ボクシングは古典芸能に!大橋秀行 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

元世界王者(ミニマム級)であり、現在は東日本プロボクシング協会長を務め、来年度からは全日本協会をまとめていく立場として、業界内からの期待も高い大橋秀行氏が語っている。

「何とかしないとボクシングは古典芸能になってしまう」

これは、本日まで朝日新聞紙上で3回にわたり連載された、『”世紀の一戦”の陰で』というコラム最後の締めくくりの言葉である。

”野球や大相撲とともに戦後のプロスポーツを支えてきたボクシングが今、大きな岐路に立っている”。

戦後一番の花形スポーツはボクシングであった。昭和23年。東京電力の資本金が5千万円だった時代。ボクシングをメインとする日本スポーツ株式会社の資本金は実に1億4千万円。翌年には東洋最大のスポーツセンターも完成。

昭和27年(1952年)5月19日(ボクシングの日)。日本で初めて世界タイトルマッチが開催された。外国人の世界チャンピオン一行を迎える庶民の歓迎ぶりからも、世界チャンピオンの偉大さが伺い知れる。






銀座をパレードする王者一行。  ★後援会へのお礼に→【ミニグローブ】

「銀座に土地買っとけば良かったね」(~~)

世界王者ダド・マリノのトレーナー、スタンレー・イトウ先生の言葉である。

「でも、あの時外国人まだ日本に土地買えなかったのね」(~~)

「かばんに日本のお金入れて持ち歩くの大変よ」

パンナムのバッグいっぱいに札束つめて担いでいたというイトウ先生。ボクシングトレーナーが銀座に土地を買えそうだった時代。ただただ、凄いという他ありません。

イトウ先生の弟子シンデレラボーイ西城正三(協栄)選手が世界王者に就いたのは、1968年9月ロサンゼルスのリング。71年ラストファイトとなったアントニオ・ゴメス(ベネズエラ)戦のファイトマネーは10万ドル(3600万円)。


西城正三選手。  ★携帯ストラップにも使える→【ミニグローブ】

ごらんのマスク。女性にも人気ありましたが、男も憧れた!

ジャイアンツのスーパースター長嶋茂雄、 王 貞治の年俸よりも西城選手の一年間の稼ぎは上回った。実力で得た人気。西城選手に憧れ多くの若者が協栄ジムに入門した。大竹マネジャーもその一人である。OB会の人気NO・1です。(~~)

”世紀の一戦”。いよいよ29日に迫った内藤大助(宮田)vs亀田興毅(亀田)戦は、史上最多の前売り券発売という。

内藤VS興毅 史上最多前売り2万枚超え!(毎日新聞)

10日前までは、「1万弱ぐらい」と苦戦を明かしていたプロモーターの宮田会長だが、ここ最近のPR活動で大きく盛り返したという。確かに私も、ここ数日で何枚か頼まれました。

1994年12月。薬師寺保栄(松田)vs辰吉丈一郎(大阪帝拳)の”世紀の一戦”は、10万円のVIP席から8千円までのチケットが用意されたが、発売開始1週間足らずで売り切れ。最も人気があったのは6万円の特別RS席だった。

 ペタしてね
薬師寺vs辰吉。  ★身近にボクシング→【ミニグローブ】

TVでオモロイ事言う辰吉選手であるが、ボクシングでも魅せた。辰吉選手に憧れてボクサーを志した者も多い。人気の辰吉選手に挑んだのはチャンピオン薬師寺選手の方だったが、圧倒的不利を跳ね返し、全国区の人気を手に入れた。試合も好試合。ナイスファイトでした。

「次は坂本選手とやります!」

2000年6月。WBA世界ライト級王座を奪取したリング上で新チャンピオン畑山隆則(横浜光)選手は語った。前王者ヒルベルト・セラーノ(ベネズエラ)からタイトルを奪い損ねていた危険な相手を逆指名。

横浜アリーナに1万6千人を集めて開催された試合は、王者が挑戦者を痛烈なKOに破る。そして時代は、リング上で熱い戦いを見せてくれた両選手に憧れ、ボクシングジムの門を叩いた若者が多数活躍する流れに。

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「どのジムも練習生は減っている。辰吉丈一郎や畑山隆則の世界戦が終わると、1日ですごい数の練習生が入ってきたが、今は世界戦に練習生を増やす効果が少ない」(大橋会長)

”亀田興毅、内藤大助らが起こしたブームとは対照的に、足元には火がついている”と、広部憲太郎記者は続ける。

一般興行でのチケット購入方法の1位が「選手」から(43%)。試合情報は、「友人、知人」からが38%を占める。『ボクシングの興行は今もジム単位が基本。何とも世界が狭いのだ』には、考えさせられます。

「スポーツも多様化して競争が激化した。内藤や亀田家のように選手のキャラクターに光が当たり、ボクシングは競技性が重視されなくなった」(TV局関係者)。

”ボクシングは競技性が重視されなくなった”。果たしてそうであろうか。


V9長谷川穂積選手。  ★激レアサイン入り→【ミニグローブ】

WBC世界バンタム級王座を9度防衛中の長谷川穂積(真正)選手の前回(7月)の防衛戦TV視聴率10.4%をバックにしての発言と思われるが、この試合は初回KOで終わっている。

「長谷川の試合をビデオでいいからぜひ米国で映してほしいですよ。絶対、人気出ますよ」

これは世界中のリングを周遊する山田純夫氏の一言です。

内藤選手、亀田選手には、ボクシングの競技性が一般ファンに再認識される好ファイトを期待したいと思います。ボクシングが”古典芸能”にならぬように。

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