長谷川バンタム卒業vsガッツ石松・減量 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

WBC世界バンタム級王者長谷川穂積(真正)選手は、23日川口オートレース場で開催されたトークショーで、自らのプランを明かした。V10戦は12月を予定。そして、これがバンタム級王座最後の防衛戦。

長谷川 12月V10戦がバンタム級ラスト(スポーツニッポン)

2階級制覇。ラスベガス進出の夢を語ったチャンピオン。この日はSGオートレースグランプリ優勝の木村武之(たけし) 選手と共にオープンカーに乗り込み、プレゼンテターも務めた長谷川選手。

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さて、バンタム級卒業の要因はモチベーションの維持もあろうが、最大の要因は減量。この日も、その減量問題にふれている。

穂積、10度目防衛戦へゆとり減量(サンケイスポーツ)

これまで、1ヶ月に約12キロ落として試合に臨んでいたという長谷川選手は、「最大の敵はウェート」と強調。Sバンタム級を飛び越え、フェザー級王者クリス・ジョン(インドネシア)挑戦を希望した胸中がうかがえる。

「V10に成功したら好きな事に挑戦させてもらう」

意志の強い長谷川選手の事、この気持ちがあればV10は固いですね。

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かつて、「王座5回防衛したら不敗のまま引退」を目標に掲げていたのは、元WBC世界ライト級王者ガッツ石松(ヨネクラ)選手。世界王座奪取を、「マグレ」と揶揄された事への強い反発心を試合で見せ付け、見事にV5を達成している。

しかし、試合毎にきつくなった減量はアルバロ・ロハス(コスタリカ)を相手にした5度目の防衛戦時には、13キロにも及んでいた。1975年(昭和50年)12月4日。午前10時。当時は当日計量だ。

試合直前の3日間は、ほぼ”断食”に近い状態。ブドウ糖の注射のみ。試合前日の夜をチャンピオンは、こう振り返る。

「1時間が1週間にも感じるほど時間がたつのが遅かった」

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61.23キロ。リミット一杯で計量パス。「バケツ一杯でも飲める」と言っていた飲み物は、コーラとジュースを少しずつ、ゆっくり時間をかけて流し込む。

「余り食欲がわかないな」

最初に飲んだものは胃袋から吐き出された。飲んでは吐き、食べてはもどすを繰り返すうちに石松選手の体は元気を取り戻す。計量後の食事は、ステーキ(140g)、ひらめのバター焼き、ラーメン(小)、生野菜、おかゆ、白ブドー酒、ジンジャーエール、薄いコーヒー、水。ステーキは全てをたいらげなかった。

試合開始ゴングは午後7時47分。前に出てくる挑戦者をフットワークで交わし、カウンター狙いのチャンピオン。だが,終盤14回ロハスの左に合わせた石松選手の右アッパーがカウンターで炸裂。2分59秒KO。5度目の防衛に成功した。

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目標達成後現役続行を決めた王者は、指名試合に挑む。しかし、WBC初の入札となったエスデバン・デ・へスス(プエルトリコ)とのV6戦は、へススの地元で開催される事に。20万ドル(6千万円)、しかも税抜きという当時としては破格のファイトマネーを得たが、石松選手は敗れ王座を失う。

敵地というハンデに加え、減量苦。アンジェロ・ダンディトレーナーは、へススに足を使って当てては逃げるヒット・&アウェイを指示した。動けなかった石松選手。カウンター狙いは読まれていた。

昭和52年(1977年)4月、2階級制覇を目指し11ヶ月ぶりのリングでWBC世界Sライト級王者センサク・ムアンスリン(タイ)へ挑戦した石松選手だったが、6回ボディブローでリングに沈んだ。この試合は石松選手の14キロに及ぶ減量、タレント活動過多が問題視されている。

  ペタしてね

元世界バンタム級王者ファイティング原田(笹崎)選手の減量苦も有名でした。カッパを着込んでのロードワークは、しめた足首から汗が漏れ出し靴の中に流れ込む。やがて、大地をけるシューズは、グチャグチャという音を立てる。

合宿所の水道栓は封印され、水の出るところは水洗便所だけ。「この水でもいいから飲みたい」。原田選手の渇きとの戦いも壮絶だった。石松選手も、「バケツ一杯の水が一千万円でも買う」と言った話は有名ですね。

石松選手、原田選手共に人並みはずれた胃腸の持ち主であるに違いない。長谷川選手もしかり。そして、強い意志。

長谷川選手の”好きな事への挑戦”は、よりメジャーになる為の挑戦である。

ゴールデンボーイ・プロモーションと共同プロモート契約を結んだホルへ・リナレス選手、次戦防衛後はラスベガス世界戦も噂される西岡利晃選手の帝拳勢とは、極めて近い位置にいるだけに仲間入りをしたいところだろう。

なんといっても実績では一番。長谷川選手の夢がかなう事を願います。

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