ラスベガスMGMグランド・アリーナのリングで歴史的勝利を挙げた石田順裕選手。米国では今や一番有名な日本人ボクサーといえるかもしれない。
09年8月、大阪でWBA世界Sウェルター級暫定王座を獲得するが、全国的知名度は今ひとつ。同級正規王座が、ユーリフォアマン(イスラエル)からミゲール・コット(プエルトリコ)の手に移ったかと思うと、何を思ったかWBAはコットをスーパー王者に格上げ。石田選手の願う王座統一戦はかなわぬものとなった。
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ビジネス面もちぐはぐとなり、10ヶ月ぶりのリングは、ようやくメキシコに決まる。対戦相手はメキシコ一の人気者サウル・”カネロ”・アルバレスの実兄リゴベルト・アルバレス。石田選手は7回に不覚のダウンを喫するも、インファイターアルバレスを上手くアウトボックスしたかに見えた。
しかし、判定は地元のアルバレスにあがる。不運な王座転落。
所属ジムとのゴタゴタもあり、「再起するにしても今のジム所属では戦わない」と語った前暫定王者は、アルバレス擁するカネロ・プロモーションとプロモート契約を結ぶ。代表は亀田兄弟のチーフセコンドでお馴染みのエディ・レイソノ氏。そしてこれが、大きなチャンスに結びつく。
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石田選手はロサンゼルスに住むルディ・エルナンデス氏と、日本人マネジャーノリ隆谷氏にサポートを依頼。カネロプロとオスカー・デラホーヤ率いるゴールデン・ボーイプロモーションは、サウルのプロモート権契約で合意に達する。
そして3月5日、カネロはG・B・Pの興行で空位のWBC世界Sウェルター級王座決定戦に挑み、リッキー・ハットン(英)の実弟マシューに大差判定勝ち。35万ドルのファイトマネーで、サウル・アルバレスは世界王座を獲得。
カネロプロがメキシコで知名度が上がった石田選手に、チャンスを与えようとしていたのは確かである。しかし、ことはすんなり進まず、紆余曲折を経て石田選手はラスベガスのリングに登場することが出来た。石田選手の再起、チャンスを第一と捉えた関係者の努力は計り知れない。
ゴールデンボーイ側からのオファーは2週間前。将来の王者候補、27戦全勝(24KO)の元世界1位ジェームズ・カークランド(米)の再起3戦目、世界ランク復帰戦の相手として白羽の矢が立ったのが、パンチのない35歳の元暫定王者だった。
8日神戸での3大タイトル戦でセコンドを務め、翌日早々のフライトでラスベガスへ飛んで来たエルナンデストレーナーの作戦は、「入ってくるから、長いリーチを活かした右カウンター狙い」。危険な戦歴を誇る強打者相手のカウンター作戦に石田選手は全てを賭けた。
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初回1分52秒、電光石火のKO劇。
「日本の被災地の皆さんに元気を与えられて良かった」
鮮やかな勝利を収めた日本人ボクサーが、震災被害者への思いを口にすると、観衆は大声援で応える。”ニッポン、ガンバレ”を演出して見せた石田選手は、僅か120秒ばかりの時間でその名を全米に轟かせた。リングを降りた石田選手は、ファンに囲まれサイン攻め。
カークランド戦はミドル級ウェイト。カネロプロ・レイソノ氏は試合後、「サウルとの世界戦は考えていない。ミドル級でセルヒオ・マルチスあたりとやらせたい」と語った。そして、それは実現しそうである。
全くの無名で終わろうとしていた元暫定王者が、全米にその名を轟かせた。石田選手が初回で相手を片付けたのは、この試合が初めてである。
「いや、人生どこでどう変わるか。わからないものですねェ」
「去年の今頃はラスベガス進出と言っていた長谷川選手は、今や進退を決めかねているんですからねェ」
「やっぱり、やり続けることでチャンスがやって来る。頑張ってましたからね」
”震災の国”日本からやって来たファイター。素晴らしい価値ある勝利でした。
毎日の”励み”に、応援よろしくお願い致します
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