リングへの想い・無名戦士からの手紙 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

何年前になるだろうか。ある練習生からの手紙を貰った。A4レポート用紙1枚に鉛筆書き。「金元トレーナーへ」と題された文章は、丁寧な文字で書かれてる。

『金元トレーナーへ

21日、親父の病気が再発してしまい、もう仕事が出来ない状態となってしまいました。長男である僕が支えてあげなくてはいけないので、家族の側で暮らそうと思います。

僕も突然で心の整理が出来ておらず、口ではうまく伝えられないと思い、手紙を書きました。出来れば直接にお渡ししたかったのですが、こんな僕に親切に御指導して下さった金元トレーナーに会わす顔が見つかりませんでした。

本当に、色々とありがとうございました。才能ないけど、練習大変だったけど、ボクシング大好きでした。

金元トレーナーは、厳しさの中に、本当のやさしさがある最高のトレーナーだと僕は思います。いつか、金元トレーナーの教えている選手の中から、チャンピオンが生まれる日を楽しみにしています。

本当にありがとうございました。』

プロボクサー目指していた青年は、この手紙と共にジムから姿を消した。時折、思い出しては手紙を読む。きっと、頑張ってんだろうなァ。決して才能あるとは思えなかったが、ひたむきに頑張る素直な心を持った青年だった。

坂田健史選手は、そんな彼らの心をも受け継いでいるものだと、私は勝手に解釈している。

竹原慎二サウナスーツ館

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Divers eye ★王道の誇り 坂田健史 〔後編〕


「お前も少しはトレーナーらしくなって来たか」

大竹マネジャーには、変な励まされかたをした。

【坂田vsデンカオ・勝負の裏側】



「坂田、元気になってたよ!」(~~)

年明け初日。大竹マネジャーが実に嬉しそうに話し出した。神経すり減らして、坂田選手の事を考えている人だけに喜びが良くわかる。

「大竹のあんな顔はじめて見たよ」

「なんか電話しずらくてさァ」

TVで応援頂いた、OB、関係者の声が遠慮がちに入って来る。厳しい事言ったが、言う方も傷心だ。

「俺達は、勝ち負けで生きてるんだ。それを忘れちゃいけない」

強烈なプロ意識が目指す方向性を迷わせない。頑張らなくては。

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