その日、マイアミ・ビーチのリングサイドに陣取った64人のライターのうち、挑戦者カシアス・クレイ(アリの本名)の勝ちを予想した者は僅か3人。全米の新聞46紙のうち43紙は、リストンの勝利を予想。掛け率8-1である。
「リストンに挑戦するなんて、クレイは頭がどうかしてるんじゃないか」(ロッキー・マルシアノ)
時の世界ヘビー級王者はソニー・リストン(米)。名王者フロイド・パターソン(米)を二度に渡って完膚なきまで打ちのめしていたリストンは、”スーパーマン”と呼ばれた。
「クレイは殺されてしまう」
若いライターが本気で心配するほどの強さを誇った王者リストン。ホラ吹きクレイは8ラウンドKOを予言する。しかし、ファンは誰も信じない。寡黙なリストンがつぶやく、「あの馬鹿は俺とやったら1ラウンド持つまい」に異を唱える者はいなかったのである。
計量時のクレイの脈拍は120。恐怖で興奮状態の中、叫び続けるクレイ。
「うすのろの熊公を倒す。8回でKOだ!」
「もし、俺が負けたらなんて考えられないが、そうなったら、四つんばいでリストンのクツにキッスするさ!」
余裕で受け流すチャンピオンも負けていない。
「俺が殺人者にならなければいいが」
スーパーマンは無敵である。それほど強いと目されていた王者リストンはあぶらの乗り切った30歳。22歳の挑戦者はインファイトがうまくない。それが、クレイはリストンに通用しないと言われた大きな理由だ。
しかし、クレイは蝶のように舞い、蜂のように刺した。6回終了。チャンピオンは頭を大きく左右に振っている。7回開始のゴングに応じられないリストン。信チャンピオンは狂ったように叫ぶ!
「アイム・ザ・キング!」
「アイム・ザ・グレーチスト!」
『1964年2月25日は、リングの奇跡が起きた日として永遠に記録されるであろう』とある。もう、誰もクレイの事を、ただのホラ吹きとは言わなくなった。
ホラは吹くが強い相手に立ち向かい、やっつけたクレイは世界のヒーローにのし上がっていく。そして8年後の72年4月1日、日本武道館でマック・フォスター(米)と戦ったモハマッド・アリ。
長いフライト時間。夜遅い来日にもかかわらず、翌朝5時にはロードワークへ飛び出して行ったアリ。天才は、努力も忘れなかった。
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