泣いて馬謖を斬らないために | 偕楽園血圧日記

泣いて馬謖を斬らないために

 メディアがまた「裏金がー」騒ぎを始めている。
 もうしばらく地震関係のエントリーを書いた後で取り上げようと思っているが、いやはやとんでもないことをいう人間がテレビで騒いでいるようで。


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 能登町の孤立集落、2週間ぶりに全て解消 高齢女性が感謝の言葉


(写真。朝日新聞デジタルより。能登町の柳田信部地区で孤立していた介護施設から、入居者を救出する自衛隊員=2024年1月17日午後2時44分、石川県能登町柳田、吉備彩日氏撮影)

 能登半島地震で、道路が寸断され孤立状態が続いていた石川県能登町の集落から17日、住民らが救出された。自衛隊員に担架で運び出された高齢女性は、感謝の言葉を繰り返していた。
(中略)
 能登町の柳田信部地区では、社会福祉法人「多花楽(たから)会」の高齢者施設が孤立した。事務長の砺波守法さん(58)によると、施設につながる道が土砂崩れで不通となり、入居者7人が閉じ込められた。
 それから2週間あまり、崩れた斜面にはしごをかけたり、木の枝を折って隙間を作ったりして職員らが施設に通い、水や生活物資、ストーブなどを運びこんで、生活をつないできたという。
 17日は、救出された7人全員が、顔なじみの施設職員が通えるよう、施設から1・5キロほどの避難所へ移送された。
 石川県によると、16日時点で、輪島市、珠洲市、能登町の3市町で8カ所143人が孤立していた。町によると、水滝地区の5人と柳田信部地区の7人が町内の避難所に運ばれ、能登町内は全ての孤立集>落が解消したという。
 発災直後から施設を支えてきた砺波さんは「電気も水もあるし、これでより快適な生活ができると思う」と安心した様子だった。(吉備彩日)
 朝日新聞デジタル 1/18(木) 9:30

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 令和六年能登半島地震に襲われた能都町の孤立集落が解消されたという。
 よかった。これで次の段階、「復旧」フェイズに移れる。

 記事に出ている他の市町はどうなっているだろう。

 珠洲市は、

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 石川県珠洲市の全小中学校、22日再開へ

 能登半島地震で被害を受けた石川県珠洲市は18日、市立全11小中学校を22日に再開すると明らかにした。また、中学生101人が21日に金沢市の施設に集団避難することも決まった。
 共同通信 1/18(木) 18:13

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 こういうことをいっているから解消も進んでいると思えるのだが……。

 NHKがニュースの中で宣伝している「NHK防災アプリ」を開いてみても、いつもの「NHK UI」らしさ全開で、テレビのニュースで紹介している「道路状況」とか「水」とかアイコンが並ぶ地図がトップに出てこない
 使えないなぁ。


 さて、水といえば、またノコノコと被災地に行った議員がいて、


https://twitter.com/TeamSugioHideya/status/1746464860697973041

「水道復旧のための要員を送れと各地に要請せよ」と主張しているのだが、そんなことは彼がこれを投稿した1月14日の前日すでに

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 石川 志賀町 ほぼ全域で断水 各地から職員派遣受け復旧作業

 今回の地震で震度7を観測した石川県志賀町ではほぼ全域で断水が続いていて、町は各地の自治体から職員の派遣を受けて復旧作業に当たっています。
 志賀町では地震から10日余りがたった今もほぼ全域に当たるおよそ8800戸で断水が続いています。
 町によりますと、浄水場や配水池にも被害が及んでいて、水の供給が難しくなっているうえ、職員が給水の業務などに追われているため、なかなか復旧作業が進まないということです。
 こうした中、町は東京都と横浜市から復旧作業にあたる職員の派遣を受けて、急ピッチで作業を進めています。
 このうち、横浜市からはおよそ10人の職員が派遣されていて、13日は水道管の破損状況を調べるため工事業者とともに実際に水を通して、水が漏れずに正常に流れるかどうか確認していました。
 作業を行った横浜市水道局の福士英二 設計係長は「被害の全容が分からず復旧時期は未定ですが、一日も早く安心安全な水を届けられるように頑張りたいです」と話していました。
 また、志賀町の山内勉 上下水道室長は「志賀町の職員だけで対応することは不可能なので、迅速な応援をもらうことができ助かっています」と話していました。
 NHK NEWSWEB 2024年1月13日 17時33分

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 ニュースで派遣員の様子が流されている。

 わが水戸市からも、

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 先見えない不安 能登派遣の水戸市職員「長期的支援を」

【茨城】能登半島地震の被災地支援のため石川県に派遣された水戸市の職員4人が、現地での活動を終えて15日、市役所で報道陣の取材に応じた。被災者が抱える先の見えない不安に接した職員は「心のケアを含めて長期的な支援が必要だ」と語った。
 派遣されたのは、石川県能登町で罹災(りさい)証明書の申請受け付けなどを支援した職員2人と、同県志賀町で応急的な給水支援に携わった職員2人。いずれも今月6、7日から11日まで派遣されていた。
(中略)
 志賀町での給水支援では、給水場所が屋外に設けられていたため、寒波の中で除雪作業をしながら懸命の活動が続いた。派遣期間中にも地震が起き、二次災害の恐れがあることから給水場所の変更>を余儀なくされることもあったという。
>市経理課の鈴木伸也さん(47)は「蛇口やボタン一つで水やお湯が出て、トイレもできる。そんな日常から突然断水に見舞われ、被災された方は多大 なストレスを抱えている」としたうえで、「>それでも子どもから高齢者まで力を合わせて水を何度も運んでいた。非常時に必要な物資や道具などを、いかに普段 から想定して準備しておくかが大事だと思った」と話した。(原田悠自)
 朝日新聞デジタル 2024/01/16 10:45

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 職員の派遣が行われている。

 この手の「やってるつもり」国会議員は本当に「邪魔」だから、永田町で「派閥がー裏金がー」と騒いでいるのがお似合いだ。まったく。

 ただそれでも、

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 上下水道の早期復旧要望 被災自治体、首相らに

 政府は18日、能登半島地震に関する政府の非常災害対策本部会議を開いた。オンラインで出席した石川県の馳浩知事と6市町長は、上下水道などインフラの早期復旧支援や応援職員の派遣を求めた。岸田文雄首相は「ニーズをしっかりと踏まえて、対策を取りまとめる」と述べ、政府が月内に策定する被災者支援の政策パッケージに反映させる考えを示した。
 被災地では、断水や下水道を利用できない状態が続いている。輪島市の坂口茂市長は「前例にとらわれない大胆な支援をお願いしたい」と述べ、中長期的な職員の派遣や財政支援を要望した。
 共同通信 1/18(木) 19:05

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 手が足りないのは間違いなく。

 今回災害に遭わなかった自治体の首長さんにもは、こういう「いざ」という時のことを考えて、ぜひ(2024/01/04の記事、「他人事」意識があるのだろうな)で取り上げた「水戸市 災害時生活用水協力井戸」の視察に来てください。
 全国でこのシステムが普及すれば、「なにかの時」には少しでも助かる人が出てくることでしょう。


 おまけ。

 今回の震災では、(2024/01/02の記事、ノイズキャンセーラーどころかアンプリファイヤになっているメディアがある)で取り上げたNHK穴の「命令口調」が話題になった。

 多くは、

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「テレビを見てないで逃げてください」 NHK女性アナの絶叫調呼びかけにSNSで称賛

 1日に石川県で震度7を観測した地震で、NHKの女性アナウンサーが「今すぐ逃げてください」など絶叫調で避難を呼びかける行動が、SNSで話題になっている。平成23年3月の東日本大震災による津波被害を教訓にしたものとみられるが、X(旧ツイッター)では「発信の仕方が素晴らしい」といった称賛の声が上がっている。
(中略)
 Xでは「避難を呼びかけている(強い口調の)声は本当に深刻なのだと伝わる」「東日本の時に大きな犠牲が出たことの教訓だと思う。真面目に自分たちができることが何かを考え続けてくれて、それを実行してくれてありがとう」などと称賛する声が相次いだ。
 産経新聞 1/1(月) 17:46

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「よかった」というものなのだが、ツィッターなどでは「感情的になるなんて」と貶す「いつもの勢力」側の人間も見かけることがあり。

 そういう人間には、ぜひ拙ブログの二年前の今日のエントリー (2022/01/19の記事、「人間の手がまだ触れない」)を見てもらいたい。
 ちょうどトンガの火山噴火による津波について書いていて、その中で引用したニュースによると、

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これは2年前の記事です。

 未明の津波警報発令、避難者わずか4%「テレビで様子見」「外も寒くて暗いので」

 南太平洋・トンガの海底火山噴火で発生した津波で16日、東日本大震災以来となる津波警報が発令された岩手県沿岸12市町村に読売新聞が避難状況を取材したところ、避難指示の対象者に対し、実際に避難した人の割合はわずか4%にとどまったことが分かった。地震による津波でなかったことや、時間が未明だったこともあるが、避難率の低さについて、防災担当者の間では「なぜ少なかったか検証が必要」との声も上がっている。

 読売新聞が避難指示の最大の対象人数を確認したところ、合計は4万6882人だった。これに対し、最大の避難者数は合計で1855人にとどまった。陸前高田市は避難指示の対象899人に対し、避難者は約9%の79人。同市防災課の中村吉雄課長は「決して多い数字とは言えない」と語った。
 今回、沿岸部で最初に発令されたのは警報でなく、午前0時15分の津波注意報だった。大船渡市の避難所にすぐに避難した無職男性(74)は「(1960年の)チリ地震の経験もあり、遠い場所からの津波こそ、油断すると怖いという思いがあった」と語ったが、注意報で避難した人は少なく、「テレビで様子を見てしまった」「注意報なので大丈夫だと思ってしまった」などの声が目立った。
(後略)
 読売新聞オンライン
2022/1/18(火) 15:56
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 東日本大震災で津波被害を受けた地域ですら、「ぬるい報道」ではこんな程度の人しか避難していない

 これを知れば、決して今回のNHKのアナウンサーの口調に文句など付けられないだろう。


 本日の「らっせらー」。

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 青森ねぶたの和紙、スキー板に ハンドメード、夏の熱気を冬も


(写真、共同通信より。「ねぶた」に使われた和紙を活用したスキー板と「リーシュ」の井上慶代表=15日、青森市)

「青森ねぶた祭」で町を練り歩く武者灯籠「ねぶた」に使われた彩色和紙を活用した、一点物のスキー板の受注販売が始まった。PR事業を手がける「リーシュ」(東京)が地元企業と合同で企画し、職人のハンドメードで25万円。同社の井上慶代表は「夏の熱気を吸ったねぶたに新たな命を持たせた。通年で魅力を発信したい」と語る。
 ねぶた師がデザインし、ねぶたから切り出した和紙を板の上に敷き、特殊なシートを貼って仕上げる。廃棄予定のものを別製品で再利用する「アップサイクル」の一環でもある。
「ねぶたスキー」と名付け、赤と黒の2色。注文は専用サイトから。デザインの相談も可能な範囲で応じるという。
 共同通信 1/18(木) 5:47

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 見出しを見た時、和紙でスキー板を作る話かと思った。
 なるほど、板の模様に和紙を使うということか。

「アップサイクル」ねぇ……。
 それならばスキー板のような特定のものではなく、アパレルの方に流用してみたらどうだろう?
 昔から我が国には和紙の「糸」を使った「紙布」というものがある。
 軽くて夏に涼しいというから、近年の夏にはピッタリではないだろうか?