内藤vs亀田・日本人対決・沼田vs小林 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

ようやく正式発表を迎えたWBC世界フライ級タイトルマッチ。チャンピオン内藤大助(宮田)選手へ、同級3位亀田興毅(亀田)選手が挑む。試合は11月29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催される。

内藤-亀田興戦は11月29日…互いに舌戦(毎日新聞)


撮影、Sumio Yamada   ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

”国民の期待”に応えて亀田大毅(亀田・当時協栄)選手を破りスターダムにのし上がった内藤選手は、6度の防衛戦中4人目の日本人挑戦者との対戦。一方の興毅選手は、WBA1位指名挑戦権がありながらのWBC王座挑戦で、初の日本人選手との対戦。WBA王座挑戦は弟大毅選手に譲った形。

亀田兄弟にとっては、”栄光か死か”。兄弟同時世界王者誕生となれば、再び亀田フィーバーが蘇る。だが、一つも王座を取れないとなると、世間の批判は厳しいだろう。


撮影、Sumio Yamada   ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

チャンピオン内藤選手にとってもこの試合は、「絶対、負けられない」。プロの世界で亀田家に初めて黒星を付けた男は、大毅選手の反則騒動とあいまって、今や大スター。ここで負けたら、全てを失うという危機意識は強い。

王者は余裕の応戦 内藤「絶対に負けられない」(スポーツ報知)

プレス関係者は亀田選手の勝利を支持する声が多いと聞いた。現場ボクシング関係者は、「内藤君は負けないよ。ちゃんと作って来る」という意見が多いようです。

26日から予約が開始される入場券は、最高10万5千円のアリーナSRS席から、6300円のスタンドB席まで6種類。アリーナ席での観戦はRS席5万2500円、S席3万1500円と高額。

暫定王者ポンサクレックとの王座統一戦を回避した形の王者と、WBA1位指名挑戦権を捨ててのWBC王座挑戦者。オプションは内藤選手側が押さえているはずだ。この人気者同士の対戦に、ボクシングファンはどう応じるのだろうか?


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TV放映はTBS。視聴率低迷が叫ばれて久しいが、”ボクシング”番組が元気を与えるのは確実。どれほどの視聴率になるのだろうか。昨年のTBS視聴率三冠王の内藤選手が、今年もトップを取ると見る。

世界タイトルマッチ日本人対決。現代では賛否両論両極端に意見は割れるが、世界タイトルマッチ開催が困難だった時代、日本人同士の世界戦開催は、ファン、関係者の悲願であった。

昭和42年(1967年)12月14日。赤穂浪士討ち入りの日に開催された日本初の世界戦日本人対決。世界Sフェザー級王者沼田義明(極東)vs挑戦者1位小林 弘 (中村)の一戦は、蔵前国技館に7千人の観衆を集めて行われた。放映はTBS。当時のTBSは人気抜群の世界王者 藤 猛 (リキ)選手も擁し、視聴率王であった。

精密機械vs雑草男。


小高会長と沼田選手。  ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

少しでもイメージと違う動きをしたならば、理論派でなる小高会長の説教が始まる。「こっちはサウナでウェート落としたいのに」(~~)。 TBSボクシング教室出身の王者は、時折ゾッとするような一発KOを披露した。その正確無比なパンチをして、”精密機械”。強豪との対戦経験も十分。

一方の挑戦者は4連敗を克服し、世界1位の座に上がって来た。当日朝の計量も東武東上線志木駅から電車でやって来たという挑戦者。恵比寿の中村ジムへ通うのも当然電車。国技館へは車で向かったがあいにくの雨で大渋滞。

もう近いだろうと一人で会場入りした小林選手は、気温4.6度の雨の中を約8キロ歩いて来た。「途中でタクシーを拾おうと思ったが、今日はお金はいらないと思って一銭も持っていなかった」(~~)という”雑草の男”。

世間の注目を大きく集めた初の日本人対決は、小林選手が沼田選手を12回KOし世界王座奪取に成功。沼田選手の王座初防衛はならなかった。


小林vs沼田  ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

「俺はやっやぞ。とうとうやったぞ」

小林選手以上に勝利に酔ったのは中村会長。南海の孤島で終戦を迎えた中村会長は、「この仇はボクシングでとるぞ」の夢を果たした。「外人どもを叩きのめして、世界を取る」は、日本人に変わってしまったが。

  ペタしてね
中村会長と小林選手。  ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

食うや食わずの時代、矢尾板貞夫選手の失敗を経ての世界王者誕生であった。正月、矢尾板選手の雑煮には餅が入っていたが、会長夫婦は大根で済ませていたという逸話もある。

「負けるわけがない」


会場を去る沼田陣営。  ★EVERLAST ミニグローブ&キーリングス

絶対的な自信を持っていた小高会長は敗れた。会長もまた敗者である。試合2日後、ガゼット・クラブ座談会で顔を合わせた両陣営。敗軍の将小高会長は、このように述べている。

「自分を破った者を、破り返すところに進歩があると信じます」

そして、両陣営は固い握手を交わした。

経験をその後に活かす。沼田選手は海外でのライト級王座挑戦も経験し、2年後WBCタイトルを獲得し世界王者に返り咲いた。

渡辺勇次郎氏が日本にボクシングを持ち込んで以来47年目の悲願だった日本人同士による世界戦。現代は、ビジネス優先であるが、両選手が雌雄を決する事を決めた事には拍手を送りたい。

これぞ、ボクシングという試合を期待します。

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