WBC世界Sフライ級タイトルマッチは第6ラウンドを迎えた。5回は初めて王者スリヤン・ソールンビサイが、はっきりしたポイントを上げた。逆転へのノロシを上げた王者を、挑戦者佐藤洋太(協栄)選手はたくましく迎え撃つ。
第6ラウンドも執拗に前に出て、接近戦から強打を見舞うチャンスをうかがうチャンピオン。
この回も2者がスリヤンにポイントを与えた。
7回は佐藤選手が再びフットワークを使い、打っては動きでラウンドを抑えた。
「大丈夫だと思うんですけど、どんな見方してますかねェ」
結果的にはこのラウンドも一人のジャッジが王者に与えている。
コーナーも必死だ。立ち上がり、指示を送る佐藤選手の新井トレーナー。
王者コーナー。鉢巻姿で必死にアドバイスを送るのは、は日タイ両国複数プロモーターのコーディネーターを務めるプーム。今回は、スリヤンと同じホテルの部屋で寝食を共にした。試合の翌日には大阪に移り、3月31日の六島ジム興行ではタイ人の選手のあっせんと世話役を務める。
8回。またもや王者が盛り返す。
挑戦者には、やや疲れの表情が・・・。
第8ラウンド終了時のスコア集計が発表される。
75-75、77-74、77-74。一人がイーブンで、2者が3ポイント差で挑戦者のリード。
しかし、差は縮まった。ラスト4ラウンドで勝負は決まる。このまま逃げ切りたい。
「もうちょっと足、使いたいですねェ」
「止まったら見栄えが良くないよね」
9回は差を広げようと手数を増やした挑戦者がリード。
しかし、王者も逆転への望みを捨てず前に出てくる。
11ラウンドも激しい攻防戦。この回はスリヤンのラウンドだろう。
試合は興奮の渦の中、最終ラウンドのゴングを迎えた。
王者の目はまだ活きている。
ラストラウンドも両選手、激しい戦いを繰りひろげ試合終了。
ラスト4回、全部取られなければ逆転はない。
「大丈夫だと思いますよ」
「だけど、見方によっては全部スリヤンもないことはないんですかねェ」
思わず心配になる。佐藤 修 (協栄)選手の世界初挑戦ウィリー・ホーリン(米)戦の、ラストラウンド一人のジャッジの10-10で、引き分けにされた悪夢が頭をよぎる。
チャンピオンコーナーは険しい表情。
判定を待つ挑戦者。
オフィシャルの採点は、116-110、114-112、114-112の3-0で、「新チャンピオン」。
やった!
勝利の雄叫びは、すぐに涙に変わった新チャンピオン。
感動の一瞬だ!
冷静にアドバイス送った大竹マネジャー。
「協栄の看板のために勝たせたかった」
先代金平正紀会長の命日に、通算12人目。自ら手がけた4人目の世界チャンピオン誕生に金平桂一郎会長もうれしそう。
「ここが終わりだと思ってないんで」
これからの防衛ロードにも大きくご期待ください。
ご声援、ありがとうございました。
応援、深く感謝です!
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