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後がない陣営が選択したのが、”最強後楽園”日本タイトル挑戦者決定トーナメントだった。そんな、あきべぇ選手が自ら下した決断は萩原トレーナーとの再コンビ結成。「もう一度、お願いします」潔く頭を下げた。
「今日は萩原先生のボクシングで勝ちます!」
会場のライトが落とされる。両選手入場。「最初に青コーナーから中川大資(帝拳)選手入場です!」
後楽園ホールに”ヒーロー”が流れた。あの浜田剛史(帝拳)選手の入場曲である。これは気合入ってる。中途半端じゃこの曲は使えない。ヒーロー&浜田=初回KO奪取は伝説である。
そして、8日は中川選手31歳の誕生日。97年プロデビュー。しかし、4戦目で初回KO負け。一度はリングを離れた。6年の歳月を経てカムバックし、小野寺洋介山(オサム)選手に敗れた以外は全て白星。現王者沼田康司(トクホン真闘)選手に勝った星が光る。
「ディフェンス強化か、速攻で倒し切るのか」(ボクシング・ワールド誌)
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初回打って出るあきべぇ選手。当たればいきそうな良いパンチを打つ。しかし、フリは大きく、相変わらずガードは低い。シャープな右ストレート、アッパーで迎え撃つ中川選手のカウンターがヒット。足元が揺れるあきべぇ選手。その表情には恐怖が見て取れた。
「頑張れ、あきべぇ」
隣にいた宮田会長が思わず声を発する。「やっぱり体が覚えちゃうのかなァ」スタンド席ではそんな声がささやかれた。
「もっとガードを上げなさい」
あきべぇ選手はこの試合に備え新日本木村ジムへ出向き、氏家福太郎選手とスパーを重ねて来た。スパーを見守ったボクシング界の大先輩石井敏治先生は、悩めるKOボーイに手紙を認めてくれた。
「大竹さんごめんなさいね。よそのジムの選手なのに余計な事しちゃって」
「とんでもございません。こちらこそ、ありがとうございました」
ハードパンチとスピードをあわせ持つ好青年は、ジムの枠を超え貴重なアドバイスを頂いた。かつて、ゴンザレスにKO負を喰らった大熊正二選手に、「もうやめます」とは言い出させずに、「君はまだこれからだ」と諭し、再び世界王者へと導いた石井先生のアドバイスは、今のあきべぇ選手にとって重みがある。
2回、左ボディを打ち出したあきべぇ選手。長身中川選手の腰が折れる。これはいいパンチだ。
「あきべぇ、お前アメリカ行ってわかったんだろ。腹が大事だって。左ボディ使えよ」
全日本新人王獲得後、師弟コンビは米国へ渡った。現地スケジュールの段取りの悪さに萩原トレーナーが切れる一幕もあったらしいが、あのフロイド・メイウェザーとグローブを交える事が出来たあきべぇ選手。素晴らしい、飛び切りのボディ・ブローの凄さを思い知った。
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3回、左ボディはいいが返しの右フックは相変わらず大きい。試合は消耗戦の様相を呈して来た。勝負を決めたのは、ショートパンチ。マットに落ちる事は拒否したあきべェ選手であったが、たたらを踏んだ足元はおぼつかず、上体は大きく傾き、ロープに持たれる。
染谷レフェリーが割って入る。ナイスタイミング。止めのブローを貰わなかった事は幸いである。中川選手は、”ヒーロー”に恥じない戦いを見せてくれた。最優秀選手賞受賞。
「チャンピオンなれよ!」
リング上、大竹マネジャーはそう声を掛けたという。私も、ドクターに向かう中川選手に思わず声を掛けた。「おめでとう!」
「あきべぇ、これからどうしますかねェ」
急ぎ過ぎたと思う。ボクシングの幅を広げなければいけないポジションに就いた時、彼はその術を知らなかった。まだ組み立て直すことは出来る。ルイス・オカモト(相模原ヨネクラ)戦のボクシングを想い出してほしい。力ずくで倒せないと知ると、セコンドの指示通りボディから崩し、最終8回マットに沈めた。
リングサイドからは、毎ラウンドKOを催促する声が飛んできた。だが、「今日は勝つことが大事」と、KOをあせらせないアドバイスを送った大竹マネジャー。
「まだ倒しに行ってるもんなァ。スピードあるんだから、もっとジャブ使って、ボディ打って、じっくり崩していかないと。チャンス来たら、決めるパンチ持ってるんだからなァ。倒しに行って全部倒せるほど、甘くないよボクシングは」
新聞によると、あきべぇ選手は再起の意向らしい。「もう落ちる所もないし、意地もある」とは、好漢あきべぇらしい。
「ダニー・ロペスになれるかなァ」
信じられるトレーナーの許へ帰って来たならばそれも可能だろう。中川戦まで短い期間ではあったが、焦りを出さず、必死に組み立て改良に取り組んでいた萩原トレーナー。愚痴の一つも言いたい場面もあったろうが、そんなものはおくびにも出さず、選手の向上だけを考えて来た。
まだ23歳、時間はタップリある。師弟コンビは再結成されたばかりだ。”萩原先生のボクシング”で復活を見せてくれ。
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