「見えない戦い」が繰り広げられているのか? | 偕楽園血圧日記

「見えない戦い」が繰り広げられているのか?

 NHKニュース7もいいかげんだなぁ。
「円安がー」というニュースで「外国から軽く見られている」とやり「物価も上がって」とつなげる流れで「仕入れ値と人件費が上がって」といった後に「では賃金は」って。
 今「人件費も上がっている」といったばかりじゃないか(苦笑)
 おかげで「最低賃金もどうこう」といっている識者がただのマヌケになってしまっている。
 ルーティーンに則った「ステレオタイプのニュース作り」をしているから、そんなことになるのだ。

 NHKですらこれなのだから、雑誌ライターともなるともうその「適当さ」は評価にも当たらないほどで。
 私たちが若い頃には確かに「若者向け」だったのだが、今は若者にどれぐらい読まれているのかわららない週刊誌が、

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 岸田首相の「解散やるやる詐欺」は結局"誰得"だったのか?

 3月のウクライナ・キーウ訪問、5月のG7広島サミットと、外交では着実に点を積み上げてきた岸田首相。ただ国内では増税論議がもうすぐ始まる

 多くの議員が慌てて地元に帰り、マスコミ各社も臨戦態勢を整えるなど、永田町を一気にのみ込んだ衆院解散ムード。わずか数日で首相自ら火消しに走った今回の騒動で、得をしたのは結局誰だったのか? 自民党内からは、「やっぱり解散するべきだった」との声も......。
(中略)
 解散風がにわかに強まったきっかけは、13日の岸田首相の発言だった。従来は官邸のぶら下がり会見でも「解散は考えていない」と繰り返すのみだったのに、「(解散は)いつが適当なのか、諸般の情勢を総合して判断する」と思わせぶりにコメントしたのだ。全国紙官邸担当記者が言う。
「岸田首相はどちらかというと表情に乏しい人で、会見も決まったセリフしか言わないのが基本パターン。
それがこのときは、妙に思わせぶりな発言をしただけでなく、最後にニタリと含み笑いすら見せた。こんな首相を見るのは初めてだということで、『本気で解散をやる気だ』との観測がにわかに高まったんです」
(後略)
 週プレNEWS 6/28(水) 6:20

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 こんな記事を書いていたのだが、いったいこの「全国紙記者」とやらはちゃんと総理の会見を見たのだろうか? そしてそれを聞いている週刊プレイボーイのライターも?

(2023/06/17の記事、自分でうちわパタパタやっていただけじゃないか)で書いたように、岸田総理が口角上げるようなしぐさを見せたのは初めの「少子化対策への質問」の後であり、「解散がどうの」の後ではない
 彼らは(首相官邸ホームページ「岸田内閣総理大臣記者会見 令和5年6月13日」)についている動画ぐらい見てみたらどうか。
 それとも意図的に「嘘」を流しているのか?

 まったく。そんなことで政権叩きをするならば、

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 韓国、優遇国に7月から復帰 輸出管理強化、全て解除

 政府は27日、輸出手続き上優遇措置の対象国となる「グループA(旧ホワイト国)」に韓国を再指定するための政令改正を閣議決定した。7月21日に施行する。3月の日韓首脳会談後に集中的に実施した局長級の政策対話などの結果を踏まえ、4月下旬に韓国をグループAに再指定する方針を示していた。令和元年8月に始まった韓国向け輸出管理強化の措置は約4年ぶりに全て解除される。
「韓国を含む同志国と連携し、厳格な輸出管理などで国際的な平和、安全の維持に貢献していきたい」。27日の閣議後会見で西村康稔経済産業相は強調した。

 日韓両国の輸出管理をめぐっては、元年8月に日本が韓国との信頼関係が損なわれたことや関連法制度の不備を理由にグループAから韓国を除外。韓国も対抗措置として日本を優遇対象国から外していた。
 日韓首脳会談後の急速な関係改善や韓国における法制度面での対応が確認されたとして、経産省が今年3月下旬に半導体の洗浄に使う「フッ化水素」など3品目の韓国向け輸出手続きの厳格化措置を緩和。4月には韓国が日本を優遇対象国に再指定しており、日本が韓国のグループAの再指定をいつから実施するかが焦点となっていた。(永田岳彦)
 産経新聞 6/27(火) 17:00

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 こちらの方で厳しい追及をやればいいのに。

 産経は「信頼が損なわれたことや関連法制度の不備を理由に」と書いているが、(2019/07/04の記事、わざとピントを外した「デマ」を言っているのかな?)で書いたように、元々は「日本から輸出された戦略物資が北朝鮮に横流しされている疑惑がある」という話だったもの。
 それを考えれば、「北べったり」のムン政権から変わった今のユン政権は「横流しは許さない」という姿勢だからとでもいうのだろうか。国内の「北スパイ」の摘発などにも力を入れているようだし。

 そこにもってきて、トランプ政権時代の「韓国ってなんだよ!」から変わってしまったアメリカの「日米韓で~」という姿勢もあるから仕方なく、というのは分からないでもない。
 が、それならばそれなりの成果が出てから動かなくては。ユン大統領にしても基本は韓国人なのだから、「約束」という単語をどこまで理解しているかを見極めたからでも遅くはない。まだ任期が四年ほど残っているのだし。

 岸田政権は、

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 鈴木財務相「円とウォンに信認」 日韓通貨スワップ、8年ぶり再開

 日韓両政府は29日、両国の閣僚級による「日韓財務対話」を東京都内で開き、金融危機時に外貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」の再開で合意した。交換枠は最大100億ドル(約1兆4400億円)。協定は2015年に期限切れで終了しており、約8年ぶりの再開となる。
 財務対話の開催は16年8月以来、約7年ぶり。通貨スワップ協定の再開は、岸田文雄首相と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による首脳相互訪問「シャトル外交」が本格的に再開する中、輸出規制の強化措置の解除に続き、経済分野での日韓関係改善の具体策となる。
 再開合意後の記者会見で鈴木俊一財務相は「いざという時の備えをすることは円とウォンに対する信認にプラスに働く」と強調。韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相兼企画財政相は「韓日関係が経済金融分野でも正常化していることを象徴的に示す大きな成果だ」と述べた。両政府は次回会合を24年に韓国で開催することでも合意した。会合は年1回ペースで定期的に開く方針。

 通貨スワップ協定は、金融不安などの危機が生じた国から要請があった場合、その国の通貨と引き換えに、相手国が米ドルなどの外貨を一時的に提供して支援する仕組み。両国とも外貨準備は十分にあり、直ちに金融危機に陥るリスクは小さいことから、協力強化の象徴という面が強い。
当面の期限は3年後の26年とした。
 日韓は01年に協定を締結したが、12年の韓国大統領(当時)による島根県・竹島上陸や、慰安婦問題などで両国関係が極度に悪化し、段階的に規模を縮小。15年2月の期限満了時に協定を延長>せずに打ち切りとなっていた。

 日韓両政府は財務対話での合意事項をまとめた共同文書を発表。通貨スワップ協定再開のほか、インド太平洋地域をはじめとする第三国でのインフラ整備や、世界的な脱炭素化実現に向けた連携強化を確認。これに関連して、国際協力銀行と韓国輸出入銀行が覚書を結んだ。クリーンエネルギー関連製品の供給網でも連携を強化する。両国の局長級による税関当局間の会議を23年後半に韓国で開催することでも合意した。【浅川大樹、ソウル日下部元美】
 毎日新聞 6/29(木) 21:11

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 こんなことまでやっている。

 鈴木大臣は「円とウォンに対する信認にプラスに働く」などといっているが、韓国は日本の銀行の「裏書」がなければまともな貿易もできない国。いったい大黒柱の横に割りばしを置いて「お互い支え合う」というものがいたら、周りからどう見られるだろうか。
 こんなものは単に「韓国救済」のための施策でしかない。
 しかも毎日が書くような「両国関係が極度に悪化し、段階的に規模を縮小。15年2月の期限満了時に協定を延長せずに打ち切り」の過程では、韓国政府側から「日本が望むなら協定してもよい」というとんでもない発言まで出ていたのである。

 以前にも書いたように、ユン大統領は李完用のように冷静に今の状況を見て「生き残り」に最善の道を選ぼうとしているのだろう。
 あの時我が国は「半島を得ることで縦深ができる」というwin-win関係で手を結んだが、それが今どれだけの「負の遺産」になっているのか。

 上で書いたようにアメリカが韓国にのめり込んでいるからといって我が国までそれにつられては。
 だが視点を変えると……。

 この韓国への「甘やかし」ではよく「レーダー照射」の話が出てくる。
 これは(2018/12/26の記事、理由は聞くな、どうせ大したことは言ってない)で書いた、韓国の駆逐艦が自衛隊機を「ロックオン」してきたというものである。
 これにしても照射直後の自衛隊機の警告に対して「ちょっとした手違いがあった。すまない。もう解決した」といっておけば済む話なのに、当時の韓国政府が「全レーダーを展開していた」とか「自衛隊機が急接近してきたから」と言うことを変えた上に変な動画を作ってネットにばら撒いたりしておかしくしたもの。
 その政権が変わったから、というのもあるのだろうが、ならばきちんと「あれは手違い」と認めさせなくては。
 韓国社会の文化として「謝ったら『下』になって負け」というものがあるが、日本の「謝って水に流す」文化を取り入れてみろとユン政権にいってやろう。

 ところで、この「レーダー」という単語が絡む話で、韓国から面白いニュースが出てきた。
 彼の国ではパク・クネ政権時代に弾道ミサイル迎撃用のTHAADというミサイルの配備を決め、中国との間でごたごたしたことがあったのだが、このごたごたに輪をかけたのが、国内の「反対派」が大騒ぎしたこと。
 その「反対派」が掲げた主張の大きなものが「ミサイルシステムが使うレーダーの健康への影響がー」であった。

 だが実際のところ、

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 THAAD基地の環境影響評価が完了 臨時配備から6年で=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が、南部・慶尚北道星州郡にある在韓米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」基地に対する環境影響評価を完了した。2017年の臨時配備から約6年にして基地建設のための行政手続きが終了したことになり、THAAD基地内でのインフラ整備が本格化する見通しだ。

 環境部は21日、THAAD基地の環境影響評価書を承認したと発表した。
 最も懸念されていたTHAADレーダーの電磁波については、問題なしと結論付けた。
空軍と韓国電波振興協会の実測データによると、測定の最大値は1平方メートル当たり0.018870ワットと、人体保護基準の530分の1水準にとどまった
 THAADの装備は17年に臨時配備されたが、一部の地元住民や宗教団体が電磁波への懸念などを理由に反対し、正常な基地の造成ができずにいた。
 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は昨年5月の発足直後からTHAAD基地の「正常化」を表明し、環境影響評価、用地の2次供与、兵力や物資の地上輸送などに迅速に取り組んできた。
(後略)
 聯合ニュース 6/21(水) 14:15

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人体保護基準の530分の1水準」。
 こんな測定までが今までは「市民団体」の抗議でできず、迎撃ミサイルの配備が遅れていたのだ。

 そしてこういう運動は我が国でもあって、京都ではそれで訴訟も起こされていたし、イージス・アショアでも計画中止の大きな理由になった
(2018/05/16の記事、左! 弾幕薄いぞ!)で引用したように、「健康被害がどうの」と書く新聞まであったし。

「北べったり」政権が変わった韓国は、そういう「市民運動」に流されない方向に動き出している。
 アメリカの態度変化もそういう「今まで韓国を動かしていた世論」と政権が戦えるための応援なのだとしたら、そして我が国に「それに同調するように」と望んでいるというのならば……しかしあと四年で韓国社会が変わるとは思えないのだがなぁ。


 本日の距離。

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「最北」の書店営業終了 ネット影響、北海道・稚内


(写真、共同通信より。「最北の書店」として知られ、6月末で閉店する北海道稚内市の「クラーク書店」)

「最北の書店」として親しまれた北海道稚内市の「クラーク書店」が6月末に閉店する。インターネット通販や電子書籍が普及した影響で売り上げが落ち込み、営業継続を断念した。市内には本を専門に取り扱う店が他になく、遠方から訪れる人もいたといい常連客から惜しむ声が出ている。

 店は1984年、稚内市の別の場所で開業し、2006年に現在のJR稚内駅近くに移転した。面積約330平方メートルの店内には本や雑誌、漫画など数万冊が並ぶ。ネット通販などの拡大に加え、人口減少も響いて売れ行きは低迷。店舗の維持費にも悩まされた。
 神田雅彦店長(49)は「お客さんには不便をかけてしまうが、商売にならない状況だった」と打ち明ける。閉店後も地元の小中高校の教科書販売などは続けるとしている。
 稚内市には本を扱う総合スーパーやレンタルDVD店はあるものの、専業はクラーク書店だけ。
 周辺の各自治体によると、クラーク書店閉店後は約90キロ南東のオホーツク海沿岸にある「三浦書店」(枝幸町)が離島を除くと専業で最北になるとみられる。
 共同通信 6/27(火) 7:30

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 う~ん。リアルに「書店、この先90キロ」になるのか、稚内では。
 水戸でもどんどん本屋がつぶれて、駅ビル内と茨城大学前ぐらいしかなくなってしまっていて。「専門書や凝った本が欲しければ100キロ先の東京に行け」になってしまつているから、他の市のことは言えないないのだが……。

 いっそのことこういう施設は公営にしてしまってもとも思うが、「予算が付くところ政治家が口を出す」から政治的偏向に悩まされそうだしなぁ。