５月２６日、内藤選手５度目の防衛戦は中国・上海開催がドタキャン。一転東京開催となったタイトル戦は、１試合だけの特例興行で行われた。だが、試合後ＪＢＣは、今後二度とこのような特例は許可しない旨の通達を出す。
ＷＢＣスレイマン会長も、自らが乗り込むつもりだった中国世界戦ドタキャンに激怒。変わっての東京行きは拒否されたとの情報がもたらされている。中国人挑戦者 熊 朝忠に苦しみながらも王座防衛を果たした内藤選手には、２戦連続９０日以内という異例の指名試合通告。
★東洋太平洋Ｌフライ級暫定王座決定戦・７月１６日(木）後楽園ホール
写真撮影、山田純夫
７月７日、宮田ジムは世界挑戦失敗後もランク１５位に残った熊を再び中国から呼び寄せ、同ジムのホープＷＢＣ世界Ｓフライ級２９位粉川拓也選手と対戦させる事を決めている。粉川選手が勝てば、世界フライ級ランキングトップ１５に入る可能性は高い。
ＷＢＣでは指名戦でもチャンピオン側にオプション一つの保有が認められている。粉川選手が１５位以内に入れば、内藤選手王座陥落の場合、次期挑戦者としてクローズアップされるだろう。しかし、今チャンピオンは内藤選手である。
かつて、輪島功一(三迫)選手がオスカー・アルバラード(米）に敗れ王座陥落した時は、オプション契約を持つ三迫会長が一門の野口ジムから 龍 反町選手を挑戦者に選び、 柳 斎斗(韓国）にその座を追われた時は、甥の三迫将弘選手を世界ランカーと対戦させ、勝利するやすぐに世界挑戦の機会を与えている。
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具志堅用高(協栄)選手のまさかの王座転落後、金平会長は慌てて自前挑戦者作りに奔走した。多田浩幸選手の２ヶ月連続日本、ＯＰＢＦ王座挑戦。これが失敗に終わると、ダークホース渡嘉敷勝男選手に世界ランク入りマッチ。期待に応えた渡嘉敷選手は、ワンチャンスをものにし、金平会長の持つオプションを行使しての世界タイトル奪取劇に及んだ。
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渡嘉敷、世界一の瞬間。
さて、入札通告まで後僅か。これまで４度対戦している両陣営は、互いに勝って知ったる交渉相手。だが、タイ側は国民の期待に応え人気者となった内藤選手の人気を知っている。暫定王者という立場も、強気の交渉に出れる理由だろう。しかも、１位には同門のポノムルンレック・クラティンデーンジムがいる。
内藤選手の試合を放映して来たＴＢＳは、視聴率低迷にあえぐ中、視聴率男内藤選手の試合は是が非でもゴールデンタイムで放映したいところ。
１９７６年、ＷＢＣ初の入札に持ち込まれたＷＢＣ世界ライト級戦は、プエルトリコで開催される事になり、王者ガッツ石松選手は海を渡った。挑戦者エスデバン・デ・へスス側は総額２５万ドルで興行権を落札。取り分は石松選手２０万ドル（６千万円）、へスス５万ドル（千五百万円）。
これは、石松選手の人気を承知の日本のプロモーターが、プエルトリコ側に付いたばかりの結末。２１万ドルを提示して入札に敗れた米倉会長は、怒り心頭だった。
１９９４年７月、網膜剥離からの復帰戦をハワイで飾った辰吉丈一郎（大阪帝拳)選手をＷＢＣは暫定王者に復活させる。正規王者薬師寺保栄（松田)選手は、元気に防衛戦をこなしていた。
入札。
★東洋太平洋Ｌフライ級暫定王座決定戦・７月１６日(木）後楽園ホール
薬師寺ｖｓ辰吉。
大阪帝拳陣営２億３８００万円。ドン・キング３億２千万円。松田陣営３億４２００万円。暫定王者辰吉選手には落札額の半分、１億７１００万円が支払われたが、薬師寺選手はそこには届かない。「普通の相場よりは多い、本人も納得する額」となっている。
ドタキャンにはなりましたが、先のＷＢＡ世界ヘビー級王座統一戦。ニコライ・ワルーエフｖｓルスラン・チャガエフ戦も、ワルーエフ側が入札で興行権を落札したが、ワルーエフのファイトマネーはチャガエフには及ばない金額。もちろん、本人も納得済ですが。
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パンチによるカットだが、傷は前戦のものチャガエフ。 写真撮影、山田純夫 氏。
やっぱりアイツ、一発殴ってやらないとダメですね。○○さん。(~~)結果的にクリチコもチャガエフより安くなり、ワルーエフは稼ぐチャンスをつぶされた。負けても休養チャンピオンはない。最近はアクシデント続きのＷＢＡ。
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「ポンサクレック、今度は足元見てくるよ。入札だっていいんだから」
入札は予想していた。タイ側はどこまで強気を通すのだろう。内藤人気あってのゴネ得なのだが、ゴネられる立場にあるのは間違いない。入札によって、内藤選手のファイトマネーが高くなるのならそれでよいが、ポンサクレックも高くなりそうですね。
いずれにしても難しい交渉です。王座剥奪された西城正三(協栄)選手の復権をかなえる為、ロスにとんだ金平会長が１位アントニオ・ゴメス側にのまされた条件は、そりゃ厳しいもの。
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西城ｖｓゴメス。
せいぜい１万ドルが相場の挑戦者のファイトマネーは１万５千ドル（５４０万円）。大学卒の初任給が４万３千円程度の時代である。ベネズエラへのＴＶ放映権も”タダ”でくれ。剥奪された王座を復権させる為には、即断即決を迫られた状況下では、煮え湯を飲まされても仕方ない。
「あいつらギャングですよ」(~~)
それでも、６度目の防衛戦を迎えたチャンピオン西城選手には、１０万ドル(３６００万円）のファイトマネーを支払った。しかも、協栄ジムはキャンプ費用から全てジム持ち。人気絶頂の西城選手を擁した金平会長は、厳しい中でも興行は成功させた。
内藤ｖｓポンサクレック５度目の戦いは、前回も引き分けているように接戦が予想されます。交渉の成り行きに注目です。
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★シャイアン会長は、断然”吉野家”派！「うまいね。うまいねェ～」(~~)
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