階級アップ考察・名護明彦の場合 | BOXING MASTER first 2006-2023

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輪島功一選手の試合に感動、16歳でプロボクサーを志し、ボクシング一筋45年。ボクシングマスター金元孝男が、最新情報から想い出の名勝負、名選手の軌跡、業界の歴史を伝える。

WBC世界Sフライ級王者徳山昌守(金沢)選手から痛烈なダウンを奪うも2度目の世界挑戦実らずで、ジム移籍、階級アップで再スタートする事になった名護明彦(全日本P)選手。

1年2ヶ月ぶりの試合は、佐藤 修 (協栄)選手がウィリー・ホーリン(米)の持つWBC世界Sバンタム級王座挑戦のセミファイナル。02年2月5日、有明コロシアムであった。

Sフライ級から一気にSバンタム級へと階級アップの名護選手。ハワイで長い間スタンレー・イトウ先生の指導を受けた。途中、眼下底骨折というアクシデントはあったが、7勝(1KO)6敗という触れ込みのタイ選手相手なら楽勝だろうと考えていた。

「手ごろな相手だろ」(~~)

「勝ったらOPBFやるか」

景気のいい話が先行していたが、サーシャ選手とのマス・ボクシング見る限り大いに可能性ありだった。

トーンジャルン・オースワナシンは長身のタイ人。55.34キロのウェートを作るのはきつそうな感じ・・・。

第1ラウンド。何気に放たれたタイ選手の右ストレートで名護選手は痛烈なダウンを喫した。信じられないといった表情。照れ笑いも、足はガクガク効いている。瞬く間に2度目のダウン。ストップされてもおかしくない状況であったが、なんとかゴングに逃げ込んだ。



ダメージ抜け切らぬ第2ラウンド。再び倒されるが、ようやく落ち着いた。以後、反撃に移るも8回戦が仇となりジャッジ全員が75-76の判定負けを喫してしまう。

足とカンでパンチをはずして来た名護選手にとって、Sバンタム級の距離は違うものだった。長い間ボクシングをやって来ている名護選手の体は、Sフフライ級の距離をしっかり覚えている。絶対に届かない距離からの右ストレートのはずだったが・・・。



フェザー級から落として来たタイ選手と、Sフライ級上がりの名護選手。天才と言われた男は、このクラスの距離感を掴むのに時間を費やす事になる。

元世界王者ヨックタイ・シスオーを迎え、世界戦線への浮上を狙ったのは03年4月。直前の練習を見た新日本木村ジムの木村七郎会長はズバリ言い切った。

「仕上がったな」

試合前はフレディ・ローチ氏のワイルド・カードジムで、パッキャォ、バスケスら、そうそうたるメンバーとスパーを積んで来た名護選手。だが、試合ではまだ距離がつかめず、中途半端な試合となった。

再起の瀬藤幹人(協栄)戦では、ガードを上げロープにもたれ、相手に一方的に打たせる戦法。

「これじゃあ、ポイントみんな向こうだよ」

しかし、いきなりのカウンターを炸裂させ瀬藤選手を痛烈にマットに沈めた。この戦い方は、彼なりの距離測定法を考えた戦法だったのかも知れない。



日本ランカー木嶋安雄(角海老宝石)選手との一戦も同じ戦法を選んだ名護選手。だが、突進力の強い木嶋選手にはこのやり方は通じず、痛烈な罵声を浴びる結末となってしまった。

53.8キロまで絞った小林佑生(トクホン真闘)戦では、一転足とジャブで試合をコントロール。しかし、思い切りのいい踏み込みは見られなかった。未だ距離がつかめぬ名護選手。

04年12月ダウン経験無しの瀬川設男(ヨネクラ)選手から3度のダウンを奪った名護選手であるが、03年以降はKO無し。それでも、ようやく安定した戦いぶりになって来た。豪打復活は距離感の克服。

白石豊土(協栄)選手も同じである。フライ級で新人王戦に出ていた選手が、翌年A級トーナメントに出るのも異例なら、一気にバンタム級に上げるのもあまりない。

白石選手もまた、足とカンでパンチをはずす技術を持っている。試合でまともに打たせた事はない。ダメージないから8回戦やっても翌日練習に来る。大きな反省に包まれて。(~~)

身長163センチ。バンタム級で試合するなら入らなければポイント取れない。

「打たせなくたって、やっつけなきゃ勝てないんだよ」

「お前自分でバンタムにしたんだろ」

「つまんない試合して泣くなよ、みっともない。なんにもしないで・・・」

「ボクシング、向いてないんじゃないの」

試合後は痛烈な言葉を浴びせた。


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「ここで気が付かないと、上いけないよ」

「自分で変わってくれるしかないからな」

あれだけ言われて翌日練習には、チョッとニンマリ。(~~)

最近は距離の違い、理解したようです。ようやく上にいける練習するようになって来た感じ。

「高校の頃なんか、名護とか西岡にボコボコにされてたんだぞ修ちゃん」(~~)

「こっちも大変さァ~」(~~)

練習、努力で世界のベルトを掴んだ先輩は、ボクサーの良いお手本だ。やれば変われる。それには練習ですね。朝半分、ジム半分。

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