何年前になるだろうか。ある練習生からの手紙を貰った。A4レポート用紙1枚に鉛筆書き。「金元トレーナーへ」と題された文章は、丁寧な文字で書かれてる。
『金元トレーナーへ
21日、親父の病気が再発してしまい、もう仕事が出来ない状態となってしまいました。長男である僕が支えてあげなくてはいけないので、家族の側で暮らそうと思います。
僕も突然で心の整理が出来ておらず、口ではうまく伝えられないと思い、手紙を書きました。出来れば直接にお渡ししたかったのですが、こんな僕に親切に御指導して下さった金元トレーナーに会わす顔が見つかりませんでした。
本当に、色々とありがとうございました。才能ないけど、練習大変だったけど、ボクシング大好きでした。
金元トレーナーは、厳しさの中に、本当のやさしさがある最高のトレーナーだと僕は思います。いつか、金元トレーナーの教えている選手の中から、チャンピオンが生まれる日を楽しみにしています。
本当にありがとうございました。』
プロボクサー目指していた青年は、この手紙と共にジムから姿を消した。時折、思い出しては手紙を読む。きっと、頑張ってんだろうなァ。決して才能あるとは思えなかったが、ひたむきに頑張る素直な心を持った青年だった。
坂田健史選手は、そんな彼らの心をも受け継いでいるものだと、私は勝手に解釈している。
「お前も少しはトレーナーらしくなって来たか」
大竹マネジャーには、変な励まされかたをした。
【坂田vsデンカオ・勝負の裏側】
![](https://stat.ameba.jp/user_images/52/1a/10128161476.jpg?caw=800)
「坂田、元気になってたよ!」(~~)
年明け初日。大竹マネジャーが実に嬉しそうに話し出した。神経すり減らして、坂田選手の事を考えている人だけに喜びが良くわかる。
「大竹のあんな顔はじめて見たよ」
「なんか電話しずらくてさァ」
TVで応援頂いた、OB、関係者の声が遠慮がちに入って来る。厳しい事言ったが、言う方も傷心だ。
「俺達は、勝ち負けで生きてるんだ。それを忘れちゃいけない」
強烈なプロ意識が目指す方向性を迷わせない。頑張らなくては。
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