一つの見方に固執しない
「カウンセリングは時間がかかり過ぎる」と良く言われますが、カウンセリングの良いところは副作用がないところです。傾聴を中心に進めるカウンセリングは確かに時間がかかります。クライアントに内在する様々な可能性を考慮するならば、最も有効な一つの手段だと思います。しかし、傾聴を主としたノンディレクティブなカウンセリングは万能ではありません。クライアントの状態や環境に応じて、ディレクティブな支援の方が有効な場合があります。私が、最初に学んだ方法は、ディレクテイブな手法でした。当時は、それが邪道のような扱われ方もされていたようですが様々な事例を学び、研究をしていくと、どちらもミックスして、ケースに合わせて臨機応変に対応する方が現実的です。リフレーミングをうまく使えば、短時間で問題解決する場合もあります。むしろ問題だと思っていたことは、問題ではなかったと言う場合もあります。繊細な自分を嫌いになってしまっている人もいますが、それが自分と受け入れ、見方を変えてみると、それは生きる上での武器になると気づくこともできます。枠組みを変えることができれば、ものごとの意味合いが変わってきます。今の時代の主流のものの見方が常に正しいとは限りません。大多数が間違うと言うことも人類の歴史を見ればあり得ることです。一つのものの見方に固執せず、自由に枠組みを変えることで、自分を変えることなく、楽に自分らしい生き方が見つかる場合もあります。カウンセリングの手法も時代と共に、変化していって当然です。古い手法に捉われる必要はないと私は思っています。クライアントが自分らしく環境に適応して生きることができれば、それが一番だと思います。手法に捉われるのは、カウンセラーのエゴになるのかもしれません。