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今日29日は、日本ボクシング界のとってゲンのいい日。猛暑の会場で最強選手を揃って打ち破っている。とにかく暑い日でした。
昭和54年(1979年)7月29日北九州市総合体育館。WBA世界Lフライ級王者具志堅用高(協栄)選手は、最強といわれた挑戦者ラファエル・ペドロサ(パナマ)を迎えた。3位 金 煥珍(韓国)との対戦を予定していたチャンピオンは、WBAの指令により1位ペドロサの挑戦を受ける事になった。
当時のWBA本部はベネズエラ・カラカス。現会長ヒルベルト・メンドサ氏が会長職に就くのはまだ3年先の事で、同国人のライバルであるフェルナンド・ガリンデス氏が会長であった。
順番なんかどうにでもなる現代がやって来るとは予想もし得ない時代。7月度のLフライ級10人の世界ランカーのうち、6人が後に世界チャンピオンの座を手にしている。

パートナーは多田浩幸(協栄)選手。
強いといわれたペドロサだが、良かったのは公開練習まで。本番リングでは、緊張の余りその実力を発揮する事は出来なかった。9度目の王座防衛に成功したカンムリワシだが、期待された7連続KO防衛が途切れ笑顔はなし。
大いにタフネスを発揮した挑戦者だが、チャンピオンはこうも言っている。
「ペドロサがは意外とパンチがあった。フライ級の選手だね」
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そのペドロサは世界チャンピオンとして来日を果たす。81年12月パナマシティで54戦無敗の初代WBA世界Sフライ級王者グスタボ・バラス(亜)に15回2-1判定勝ち。2階級アップで世界王者となったペドロサは、初防衛戦で渡辺二郎(大阪帝拳)選手と対戦する。
昭和57年(1982年)4月8日。大阪のリングでペドロサは、挑戦者にいいように打ち込まれ、せっかく手に入れたベルトを手放す。日本拳法の名手渡辺選手は、記録的大差で関西リング初の世界チャンピオンになった。
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そこへ待ち構えていたのが、元王者バラス。パナマでの採点に不満を唱え、これが認められた形で同級1位の座を確保し、指名挑戦者として来日。57勝22KO)1敗1分。 藤 猛 (リキ)選手の強打を完封させたニコリノ・ローチェ(亜)に憧れてボクシングを始めたバラスは、自国で第2のローチェと言われるまでになっていた。
チャンピオン危うし!プロキャリアはまだ3年しかない。
そんな声がささやかれる中、大阪府立体育館のゴングは鳴る。この日のリング上は33度。絶好調を伝えられていた挑戦者は、予想に反しファイタースタイルで前進する。タイトル奪回へのあくなき執念を感じさせた。

「暑さよりもボディが効いた。3回で息が上がった」
苦しい防衛戦となった渡辺選手。一方、快調にとばしていると思われた挑戦者にも疲れの色が見え始める。地球の反対側アルゼンチンは、この時真冬である。
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「カッコなんか気にしていられない。最後はどつき合いでも・・・」
9回。左ストレートからチャンスを掴んだチャンピオンがラッシュ。大歓声の中終了ゴングが鳴る。バラスの目は弱々しく自コーナーを見やり、ギブアップの様相。やや間をおきレフェリーは、試合のストップを告げた。9回3分TKO。

「体が動かなかった。立っているのが精一杯だった」
6月20日、WBA世界Sウェルター級王者工藤政志(熊谷)選手に再アタックの末、暑さにやられた感のあった挑戦者マヌエル・ゴンザレス(亜)も同じでしたね。60戦目にして完敗を喫したバラス。試合用に用意したリングシューズが、両方とも左足だったというアクシデントも追い討ちをかけていた事だろう。
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「バラスにも適当に打たせて、スタミナロスを誘え。互角に疲れるように持って行け」
セコンドに付いたジョー小泉氏のアドバイスに助けられたというチャンピオンは、不安な戦いだったと告白している。最強の挑戦者を紙一重で撃退した渡辺選手は、一時代を築き上げた。

平成2年7月29日。水戸市民体育館。うだるような暑さの中、東北生まれのレパード玉熊(国際)選手は、WBA世界フライ級王座に挑戦。チャンピオン 李 烈雨(韓国)を10回TKOに破って嬉しい王座獲得を果たしている。
試合開始から快調にとばしたチャンピオンは、自慢のタフネスとスタミナを暑さに奪われた。試合後もフラフラだった前チャンピオン。
韓国では中南米の強いのとやる時は、冬まで延ばして来た。「寒さで実力なんか出せっこないさ」韓国vsベネズエラの世界戦成績は韓国が勝ち越しているが、単にボクシングスタイルの違いだけではあるまい。
日本の夏。慣れぬ外国人選手にとっては、体調管理が難しい。いや、後楽園ホールで意外な番狂わせが起こるのもこの季節。熱さに敗れた選手は、ボクシングの敗者へと変わる。暑さ厳しき折、選手もファンの皆さんも体調管理しっかりと、ですね。
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