな研究ではトービンのqを企業価値の代理変数に用いられることがほとんどです。

 

トービンのqとPBRの違いは、花枝・榊原の「資本調達・ペイアウト政策」の201頁あたりに詳しいですが、要約するとPBRが株価を簿価で除しているので一株当たりの簿価に注目している。

 

一方、トービンのqは上記によると、「投資関数の推計では、代理変数としてトービンのqが用いられるが、実証分析では、qは企業の時価総額を資本の再取得額で割った平均qが用いられる」とあります。

 

 

つまりqが1を越えたら、企業は投資機会が増え、投資家から見れば低いほうが「買い」ですね。ただ経営者は投資家の知らない内部情報も分っているので(情報の非対称性)、これだけ見たらダメですよ。